今年もこの季節がやってきた。晩秋と言えば、ゴルフ用品業界の主要メーカーが春の新商品リリースに向けての準備期間だ。
ミズノがその全貌を明かしたわけではないが、今週になって、2020年モデルが少しずつ垣間見られるようになった。
ST200シリーズドライバーの3モデルがUSGA適合リストに掲載され、まだ細かい部分は分からないもののUSGAから提供された3枚のはっきりした白黒写真から、多くのことが分かる。
ST200
ST200は、普通に考えればST190の後継版で、ミズノドライバーの中では改めて主力モデルとなるはずだ。
注目すべき改良点は、スイングウェイト調整用だった丸いウェイトが、やや大き目の台形になったこと。
多くのメーカーが、台形や三角形の方が基本的に質量を周辺部に移行できるため、丸型のウェイトを使わなくなっている。多くのケース同様、一見、些細な事だが最適化を図っているのだ。
完全に憶測だが、改良されたウェイトは加重されていると思われ、慣性モーメントの高いドライバーになっていることが予測される。
これはミズノにとっては可もなく不可もない部分だが、型通りの寛容性を売りにしているメーカーでないことは確かだ。
ST200G
ST200Gは、ミズノの調整機能を高次元で実現する低スピンST190Gの後継モデルとなる。特徴は大きく分けて2つある。
一つ目は、ウェーブ・チャンネルの新構造。これにより、フェースのたわみを正確にコントロールできるだろう。
ほとんどの場合、この種のことは、適切な箇所でインパクトした時に、ルール制限を超えることなく適切なボールスピードを維持することに繋がっている。
ムーバブルウェイトをサポートするチャネルも、再設計され改良が加えられた。
スタンダードモデルのST200と同様、ウェイトを極限まで後部に配することが目的だろう。
重量を後部に移動させることができれば、それにより(ダイナミックロフトが増えるため)打ち出し角と潜在的な慣性モーメントと寛容性がアップする一方、前重心の特徴である低スピンもキープできる。
ここ数年のミズノドライバーのソールは全て特徴的であったが、競合他社のムーバブルウェイト搭載ドライバーと比較すると、弾道の変化に与える機能としては劣っていたように思える。
しかし今回のST200Gは、多くのゴルファーに受け入れられるように改善が施されているようだ。
ST200X
最後はST200Xドライバーだ。
USGAによりテストされた10.5度は、ST190HLの後継モデルと見て取れる。
XがXtreme forgiveness(極限の易しさ)なのか、Xtreme CG(極限の重心)なのか、全く異なるものなのか、あるいは他2モデルでないこと以外に特筆すべきことがないのかは、まだ分からない。特別な意味がなくても問題ないだろう。
スタンダードモデルのST200同様、台形のウェイトが搭載されており慣性モーメントが高いことが予測される一方、ヒール側にスクリューがあることで、よりドローバイアスに設計されていることが分かる。
これもあくまで推測だ。ミズノが上級者向けのブランドとして評価されていることを考えると、弾道調整でスライス軽減を追求しているのは、ちょっと「らしくない」と言えるだろう。
とはいえ、ミズノは、従来のミズノユーザー以外でも使えるアイアンのラインアップの拡充を図り成功している。
ウッドでも同様の成果を挙げることができないという理由などないはずだ。
前作よりも高評価
ミズノファンが新作を待ち望んでいることは間違いないが、私的には、ミズノが2020年の市場に波乱を起こすようには思えない。
ミズノのウッドにとって、2019年は相対的に見れば、19年ぶりにミズノのPGAツアー制覇となったホンダ・クラシックで、キース・ミッチェルが優勝するなど実りの年だったと言える。
これによって、ミズノはドライバー部門において待ち望んでいた認知と信頼性を確保し、さらなる認知拡大のヒントも掴んだはずだ。
ミズノには次なるテーラーメイドやキャロウェイになるという熱意はないだろうが、ST200シリーズがST190で達成したことを継続し発展させることができれば、きっと十分な成果となるだろう。
詳細は入手次第、お届けする。
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