「Mavrik(マーベリック)が新たな飛距離に挑戦」
誰もが期待する言葉だと思うが、キャロウェイの新作フェアウェイウッド3モデルのうちMavrik標準モデルから得られるのは従来よりも確実に大きな飛距離だと、キャロウェイは自信をみている。
その方程式はこうだ。
『360°フェースカップ』+ 『Jailbreak(ジェイルブレイク)』+『AIを駆使したSS20 FLASHフェース』=10ヤード(予測)前のMavrikドライバーの記事で「あと10ヤード」の時代は終わったと述べたが、この記事を書き始めた2日前にかなり状況が変わってしまった。
Epic Flashに搭載された「Flashフェース」は一部AIを駆使しているが、ほとんど人間の手によるもので、今となってはキャロウェイが偽Flashフェースと呼ぶくらいだ。
前作とは異なり、Mavrikの「Flashフェース」にはAI やスーパーコンピューターがフル活用されている。
それによりフェアウェイウッドのCT値(USGAが定めるフェースの反発係数)はドライバーと同等にまでなった。
一言でいえば、かなり初速が上がるはずだ。
宣伝文句の言い回しには法務部の厳しいチェックが入るはずなので、RAZOR Fit XtreameやXHot以来、初めて見る性能の飛躍に、おそらく敢えて意図的に表現を曖昧にしようとしたのではないかと思う。
そのため、実際の測定値などの詳細は明かしておらず、現在市場にあるフェアウェイウッドよりも「2桁の飛距離アップ」を提供するとしか伝えていない。
今お使いのクラブが競合品であるなら、10ヤード以上が約束されるというわけだ。
3モデル
ドライバーや、アイアン、ユーティリティーの場合と同じで、Mavrikフェアウェイウッドは3モデルで構成される。
性能の属性はEpic Flashや他のラインと比べて少し変わるかもしれないが、Mavrikフェアウェイウッドは幅広いターゲット層に向けてデザインされている。
また、後に述べるヘッド形状の特徴以外に、3モデルに当てはまる重要なポイントがある。
それは、「Flashフェースにフェース・カップとジェイルブレイクを組み合わせたこと」である。
今回は人の手による介入が少なく、各モデルに最適なフェース設計はコンピューターに一任された。
例えば、Mavrik MaxはMavrik Sub Zeroとは異なるプレーヤー層に向けて作られ、それがフェースデザインの性能属性にも反映されている。
Flashフェースのトポロジー(位相)がモデルによって異なるだけでなく、番手ごとに独自のフェースデザインを持つ。
モデルによって目的が異なるように、番手によっても目的が変わるというのが意図だが、当面の課題でもあった「フェースの最適化」を実現したものだ。
また、キャロウェイはドライバーと同じようにSS20(Super Strength-2020)フェース素材のブランド化にも成功している。
ドライバーの素材は実際には「FS2Sチタニウム」だが、フェアウェイウッドは「C300マレージング鋼」を使用している。
フェアウェイウッドにはお馴染みのC300素材がボール初速に影響するのは間違いないが、もっというとこの『新スピード』はAIを駆使したフェースデザインからもたらされる。
ホーゼルは、3モデル共に固定式だ。調節式だったEpicラインと明らかに違う点であり、モデルごとの最適化に必要なウェイト削減にも貢献する。
レンチを使う機会は少なくなるが、それは喜ばしいことで、むしろ使わない機能のために性能を犠牲にすることはない。
それでは、Mavrikフェアウェイウッドをモデル別に紹介しよう。
MAVRIK(標準モデル)
標準Mavrikモデルは、ラインナップの中で一番ボール初速が期待できる。3モデルの中で10ヤード以上の飛距離をもたらす可能性が高いのがこのモデルだ。
ヘッドの容量は174ccで、サイズ的には標準。打ち出しの特徴は、高打ち出し・低スピン(典型的)でドライバー同様少しドローバイアスである。
後方ウェイト(1か所)により、スイングウェイトの調節が可能だ。
Mavrikフェアウェイウッドは、3+(13.5度)、3番ウッド(15度)、4番ウッド(16.5度)、5番ウッド(18度)、7番ウッド(21度)の5モデルがそろう。
シャフトは、Project X Riptide(50gと60g)が標準装備される。
MAVRIK SUB ZERO(マーベリック サブゼロ)
同モデルのドライバーのように、Sub Zeroのターゲットは上級プレーヤーだ。ボールがまっすぐ飛ばないなら、正直Sub Zeroはあなた向きではない。
「一貫性のある飛び」は、上級者が求める性能で、この業界ではすでに共通言語になっている。
Sub Zeroは、169ccとニュートラルな重心の標準モデルよりコンパクトな設計が特徴。ライ角をよりフラットにしたことで、理想のライン(少し右め)に打ち出すことを可能にした。
また、前方と後方のウェイトを交換すれば(14gと2g)、打ち出し角やスピンの調整ができる。
Mavrik Sub Zeroフェアウェイウッドは、3+(13.5度)、3番ウッド(15度)、4番ウッド(16.5度)、5番ウッド(18度)がそろう。
シャフトは、Aldila Rogue White 130 MSI(60、70、80g)が標準装備。
MAVRIK MAX(マーベリック マックス)
MAXモデルは、キャロウェイの新しい試みだ。ヘッド容量200ccのこのモデルは、Mavrikフェアウェイウッドの中で最も大きい。
後方(高打ち出しとMOIの最大化)とヒール部分(スライス修正)のウェイト交換が可能な高MOIオプションでやさしさが最大の特徴だ。
圧倒的にやさしいゴルフクラブといえば、ピンが常にこのカテゴリーを独占しているのはご存じだろう。
参考までに、Mavrik Maxの初速はピンG410より1.1m/s速いとキャロウェイは謳っている。とはいえ、キャロウェイが強調するのは、ボール初速だけではない。
特定のプレーヤー別にクラブ性能を最適化したことは、Mavrikストーリーの重要部分であるが、Maxもターゲット層のスイング特性に重点を置き設計されている。
払い打ちの特徴がある人を対象に、リーディングエッジを単に地面に近づけただけでなく、地面に触れるフェース部分をヒールからトゥ方向に広く設計した。
パッと見た目は、丸みや反りが少ないといったら分かりやすいかもしれない。
その結果、ボールを捉えるフェースエリアが拡がる。独自のFLASHフェースデザインとの相乗効果で、フェースの下方を打ちやすい人にも有効なはずだ。
Mavrik Maxは、3+(13.5度)、3番ウッド(15度)、5番ウッド(18度)、ヘブンウッド(20度)、7番ウッド(21度)、9番ウッド(23度)、11番ウッド(25度)とロフトオプションが豊富にそろう。シャフトは、UST Helium(40gか50g)を装備。
MavrikラインはすべてGolfPrideのTour Velvet ALIGNを標準装備。
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