ミズノのST 200フェアウェイウッドとCLK 20ハイブリッドは、ST200ドライバー同様、「Tour Ready, World Ready」がキーワードだ。
ドライバーが(多くの人から)過度な注目を浴びるため、フェアウェイウッドやハイブリッドは、ドライバーの単なるガヤのように扱われることがある。
言い換えると、本質的な目的は実現するものの、特徴やメリットには力を入れられていないということだ。
ST 200フェアウェイウッドの特徴はありきたりだ。
素材の進化は見られるが、似たり寄ったりで、ボールスピード、寛容性、操作性は徐々に改良されているという感じ。
2017年夏に登場したCLK 18のリリースから随分と時間は経ったが、CLK 20ハイブリッドについても同じことが言える。
ST 200フェアウェイウッド
以前のミズノのフェアウェイウッドでは厚さ2mmの1770 HTスチールフェースを採用。
悪くはないが、素晴らしくもなかった。二流という者はいなかったと思うが、良くてもそこそこという感じだ。
しかしこれ以上、平凡が受け入れられることもないわけで、ミズノでは、CORTECHマルチシックネス・デザインを搭載するとともに、(軽くて薄い)カーボンクラウンとMAS1Cマレージングスチールフェースを採用。
ST200ドライバーシリーズ同様、MOIをアップさせるために、新クラウンと改良されたWAVEテクノロジーにより生まれたウェイトを低・後部に再配分している。
CORTECHのようなバリアブル・シックネスフェースにする目的は、オフセンターヒット時のパフォーマンスを改善することにある。
ST200フェアウェイウッドの場合、フェース下部のCORだけでなく全体のCORもアップさせることが目的だ。
CORが劇的にアップするわけではないが、それが1%であれ、1%の10分の1であれ、進化と言える。
それ以上に、ルール限界に近づけば近づくほど、目的を果たすことは急激に難しくなる。
つまり、フェース中央のCORが0.780から0.790になることと0.815から0.825になることは、同じわずかな進化と言えるが、後者の方が困難というわけだ。
そして、ミズノの内部テストによれば、ST200ドライバーと同様、MAS1CフェースにするとCT値とCORの関係がより効率的になるらしく、ミズノでは今売れているクラブと同様のパフォーマンスを発揮すると考えているようだ。
MOIと弾道について言うと、ST200はST190の同じような低いスピン量を実現するが、軽量クラウンと重量の再配分により、寛容性はかなりアップしている。
調整機能付きのロフト15度のST200 TS(299ドル)には、標準シャフトとして三菱のDiamana White D+ 70Sが装着されている。
一方、15度の#3ウッドと18度の#5ウッドには、Diamana Blue S+ 70SとDiamana Red M+ 60Rが装着されており、それぞれ価格は249ドルとなっている。
CLK 20ハイブリッド
ミズノがCLK 18ハイブリッドを発表して2年半以上が経ち、同社のフェアウェイウッドとドライバーはちょっと遅れていると言いたい人もいるだろうが、ハイブリッドにおいてはその限りではない。
ハイブリッドは、元々(特にツアープロにとっては)ニッチでありながら広い範囲をカバーしている(ハイブリッドの中にはフェアウェイウッドに近いものがある一方で、オーバーサイズのドライビングアイアンのような機能を持つものがある)が故、求められるパフォーマンスは、十人十色のゴルファーのように多岐に渡る。
そのため、基本的には寛容性のアップ(MOIの向上)や効果的な重心位置の配置(フェースの大部分で高いパフォーマンスを発揮する)に取り組んでいるものの、特別な見た目や、目指す弾道を実現するための微調整ばかりになりがちだ。
CLK 20ハイブリッドにおいては、デュアルWAVEソールを改良。クラウンを低くすることでややシャローになっており、投影面積も大きくなっている。
CLK 18に比べると、今回の改良されたデザインはやや寛容性が増しており、少しだけスイートスポットが低い位置にある。
また、重心位置はMOI(寛容性)をアップさせるため、やや低く、そしてより後部に配置。
契約プロのルーク・ドナルドのフィードバックを元に、(高弾道、多いスピン量、寛容性のアップという)やさしさ重視のハイブリッドにおいてより一般的な特徴を実現しつつ、(コンパクトであり、アドレスでスクエアに見えることを望む)プレーヤーに合うようなハイブリッドを作ることが課題となっていた。
参考になるヒント - ゴルファーたちは、弾道解析機を頼りにクラブをテストし、一番か二番目に飛んだものだけでクラブを決めることが頻繁にある。
見た目の印象などは大切だが、適正なクラブを判断するにはスピン量や打ち出し角、落下角、そしてキャリーなどの数値にも気を配ることが不可欠だ。
スピンが少ないとトータルでの飛距離は伸びるかも知れないが、ルーク・ドナルドを例にとると、彼の場合は飛距離をコントロールし、よりグリーンをとらえるためハイブリッドにスピン性能を求めていた。
ミズノのCLK 20の標準シャフトは三菱のTensei CK Pro Blue(S)とTensei CK Pro Red(R)。
価格は249ドルで、ロフト角は#2(16度)、#3(度)、#4(22度)、#5(25度)がラインナップしており、それぞれ±2度の調整が可能だ。
ST 200フェアウェイウッドとCLK 20ハイブリッドともに、発売は2020年2月7日から。
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