2019年は、ベティナルディゴルフにとって20周年を記念する年となる。これまでベティナルディは素晴らしい成果を上げ、世界でも最も優れたパターを世に送り出してきた。その間、3つのメジャー大会で勝利し、70人を超えるプロを勝利に導いてきた。これは、細部にまでこだわった、優れた技術の証しだ。
ベティナルディ、20年の軌跡
何かを20年間継続することは、「偉業」と言える。20年間仕事を続ける、結婚生活を続ける。20年間子育てをしたことのある人なら、この意味が痛いほど分かるだろう。20年間生きているだけで、傷みや学びがあるものだ。20年継続することは一種の功績であり、それ以降も続くなら「偉業」と言っても過言でない。
「常に、今が最も素晴らしい」といつか誰かが言っていたが、ベティナルディにとって2018年は非常に素晴らしい年だった。2018年、ベティナルディはツアーで躍進したのだ。フレッド・カプルスやマット・クーチャーなどのビッグネームが何年も前からベティナルディパターで勝利しているのは有名だが、フランチェスコ・モリナリがベティナルディパターで成功したこともブランドの人気に拍車をかけた。
2018年モリナリは、カスタムDASS BB0を使って自慢のパッティングを見せつけ、BMWチャンピオンシップで勝利した。ツアープロとして成功したモリナリは、地球上のどんなパターでも選ぶことができるが、彼はベティナルディを選び、BB0ブレードの恩恵を受けている。モリナリとベティナルディのツアーチームに賞賛を送りたい。
2019 ベティナルディパター
私は個人的にツアープロのパターをチェックするのが好きだが、まるで高級ギャラリーに飾ってある絵画のように、ツアーパターは我々のような一般人には手の届かないところにある。幸運にも買うことができる人もいるかもしれないが、ほとんどのゴルファーはベティナルディの既製品から選ぶことになる。しかし、既製品でも非常に魅力的なパターを揃えているのがベティナルディの素晴らしいところで、2019年もその方針は変わらないようだ。
それでは、新しいQueen BとStudio Stockシリーズを紹介しよう。
2019 QUEEN B パター
3種類のヘッド形状がすべてエレガントかつスタイリッシュな2019年のQueen Bシリーズは、2019-2020年のラインナップの中でも上品さと機能を併せ持っている。362gのバランスと安定性に優れたヘッド重量を特徴とし、すべてのQueen Bパターはベティナルディ氏の厳しい目で微調整される。ソフトカーボンボディー全体を削った「マイクロ・ハニカムフェース」が、インパクトで敏感に反応する打感を生み出し、同時にゴルファーが好むベティナルディ特有のクラシカルな外観を保っている。また、深く掘られたティファニーブルーのグリップとクラブに似合うヘッドカバーがついており、Queen Bシリーズはあらゆるゴルファーにとって理想のパターに仕上がっている。
では、Queen Bシリーズは発売からどのように変化してきたのだろうか。2015年の発売当初、Queen Bパターは当初女性ゴルファーをターゲットとしていたが、その後男性にも広がって行った。初期のQueen Bパターは、性別を超えて多くのゴルファーの興味を集めたのだ。パターが性別を問わないなら、ゴルファーがそれを気にする理由はなくなる。
2019年のQueen Bラインは、3モデルから選ぶことができる。レフティーであれば、QB6はお勧めだ。
新Queen Bのスペックと私の感想は以下のとおりだ。
2019 QUEEN Bのスペック
・ヘッド重量:362g
・素材:ソフトカーボンスチール
・仕上げ:シャンパンシルバー
・フェースミーリング:マイクロハニカム
・ライ角/ロフト角:70°/3°
・クラブ長:33~35インチ
・右用(QB6は左用もあり)
・トゥハング:1/2
・グリップ:ラムキン コード(ティファニーブルー)
・グリップオプション:標準/ジャンボ
・小売価格:400ドル
QB5
2019年のベティナルディのカタログを見ていて、真っ先に目に飛び込んできたのが「QB5」だった。私はワイドボディーのブレードパターに目がない。パターが届いて構えてみると、ヒールからトゥの短さに驚いた。実際に測ってみたら、やはりBB0より1センチ以上短く、フェースからフランジまでは6ミリほど幅広であり、全体的にヘッド形状は独特だ。
QB5の打感には重厚感がある。素材はカーボンスチール製だが、「グシャッ」ではなく「ズシッ」という感じだ。バックフェースのキャビティーは小さくて浅いが、フェースはかなり頑丈なので、この打感になるのだろう。
QB6
QB6は、Queen BシリーズのBB1という感じだ。QB6は2015年に発売されたオリジナルモデルの一つであり、2017年モデルにはなかったが、2019年モデルで復活することになった。ベティナルディは、2017年に限定でカパーフェースパターをリリースしたため、その年はQB6を見送ったのだ。
もし、ボールに対しスクエアにセットでき、真っ直ぐスイングできるパターを探しているなら、QB6はおすすめだ。前述のとおり、レフティーにも対応している。
今回も2年の発売サイクルを守ってリリースされることもあって、2019年はQueen BとStudio Stockの年になるだろう。2018年のBBシリーズとiNOVAiシリーズはあと1年販売されるが、2020年に新モデルが出るはずだ。これだけのラインナップが揃っているので、2019年のベティナルディのパターカタログは、かなり見応えがある。
QB10
