2018 MOST WANTED ユーティリティーアイアンランキング
※項目は上から、DISTANCE(飛距離)、FAIRWAY %(フェアウェイキープ率)、SPIN(スピン量)、LAUNCH(打ち出し角)、BALL SPEED(ボール初速)
総合1位 テーラーメイドGAPR Mid
※「BALL SPEED 」 は時速マイルで表示されており、秒速メートルでは 59.6m/sとなる。
MyGolfSpyが評価した点
2018年の Most Wantedユーティリティーアイアンに選ばれたテーラーメイドのGAPR Midは、私たちが定めた主な測定項目において非常に優れたパフォーマンスを見せた。
GAPR Midは、テスト対象の中でボールスピードが最も速く、キャリーが最も安定しており、ばらつきが最も小さかった。飛距離、安定性ともに優れたユーティリティーアイアンを探しているなら、テーラーメイド GAPR Midを強くお勧めする。
GAPR Midの格別な打感は、テスターの間でも好評だった。
長所
・2018年のユーティリティーアイアンの中で最も優秀
・飛距離とやさしさを実現した中規模サイズのアイアンウッドスタイルのヘッド
・最も安定したキャリー
・ボール初速が最も速い
短所
・フェアウェイキープ率が他の上位クラブよりも少し低い
飛距離1位 テーラーメイド P790 UDI
※「BALL SPEED 」 は時速マイルで表示されており、秒速メートルでは 59.5m/sとなる。
MyGolfSpyが評価した点
テーラーメイド P790 UDIは、テスト対象の中で最長の飛距離を叩きだした。
P790 UDIは、テスト対象の中で打出し角が最も小さく(弾道が低く)、スピン量が最も少なかった。ヘッドが比較的コンパクトなので、標準的なアイアンを使用している人でも違和感なくユーティリティーアイアンに移行できるだろう。
長所
・ユーティリティーアイアン全体で飛距離が最長
・ストロークスゲインド値が1位
・最も低い打ち出し角度
・フェアウェイキープ率が2位
・スピン量が最も少なく、飛距離を伸ばしたい人に最適
短所
・ショットエリア(着弾範囲)が最も大きい
・キャリーの安定性がワースト3
安定性1位 ベンホーガンFt. Worth hi
※「BALL SPEED 」 は時速マイルで表示されており、秒速メートルでは 57.7m/sとなる。
MyGolfSpyが評価した点
高い打ち出しと多めのスピン量が特徴のベンホーガンFt. Worth hiは、方向安定性において優れたパフォーマンスを発揮したため、狭いフェアウェイ、長いアプローチショット、長いパー3に適していると言える。
Ft. Worth hiは、テスト対象の中でショットエリアが最も小さく、ボール初速が最も安定していた。テスターたちも、Ft. Worth hiの打感と操作性は素晴らしいとコメントしている。
長所
・ショットエリアが最も小さい
・キャリーの安定性が2位
・最も高い打ち出し
・フェアウェイキープ率が1位
短所
・総飛距離とストロークスゲインド値がワースト3
・他モデルと比べて万能さに欠ける
このテストについて
このテストは、バージニア州ヨークタウンにある完全に独立した我々のテスト施設で行われた。すべてのテスターはテストの一貫性を保ち、データの「ノイズ」を最小化するためにブリヂストンTour B-RXボールを使用した。ボールとヘッドのデータは、Foresight Sports GCQuad(計測器)で収集した。
・ショット数:2,548
・データポイント(着弾箇所):155,428
・テスト時間:60時間
・テスター:20人
・ハンディキャップ:2~15
・年齢:18~55才
・ヘッドスピード:38~53.6 m/s
・テスト対象クラブ: 17~19度(表示ロフト)のユーティリティーアイアン
調査記録
このセクションでは、クラブのスペックとデータに存在する可能性のある異常値について詳しく説明する。
