数週間前、読者の皆さんに毎年恒例のゴルフボールアンケートをお願いした。ボールの好みや、購入する際の習慣、さらにどれくらい友人にそのブランドを勧めたいかなど、多岐に渡る質問に答えていただいた。アンケート結果から、消費者の認識と市場傾向のより良い理解につなげられるのではないかと期待している。
今年のアンケート協力は10,680件以上にも上った。それでは、興味深いその内容を公開しよう。
ゴルフボールを購入する際の習慣
アンケート調査から、読者の大半が年間26〜55ラウンドをしていることがわかっている(26〜40ラウンドが最多数)。これらのプレー頻度はゴルフボールの購入にどのように関係するのか?
・最も割合が多かったのが、年間5〜6ダース
・メーカーが「ゴルフボール1年分をプレゼント」する際、通常6ダースであるのはこれが理由だろう
・年間購入数が4ダース未満の人は、ラウンド数も少ないと思うが、少なくとも7ダース以上必要とするだけ豊富にラウンドできる人はうらやましい限りだ(私は週末プレーヤーだが、ほぼ同じ数のボールを使っている)
年間購入数がわかったところで、どんな種類のボールが好まれているのか見てみよう。
・大半の人(85%)が、ウレタンカバーボールを使用していることがわかる
・アイオノマーの愛用者は13%未満
・市場全体では、ウレタンボールの売上が約55〜60%を占めている。
・ウォルマートやアマゾンのような新興ゴルフショップは市場データに含んでいないため、安価なアイオノマーが従来のゴルフショップで売れる数を上回る可能性も十分にあることも念頭に置かなければならない。
次はどこで購入するかに関する質問だ。
・インターネットと大型店舗での購入が大半を占める
・オンライン(ゴルフ専門小売店)は17%弱だが、それとは別にアマゾンが5%を占めている
・プロショップで購入する人は減っているように見えるが、コースのショップで取り扱われないブランド(メーカー)にとっては市場を奪うチャンスになるだろう。
まず、1ダースに50ドル以上を払うのは、おそらく間違いだろう。20ドル未満も、間違いと言っていいだろう。
・ウレタンカバーボールが普及していることを考えると、40~50ドルが妥当だ
・最も多いのは、30~40ドルだった
・1ダース30~40ドルは、DTCブランドや主流メーカーのバルク価格設定(大量購入)で可能な価格
・バルク購入でのDTCボールなら30ドル以下も不可能ではない(在庫が許す場合)
指標として年間6ダースを使用すると、プレミアムボールと30ドル未満のディスカウントボールの年間合計コスト差は100ドルに満たないという見方もできる。100ドルで数ラウンド余分にプレーできるという意見も理解できるが、見ての通り安価なボールは実際には劇的に安いわけではないことがお分かりいただけるだろう。
購入決定に影響するのは?
「ブランドの評判」が平均でトップ、「価格」や『MyGolfSpy BallLab』がその後に続いたことはそれほど驚きではない。「ツアー使用」という回答は、MyGolfspy読者というよりも、全ゴルファーの意見を反映しているように思う。詳細を説明しよう。
・「ブランドの評判」を「最も重要な要素」として選んだのは全体の30%
・「ツアー使用」が「最も重要な要素」と答えたのは4%未満にすぎない(2番目に選んだのも7%だけ)
・「色/パターン」は20%以上の割合でトップ3に選択されている。これは大きな要因ではないが、ゴルファーが多くのオプション(選択肢)を求めていることがわかる
・『MyGolfSpy Ball Lab』が「最も重要な要素」と回答したのは23%で、回答者の66%が三番以内に重要と選んでいる(「ブランドの評判」や「価格」と同じ)
ゴルフボールに求めるものは?
加重平均*を測定方法として使用すると、多かれ少なかれ結果は私が期待する(そして望む)ものになる。しかし、落とし穴は細部に宿るものだ。
*加重平均とは、各データに重みづけをして計算する平均値
・「打感」は加重平均法では3番目にランクされているが、実際には、「最も重要」な特性と選んだのは26%と最も高い割合だった
・因みに、「打感」を4番目に重要と回答したのは22%(やさしさが次)。これが示すのは、「打感」を一番に気にするか、まったく気にしないかのどちらかに分かれるということ
・「ドライバーの距離」は、回答者の70%近くが3番以内に選んだ
・40%以上が最も重要でないのは「やさしさ」だと回答した
・「グリーン周りのスピン」は驚きの4番目に入っている。実際、ボールの話題があがる度に「スピンがもっと欲しい」という話はよく聞く。もしかしたら、欲を言えばという話なのかもしれないが
ボールの色は重要?