私はラウンド型のパターが好きではない。私はパターというクラブ自体が好きなので、嫌いと言えば言い過ぎなのだが、ラウンド型のパターでは上手く構えられないのだ。私の場合、アドレスではスクエア型が勝るので、QB10でも同じだと思っていた。
しかし、それは間違いだった。
QB10は2019年モデルの中でも私のお気に入りで、ぜひ使いたいと思っている。特徴を上手く伝えられないのだが、トゥハングが増えたことと、キャビティーが四角いのでアドレス時にスクエアに構えやすくなっていることだと思う。何はともあれ、このラウンドパターは私のストロークに上手く調和し、狙ったところにボールを運んでくれる。
正直なところ、これまでの自分のパターの好みや概念が覆されたように感じがして、少し戸惑いもある。今回、「絶対」はありえないと改めて実感した。
2019 STUDIO STOCKパター
ロバート・ベティナルディ氏は、2019年のSTUDIO STOCKラインナップを見直し、303ステンレススチールを精巧な削り出し、高級感あるプラチナム仕上げを施した5つのパターに絞り込んだ。各モデルはすべて手作業で研磨され、はっきりしたアライメントラインや、全体的に深く削った跡が特徴的な外観が美しい。ツアープロから聞いた話によると、さらに柔らかい打感を出すため、ベティナルディ氏はフェースを20%深く削ることにチャレンジし成功したという。これらに、ネイビーブルーのラムキンのディープエッチコードグリップと、それに合うベルクロのヘッドカバーがつく。
もしかすると、最初は2019年のStudio Stockが前モデルの焼き直しに見えるかもしれない。前回リリースされたSS2とSS28に関してはそういう面もあるが、Studio Stockシリーズを良く見ると、適切な改良がなされていることが分かる。
最も大きな改良は、素材をカーボンスチールからステンレススチールに変更したことだと思う。ステンレスに変更したことでパターの耐久性を高めている。ステンレススチールは、軟らかいカーボンスチールと違って、簡単にへこんだりしない。また、ステンレスに変えたのは、ベティナルディがフェースを20%深く削るためにも必要だった。カーボンスチールは柔らかいため、これに耐えられない。
最後に、Studio Stockの素材がステンレスへの変更されたことにより、ベティナルディパターがカーボンよりステンレスの打感を好むゴルファーの選択肢に入ることになる。
それでは、2019年Studio Stockシリーズのスペックを紹介しよう。
2019 STUDIO STOCK スペック:
・重量:358g(Armlock SS28:400g)
・素材:303ステンレススチール
・仕上げ:プラチナ
・フェースミーリング:F.I.T. Face
・ライ角/ロフト角:70°/3°
・クラブ長:33~35インチ
・右用
・トゥハング:SS28, SS:1/4、SS28 CS:1/2、SS38:1/8
・グリップ:Lamkin Cord(ネイビーブルー)
・グリップオプション:標準/ジャンボ
・小売価格:450ドル
SS2
一見、SS2はStudio Stockシリーズの中で最も伝統的なデザインに見える。しかし良く見ると、SS2と他のヒール&トゥウェイト型のブレードとを区別するデザイン要素がいくつかあるのが分かる。
クランクネックは前モデルから引き継いでいるが、ネックの位置に特徴がある。SS2のネックはパターの中央付近にあり、その結果SS2はネックがヒール寄りにある標準的なパターに比べて少しトゥハングが少ない。つまり、SS2はBB1ほどスイングアークが強くならないという意味だが、その代わりにストロークがストレートの人には有利に働く。前モデルよりキャビティー側に配置されたネックは、私にとって最も大きな変化だった。
SS28
SS28も見た目は前モデルと似ているが、いくつかの改良が加えられている。今回は、SS28シリーズの全モデルに、トレーリングエッジの中央部分から取り除いた金属を表す「Slotback」のタイトルが与えられている。一般的に、パター製造においては、中央部分から素材を取り除くと、それはヘッドの周辺部分に再配置される。これがMOIを向上し、パットの安定性を高めるのだ。
SS28にも、アームロックやヒール寄りのシャフト、センターシャフトなどが用意されており、Studio Stockシリーズの中では万能なパターと言えるだろう。
SS38
SS38は、フェースバランスタイプのラウンドマレットを求めるゴルファーに最適な、Studio Stockの新しいモデルだ。厚みのあるトップラインや、後部が湾曲した形状が評価されると思う。
SS38は、特にスラントネック型やディープハンギングのQB10と比較して、伝統的パターの雰囲気を持っている。あらゆるタイプのゴルファーのニーズを満たすと思うが、控えめに言っても私には合わなかった。私にはストロングアークのQB10が合っているが、SS38のほうが自分のストロークに馴染むという人もいるだろう。結局、私は「ラウンドパター派」には入れないようだ。
発売は来年1月
残念ながら、Studio StockとQueen Bシリーズは来年1月の発売まで待たなくてはならない。2019年1月19日、世界中のショップにベティナルディパターの新作が並ぶ。1月後半ということは、クリスマスや年末イベントで散財しても、まだ少し時間的余裕がある。その頃にはQueen BとStudio Stockの発売準備が整っているはずだ。
それまでの間、下に載せた写真を楽しみながら待ってもらいたい。
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