・テスト対象には、「2番」と刻印された専用モデルが含まれていた。2番アイアンがないモデル(GAPR Mid、PING G400、Ft.Worth hi、Cobra KING)は、ロフト角が最も小さく、調節機能があればそれを活用してテストした。
・テスト施設で測定したロフト角は17度から19.25度の範囲で、平均測定ロフト角は17.79度だった。
・測定したライ角は58.75度から61度の範囲で、平均ライ角は60.1度だった。
・すべてのテスト対象モデルで、測定ロフト角と打ち出し角の間にはほぼ完全な相関関係があった。
・スリクソンZ U85はスイングウェイトが最大でD 4.2、全モデルの平均はD 2.29だった。
2018 MOST WANTED ユーティリティーアイアンのデータ
ユーティリティーアイアンを選択する理由
PGAツアーでよく見られるように、ユーティリティーアイアンはコースコンディションに応じて臨機応変に使われることが多い。プロがユーティリティーアイアンを選ぶのは、多くの場合全英オープンでよく見られる風の強い時や固く締まったフェアウェイに対処するためだ。狭いフェアウェイや長いパー3に対応する場合、飛距離よりも正確さと操作性を求める場面でも使われる。一部の人にとっては、ティーショットでユーティリティーアイアンを選択することがベストかもしれない。
一般的に言えば、ユーティリティーアイアンは、ティーからグリーンへのショットを場面に応じて打ち分けたいゴルファーのためにある。ユーティリティーアイアンは、ロフト角によってはロングアイアン(またはユーティリティーウッド)、フェアウェイウッド、そしてドライバーの代わりにさえなる。あなたのキャディバッグにユーティリティーアイアンを入れるべき理由はたくさんある。
最高のユーティリティーアイアンとは、飛距離、方向安定性、汎用性のバランスが良いアイアンだろう。
技術のトレンド
ユーティリティーアイアンの人気が高まっている証拠がいくつかある。確かに、消費者の選択肢はこれまで以上に多くなっているし、ツアープロでもコースコンディションによってはユーティリティーアイアンを準備していることは注目に値する。これは、ユーティリティー/ドライビングアイアン分野における技術進化の結果だろう。現代のユーティリティーアイアンは、「バターナイフ」と呼ばれたジャック・ニクラスの有名な1番アイアンではなくなっている。現在のユーティリティーアイアンは打ちやすく、ユーティリティーウッドの代わりとして、ウッドとアイアンのギャップを埋めるのに適している。
つい最近まで、ユーティリティーアイアンの大半が一体成型設計で造られていたが、複数の部品を使った中空ボディー設計または充填材を使ったキャビティー設計に移行している。PXG(今回のテスト対象外)やテーラーメイドが採用している充填材は、より速いボールスピードを生み出す薄いフェースを可能にすると言われている。真の中空ボディー設計は、フェースのたわみや反発を妨げないという前提で設計されたメタルウッド分野の技術を色濃く受け継いでいる。
ドライバーほど普及しているわけではないが、ユーティリティーにおいても調整機能を持つモデルは少しずつ増えている。コブラは、3年前に初めて調節機能付きのドライビングアイアンを発売した。テーラーメイドはGAPRシリーズに調節機能を採用しており、他のメーカーが追随することになるだろう。ゴルファーは、他のクラブと同様に、調整可能なホーゼルのダイアルを回してロフト角を調整し、レンチを回すだけで弾道を調整することができる。これにより、フィッティングと機能の選択肢がさらに広がる。
テスターからのフィードバック
テスターの中で最も評価が高かったモデルの一つが、Srixon Z U85ユーティリティーだ。打感と打音で1位になったZU85は、多くのテスターが「完璧なユーティリティー」であると感じた要素(外観、打感、パフォーマンス)を融合したモデルだ。テスターの半数以上が、このクラブを「お気に入りのクラブ」と評価した。今回1位に選ばれたテーラーメイドのGAPR Midも高評価で、外観と打感で上位に入った。またテスターたちは、GAPR Midの球を高く上げる能力を評価していた。
