クリーブランドから新作「Huntington Beach Soft Premier(ハンティントンビーチ ソフト プレミア)」が発売されるが、一体何が『プレミア』なのか?
『価格』なのか?いや、それはない。同時に改良された“プレミア”ではない「Huntington Beach SOFT(ハンティントンビーチ ソフト)」標準ラインとの価格差は、たった30ドルだ。では、『性能』なのか?ヘッド内部を見れば、パターヘッド自体に大差がないことは一目瞭然だ。
では『バリュー(価値)』ということはあり得るか?これこそが、クリーブランドが狙ったところだ。
今週、クリーブランドから2連発で発表されたパターを「Huntington Beach SOFT(ハンティントンビーチ ソフト)」ラインのアップグレード版とは呼び難い。
1つはどちらかと言うと“世代交代”であり、もう1つはルックス(外装)を一新したものだ。しかし、それでも304ステンレススチールを素材に16ミルドフェースパターを同社は提供しようとしている。しかも200ドル以下という価格で。
要は、ゴルファーの注意を引く「アテンション・ゲッター」といったところだ。
2つの“新”ライン
クリーブランド「Huntington Beach(ハンティントンビーチ)」パターラインは、MyGolfSpyの2017年Most Wantedテストでトップ5に入ったこともある、その性能が認められたパターだ。
ウィルソン「Infinite」パターラインやトミーアーマーのオリジナルパターとともに、一流の価値を提供している。
初代「Huntington Beach(ハンティントンビーチ)」パターが5年前に発売されて以来、ラインナップは定期的に更新され、ヘッドシェイプの種類が追加されたり減らされたり、また戻すなどして繰り返してきたが、今回はそこに『Premier(プレミア)』モデルが追加された。
前述のように、標準ラインとプレミアムラインのパターヘッド自体はまったく同じだが、明らかな違いは“外装”の部分だ。
「Premierラインは、アップグレードしたグレーのサテン仕上げだ。」とはクリーブランドマーケティング部長のブライアン・シェルケ氏。「私たちのプレーヤーテストでは、よりクラシックなシルバーフィニッシュを好むゴルファーと、この種のダークなルックスが好みのゴルファーにしっかりと分かれた。」
つまり、『PVD仕上げ』のことだ。PVDが「Physical Vapor Deposition」の略であることはあまり知られていない。PVDをアイアンの仕上げとして使用すると、いわれのない非難を受ける場合がある。
「DBM(Diamond Black Metal)」ほど耐久性はないが、「Black Nickel(ブラックニッケル)」または「Black Oxide(黒色酸化物)」より優れている。しかも、今回はパターだ。もしここでPVD仕上げを心配しているようなら、あなたには別の問題があるはずだ。
他に何がプレミアム?
「仕上げ」が「Huntington Beach Premier(ハンティントンビーチ プレミア)」の重要な特徴であることは分かったが、その他には?
「ブラックシャフト」(標準モデルのシャフトは従来の古いクロム合金)も、プレミアムの要素のひとつだ。
また、プレミアムラインでは、標準ラインと比べてグリップがアップグレードされている。具体的には、クリーブランドがブランド化したLamkinSinkfitピストルとスキニーピストルグリップが搭載される。
「セミアークからストロングアーク型でトゥダウンウェートを好むゴルファーも、細めのグリップに魅力を感じるようだ。グリップが細いと、ストローク中のクラブヘッドの回転を促すのに役立つ。手元をあまり動かさないストレート型ストロークタイプの人は、さらに大きい特大グリップを好むことが多い。」(シェルケ氏)
プレミアムラインには、多種多様のトゥハングやホーゼルオプションが備わったブレードが3種、マレットが5種用意され、それぞれに適したストロークグリップが装備されている。
「店でパターを試打する際、『打感』と『ウェイト』が密接に関係することを覚えておいて欲しい。これまで慣れたグリップと異なるタイプのグリップだと、そのパターヘッドを評価するのは難しい。店で両方のオプションを試してみると、パターだけでなく、そのテクノロジーをより深く理解することができると思う。」(シェルケ氏)
プレミアムな装備
ところで、“プレミアム”にはいくら払えばいいのだろう?先ほど述べたとおり、たった30ドルだ。
標準「Huntington Beach SOFT」ラインの価格は 129.99ドルだが、プレミアムモデル(基本的にはすべて同じ装備のパター)は159.99ドル。PVD仕上げ、ブラックシャフト、アップグレードグリップ全て込みでプラス30ドル?とても賢い買い物かもしれない。
「好みのヘッドシェイプをお探しのゴルファーの目にかなう最高のルックスのパターが手に入る。打感の話をすると、これらのパターはかなり深いミーリングを施したミーリングフェースだ。さらに304ステンレススチール素材の効果も相まって、インパクト時の打感がとても柔らかくなる。」
