タイトリス「CNCPT」アイアン–重要ポイント
・タイトリスト「CNCPT」シリーズアイアンに「CP-03」と「CP-04」の2モデルが新たに追加。
・どちらも『スーパーメタルLフェースインサート』と高密度な『タングステン』を搭載。
・アイアン1本の価格は、500ドル。
タイトリスト「CNCPT」アイアン
「CNCPT」シリーズアイアンは、新しい素材や設計技術を実験的に試す独自のプラットフォームの中で生まれたブランドだ。
その意図は、改革に伴うコストの障壁を取り除き、最終的に“価格”がネックとなり“クオリティー”に制限がかかる場合には絶対に作れないようなクラブを設計チームに挑戦してもらうこと。
基本的に、そのような機会が与えられると設計チームは思い切り力を発揮し、製品コストはかかった金額そのものになる。今回の場合、1本あたり500ドルというコストがかかったというわけだ。
まず、深呼吸をして落ち着こう。
前回「CNCPT(CP-01/CP-02)」がリリースされたのは、2019 年のPGA ショーのすぐ後だった。「CNCPT」シリーズは特定のスケジュールでリリースされないと公言されていることから、あくまで補足に過ぎないが。
これは決まったリリースサイクルに従わない、継続的な取り組みと言ってよいだろう。「アイデアが枯渇するまでCNCPTを続けるつもりだ。」と、タイトリスト ゴルフクラブマーケティング担当副社長であるジョシュ・タルジ氏は述べている。
「CNCPT」が与える恩恵は、高額な商品代を喜んで支払う人だけに留まらない。多少時間はかかるが、改革は常に下に流れてくる。
「C16」アイアンは「AP3」にたどり着き、「C16」ドライバーは『SureFitCG』によるウェイト配置を可能にした。「C16」ドライバーのATIクラウンに使われた技術が、一部次の「TSi」ドライバーに向かっているように。
「CNCPT」の違い
価格は別として、「CNCPT」アイアンのストーリーは、大まかに言えば「素材」と「モデルナンバーの再配列」に集約される。
素材については後ほど説明するが、名称について知っておく必要があるのは、「T」シリーズのように「CNCPT」のモデルナンバーが大きくなる度にアイアンのサイズも増えるということだ。
タイトリスト「CNCPT CP-02」(リフレッシャー)
「CP-02」については、参考程度に取り上げる。これは、完全に一新されたわけでもアップデートされたわけでもないが、廃止されることもないモデルだ。
「CP-02」で約束されたのは、ブレードサイズと打感を備えた“優れたパフォーマンス”。説明の通り、「CNCPT」シリーズの中でも最もコンパクトなフェースが特徴で、系統は「MB」や「CB」シリーズと共通している。
タイトリスト「CNCPT-03」
「CP-03」のシェープと顔は、「CP-02」と現在は販売していない「CP-01」(CP-04がその後継モデル)の間に位置していて、「パワーとコントロールの驚くべきバランス」を提供すると謳っている。
実際にこのクラブを使ったときの飛距離は人それぞれだが、「AP2」で培った特性や技術に加えて「CNCPT」のテクノロジーと性能が手に入るのは確かだ。シェイプだけとっても、「CNCPT」ラインナップの中で私が一番好きなのが「CNCPT CP -03」だ。
他の「CNCPT」モデルと同様に、「CP-03」は『中空ボディ構造』と多くの『高密度タングステン』を備えている。同社によると、セット全体で平均104gのタングステンが使用されているという。
たとえ、どれだけ「タングステン」というスタンプが多用されていても、あまり気にする必要はない。とはいえ、「タングステン」は、多く使用すると重くなるので重要な要素になり、必要な場所にウェイト配置するのに有効な手段となる。
今回の場合(というよりほとんどの場合)、タングステン効果により重心が深部に配置される。このようにして、タイトリストはストロングロフトを可能にしながら、グリーンをしっかり捉えるパワー(急な降下角)と、高い弾道の両方を実現した。
『スーパーメタルLフェースインサート』
「CNCPT」が弾き出すボールスピードは、独自のフェース素材によるところが大きい。タイトリストはそれを「Super Metal(スーパーメタル)」と呼ぶ。
