新作のT100Sアイアンにはちょっと不意を突かれたかも知れないが、T400アイアンは私たちが待ちに待ったクラブだ。
大型アイアンを好むシリアスゴルファーにとっても、お待ちかねのアイアンだろう。
タイトリストが、ようやくまともな「スーパー・ゲーム・インプルーブメント・アイアン」(超ぶっ飛び系アイアン)とにかくやさしさ重視の‶デカヘッドアイアン″を開発したというわけだ。
やっとだ。
「スーパー・ゲーム・インプルーブメント・アイアン」を使う層に何か(現時点では何でも)をもたらすことは賢いと思うが、タイトリストによればこのT400は、日本やそのほかのアジア諸国で起こっていることから着想を得たという。
ちらほら見かけるストロングロフトかなぁ?と思うだろうが、地球の裏側では「ぶっ飛びアイアン」と呼ばれるものが定着しているのだ。
どうなってんだか。
ストロングロフトになっているものの、T400はT-MBアイアンの再来と考えて良い。
つまり、U•510ユーティリティをフルセットにしたようなアイアンとも言える。
今回タイトリストでは、ディープでワイドボディのアイアンを採用しそれを異なるタイプのゴルファーにマッチするように微調整を加えた。
再開発プロセスの一つとして、特にターゲットゴルファーにとっては珍しいことではないオフセンターヒット時の、(U•510と比べたときの)音とフィーリングを改良していることはお伝えしておくべきことだろう。
U•510でオフセンターヒットしたら誰だってミスになるけど。
聞いてないって?
見た目は小さく、飛距離は大きく
この言葉は、私たちの読者がブチギレするようなとてつもなく大きなアイアンにするための秘訣のように聞こえるが、T400はみなさんが想像するほど大きくはないようで、ゴルファーによっては望んでいるほどの大きさでもないようだ。
確かに大型アイアンだが、タイトリストのアイアンであることを忘れてしまうほどのデカさでなければと良い願うばかりだ。
細かいことはさておき、タイトリストの評価の大部分は、特にここ数年での全体評価は上級者向けにアピールすることで評価されている。
T400は、タイトリストの認識をエリートゴルファー向けのブランドから、真面目で熱心なゴルファーのためのブランドに微妙にシフトさせる役割を担うアイアンと言える。
タイトリストのアイアンを使うためには上級者になる必要はないということだ。
タイトリストは、全世界のツアーにおける使用率から、しっかりとお金を生み出すのが「ゲーム・インプルーブメント・アイアン」(飛び系アイアン)であるという事実は変わらないという現実を受け入れているように見える。
T300が一番売れていることから、さらなる「メチャ易しい」を求めるゴルファーにリーチするために、ここからラインナップを拡充するというのは理にかなっているのだ。
この「メチャ易しい」はタイトリストの言葉で私が言ったことではないが、タイトリストを責めたりしないように。ついでに私にも文句を言わないように。
そしてカタログを見ると、このように記載されている。
このスペック表を見てみよう
中途半端はダメ、ってこと?
(ロフトと「メチャ易しい」に対する)お怒りは、T100Sの記事中のストロングロフト化に対する私の意見をじっくり読んで(あるいは再読して)一旦とどめて欲しい。
リアルロフトで万事解決することはまずないのだ。グリーンを飛び越えるような「ぶっ飛び系」による低弾道の地を這うようなショットは、本来のゴルフとはほど遠いものだと思うだろうが、タイトリストではその点も考慮に入れてこのアイアンを設計している。
どうやら、スピン量は一番手ほど減少するようだが、落下角を鋭角にすることでそれを補うという。
免責事項:これはみんながストロングロフトアイアンで言っていること。そして、確かに通常よりも4〜6度のストロングロフトには克服すべき課題が多い。
ここからは、タイトリストの課題解決についてだ。
スプリットソール設計
低弾道にならずに、打ち出し角と最高到達点を高く、そして(グリーンで止めるために)落下角が鋭角になるような低重心化を実現するために、このアイアンでは、番手によって異なるが最大100gにも及ぶタングステンをソールに配置している。
リーディングエッジからソールへの形状が特徴的で、コブラのスピードバックアイアンと全く似ていないとも言えない。
コブラと同様に、このスプリットソール設計により、より重心が低くなり芝からの抜けも改善されているという。
ソールに重量を配したディープボディのため、リアルロフトよりもダイナミックロフトの方がロフト角が大きくなることが特徴。
タイトリストによれば、T400を試打するゴルファーたちは、「普通の」7番アイアンと同じかそれ以上に打ち出しが高くなることがわかるはずという。
あれこれわめき散らして全然相手にしなくても良いし、10分間試打して決めても結構。それを決めるのはあなただ。好きにすれば良い。
「T400は打ち出しが非常に高くて凄く飛ぶし、そしてショットが楽しくなる」と語るのはタイトリストのゴルフクラブマーケティング・バイスプレジデントのジョシュ・タルゲ氏。
「スーパー・ゲーム・インプルーブメント・アイアン」を使うプレーヤーにとっては、これ以上のことはないだろう。
アイアンのフェースの素材を気にしているゴルファーがいるからというわけではないが、今回のアイアンには厚さ1.9mmの鍛造SUP-10 Lフェースを採用していることは伝えておく。
また、PWでロフトが38度という衝撃以外に異質なことと言えば、短い番手の番手間ギャップが4〜6度になっていることだ。
当然ながら、みなさんが普段使っているセットよりもギャップがあるが、タルゲ氏によればターゲットゴルファーのスピードに合わせた設計ということだ。
スイングスピードが中程度(すなわち遅い)のゴルファーには非常に合うという。
一方でスイングスピードが速いゴルファーには、ギャップが大きいことは問題。悪いが、T400アイアンはそういったプレーヤーには向かない。
価格と販売時期
タイトリストのT400アイアンの低下はスチールシャフトが1本185.70ドル(7本セットで1,299ドル)でカーボンシャフトは199ドル(セットで1,399ドル)。
標準のスチールシャフトはトゥルーテンパーのAMT Redで、カーボンは三菱レイヨンのFubuki MV IR 50g/45g(レディースモデル)となっている。グリップはゴルフプライドのツアーベルベット360 Lite+が標準装着されている。
発売日はサンベルト地帯(米国南部)が2月1日。米国全土では3月27日から発売される。
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