タイトリストのTSドライバーについては以前にも紹介しているので、記事を読んだ方はTSの内容はすでによくご存じだろう。TSフェアウェイウッドの技術的な特徴はドライバーとの共通点が多いので、説明の時間が省けそうだ。
TSフェアフェイウッドは、ドライバーと同様「スピードシャシー」を採用している。917シリーズより27%も薄肉のチタンクラウンを実現、これによりスピード性能が向上するだけでなく、軽量化と最適な重心設計によってMOIが11%向上するという。
個人的にはフェアウェイウッドのMOIをそれほど重要視していない。低いMOIを勧めているわけではないが、フェアウェイウッドを使いこなせるゴルファーにとっては、前重心(および比較的低いMOI)のほうがうまく機能するという意見もあるようだ。
私たちが行ったテストでは、MOIと扱いやすさの間に有意な相関関係はみられなかった。このテスト結果から導かれる最良のアドバイスは、もし自分にとって最適なフェアウェイウッドを見つけたら、それを使い続けるべき、ということだ。パフォーマンスの向上がはっきりと認められるフェアウェイウッドを見つけるまでは、そのほうが得策だろう。
継承されたアクティブ・リコイル・チャンネル
TSドライバーとの相違点は、アクティブ・リコイル・チャンネル(ARC)を継承させ、それを進化させた点だ。今回のARC 3.0はこれまでの2.0と比べて高さが増し、ボールスピードを維持する性能が向上した。特にフェアウェイウッドでありがちな、フェースの下部でのオフセンターヒット時にも効果を発揮する。
ドライバーと同じく、TSフェアウェイウッドにも2つのモデルが用意されている。
TS2フェアウェイウッド
タイトリストによると、TS2はこれまでのタイトリストのどのフェアウェイウッドとも違う「爆撃手」的なモデルだという。高い打ち出し角と想像を超える飛距離を可能にする、やさしいフェアウェイウッドだ。
タイトリストはTS2を「ミッドスピン」とはしていない。多くのゴルファーはロースピンを求める傾向があるが、タイトリストはTS2のスピン量を、パフォーマンス向上のために求められる「最適化されたスピン」としている。フェアウェイウッドでは超低スピンは不要で、最も重視されるべきは「扱いやすさ」だ。
TS2はトラディショナルな外見のTS3とは対照的に、モダンな形状だ。販売されるロフト角は13.5度、15度、16.5度、18度、 21度。21度は右利き用のみだ。
TS3フェアウェイウッド
TS3は917 F2の代替モデルである。ディープフェースで、ティーショットを3Wで打つゴルファーに向いている。TS2と比べて低スピンで、弾道も低く設定されている。
TS3ドライバーと同様に独自の重心調整機能SureFitが搭載されているので、適切にフィッティングすれば、各ゴルファーのインパクトポジションに合わせた重心調整が可能で、ボールスピードの向上が期待できる。
以前のF2の経験から、タイトリストはロフト角を増やす方向だ。TS3のロフト角は13.5度、15度、16.5度、18度で、13.5度は右利き用のみだ。
両モデルともに体積は175ccで、SureFit ホーゼル調整機能を搭載している。ロフトとライを別々に調整することができる。
標準シャフト
シャフトのラインナップはドライバーとほぼ同じであるが、どれも平均で10gほど重くなっている。
・Kuro Kage Black Dual Core 55(高打ち出し/ミッドスピン)
・Tensei AV Blue 65(中打ち出し/ミッドスピン)
・HZRDUS Smoke Black 70(低打ち出し/ミッドスピン)
・EvenFlow 75(低打ち出し/ロースピン)
あなたに最適なモデルは?
タイトリストによると、TSフェアウェイウッドを選ぶにあたって、ドライバーを参考にするのは避けるべきだという。
「洋服を選ぶようには選んでほしくない。TS2ドライバーが自分に合ったからといって、TS2フェアウェイウッドも合うとは限らない。ドライバーとフェアウェイウッドでは求められるものが違うからだ。」(タイトリスト ウッド開発部門ディレクター ステファニー・ラトレル氏)
例えば、ドライバーではスピンを減らし、フェアウェイウッドではボールを高く上げたいと思うゴルファーは多い。個人的に後者はあまり問題ではないと思っていたが、フィッティングしたところ、私に合うのはTS3ドライバーとロフト角13.5度のTS2フェアウェイウッドであることがわかった。
他のクラブ同様、きちんとフィッティングすることをお勧めしたい。もし無理であれば両方を試してみて、あなたがフェアウェイウッドに求める条件を満たすモデルを選んでほしい。
TSフェアウェイウッドは現在、試打が可能。発売開始は2018年9月29日で、小売価格は299ドルだ。
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