2020年ベストドライバー
2020年ドライバーをお探しなら、このテストはあなたのためのものだ。
私達の仕事は、独立した公平な立場で、目的を持って商品テストを行い、消費者に自信をもって商品を選んでもらうこと。そのために、100%独立したテストセンターで、一貫したテスト方法と高度なゴルフ分析手法を採用している。
ここで公開する豊富なデータを活用し、ゴルファーの可能性を最大限に引き出してもらいたい。これらの比類なきデータは、ゴルファーにとっても新たな発見となるに違いない。
2020年ドライバーを購入しようとしている人は、単に「気に入った」という理由だけでなく、「長く持ち続けたい」と思う商品を購入してもらいたい。これまで使用していたクラブより優れた性能がない限り、1ドルも無駄にしてはならない。
MOST WANTEDドライバー:ピンG410 LST
専門家によるアドバイス -ロウ・スタグナー氏
ロウ・スタグナー氏は、数十億円規模の企業に在籍するデータアナリストだ。20年以上に渡り、ファイナンス系や、製造業、エネルギーカンパニーにて、分析やデータ体系、機械学習の専門家として活躍。最近では、DECADEシステムの創設者のスコット・ファウセット氏と手を組み、ツアープロやアマチュアゴルフのスタッツ分析を行っている。
テスト方法の変更
MyGolfSpyは、ゴルフ用品を購入する世界中のゴルファーに向けたゴルフ専門サイトだ。私達の目的は、最高のパフォーマンスを発揮する商品を探し出し、自信を持って選んでもらうこと。そのために、毎年ゴルフ界の専門家の力をかりながら、テスト工程の改善に努めている。
2020 準優勝 -ピン G410 PLUS
2年連続トップタイだったピン G410 Plusは、今年は準優勝に終わった。ストロークス・ゲインドは2位、飛距離は7位、やさしさは16位だったが、全体の29%のテスターがG410 Plusで高性能(テストでは2位)を示すという結果をみせた。また、方向性に限ってはどのモデルよりも優れていて、テスターの60%がフェイウェイをキープ。ボールスピードの安定性やミスヒット時の性能も素晴らしかった。
さらに、G410 Plusはルックス・打感・打音の評価も非常に高かった。
今年の注目ドライバー 特徴と性能
ドライバーの購入にあたり
新しいドライバーを買う際に、最も考慮するのが「性能」だろう。しかし、購入を決める前に考慮した方がよい点が他にもある。
価格
今回のテストで使用したドライバーの価格帯は、シャフトのアップグレードを含めず199ドルから650ドルだ。2020 Most Wanted勝者のピン G410 LSTは、399ドルという他のブランドと比べても比較的安い価格が特徴。
今回“ベストバリュー“ドライバーに選ばれたTour Edge Exotics EXS 220でさえも350ドルで販売されている。現在のコロナ不況を考えると、通常より早く値下げされる可能性もある。
経済の先行きが見えない中、今は500ドル以上のドライバーは売れないと考えるメーカーも多い。次第に業界全体がその流れになっていくかもしれない。
専門家によるアドバイス-ショットの精度を上げる方法
多くの場合シャフトが打ち出しとスピンを最適化させると思われがちだが、むしろシャフトは精度と方向性に大きく影響する。ウェイトや、硬さ、トルクといった要素はすべてシャフトのしなりやねじれ方に関係するのだ。
お気に入りのドライバーでフェアウェイに飛ばせないと気づいたら、シャフトを変えてみるといいかもしれない。
世界が変わるだろう。
テスターによるフィードバック
テストでは、マーケット全体がどこに向かっているのか、前モデルから何が変わり改善したのかを探るため、現在のトレンドも追っている。
また、テスターからフィードバックを提供してもらい、良かった点、悪かった点を理由と共に共有してもらう。これらのフィードバックも掲載するが、今年のMost Wantedのランキングに直接反映することはない。
今年のトレンド
・最近のトレンドである低スピンドライバー合わせて、フィッティング現場では、低スピンに調整してきたこれまでとは打って変わり、スピン量を増やす必要が出てくる。特に、ヘッドスピードが遅い人は大きめのロフトや、高い打ち出しが可能なシャフトに変える必要があるだろう。
・流行の低スピンドライバーが合わないゴルファーのために、軽量ウェイトのオプションが増えていて、以前より軽量ドライバーが豊富に揃っている。これまでこの分野といえばニッチなゴルファー向けで、ブランドの飾りのような存在だったが、今年は主流にのし上がった。タイトリストやミズノもこの軽量カテゴリーに進出したが、唯一年配ゴルファー向けに軽量で飛距離を謳うモデルを発売していないのがテーラーメイドやピンだ。
・調節機能なし、固定式がトレンド傾向。軽量ウェイトモデルのほとんどに、調節式ホーゼルは搭載されていないが、シンプルで価格を抑えたい人には好評だ。
・コンパクトヘッドモデルは昨年より減り、460ccが標準となった。新たに、455ccヘッドがコンパクトヘッドの基準になってきている。テーラーメイドはSIMモデルでこのカテゴリーには着手しなかったため、タイトリスト TS4(430cc)やホンマ TR-20 440が今年のテストで唯一のコンパクトヘッドだった。
フラットでアップライトなライ角
アイアンと同じように、ドライバーもモデルによってライ角が異なることをご存じだろうか。ライ角がアップライトのドライバーを選ぶか、調節機能でアップライトに調節すれば、スライスがドローボールになることもある(右利きの場合)。同様に、フックボールばかり出る人はライ角をフラットにするといいかもしれない。
