・2021年ベティナルディのパターラインアップには、「Queen B」や「Studio Stock」の改良モデルが含まれる
・「Inovai Rev7」が「Inovai」のラインに追加。
・新作「Studio Stock Putter」は、まったく新しい『ロールコントロール(RC)』フェースが特徴。
従来に習い、ベティナルディゴルフ は「2021年ベティナルディパターラインアップ」を発表した。これはいくつかの意味を含む。まずは、2年間のモデルサイクルを維持しているということ。
つまり、今回は新「Studio Stock」と「Queen B」パターが登場する。2つ目に、2020 年モデルだった「BB」と「Inovai」のラインはもう1年間続くが、2021年は「Inovai」に何かが加わる。
最も重要なのは、今回かなり大幅な修正をかけたことだ。2021年ラインアップでは、新モデルやルックスが見られるだけでなく、まったく新しいフェースデザインが登場する。
それでは、豊富に揃う各モデルのヘッドカバーを外して見ていこう。
最初は、新「Queen B」のラインアップからだ。
2021年ベティナルディ:QUEEN B
・モデル: QB6、QB11、QB12
・利き手: QB6:右 /左、QB11とQB12:右利きのみ
・長さ: 32 -35インチ
・仕上げ:ローズゴールドPVD
・ロフト: 3度
・ライ角: 70度
・オフセット: QB6:3/4シャフト、QB11:1/2シャフト、QB12:1シャフト
・フェースミーリング: マイクロハニカム
・素材:ソフトカーボンスチール
・重量:362g
・トゥハング(重心角):QB6:1/8、QB11:1/2、QB12:1/2
・グリップ:ラムキン「Sink Fit」
・小売価格:400ドル
それでは、2021年ベティナルディ新作発表を気品高く始めよう。カーボンスチール愛好家にとって、これら3つの新しい“君主“の登場は喜ばしいはずだ。
さて、「QB6」はベテランだが、他の2つは新しいモデルだ。過去数年のように、「Queen B」シリーズはすべて軟炭素鋼(カーボンスチール)で作られている。
このスチールの特徴はしなやかだが、むき出しになると錆びやすい。しかし、「Queen」パターは”ローズゴールド“PVDを身にまとい、湿気からデリケートな軟鋼を守っている。
また、「Queen」パターは『Bettinardi Micro Honeycomb(マイクロハニカム)』フェースのおかげで、しっかりと転がりをコントロールできるのが特徴。
炭素鋼の打感が好きな私は、当初、フェースが硬くなるミーリングパターンに注目したが、今はこのカーボンとハニカムの組み合わせがお気に入り。インパクト時の打感が最高だ。
それでは、2021年ベティナルディパターラインアップから3つの「Queen」を紹介しよう。
「QUEEN B 6」
「Queen B6」は、最も長きに渡り活躍しつづけているモデルだ。「QB6」は2017年を除くすべての「Queen B」ラインアップに登場しいたはず。
2017年の「QB8」は「QB6」の親戚のようなモデルだったため、「QB6」のスピリットは引き継がれていた。
「QB6」は大きな四角いブレード/マレットが特徴で、左利きと右利きの両方が揃うモデルだ。それに、完全にカスタムオーダーすることもできる。
知らなかった人は、昨年ベティナルディが私に作ったカスタム「QB6」を振り返ってみてほしい。驚くほど素晴らしい仕上がりだった!
