「XXIO(ゼクシオ)」から2022年の新パター2モデルが登場するが、ここでいくつか疑問がある。
「ゼクシオ」ブランド全体の中で、パターはどのような位置付けなのか?また、「ゼクシオ」らしいテクノロジーは盛り込まれているのか?
そして、もう1つ。
そもそも「ゼクシオ」がパターを創っていることをゴルファーは知っているのだろうか?
まずは最後の疑問から。毎年開催する『Most Wantedパターテスト(各モデルの性能テスト)』をチェックしている人なら、「ゼクシオ」がパターを製造し、そのパターたちがテストに参加していることはご存知だろう。
「ゼクシオ」パターは、2021年の『Most Wantedブレード』と『Most Wantedマレット』の両方のテストにおいて、「ブレード」は22モデル中の10位とまずまずの結果に。
だが、スコッティ・キャメロンの数モデルよりも良い結果となったので、これは良い励みになるかもしれない。一方「マレット」は、26モデル中の20位という結果だった。
「ゼクシオ」と同様、ダンロップグループのブランド「クリーブランドゴルフ」は長年パターを製造しているが、その歴史に比べ「ゼクシオ」のパターは比較的新しいモデルだ。
そのため、初期のモデルはその後の洗練されたモデルよりパフォーマンスで劣る可能性がある。だからこそ「ゼクシオ」が2022年に投入するものはチェックする価値があるだろう。「ゼクシオ」はどのようにデザインを改良しているのだろうか?
「XXIO(ゼクシオ)」パターテクノロジー?
今回のパターには「ゼクシオ」的なテクノロジーが盛り込まれているのだろうか?それに答える前に、「ゼクシオ」のテクノロジーに対する考え方をおさらいしてみよう。
「ゼクシオ」製品は、“普通に振ってもスピード(初速)を上げたい”、また“ラウンド中の負担を減らしたい”というゴルファーをターゲットにしている。
言い換えると、これはシニア向けのクラブということ。「ゼクシオ」製品は高価格であることから、シニアの富裕層がターゲットと言った方が良いかもしれない。
今は白髪も落ち着いてきたが、私はターゲット層のど真ん中にいる。「富裕」という部分は違うかも知れないが、“力を入れなくてもスピードが欲しい”という部分は間違いなく対象者だ。同社のクラブを使っている人なら「ゼクシオ」が確かな製品を製造していることは知っているはず。
80歳代のジョン・バーバも、セッティングの中に「ゼクシオ」のクラブを1、2本入れている。もし買えるのなら、「ゼクシオ」のクラブはあなたの期待に応えてくれるはずだ。
しかしながら、これらのパターで見られる「ゼクシオ」のテクノロジーは、従来のモデルと何の変りもない。パットを決められるようにテクノロジーを搭載しているが、一般的な「ゼクシオ対象者」に特化したものは見当たらない。全モデルのヘッド重量は標準の350g。グリップもシャフト同様。
私的には、「シニア向け」というテクノロジーは読み取れない。とはいえ、「ゼクシオ」パターにはメリットになるテクノロジーが採用されている。
「XXIO」ブレードパター
「ゼクシオ」ブレードパターは、クラシカルなアンサー型をしている。2つのモデルのうち、ブレードの方は前作から最も大きく変化している。ステンレススチール製のボディには、「MOI(寛容性)」を向上させるため「タングステンウエイト」も搭載されており、フェースには「インサート」がある。
新しい「PEBAXポリマー」のインサートは、新たな溝パターンを採用。この溝パターンは他社のインサートを真似たものだが、この中心部に向けて狭くした溝パターンにより、トゥ・ヒールよりもフェース中央の反発がやや抑えられ、フェースのインパクトポジションがどこでも、同じような転がりと距離に変換されるという。
つまりどこに当たっても、ボールは同じ距離を転がるということだ。
転がりを矯正する溝と「PEBAX」構造のインサートといえば、ピン(PING)の「Sigma 2(シグマ)」パターシリーズを思い起こさせるが、多くのブレードパターがアンサータイプの真似ではないということと同じく、「ゼクシオ」ブレードもピンのコピーではない。
「Sigma 2」がよいパターだったので、それを例にしただけ。「ゼクシオ」ブレードが、「Sigma 2」のような性能を発揮するのであれば、それは「ゼクシオ」の開発陣の功績だ。
「XXIO」マレットパター
2022年の「ゼクシオ」マレットは前作モデルからあまり変わっていない。「303ステンレススチール」のフルミルドを採用。ソールに「MOI(寛容性)」を高めるための「タングステンウエイト」が見て取れる。このモデルには、「ゼクシオ」ブレードのフェースインサートはなく、フライミルドのメタルフェースが引き続き採用されている。
見た目のよいミルドマレットだが、見た目の良さがパター市場での競争力として十分なのかは分からない。
2022年の価格設定が変わらないと考えると、価格は300ドル。我々は先日、2022年のオデッセイ・トゥーロン・デザインパターのミルドタイプが350ドルで買えることを知った。
そして、スコッティ・キャメロンのファストバックなら400ドルで手に入るということも忘れてはならない。「ゼクシオ」マレットは厳しい価格競争に直面しているということだ。
2022年「XXIO」パターに対するあなたの見解
これが最後の疑問。新しい「ゼクシオ」パターについてどう思っただろうか?
私は、ブレードタイプは興味深いものとなるだろうが、基本的に変化のないマレットは厳しくなると感じる。また「ゼクシオ」シリーズにおけるパターの全体的な目的にも疑問が残る。
「ゼクシオ」は、新たなゴルファーを「ゼクシオ」ブランドに惹きつけるために今回のパターを投入したのか、あるいはこのパターは、ゴルファーが“全てが「ゼクシオ」”のゴルフセットを持てるようにするためにあるのだろうか?
この「ゼクシオ」パターをあなたに使ってもらうためには何が必要なのだろうか?インサートは、「ゼクシオ」ブレードが2022年『Most Wantedブレードテスト』で上位にくる要因となるのか?
基本的に変わっていないマレットはどうなるのか?こうした疑問が湧くのは明らかだ。だが、恐らくこれは良い兆候だろう。疑問は関心の表れだからね。
「ゼクシオ」のパター以外のクラブに対しては、自分のゴルフにメリットがありスコアアップさせてくれるのか非常に興味を持っている。同じような衝動は感じないが、これらのパターは気になる存在とは言えるだろう。
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