テスターからのフィードバック
・ミズノST200 シリーズは全体的に評判のよいモデルだった。特に、これまでのミズノドライバーの中でST200sは最高だという声が多かった。
・ピンG410LSTは、フェイス全体の打感が安定しているとして、高ヘッドスピードのゴルファーを絶賛させた。クラウンにあるタービュレーターは一般的にうけなかったようだ。
・キャロウェイMavrikモデルは、Epic Flashラインからの欠点(「打音」)を解決したようだ。Mavrikでは、確実に打音が良くなったというコメントが目立った。
・コブラ Speedzoneの評価はみごとに分かれた。ルックスやアドレス時のセットアップを気に入った人もいれば、アドレスした時のルックスが開いてみえると評価した人もいた。
・トミーアーマー 845は、安定した打感にあらゆるヘッドスピード層が感銘を受けた。一方でクラウンのデザインを問題視する声もあった。
・ツアーエッジ EXS220も好評を得た。長めのヘッドデザインを嫌うテスターもいたが、クラウンデザインの評判は上々だった。
ピンG410 SFT -スライスキラー
ピン G410 SFTは、ストロークス・ゲインドではトップにランクしなかったものの、やさしさで6位にランクし、方向性では最も優れていた。G410 SFTは万人受けするドライバーではないが、SFTはスライスに効果を発揮することがわかる。テストしたドライバーの中で最も左寄りにショットが分散していた。また、SFTはスピン軸が最も左傾斜(ドロースピン)であった。
これが何を意味するのかというと、G410 SFTはボールがスライスに出てしまう人のために設計されたクラブだということだ。
MYGOLFSPY版の「ストロークス・ゲインド」について
ストロークス ゲインド:元々は2011年からPGAツアーで導入されたプレーヤー指標。コースの難易度により大きく変動する「平均パット数」や「パーオン率」等では比較できない、選手の「本当の実力」を比較するために生まれた指標。同じコースでの全選手の平均ストローク数、あるいは同程度の難易度のコースや状況における平均ストローク数と自分のストローク数との「差」で示される。
「スコアを何で稼いでいるか」という観点で、「ドライバーショット」「アイアンショット」「アプローチショット」「パッティング」それぞれのショットが、平均値より何打“少ないか(ゲイン)“を数値化している。
MYGOLFSPYの「MOST WANTED」における製品テストでは、この「ストロークス・ゲインド」の考え方をベースとして、プレーヤーではなく“商品そのものの実力”を見るため、「ドライバー」「アイアン」「パター」等、各カテゴリーの「商品の実力」を比較する指標として用いている。
2020年 ベストドライバー データ
下記データは、ドライバー37モデルを7項目それぞれ計測した結果から、各項目の平均値を割り出し、その平均値をもとに表した数値だ。
そのランキング結果はこちら。
※総合・トータルヤードー・ボールスピードランキングのみ3位までを表示。
<総合 ランキング>
1位 PING G410 LST 2位 PING G410 PLUS 3位 TaylorMade SIM MAX D
<トータルヤード ランキング>
1位 Callaway Mavrik Sub Zero 2位 TaylorMade SIM MAX D 3位 PING G410 LST
<ボールスピード ランキング>
1位 Callaway Mavrik Sub Zero 2位 Titleist TS4 3位 PING G410 LST
測定項目
ドライバーの豆知識
・飛距離 vs 精度 - たった数ヤードのために精度を犠牲にしてはいけない。というのは、ゴルファーが飛距離を求めることをメーカーは熟知していて、シャフトを長めにして飛距離をごまかすことがあるからだ。46インチのシャフトを使えば飛距離は伸びるが、そうすると精度と方向性を犠牲にすることになる。
・調節可能ロフト - ロフト角を調節するとフェイス角が変わる。ねかせれば(増やせば)フェイスは閉じ、ロフトを立てれば(減らせば)開く。ロフト角とフェイス角の関係、フェイス角がボールの打ち出しにどう影響するのかを理解すれば、調節機能をうまく利用して精度を上げることができる。
・ルックス vs 性能 -ルックスに価値を置き過ぎてはいけない。好みのルックスでなければうまく打てないという説もあるが、これを証明するエビデンスは特にない。全く興味のなかったクラブでいい結果がでることもよくあるので、見た目だけで判断せず、幅広く興味を持つことも大切だ。
・調節可能ウェイト-すべてのウェイトシステムが等しく作られているわけではない。ウェイトをクラブ周辺に配置したまま、もう一方のウェイトをヘッド周辺にぐるっと動かせるシステムを利用するなどして、可動式ウェイトをフルに生かしてほしい。中央付近でしか動かせない軽いウェイトなら、ボールの飛びにはさほど影響はない。
スペック表
専門家のアドバイス-可動式ウェイト
ウェイトを前方に動かすと、打ち出し角を小さくすることができ、スピン量を250-500RPMほど減らすことができる。逆に後方に動かせば、打ち出しもスピン量も上がり、MOI(やさしさ)も増える。ウェイトのヒール配置では後方よりやさしさが少なくなるが、スライス対策にはなる。
前方ウェイト配置は少しフェードバイアスになりやすいが、後方配置ではドローバイアス(ヒール配置ほどではないが)をもたらすのが一般的だ。
FAQ
ドライバーの購入にあたり
Q:どれくらいの頻度でドライバーを買い代えるべきか?