「QUEEN B 11」
前のラインナップと同様に、2021年「Queen B」のラインナップは、フローネックのラウンドマレットが特徴的で、年代毎の「Queen B」に共通する形状だ。
「QB7」、「QB9」、「QB10」、そして現モデルの「QB11」はすべてフローネックのラウンドマレットに分類される。
最小限の改良で引き継がれた「QB6」とは異なり、「QB11」のラウンドマレットのボディー形状は大幅に変更が加えられている。
2019年モデルの「QB10」と2021年「QB11」を比較してみよう。
全体的な風合いは似ているが、違いは明らかだ。正直なところ、私は「QB10」のルックスが気に入っているが、あくまで私の見解だ。
「QB11」のボールの転がりはとても良かったが、「バンパー(ヘッド上部)」のデザイン変更は私の好みには合わなかった。あくまで私の好みの話で、当然完全に反対の意見の人がいることは承知している。
逆に、「QB10」を使ってみたいとしても、「ステップレスエッジ(段差が施されていないトゥ/ヒール)」が気になる。そんな時に「QB11」を見たら、夢中になってしまうかもしれない。
「QUEEN B 12」
ベティナルディは、「QB12」などの新モデルを投入するという新たな挑戦に挑んでいる。もちろん「QB11」もまだ新しいが、昔から系統を引き継ぐモデルだ。
「QB12」は完全に新しい系統で、2021年にデビューとなる。しかも、非常に独特で「QB12」の丸みを帯びた角は2013年の「BB37」を少し思い出させるが、わずかな類似性に過ぎない。
結局のところ、「QB12」は、ブレードパター愛用者が最初にチェックするパターだ。もちろん、おなじみの「ヒールトゥウェイト」も搭載されている。それを少し厚くすると「Malletville」に近いパターになる。
さらに、プランバーネック(クランクネック)によるトゥハング(パターが自然に吊られた状態で、トゥが指す位置のこと)度合いにより、通常のブレードパターより重い362グラムのヘッドウェイトがマレットのような安定性をもたらし、ブレードパター愛用者は快適に感じるだろう。
2021年ベティナルディ:「INOVAI REV 7.0」
・モデル: REV 7.0 Spud(スパッド)、REV 7.0 Slant(スラント)、REV 7.0 CS(センターシャフト)
・利き手:Spud:右手 / 左手、Slant・CS:右手
・長さ: 32 -35インチ
・仕上げ:プラチナ/コバルトブルー
・ロフト: 3度
・ライ角: 70度
・オフセット:Spud:1シャフト、Slant:1/2シャフト、CS:0シャフト
・フェースミーリング: F.I.T
・素材:303ステンレス鋼/ 6061アルミニウム
・重量:358g
・トゥハング(重心角):Spud:1/8、Slant:1/4、CS:1/8
・グリップ:ラムキン「Sink Fit」
・小売価格:400ドル
最初の方に、ベティナルディが2年のリリースサイクルに忠実であることを称賛した。
でも、真実を話すと、「Inovai」の新しいラインナップのリリースによって“2年ルール”を曲げてしまった。
ただ、実際には「Rev 7.0」は、現行ラインアップの拡張なので、新作「Inovai」は厳密に言えば完全な新ラインアップではない。
私を含め、細かいことに気にする人はいないと思うので補足までだが。
「Inovai Rev 7.0」は、昨年夏に限定版として登場した「Hexperimental プロトタイプ」を見た多くの人が、リリースを待ち望んでいたパターだ。
ついに“発売”される時がくる。ようやく、一般ゴルファーがプロトタイプを手に入れられるのだ。
2つのメタル
「Inovai Rev 7.0」は、2020年「Inovai」ラインと同じ「303ステンレス鋼」と「6061アルミニウムの構造」を備えている。以前のアルミニウムから脱却して、今回もパターの前部にステンレスが使われている。
「Rev 7.」には、3つの異なるネックオプションがある。マレット愛用者は、トゥハングが最小限の「スパッドネック(Spud Neck)」や「ダブルベンドシャフト」が合うだろう。
さらに「アーク(ストローク時のフェースの開閉)」を求める人には、「スラントネック」を選ぶと良い。
センターシャフトパターが好きなら、「センターシャフト(CS)」モデルを選ぶべきだ。
ところで、このパターは「Hexperimental」にどれくらい近いのかと聞かれたら、かなり近いと思う。
明らかに、色や配置が異なるが、「T字」アライメントが施された「Tour」バージョンもある。
私が持っている「Hexperimentalプロトタイプ」はフライミーリング加工されたフェースで、「F.I.Tフェース」の「Rev7」よりも少し打感が硬い。
それ以外は、非常によく似ている。ブラックカラーが欲しい場合、通常ブラックフライデー(※1)に新作パターの限定ブラックバージョンをリリースすることが多いので、そこで手に入れるのが賢いだろう。
※1.11月の第4金曜日。感謝祭明けで小売り店がセールを行う。
2021年ベティナルディ:「STUDIO STOCK」
・モデル: SS7、SS17、SS18、およびSS28(標準、CS、およびアームロック)
・利き手: SS7:右 / 左、SS17、SS18、およびSS28:右利きのみ
・長さ: 32 -35インチ
・仕上げ:ダイヤモンドブラスト
・ロフト: 3度
・ライ角: 70度
・オフセット: SS7:1シャフト、SS17:1/2シャフト、SS18:1シャフト、SS28:1シャフト、SS28CS:0シャフト
