毎年、アディダスのシューズは『Most Wantedランキング』でトップ5に入る。特に、あるモデルは毎回手堅いパフォーマンスを見せる。そのシューズとは、「TOUR360」だ。
見た目的には何年もほとんど変わっていないのになぜ?「TOUR360」には、見た目ではわからないほど多彩な機能が搭載されている。
以前はランニングシューズにしか見られなかった『Boost Technology(ブースト・テクノロジー)』が「TOUR360」ゴルフシューズに導入されたときが、アディダスゴルフにとって大きな転機だった。
わたしはMyGolfSpyで働く前から、すべての「TOUR360」モデルを試してきた。『ブースト・テクノロジー』が導入される前から、「TOUR360」の格好良さにハマっていた正真正銘のファンだ。
今回読者が知りたいのは、昨年のモデルと何が違うのか?ということだろう。これについては後ほど説明しよう。昨年と同じようなルックスだが、色の組み合わせが異なる。
「TOUR 360」を振り返って
「TOUR 360」が17年前から存在していることをご存知だろうか?子供の成長と同じように、このシューズもいくつかの困難や壁を経験している。やや道を逸れた時期もあった。
例えば、このモデル。
当時はみんな格好いいと思っていたが、今見てみると…😆
「TOUR360」シリーズはルックス以上に、常に“パフォーマンス”に重点を置いてきた。最新バージョンも例外ではない。近年、アディダスを含む多くのシューズメーカーがよりライフスタイル寄りになっている。
しかし、「TOUR360」シリーズはいつもファンに忠実で、象徴である「スリーストライプ」を必ずデザインに取り入れている。
アディダスがある意味方向性を変えたのが、『ブースト・テクノロジー』を導入したとき。「単なる発泡剤を使用しただけ」という声もあるだろう。しかし『ブースト・テクノロジー』は実際に機能としてその効果を発揮し、毎年のテストでそれを証明している。
「ブースト」とは?
『ブースト・テクノロジー』は、2013年にランニングシューズに搭載され、2016年にゴルフシューズに導入された。
「熱可塑性ポリウレタン粒子」から構成され、膨張して小さな空気のポケットの周りに気泡を発生させる。発泡スチロールを想像してみてほしい。実際はそれより小さく凝縮されているが、その他いくつかの隠れた技術もある。
その技術に関しては、また別の機会にお伝えするとして。この技術を使った製品は、「発泡熱可塑性ポリウレタン(略してeTPU)」として知られている。
同社は、『ブースト・テクノロジー』により18ホールのような長距離を歩く際により多くの“エネルギーリターン(反発性)”が得られるという。また、時間が経ってもその形状を失うことがなく、屈曲性がありどのように歩いても柔軟にフィットする。それが本当か信じがたいが、私自身の経験から本当に機能すると断言できる。
2022年モデル 新「TOUR360 」
では「TOUR360 22年モデル」の新機能から説明しよう。
新モデルには、『DUALSTACK(デュアルスタック)ミッドソール』、『GEOFIT(ジオフィット)カラーパッド』、『3Dトルションシステム』、『INSITE(インサイト)ソックライナー』が搭載。謎の単語が並ぶが、きっと意味を知るひとは少ないだろう。
なるべく分かりやすく説明しよう。
「DUALSTACK(デュアルスタック)」ミッドソール
『デュアルスタックミッドソール』は基本的に“エンジン機能”である。『EVAスタビリティフレーム』を備えたブーストクッションをフルに活用している。
「EVA」とは「エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂」のことだ。「TOUR360 22」の『EVAスタビリティフレーム』は、馬蹄形の部品で前方の「EVAシャーシ」を備えた「ブースト」を囲み、軽量で安定性と、快適性、さらにパフォーマンスを提供する。
「GEOFIT(ジオフィット)・カラーパット」
大切なキーワドのひとつである「ジオフィットカラーパッド」は、足の甲の「フィット感」を高め、より足を包み込むような「履き心地」を実現するためにデザインされている。例えるなら、枕が頭の形に沿い、優しく包み込んでくれるかのように。
「3Dトルションシステム」
『3Dトルションシステム』は、靴のミッドソール部分に搭載。サポート力が増し、かかとからつま先へのねじれを防ぐ。
『3Dトルションシステム』の興味深い点は、他の靴に見られる『フラットトルションシステム』とは異なり、3Dによって足の両側が包み込まれる点。
スケーターボーイやスノーボーダーのためのハーフパイプが良い例だろう。これが、「TOUR 360 22年モデル」の『3Dトルションシステム』の形だ。
「インサイト・ソックライナー」
『インサイト・ソックライナー』は、まさに名前の通り。パッド入りの靴下のような機能で、「快適さ」と「サポート力」を向上させる。
その他の耳より情報
過去のアディダス「TOUR 360」はスパイクモデルだったが、「TOUR360 22年モデル」はどちらかというとスパイク付きであり、スパイクレスだ。言うならば“ハイブリッド”シューズ。
もちろん、スパイクはついているが取り外しができない。一度使い切ると、靴の役割がなくなる?その通り。ただし、同社はスパイクテストの最優先を「耐久性」だとし、その品質を保証している。
この新スパイクシステムは『SPIKEMORE(スパイクモア)』と呼ばれ、TPUベースに直接注入される。このスパイクシステムは、なぜかナイキの「Air Infinity Tour(エアインフィニティツアー)」で採用されていたが、あまりパッとしなかった🤬。
どういうわけか、アディダスの方がはるかに優れていると思う。
「スパイクモア トラクションクリート」は、地面をしっかりカバーするために表面積が広くなっている。アディダスはまた、新しいクリートは従来のねじ込み式スパイクよりもグリーンに優しいと主張している。どれほどスパイクマークをグリーンに残しているか考えると、素晴らしい取り組みだ。
「TOUR360 22年モデル」は、スイング中に負荷がかかりやすい足のアーチ部分にスパイクが追加されている。こちらも素晴らしい発想だ。
BOA(ダイヤル式)かレース(靴紐式)か
MyGolfSpyの編集長であるトニー・コビーは、靴紐タイプは時代遅れで、現在は『BOA(ダイヤルタイプ)』の時代だと主張する。しかし、私は靴紐を締める作業が好きだ。
そこで「TOUR360 22年モデル」には、「靴紐タイプ」と「BOA(ダイヤル)タイプ」の両方が用意され、私たちのような好みに対応してくれる。
2022年モデル「TOUR360 」の履き心地は?
良いお知らせと悪いお知らせがある。
良いニュースとは、今年の『Most Wantedランキングテスト』に「TOUR 360 22年モデル」が参戦することが決定。悪いニュースは、結果は数週間後になるためそれまで待っていただきたい。
たとえ新モデルが前作と似ていても、トップ圏内に入るのは間違いないだろう。
価格と販売予定
アディダス「TOUR360 22年モデル」の価格は、210ドル。BOAタイプは、250ドルだ。
レディース用「TOUR 360 22年モデル」は200ドルで、ジュニア用は65ドル。
現在発売中。
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