2021年「初級者向けアイアンランキング」 ～最高に安定したアイアン～

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MyGolfSpyでは、独自で公平、そして客観性に基づいたテストを実施しており、皆さんはより信頼を持って購入を判断することが可能だ。2021年『Most Wanted初級者向けアイアン』は、既製品の購入者やフィッティングをする前に情報を手にしておきたい人にとって、欠かすことのできないものとなるだろう。

ハイハンディキャップのみんな、注目だ！

『初級者向けアイアンランキング』の優勝アイアンはトータル飛距離でみなさんに衝撃を与えているわけではない。各モデルとも「一貫性」に特化している。

では深堀して行こう。

2021年初級者向けベストアイアン：コブラ「FMAX AIRSPEED」

間違いなく、これまでで「最高に安定したアイアン」と言えるコブラ「FMAX AIRSPEED」が、2021年の『初級者向けベストアイアン』となった。

その内容は以下の通りとなっている。

・ストロークス・ゲインド：1位

・トータル飛距離：2位

・寛容性：9位

ご覧の通り、コブラ「FMAX AIRSPEED」はテストしたモデルの中では飛ばないアイアンではあるが、「ストロークス・ゲインド部門」では圧倒。競合に約0.20の差をつけた。これは1位と2位のポイント差としては相当なもの。もしアイアンに「安定性」を求めているなら、このクラブで決まりだろう。

パフォーマンス評価

下記は、2021年『Most Wanted初級者向けアイアン』を「長さ別」にパフォーマンス評価で分類したものだ。各アイアンで表示されている「％」の数値は、それぞれのアイアンがテスト全体において各テスターのベストパフォーマンスアイアンとなった頻度を表している。

アイアン購入で検討すべきこと

パフォーマンスは、新しいアイアンを買う時に一番に優先されることだろうが、購入を決める前に考慮すべき点が他にもある。

クラブセッティング

これまでのアイアン同様、クラブセッティングに気を配ることは重要だ。今回のテストでは、特定のクラブにおいて「番手間ギャップ」の課題が浮き彫りになっている。

ロフトは、セッティングを通じて隣り合う番手のパフォーマンスに影響を与える。ロングアイアンで高い弾道を打つことに苦労しているゴルファーは、高打ち出しが容易なハイブリッドに変えることも検討するべきだろう。

シャフト選択

シャフトの選択肢は広がっている。異なるモデル、重量、硬さの中から自分に合ったシャフトを見つけることは至難の業。ベストパフォーマンスを実現するシャフトは、「カーボン」か「スチール」のどちらかという域を超えていると言えるだろう。

一般的に「初級者向けアイアン」のシャフトは、我々がテストする他のカテゴリーよりも（場合によっては相当）軽量になっている。「軽量シャフト」は高弾道（そして高スピン）を実現する上で非常にメリットがある。

しかしこれは、初級者向けクラブの層に対しては有効ではあるが、「寛容性の最大化」を求めるヘッドスピードの速いゴルファーにとっては、「操作性」という点で課題となる可能性がある。

飛距離か？寛容性か？

ハンディキャップのゴルファーは、「飛距離」と「安定性」に悩みを抱えていることが多い。そんな中で「初級者向けアイアン」は、どちらの要素もフォローできる可能性を秘めている。そして当然、「飛距離」に人気が集まっている。

今回テストしたモデルの中で「飛距離」といえば、タイトリスト「T400」、本間ゴルフ「Beres 2 Star」、スリクソン「ZX4」に話題が集中。「安定性」ではコブラの「FMAX AIRSPEED」、INESIS「500」が良い結果となった。「飛距離」と「安定性」の両立という点では、本間ゴルフ「Beres 2 Star」、キャロウェイ「ビッグバーサ B21」が注目と言える。

価格

価格面では、「初級者向けアイアン」は様々な選択肢が用意されている。価格は、商品の購入要素の一つでもある。タイトリスト「T400」、ダンロップ「ゼクシオプライム」、本間ゴルフ「Beres 2 Star」は、1本220-350ドルの高価格帯クラブに属する。