総合的に考えてゴルフボールの色、パターンなどはほとんど重要ではないが、カラーボールの人気が停滞しているわけではない。
・16%以上が黄色いボールを最も頻繁に使うと報告している
・市場に増えているパターンボールを使用しているのは、全体の4%弱
・パターンボールを製造していないメーカーは(タイトリスト、ブリヂストン、スリクソン)、競合他社にシェアを譲っていることになる
好きなゴルフボールブランドは?
・ボール界の「#1 Ball in Golf」として君臨する「タイトリスト」の立場を考えれば、このブランドがチャートのトップを独走するのは容易に予想でき、75%が昨年タイトリストボールを使用したというのも納得の結果である
・「テーラーメイド」が2位にランクしたのは驚きだったが(私の予想は「ブリヂストン」)、特にウレタンカテゴリーでの地位を固めていることを示唆している
・DTCブランドの中では、「スネル(Snell)」が「バイス(Vice)やコストコ「カークランド(Kirkland)」と共に人気があり、約5%リードした
・最も好きなボールとして「タイトリスト」が(再び)選ばれたのは驚きではない
・「ブリヂストン」と「テーラーメイド」は、12%弱だがその差はわずか0.1%
・「スネル(Snell)」はDTCブランドを牽引しており、4番目に回答数が多かった
この質問では、羅列した各ブランドを人に推薦する可能性がどの程度あるか尋ねた。グラフには、回答の加重平均が表示されている。スコアが高いほど、友人や同僚にそのブランドを勧める可能性が高いということになる。
興味深い洞察がデータから読み取れる。
・全体の51%が、「タイトリスト」を推薦する可能性が「非常に高い」と答えた。可能性が「高い」と選んだのは32%。「タイトリスト」を勧める可能性は「非常に低い」と答えたのはわずか2%だった
・「ブリヂストン」(22%)と「テーラーメイド」(21%)は、推薦する可能性が「非常に高い」と回答された割合が2番目と3番目に高かった
・キャロウェイに関しては、勧める可能性が「非常に高い」と「非常に低い」がほぼ同じ割合(+/- 10%)となった
・DTCブランドの中では、推奨する可能性が「非常に高い」と答えた割合が「スネル(Snell)」18%、「バイス(Vice)」6.5%と約3倍の開きがあった
・最も多く推奨する可能性が「非常に低い」と回答された(32%)ブランドは、「オンコア(OnCore)」だった。それが馴染みないブランドのせいか、性能なのか、それともマスターズでのウェイン・プレーヤー(元PGAツアーのプロ、「OnCore」ゴルフアンバサダー)の愚行からの反動なのかは明らかではない
最後に、ゴルファーが“愛用するボール”を推薦する可能性をより詳細に調べた。今回は、「各ブランドを推薦する可能性がどれほどあるか」ではなく、「あなたの愛用するボールを推薦する可能性がどれくらいあるか」を(1から10のスケールで)尋ねた。これは、「ネットプロモータースコア(NPS)*」として知られている。
「ネットプロモータースコア」とは、顧客ロイヤリティのことでブランドに対する信頼度や愛着を示す指標
この質問には、愛用するボールブランドに関するアンケートの回答を参照した。かなりマニアックな質問だと思うが、結果は非常に興味深い。
一般的に、ここに挙げたDTCブランドは、NPS(ネットプロモータースコア)が非常に高く、9〜10の評価の割合が最も高く、7〜8や0〜6の評価の割合が両者とも低い。
・「オンコア(OnCore)」は、上記チャート内のどのブランドより回答の割合が低かったが、調査ではどのブランドよりもNPS(77%)が高い
・「スネル(Snell)」(76%)は2番目で、0〜6を選択した割合がどのブランドよりも少ない(2%)
・「バイス(Vice)」(68%)も後に続くが、3%の人が0〜6を選んでいる
結論として、これらのDTCブランドをお気に入りのボールブランドとして挙げる人は少ないものの、使っている人は非常に忠実であり、迷うことなく他人にも薦める傾向があることを示唆している。
メジャーゴルフブランドの中で:
・「タイトリスト」は、全体的なNPSが最も高い(60%)。9〜10の評価の割合が最も高く(67%)、7〜8の割合が最も低く、ブランドの曖昧さがほとんどないことを示している
・「ブリヂストン」も、9〜10と回答した人が多く、0〜6が非常に少なく、そして全体的に高いNPSでテーラーメイドを上回った
・「スリクソン」のNPSはトップブランドには及ばなかったが、メジャーブランドの中では最も0〜7の割合が少なかった(7%)
あなたの考えは?
さて、この結果を受けてどのように感じただろうか?新たな発見はあっただろうか?ぜひコメントしていただけるとありがたい。
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