A:革新的技術が豊富に何年も続く稀なケースもあるが、通常メーカーがクラブの性能を向上させるには3~5年かかる。特にUSGAがさらにメーカーへの規制を厳しくしたことから、大きな改革を進めるにはさらに時間がかかる可能性がある。私達がおすすめするのは、今使っているドライバーよりも、明らかに性能が優れたクラブが見つかったときに買い代えることだ。
Q:巷には新たなフェーステクノロジーがあふれているが、明らかにボールスピードが違うドライバーは存在するのか?
A:確実にボールスピードを向上させるドライバーは存在しない。毎年、目立った結果を出すモデルはあるが(今回の場合、キャロウェイMavrik Sub Zero)、トップグループの平均ボールスピードはどれも僅差だ。それでも、ボールスピードのランキング全体をみると、ボールスピードの差ははっきり出ているのは確かだ。
Q:シャフトは重要か?
A:もちろんだ。スピンや打ち出しの変化はそれほど大きくないが、シャフト交換によって得られるのは、精度や、ボールのばらつき、総合的な安定性などの向上だ。
Q:ドライバーの試打では、何に注目すればよいか?
A:飛距離だけにこだわらないでほしい。あと数ヤード伸ばしたいのはわかるが、方向性や安定性を示す細かい数値を見逃してはいけない(弾道測定モニターには平均値の下に小さく標準偏差が表示される)。よく見逃がされがちだが、これらの標準偏差が安定性に深く関連する。
MOST WANTED -2020 ベストドライバーを決めるにあたり
Q:テスターにはどのようにフィッティングするのか?
A:オリジナルスペックから選ぶ方法をとっている。アップグレードオプションはなく、オリジナルのみ使用。ロフトは、表示ロフトが9度か10.5度を使い、メーカーラインナップの中で利用できるフィティング機能はすべて使う。つまり、ロフト角やライ角、フェースアングル調節機能(ホーゼル)、可動式ウェイト、シャフトオプションなどの機能は最大限利用する。
Q:新たに加わった指標「エフィシェンシー」とは?
A:エフィシェンシーは、個人別に他のクラブと比較した際の性能差に注目した指標。ストロークス・ゲインド以外は、パーセンテージで示される。
Q:どのようにMost Wantedドライバーを決定するのか?
A::Most Wantedドライバーを決定するにあたり、フォーサイトスポーツGC Quad(GCクワッド)弾道解析機から集めたデータをもとに、あらゆるパフォーマンス測定項目を検証する。その際、85%信頼区間を軸に統計学的有意性に基づきデータをふるいにかけ、最終ランキングはストロークス・ゲインドと飛距離効率(エフィシェンシー)をもとに決定する。
Q:「最も飛ぶドライバー」はどのように決定するのか?
A:飛距離効率(エフィシェンシー)で最も飛ぶドライバーを決める。
Q:「最もやさしい」ドライバーはどのように選ぶのか?
A:「最もやさしい」ドライバーを選ぶには、ショットエリア(方向性)や、精度、ボールスピードとキャリーの平均標準偏差、ミート率に注目する。
Q:ルックスや、打音、打感などの主観的なフィードバック要素はどれくらいランキングに影響するか?
A:まったく反映されない。MyGolfSpyのランキングは、弾道解析モニター上のデータとパフォーマンス測定項目のみを基準とする。
Q:過去のヘッドスピード結果の詳細は公表されるのか?
A:これらの結果については、来週発表する。
Kei Ito
5年 ago管理人様
いつも楽しく拝読しております。
今回の記事を読んでいてあれ?と思った箇所がありましたのでご連絡致します。
「今年の注目ドライバー特徴と性能」のコブラのドライバーですが、左にミスが多いゴルファーに効果があるの間違いではないでしょうか?
また、「ドライバー豆知識」の調節可能ロフトでロフトを増やすとフェースは閉じ、ロフトを立てるとフェースは開くはずです。
念のため原文を確認しましたが間違いないと思いますので一度ご確認いただけますでしょうか?