コブラが、今回の『KINGユーティリティアイアン』でゴルフ用品界の話題の中心になることはないだろう。別にコブラやこの新作を悪く言うつもりはない。

そうではなく、あらゆるニッチなゴルフ用品だとそれが現実だからだ。

大抵のゴルファーはドライビングアイアンにそれなりの興味を持っているものだが、ハイブリッドの方が使いやすいと考えていることから、その多くがハイブリッドを使っているということは容易に想像がつく。

とは言え、ユーティリティアイアンにも存在意義はあるのだ。

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ユーティリティアイアンの存在意義

『KINGユーティリティ』のようなクラブは、「ユーティリティアイアン」、「クロスオーバー」、あるいは「ドライビングアイアン」等と呼ばれるが、やや易しさを加味した、「従来のロングアイアン」に代わるギアになるように設計されているクラブだ。

ハイブリッドが存在する理由は上述した通りだが、一方で、多くの上級者を含めた層や、ハイブリッドが使えなかったり、使わないアベレージゴルファーやスキルレベルが低いゴルファーもいる。

ユーティリティアイアンは、いくつかの選択肢の中の1つということだ。

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オリジナルのコブラ『KINGユーティリティアイアン』

入れ替わりが激しい用品業界において、デビューから4年以上も経っているオリジナルの『KINGユーティリティアイアン』が現在も販売されているなんて、ほぼ理解し難いことだろう。

オリジナル版がリリースされたのは2016年。ブラックPVDやワンレングスのモデルも2018年に追加されたが、基本的なテクノロジーに変化はない。このことからも、このカテゴリーにおける技術革新の現実のスピード感がわかる。

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ニューコブラ『KINGユーティリティアイアン』

あらゆる新商品のリリース同様、『KINGユーティリティ』のリリースには、ティーショットや距離があるセカンドショット、そしてデザイナーの当初の設定でないことは確かだが、木を避けるようなローフックでの究極のコントロール性能と正確性も記載されている。最後の部分は私が出典元かも知れないけど。

また、今回の『KINGユーティリティアイアン』は、フォージドテックアイアンとシームレスにフィットできるように設計されている。

フォージドテックのような見た目、70g以上のタングステンウェイト、スイングウェイト調整が可能なトゥウェイト、そしてボールスピードがアップする改良された「ST118 PWRSHELL」フェースを採用する一方で高弾道をもたらすよう低重心設計。

そしてコブラでは、こうした機能を全て搭載しつつも、ターゲットゴルファーが好むアドレスでの見た目も実現した。

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「見た目は中上級者用アイアンだ」というのはコブラゴルフR&Dバイスプレジデントのトム・オルサブスキー氏。「しかし、背部に70gのタングステンを搭載しているおかげで、見た目はオフセットではないのに後重心クラブのような性能を発揮する」。

今回の新作は「フォージドテックアイアン」とは異なり、マイクロソフィアフォームは注入されていない。コブラではフィーリングについて、フォームがなくても良いとまでは言わないが、問題ないと考えているようだ。

そして、今回の新作では、プレーヤーやフィッターからのフィードバックをもとにライ角が1.5度フラットになっていることが目立った変更点として挙げられる。

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調整機能付き!

多くのメーカーが、それぞれのラインナップで似たような機能を搭載している。従って『KINGユーティリティ』が他のユーティリティアイアンよりも目立つというわけではない。違いは、アジャスタブル(調整機能付き)ということ。

ユーティリティにおいてアジャスタブルクラブは非常に珍しい。コブラのユーティリティにテーラーメイドの「GAPR LO」。それと…というか、それくらいしかないだろう。

ユーティリティに調整機能が必要かどうかは、確かに議論の余地があるだろう。しかし、スイングオタクが異議を唱えることは間違いないだろうが、求めるロフトと望むフェースアングルを組み合わせることでヘッドを調整できることはメリットになるはずだ。

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ここに良い例がある。数年前、コブラのオリジナルのアジャスタブル・ユーティリティアイアンをテストした。

ここで分かったことは、ゴルファーから想像通りの結果を導き出せるわけではなく(ハイロフトのセッティングが高弾道になるわけではない)、常に他のセッティングよりも好結果になるセッティングがあり、それは必ずしもニュートラルなポジションではないということだった。

要するに、最高の結果をもたらすという点で、クラブ調整ができるということはメリットになる。理想としてはフィッターと取り組みたいところだが、毎回そんなことができるわけではないので、調整器具なしで自由にアイアンをアジャストできることは決して悪くないだろう。


『KINGユーティリティ』のオプション

今回の『KINGユーティリティ』には2番がラインナップに加わった。

ロフト角は17.5度と記載されており(16度から19度に調整可能)、フェアウェイウッドに代わる本格的なドライビングアイアンを求めているゴルファーにとっては素晴らしい選択肢と言える。

従来のロングアイアンの代わりとなるのが、3番(18度から21度)と4番(21度から24度)だ。ラインナップ全体のロフトがやや被っているが、これによりロフトとフェース角を柔軟に組み合わせることができ、望む結果を実現できる。他のアジャスタブルクラブでもこうなっているはずだ。

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また『KINGユーティリティ』はワンレングスバージョンもある。ロフトに関わらずワンレングスバージョンは7番の長さ(37.5インチ)となっており、その他のオプションは通常版と同様で、5番(24度から27度)のオプションもある。

標準シャフトはスティールシャフトがKBSの「S-Taper」でカーボンシャフトが「Project X Catalyst 80」。ともに「アーコス」が搭載されたラムキンの「クロスラインCONNECT」グリップが装着されている。

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価格と発売時期

コブラの『KINGユーティリティ』の価格は219ドル。発売日は6月12日となっている。