逆にINESIS「500」は6本セットで499ドル。このカテゴリーにはお買い得アイアンもあるが、ハイハンディキャップ向けのベストアイアンには優れたテクノロジーが詰まっている。

 

記録

テストでは、市場がどこに向かっているのかを探り、メーカーが年々パフォーマンスを向上させるためにどのような改善を行っているのかを分析。テスト中は、テスターからフィードバックも受けている。

テスターが何を気に入り、何が気に入らず、そしてその理由も理解するようにしている。しかし、こうした主観的なフィードバックを集めてはいるものの、その主観が順位に影響したり、その決定要素になることはない。

トレンドと改善点

・コブラは「T-Rail」で中空ボディ、ハイブリッドタイプのデザインを目指している。そして、元々コブラのフェアウェイウッドやハイブリットで採用されていた『バフラーレール』を特徴とした革新的な『ホロー・スプリット・レール』を搭載している

・ツアーエッジの「Hot Launch E521」は、芝からの抜けを良くする『Houdini Sole』を採用。またドロー系のボールが出やすいようにヒールウェイトになっている

・スリクソン「ZX4」は、あらゆる状況に応じパフォーマンスを発揮する「番手別溝設計」と芝からの抜けを良くする『TOUR V.T.ソール』が特徴。ハイハンディキャップのゴルファーにとって、芝の抜けをサポートする機能は非常にメリットがある

・キャロウェイ「ビッグバーサ B21」にはAI設計による『フラッシュ・フェースカップ』から『ウレタン・マイクロスフィア』までテクノロジーが詰まっている

テスターからのフィードバック

下記は、20人で構成するテスターによる主観的なフィードバックだ。フィードバックを集めることはどのテストにおいても重要だ。みなさんも、このテストに参加したテスターと同じユーザーであり、私たちもユーザーの製品に対する好き嫌いの指標として彼らのフィードバックを活用している。とはいえ、フィードバックは明らかな主観的なものであって、順位付けの要素にはしていない。

・コブラの「FMAX AIRSPEED」は「ストロークス・ゲインド」でトップとなり大きな注目を浴びた。またテスターからの評価も上々。特に「打感」と「見た目」がテスターに響いたようだ

・結果はともかく、タイトリスト「T400」はテスターに大人気だった。「中級者向けアイアンカテゴリー」でもゴルファーは「飛距離」を求めており、「T400」は間違いなくその要素を満たしている。「打音」が気に入らないという声もあったが、「見た目」と「打感」で高い評価を得られた

・スリクソン「ZX4」は、「見た目」と「デザイン」が高評価だった。特に「見た目」で評価が左右されやすいこのカテゴリーにおいて、「ZX4」は際立った存在といえる

・INESIS「500」はテスターから様々な声が寄せられた。素晴らしいテスト結果にも関わらず、クラブのデザインには満足していなかった様子。テスターたちによると、オフセットがデザインのコンセプトとして気に入られなかったようだ

本間ゴルフ「Beres 2 Star」の目を見張る「デザイン」にはテスターも大興奮だった

 

2021年『Most Wanted 初級者向けアイアン』データ

ヘッドスピードや特徴が異なる20人のゴルファーによる平均的なパフォーマンスを比較することは興味深いことだし価値あることでもあるが、これでパフォーマンスの全てが分かるわけではないということには注意しなくてはならないだろう。そのため、私たちはパフォーマンスをテスター個々に確認。（記事の上部にある）総合順位には、各クラブがテスターごとの「トップパフォーマンスグループ」に入った率が反映されている。

 

 

2021年『初級者向けアイアンランキング』の商品スペック

 

2021年「初級者向けアイアン」ー FAQ

新しいアイアンの購入にあたり

Q：アイアンを買い替える頻度はどのくらいか？

A：革新的技術が毎年のように続く稀なケースもあるが、通常メーカーがクラブの性能を向上させるには3〜5年かかる。特にUSGAがメーカーに対してクラブ規制を厳しくしたことから、大きな改革を進めるにはさらに時間がかかる可能性がある。我々がおすすめする買い替え時期は、今使っているアイアンよりも明らかに性能が優れたアイアンが見つかったときに買い代えることだ。もちろん、単に新作が出たから欲しいというなら、それも問題はないだろう。

