1ラウンドで、フェアウェイウッドを使うのは何回くらいだろうか?
2回?それとも3回?
私のゴルフ仲間で「パー5では5番ウッドが一番の武器になる」という人がいるが、多くの場合、狭いロングホールやどの番手で打てばいいか迷う状況で、ドライバーの2番手と言えば「3番ウッド」だ。コースによるが、このような状況では間違いなくフェアウェイウッドを使うだろう。
とはいえ、フェアウェイウッドはいつもドライバーというメインイベントの前座でしかない。もちろん、フェアウェイウッドが得意なら話は別だが。
最近では、今週PXGやテーラーメイドがドライバーに続いてフェアウェイウッドやユーティリティーを発表した。
今日紹介するキャロウェイEpic Flashも同じシナリオだ。ご想像通りメインはドライバーだが、キャロウェイはフェアウェイウッドでも確固たる地位を築いており、注目を浴びている。
RogueとRogue Sub-Zeroは「2018 Most Wantedフェアウェイウッド」で2位タイにつけており、初代Epicに関しては2017年に単独で1位を獲得している。
2019年モデルとして、キャロウェイはEpic Flashをどんなクラブに仕上げたのだろうか?
そして、なぜ2つのモデルを掛け合わせたのだろうか?
EPIC + ROGUE = EPIC FLASH
フェアウェイウッドにも採用された「ジェイルブレイク」はキャロウェイRogueのメインテクノロジーであり、その技術は「Most Wanted」でも証明された。
その証拠に、Rogueはボールスピード、キャリー、トータル飛距離で1位、ボールの分散においては4位だった。上手く使いこなせば、武器になるクラブだ。
しかし、これらのパフォーマンスに対しRogueに欠けていた基本的な要素が2つあった。それは、「調節式ホーゼル」と「可動式ウェイト」だ。
2017年モデルのEpicにはジェイルブレイクは搭載されていなかったが調節式ホーゼルはあり、Epic Sub Zeroには調節式ホーゼルと可動式ウェイトの両方が採用された。
2019年モデルでは、ジェイルブレイクと調節式ホーゼルの両方が手に入る。Sub Zeroには可動式ウェイトもある。
それに加えて、キャロウェイのユニークさを引き継ぐフェアウェイウッドも同時に購入できる。「ユニークさ」とは、設計と開発の観点からゴルフを変える「Flash Faceテクノロジー」のことだ。これらをすべて統合すると、キャロウェイが「ボールスピードマシーン」と呼ぶクラブが誕生する。
不可能を可能にしたFLASH
「Flash Faceテクノロジー」というと、機械的で未来的な、ターミネーターのような技術に聞こえる。
キャロウェイは人間であるエンジニアを使わず、フェースの設計や分析、再設計にスーパーコンピューターを駆使し、エンジニアが自力では思い付かない設計を編み出した。人口知能(AI)と機械学習が、Epic Flashドライバーとフェアウェイウッドのフェースを生み出したのだ。
ドライバーは「リップルタイプフェース」(波のようにフェースの厚みが場所によって異なる)を特徴としているが、フェアウェイウッドのフェースはそれとは少し異なる。
「上の図では、フェース厚の違いを色で識別することができる。赤いリングは最も厚い部分であり、赤に隣接して薄い部分が存在する。特に薄い部分はフェースの底部だ。」(キャロウェイ開発部門上席副社長 アラン・ホックネル氏)
Epic Flashドライバーのフェース設計がフェアウェイウッドと異なる理由はいくつかある。
まず、当たり前だがフェアウェイウッドはティーグラウンドと芝のどちらからも打つクラブだ。また、フェアウェイウッドのフェース素材はチタンではなくカーペンター455スチールで、フェースはかなり小さく、形状も異なる。
「フェアウェイウッドでは、厚い部分と薄い部分があるリップルタイプと同じ効果は得られない。しかし、同様の原理を採用している。中心から右側が比較的薄く、一度厚くなるがフェースの周辺に向かうほど再び薄くなる。そして厚みの変化の境目をはっきり表すのが、フェースの最も厚い部分を示す赤いリングだ。」
「ジェイルブレイク」と「ハイパースピード・フェースカップ・テクノロジー」が融合すると、キャロウェイマーケティング部門のいう、EpicとRogueを掛け合わせた「ターボチャージャー搭載」の新作が生まれる。
「努力が実を結んだ。」とホックネル氏は自信を見せる。
「芯にヒットした時のボールスピードが速いのはもちろんのこと、フェースの底部に当たってもボールスピードは落ちない。何人かのツアープロがすでに暴露しているが、フェースのどこに当たってもボールスピードが保たれることが最大のメリットだという。」
FLASHの適応力
キャロウェイが昨年Rogueフェアウェイウッドに調節機能を採用しなかった理由の一つは、重量だ。