「CP-01」と「CP-02」で使用されているものと同じ素材だ。残念ながら、タイトリストはまだその素材が何であるかを正確に言っていない。
舞台裏で独自の作業が行われており、同社の独占使用の準備ができれば、もっと多く語ってくれると期待している。
この時点でわかっていることは、非常に希少な素材で、驚くほど強く、バルクでしか販売されていないということ。
『1025ステンレス鋼(一般的に鍛造に使用される)』の5倍の強度があり、『17-4(最も一般的な鋳造材料の1つ)』の1.7倍の強度があると言われる素材で、高価だがそれ故に他のゴルフメーカーが採用する障壁となっている。
実際の構成がどうであれ、「Super Metal(スーパーメタル)」は従来の素材よりも薄いフェースを可能にする。
ボールスピードの向上に留まらず、タングステンの大量注入により、ストロングロフト(7番アイアンで31度、ピッチングウェッジで43度)でも高弾道が期待できる。
「CP-03」のルックスはプレミアムアイアンのようで、メタルが使われるほど特有の色気が漂う。
また、ゴルフ市場で最も需要のある層を意識したデザインでもあり、ツアーアイアンのようなルックス、中級者向けアイアンのようなボールの飛びが手に入る。
それを「Just Right(ちょうど良い)」と感じるゴルファーは沢山いるはずだ。
タイトリスト「CNCPT CP-04」
「CP-04」は「CP-01」の後継だ。このモデルは「CNCPT」シリーズの中で最もやさしく、中級者向けのようなアイアンだ。
とはいえ、決して大規模なものではない。サイズは、「T200」と「T300」の間に入る。一般的な上級者向けディスタンス系アイアンより少し大きめだが、中級カテゴリーアイアンよりは小さい。
「CP-03」と同様に、『スーパーメタルLフェースインサート』を搭載。
「CP-04」にも多くのタングステンを搭載しているが、ソールが大きいほど重心が低くなるため、タングステンの使用量は少し抑えることができる(CP-03は平均で約100グラムのタングステンを使用)。
「CP-03」と比較しても、ややストロングロフト設計になっている。ピッチングウェッジは43度で一定だが、7番アイアンは30度。タイトリストによると、これは究極のボールスピードと精度の向上をもたらす絶妙な設計だという。
その人の主観によるが、バックキャビティのフラットブラック仕上げのせいか、「CP-04」は他の「CNCPT」シリーズよりも洗練さに欠けているように見えるが、決して醜いわけではない。
タイトリスト「CNCPT」シリーズ比較
前述のように、「CNCPT」シリーズのモデルは戦略的に並べられている。モデルナンバーが大きくなるほど、アイアンヘッドはどんどん大きくなり、ロフトが立つように設計されている。
つまり、「CP-03」のロフトは「CP-02」よりも1度立っている。同じく、「CP-04」のロフトは「CP-03」よりも1度たっている(両方とも43度であるPWを除き)。
このようなロフト設計により、コンボセットを作るのがより簡単になる。これは、以前の「CNCPT」では、必ずしもやさしく直感的に扱えるような仕組みにはなっていなかった。
購入できる場所
アイアン1本あたり500ドルの価格となれば、もちろん限定モデルとして販売されるのだろう。ご想像のとおり、近所の小売店では販売されない。
「CNCPT」シリーズでは、可能な限り最高のフィッティングに注力している。そのために、CNPTは全国のタイトリストフィッティングスペシャリスト100名を通じて販売される。
これらの専属フィッターに加えて、さらに200人ほどの小売業者や専門業者を通じて販売される。チェーン店のフィッター(「クールクラブス」「トゥルースペック」など)から「Pete’s Golf」のような評判の高い独立した店が含まれる。
タイトリスト「CNCPT CP-03」および「CP-04」アイアンは、カスタムオーダーのフィッティングにより販売されている。
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