ところで、「SOFT」といえば、「Huntington Beach SOFT」は「Speed Optimization Face Technology」の略だ。
以前に詳しく説明したが、基本的に各パターヘッドは独自のフェースミーリングパターンを持つ。それぞれのミーリングパターンは、トゥやヒール側に数ミリ程ミスヒットした場合でも、パッティング距離のロスを最小限に抑えるように設計されている。
ダイヤモンド型のCNCミーリングパターンは、フェース中心ほど接触面積が少なくなり、トゥまたはヒール方向に向かうにつれて接触面積が大きくなる。イーブンロールの技術と基本的に同じだが、彼らのテクノロジーは「スイートフェイステクノロジー」だ。
「パッティングストロークは非常に緻密で繊細なため、もしロングパットで数ミリ外すと、1パットで決まるか5フィートの短いパットが残るかの違いが生まれる。私達の技術はこのようなロングパットを2打で確実に決めるのに役立つ。」(シェルケ氏)
「プレミアム」と「標準」スペック
標準ラインとプレミアムライン共に8種類のヘッドシェイプが揃う。詳しくは、Anserタイプのブレード3種類と、マレット5種類。
前述のように、プレミアムラインにはより高価なLamkinSinkfitグリップが装備され、標準ラインでは、セミアークからストロングアーク型のブレードには標準サイズピストルグリップ、ストレート型ストロークモデルにはノンテーパーの特大グリップが搭載される。
過去には、「Huntington Beach SOFT」のマレットモデルには「Cerro」や「Elevado」などの名前が付けられていたが、ブレードは単に番号が付けられていた。
新ラインでは、名前を廃止し、完全に数字だけになった。お気に入りの「Elevado」は今では「#11」となる。
「数字の方がシンプルで伝えやすく、パターに刻印するのも簡単で分かりやすい。複雑な名前に切り替えると、時に古いモデルから新しいモデルへの切り替えが難しくなる場合がある。」(シェルケ氏)
不思議なことに、「Huntington Beach SOFT Premier」ラインには、ストロングアーク型に入る3種類のパター(ブレード#3と#4、および剣歯のようなマレット#11)が含まれる。他の5つのモデルは、ストレート型ストロークカテゴリーに入る。
一方の標準モデルは、セミアークからストロングアーク型カテゴリーのブレードが2モデル。「#11」は、他の5つのモデルと同じストレート型ストロークのカテゴリーに入る。
見た目で分かる唯一の違いは“グリップ”だ。「#11プレミアムバージョン」には「Sinkfit Skinny Pistol」グリップが装備され、標準モデルには標準の特大グリップが搭載されるという違いがある。
クリーブランドによると、どのパターでもグリップのカスタムは可能だという。
カスタムといえば・・・
同社のウェブサイトに掲載されるクリーブランドパターは、好きな長さ、ライ角、ロフトに無料でカスタマイズできる。「WINNPro X」(10ドルの追加料金)や豊富な色が特徴の「Iomic」(21ドルの追加料金)などを含むグリップオプションが豊富に揃う。
さらに、クリーブランドのパーソナライゼーションサービスは利用する価値がある。たった10ドルで、クリーブランドのロゴやアライメントラインなどを好みの色にペイントすることができるからだ。
「ペイントは非常に簡単で、価格も手頃だ。30秒から1分もあれば、ペイントが完成する。自分だけのパターを作る一番の近道だと思う。」(シェルケ氏)
元祖「Huntington Beach」ラインの発売以来、クリーブランドは価格に重点を置いてきた。彼らのアプローチは、価格を低く抑えながら(場合によっては200ドル以下)、ゴルファーが望むあらゆるヘッド形状とホーゼルを備えたミルドフェースを提供すること。
しかし問題は、スコッティーキャメロンやベティナルディ、または400ドル超えのパターが、半額のパターと比べてどれほど優れているのか、という点だ。
「パフォーマンスの観点から議論すると、クリーブランドの『Speed Optimization Face テクノロジー』は非常に優れた技術で効果的だ。我々のパターはパフォーマンスの点で優れていると言える。
そこで、更に価格を抑えたというだけだ。クリーブランドパターを他のパターと比較しても、我々のパターは引けを取らない。ゴルファーには、優れた性能を少しでも安く手に入れていただきたいと考えている。」とシェルケ氏。
クリーブランド「HUNTINGTON BEACH SOFT PREMIER(ハンティントンビーチ ソフト プレミア)」価格と販売予定
クリーブランド「Huntington Beach SOFT Premier」ラインの価格は159.99ドル、標準モデルは 129.99ドルで販売される。
クリーブランドのウェブサイトにて先行販売開始。店頭には8月21日に並ぶ。
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