前回のOptiFitホーゼルは確かに重かったため、それをやめることで重量を軽くし、重心位置(CG)を低くすることに成功した。Epic Flashの開発に向け、OptiFitの「脂肪吸引」を行うことでOptiFit 3が生まれた。
「新しいOptiFitは、ホーゼルの構造自体がホーゼルから重量を取り除くように設計されている。また、ホーゼルとヘッドの両方から素材を取り除くことにより、ヘッドとのバランスが取れるような重量設計がなされている。」
新OptiFitホーゼルは明らかに前モデルより短く、11グラムも軽い。重量を1か所を減らせば、別の場所に重量を再配置することができる。
Epic Flashでは、重心位置がRogueと同じくらい低いことに加え、オリジナルのEpicの調節機能も加わるという。
ここで重要なのが、新OptiFit 3ホーゼルは前バージョンと互換性がないことだ。もし初代Epicのシャフトが気に入っていても、Epic Flashのヘッドには合わない。取り付けるにはアダプター(スリーブ)を交換する必要がある。
Epic Flash Sub Zeroには、16gと2gのソールウェイト1組が付属する。これらのウェイトは各々の望む弾道を生み出すだろう。
前方に重いウェイトをセットすると低スピンで低い弾道、後方にウェイトを配置すれば打ち出しが容易になり、高い弾道になる。
スペック・価格・発売予定
Epicフェアウェイウッドは、3+W (13.5度)、3W (15度)、5W (18度)、Heaven (20度)、7 W (21度)、9W (23度) 、11W (25度) まである。3+W、9W 、11Wは右利きのみ。すべてマイナス1度からプラス2度まで調節可能。
Sub Zeroは3+W、3W 、 5W(ロフト角は前述のEpicと同じ)で、同様の調節機能を持つ。3+Wと3Wにはレフティー用が用意されているが、5Wは右利き用のみ。
オリジナルシャフトは、Project X EvenFlow Green 40(Project Xのウェブサイトには載っていない)、HZRDUS Smoke、三菱 Tensei AVの3種類だ。
オリジナルグリップは、Epic Flash専用でグリーンのリマインダーエッジが特徴のGolf Pride Tour Velvet ALIGN。
このALIGNグリップと調節式ホーゼルの組み合わせはナンセンスだと思うかもしれないが、キャロウェイのOptiFitホーゼルは、ロフトを調節してもグリーンのリマインダーエッジが適切な位置になるように設計されている。
価格は1本299.99ドルで、PXGやテーラーメイドから今週発売されたフェアウェイウッドと比べると安い。発売は2月1日だ。
APEXハイブリッド
フェアウェイウッドがドライバーの前座なら、ユーティリティーは赤毛の継子だろう。キャロウェイApexユーティリティーは比較的楽に球が上がるが、意図的に上級者をターゲットにしている。
Rogueユーティリティーは中級者向けの「ミニフェアウェイウッド」だったが、Apexユーティリティーはそのスタイル、性能、操作性を見るとロングアイアンの代替と言えるだろう。
2019年の Apexユーティリティーは、新Apexアイアンに合うようにわずかに改良されている。最大の改良点は「ジェイルブレイクテクノロジー」だ。これには驚いた。
フェースカップテクノロジーとカーペンター455スチールフェースがそろえば、新Apexユーティリティーは必要な要素をすべて備えていることになるが、ゴルファーが今使っているアイアンからスムーズに移行できるように設計されているという。
「キャロウェイの他のユーティリティーは、高打ち出し、低スピン、優れた飛距離性能という意味で、フェアウェイウッドをスケールダウンしたような感じだ。上級者をターゲットにするにあたって、アイアンのような弾道の安定性が必要だった。つまり新Apexユーティリティーは、他のユーティリティーよりスピン量が多いが、キャロウェイのスピードテクノロジーを活かせるクラブということになる。」
Apexユーティリティーは、キャロウェイの他の中級者向けユーティリティーよりわずかにフラットなフェースとフラットなライ角が特徴であり、フックが出やすいゴルファーの弾道をニュートラルに戻してくれる。
Apexユーティリティーは18度、20度、23度、26度(古い言い方をすれば2番から5番)。2番と5番は右利き用のみだ。
Apexアイアンから継承しているのが、標準シャフトのTrue Temper Catalystだ。True Temperによると、従来のカーボンシャフトよりスチールシャフトの性能を強めたシャフトだという。オリジナルグリップは、Golf Pride Tour Velvet 360だ。
新Apexユーティリティーの価格は比較的高めで269.99ドル(ちなみに新PXG ユーティリティーは379ドル)、1月25日より販売が開始される。
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