テストをすると、多くの場合各モデルに賛否両論があるものだ。テスターの半分があるモデルを好んでも、残り半分がそれを嫌うといった具合だ。テーラーメイドP790 UDIは、間違いなくそんな製品の一つだった。一部のテスターは、P790 UDIの打感と打音について嬉しい驚きがあったとコメントしたが、別のテスターたちは扱いにくいと評価した。テストにおいてハンディキャップが低い(上級の)ゴルファーは、そのタイトな輪郭が彼らが慣れ親しんだロングアイアンに似ているという理由で、このモデルを好んだ。
PING G400 Crossoverにも、賛否両論のフィードバックがあった。テスターの半分はその打感を高く評価し、多くのテスターがロフト角を大きく設定するとボールを上がりやすくなったとコメントしている。この評価は、特にヘッドスピードが遅めのテスターに共通していた。一方、相当数のテスターはまったく異なる感想を持ち、打音と打感を理由にこのクラブに低い評価を与えた。
ほとんどのテスターから否定的なフィードバックを受けたクラブの一つが、テーラーメイドGAPR Loだった。このテストにおける他のテーラーメイド製品のパフォーマンスを考えると、驚くべきことだ。テスターたちは、クラブが長すぎると感じており(測定すると40.125インチだった)、ライ角が垂直すぎるとコメントした。テストでは時に起こることだが、テスターは、MyGolfSpyが「平均以上のパフォーマンス」として分類するものと、自分たちの外観や打感についての評価を擦りあわせるのに苦労していた。
購入のアドバイス
選ぶべきユーティリティーアイアンは、どのように使うかによって変わる。ティーショットで使うのか、長いパー3を攻略するためか、あるいはティーからグリーンを狙う時に状況によって球筋を打ち分けるために使うのか、などだ。
他に考慮すべきポイントは、以下のとおりだ。
弾道
風に負けない球を打ちたければ、打ち出しが低いクラブ(P790 UDI、Exotics CBX、GAPR Lo)がおすすめだ。グリーンを狙う場合やフェアウェイを攻略するための信頼できるクラブが必要な場合は、ピンG400やベンホーガンFt. Worth hiのようなスピン量が多いモデルがいいだろう。様々な状況でバランスの取れたパフォーマンスを求めるなら、今回1位に選ばれたテーラーメイドGAPR Midがベストだろう。
長さ
ご存知の通り、クラブの長さはメーカー共通の尺度があるわけではない。これは認定フィッターの得意分野になるが、一人で買いに行くつもりならば長さは考慮すべき重要な要素だ。シャフトを少し長くすると飛距離が伸びる可能性があるが、その代わりに芯に当たりにくくなる。ボールが真っ直ぐ飛ばなくなるくらいなら、シャフトを長くする価値はないだろう。
シャフト
長さ同様、シャフト重量もそれぞれ違う。大半のシャフト重量は約80~85グラムだが、G400 Utilityは70グラムであり、P790 UDIとミズノFLI-HIには110グラムのスチールシャフトのオプションが用意されている。シャフト重量は、パフォーマンスに影響を与える。また、重量が極端に重い(または軽い)シャフトを使用すると、スイングウェイトの大きな変化を埋め合わせることなく非常に重い(または軽い)シャフトへ移行するのが難しくなるので注意したい。
調節機能
ユーティリティーアイアンに調節機能が必要であることを示す事例を挙げるのは難しいが、コースコンディションに合わせてクラブを調整したい、真面目な実験者タイプのゴルファーにはお勧めだ。調節可能なホーゼルを使うと、フェアウェイが硬くランが期待できる場合はロフト角を小さく(打ち出しを低く)、少し柔らかい場合はキャリーを最大化するためにロフト角を大きく(打ち出しを高く)することができる。
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