Q：どのように自分に合うアイアンのカテゴリーを見つければ良いか？

A：アイアンには、「上級者向け（キャビティーバック）」「上級者向け飛び系」「中級者向け」「初級者向け」の4つのカテゴリーがある。カテゴリー同士が重なり合うこともあるが、カテゴリー探しは、あなたのスキルレベル（ハンディキャップ）やゴルフに求めることを率直に見つめてみることから始めてみよう。例外は当然あるが、ハンディ10以上で打点にバラつきがあるなら、「中級者向け」、「初級者向けのアイアン」を検討して欲しい。より安定してボールを打つことができるなら、「上級者向け」か「上級者向け飛び系」を使うと一番メリットを得られるだろう。その中でも特に「飛距離」を求めるなら、「上級者向け飛び系」が理想的なアイアンとなるはずだ。

Q：シャフトは重要か？

A：もちろん重要だ。スピン量や打ち出し角の差はそれほど大きくないが、シャフトを変えることでショットの精度や、ボールのバラつき、そして全体的な安定性の向上が実現するだろう。

Q：アイアンを試打する時は何に注目すべきだろうか？

A：ゴルファーは飛距離以外のほとんどに目を向けない傾向があると思うが、「（ローンチモニターの）細かい数字」や、「丸で囲まれた数字」にも注目すべきだろう。「飛距離」と「ボールスピード」などの数値を比べる際も、必ず「標準偏差（ローンチモニターのスクリーン上では、これらの数値は大きな数字の下に表示される）」をチェックすること。数字が小さいほど「安定性」に優れているが、これはコース上だと1～2ヤード飛距離が伸びることでもある。同様に（丸で囲まれた）バラつきも確認して欲しい。アイアンでは、「安定性」を過小評価してはいけないのだ。

ベストを決めるテスト

Q：どのようにアイアンを各テスターにフィットさせるのか？

A：テストでは「フィット・フロム・ストック」というフィッティングプロセスを活用する。各テスターは、カスタムフィットされた製品ではなく、メーカー在庫（ストック）にあるプロパー商品の中から自分に合うスペックを使用し、各セットの「ショートアイアン」、「ミドルアイアン」、「ロングアイアン」を一本ずつテスト。調整機能付きのアイアンは今回のテストにないが、テスターに合うアイアンを選ぶようにした。弾道を改善できるように異なる標準シャフトが装着された複数のセットを送ってくれたメーカーがいたことも付け加えておく。

Q：対象カテゴリーはどのように決めるのか？

A：開発者も認めるほどのアイアンテストをするために、ヘッド（形状、ソール幅など）に加えて長さやロフト角で分類。テスト群の中での「違い」を出来る限り最小化した。カテゴリーが重複するようなアイアンがある時は、メーカー発表のカテゴリーに沿うようにしている。

Q：どのように2021年のベスト「初級者向けアイアン」を決めたのか？

A：順位を決めるにあたっては、フォーサイトの「GCクワッド」弾道計測機を使って主要データを収集し、異常値を除いた後、独自の手法を用いて各テスターとモデルごとの「ストロークス・ゲインド値」を計算。最高のストロークス・ゲインドとなったアイアンがベストアイアンとなる。

Q：「最も飛ぶアイアン」はどのように決めるのか？

A：最も飛ぶ「初級者向けアイアン」の決定方法は、総合順位の決め方と似ている。飛距離で重要なのは合計ヤードであり、平均と比較して「ロングアイアン」と「ミドルアイアン」で最も合計ヤードが大きかったアイアンをトップとした。

Q：「最もやさしいアイアン」はどのように決めるのか？

A：「やさしさ」は実用的な手法を用いた。ベストショットのストロークス・ゲインドが、一番悪かったショットのストロークス・ゲインドの数値に近い（平均に比べて）ものを一番やさしいアイアンとした。

Q：見た目、打音、打感などの主観的なフィードバックはどれくらい順位に影響するのか？

A：全く反映されない。この順位はローンチモニターのデータと測定できるパフォーマンスの数値のみで決定される。