最近コストコのボール市場参入に問題点があることは、皆さんも知っている(経験している)と思う。

新製品のパフォーマンスワンボールのカバーが問題となる可能性があることは予測していたし、一部が不良品であることを知っていた(思ったよりも全然薄い)ことを認めるのは心苦しいが、カバーに欠陥があることははっきりしている。

最初に疑いを持ったのは、初めてこのボールのカバーをカットした時、いとも簡単に剥がれたことだ。

時を同じくしてSNSとゴルフ関連の書き込み欄が、カバーが破れている新作のカークランドボールの画像で埋め尽くされた。

あるユーザーは、18ホールを回って6個のボールが破れたと投稿。糸巻きバラタボールとの比較もあった。

これはよろしくないということで、コストコが早急に対応を行ったというわけだ。

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※上記画像内の内容

当社の販売記録によると、お客様は最近、カークランドシグネチャー4ピースボール(アイテム#1250052)をご購入いただいたようです。この度、発売以来、当該商品のいくつかがカークランドシグネチャー・ブランドの品質水準を満たしていないとのご意見をいただいたため、当該商品の代金と送料を、ご購入時にご利用いただいたクレジットカードに(購入代金と送料を別に)返金させていただくこととなりました。商品の返品の必要はございません。

カークランドシグネチャーの商品につきましては、お客様に十分ご満足いただけない場合、代金を返金させていただくことになっております。

この度は大変申し訳ございません。今後ともご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。

ティム・ファーマー

VP/GMMマーチャンダイジング

コストコ・ホールセール


 


昨日午後のこと、コストコはこのボールの購入者全員に対して(送料を含めた)全額の払い戻しすることで、本件に対応。

購入者は払い戻しを求める必要がなく、コストコ自身もボールの回収をお願いすることがなくなり、問題の対処については最良の方法だったと思う。

問題の原因は2つある。

まず、ウレタンカバーと外層の接着に不具合があったということ。この不具合により、多くのゴルファーが経験したのと全く同じようにカバーが切れたり、割れやすくなったようだ。

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そして、より重要で解決が困難なのが架橋の問題だ。

簡潔に説明すると、架橋とはTPU注入のボールのカバーを構築する上での製造工程の一部。とりわけ、カバーの耐久性(特に薄いカバーの耐久性)を向上させる役割がある。

コストコと(コストコにボールを供給する)SMパーカーにとっての問題は、ブリヂストンとキャロウェイがウレタンゴルフボールの架橋周りの知的所有権の多くを管理していること。

この知的財産の使用許可(検討されていた選択肢の一つだったと思われる)を得ると、ボールの価格はコストコのプライスポイントである15ドル以上となる。

業界の中では、工場がこれらの特許を使わずにカバーを製造したかも知れないという疑念が広まっているのだ。

設計上の欠陥にも関わらず、コストコファンは今回の取り組みを賞賛しており(ボールをタダで手に入れることにも満足)、払い戻しは間違いなく賢明なことで(問題のあるボールに対しては、それ以上の対応がされている)、自分のミスを認め顧客にしっかり向き合うことこそ、実践すべきことだ。

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正しいことをするのも一つだろうが、どのように耐久性がないゴルフボールが消費者の手に渡ったのかを疑問視する方がより合理的でもある。

全ての工場には品質管理の行程があり、そのクオリティは当然ながら工場にもよる。

また、品質管理の検査は時として、あるいは度々、機能しないことは紛れもなく明らかだ。

理想を言えば、直販ブランドや自社ブランドは、工場から納品された製品を検証するための品質管理の行程が内部にある。

今回のようなケース以外は、品質管理の行程の重要な部分が、明らかに消費者に委ねられていたということだ。

これはいただけない。

私だって皆さんのように買い物は安く済ませたい。

しかし、本件や直販に関する他の問題は、直販市場が低価格化によるマイナス要素を露呈しているのではないかという疑問を抱かせるのには十分な事柄だ。果たして安いボールは、お買い得なのだろうか?

答えはゴルファーによって違うのは当たり前だし、それぞれにとって「お買い得」が正確に何を意味するかにもよるが、もしあなたが(お金もイライラもプライドも)一打に掛けることができるゴルフにどっぷりハマっているなら、品質管理が重要視されていないボールでプレーすることで何を得て何を失ったかを改めて見極めた方が良いだろう。