・フェースミーリング: Roll Control(RC)
・素材:303ステンレス鋼
・重量:358g(アームロック:400g)
・トゥハング(重心角): SS7:フェイスバランス、SS17:1/2、SS18:1/2、SS28:1/8、SS28CS:1/8
・グリップ: ラムキン「Sink Fit」
・小売価格: 450ドル
2021年「Studio Stock」ラインは、ベティナルディデザインの限界を押し上げた。新モデルというだけでなく、まったく新しいフェースを備える。
『F.I.T』や『ハニカム』のような独自のフェースがウリのパターメーカーとして、ベティナルディが消費者の期待を裏切るのは大きなリスクにも感じる。
それでも、彼らがこれを行うのは、新フェースが結果を導くことを知っているからだ。
私が「キャンプベティナルディ」で「Roll Control(RC)フェース」を見て感激したように、彼らも同じことを感じている。
ベティナルディの新グルーブ
ツアーからインスパイアされた「Roll Control Face Milling」は、どんな場面でも優れた打感と打音を維持しながら、ボールが“真の速さ”で転がるように科学的に設計されたグルーブだ。
同様のことを他社も謳っているのは分かっている。似たような転がりで最初に頭に浮かぶのは、タイガーが2009年頃に使っていた「Nike Method 001」だ。
つまり、10年経った今でも、パターメーカーは“ターゲットに対して、より早くボールに正しい回転を与える方法”を考え出そうとしている。
それでは、ベティナルディがこれを達成するために「Roll Control」をどのように設計したか説明しよう。
噂では、ベティナルディがPGAツアープレーヤーと密に協力してこれらのグルーブを開発したとのこと。
これに関して沈黙を貫いているのは、おそらくそのプレーヤーが彼らと契約を結んでいないためだろう。
あれこれ憶測する人達の間では、このミステリープレーヤーは「マシュー・フィッツパトリック(Matthew Fitzpatrick)」ではないかと推測している。
ベティナルディが昨年3月に彼に特徴的なグルーブのパターを作ったことを思い出すと、決して的外れな推測でもないだろう。
たぶん、関係がそこからより深くなったことは容易に想像できる。そのプレーヤーが誰であっても、設計プロセスにツアープレーヤーが関係したことは間違いない。
ロールコントロール
この写真は、新『RCグルーブ』(上)と、従来の『F.I.Tグルーブ』(下)を示している。ぱっと見た目は、基本的に同じように感じるだろう。
どちらも、平行な直線のグルーブがフェースに刻まれている。しかし、実際に見ると、同じではないことがわかる。
「RCフェース」の方が、グルーブが多いだけでなく、グルーブ自体も異なる。グルーブは実際には非対称であり、グルーブの下は上部よりも直角に近くなっている。
おそらく写真ではわかりづらいだろう。私の考えでは、下端を少しシャープにすることで、エッジがボールを捉える役目をするのではないかと思う。
フェースがボールに接触すると、グルーブがボールを捉え、相互作用が増すと、ボールがリリースされるときにスピンが増えるというわけだ。
そして、これらのどれも感じることはないだろうし、私の説明に信憑性を感じないかもしれないが、これが基本的にグルーブの作用の仕方だと私は考えている。
「打感」ではなく「ロール」のためのグルーブ
『F.I.Tグルーブ』は「打感」が肝だが、『RCグルーブ』は「ロール(ボールの転がり)」が重要。私がテストした結果は、「Rev7」のステンレス製「F.I.Tフェース」が、「Studio Stock」 の「RCフェース」よりもはるかに柔らかい打感だった。
「RCフェース」はポンといった打感だった。確かに、それぞれ異なるフェースとヘッドで実験すれば、対照実験とは言えない。
将来的には、高速ビデオカメラを利用してロール特性を調べ、私の印象がデータで裏付けられるか確認したいと思う。
2021年ベティナルディ「Studio Stock」のラインアップでは、斬新かつボールの転がりが期待できるフェースを備えた303ステンレス鋼パターが手に入る。次は、モデル選択だ。
「STUDIO STOCK 7」
ついにハーフムーンマレットの登場だ!ハーフムーンマレットで知られる「STUDIO STOCK 7」は、多くの人に愛されるベティナルディデザイン。このコンパクトで格好いいマレットが登場するのは久々だ。
ショップで最後に見たのは2015年の(現在は廃止された)「ベティナルディシグネチャーラインNo.9」として販売されていた時だっただろうか。非常にいいパターだった。
ついに、「SS7」が帰ってきた!これらのパターを転がしたことがないなら、楽しみにしてほしい。このパターは完成度の高いコンパクトマレットだ。それをモダンマレットに改良するために、あと1つオプションを追加する必要がある。つまり、「スラントネック」のことだ。多くの人が望むのではないかと思う。
そこで、下のようなメッセージを送ってみた。
サム・ベティナルディ様
私の名前デイブです。ハーフムーンマレットが「Studio Stock」ラインに戻ってきたのを知り嬉しく思っています。機会があれば、スラントネックでトゥハング(重心角)を40度になるように削ってもらえないでしょうか。過去2シーズンは、ブレードのようなプレー性のマレットに慣れる必要がありましたが、「SS7スラント」でも同じようなストロークができればと思っています。
デイブ
彼らは対応してくれるだろう。
「STUDIO STOCK 17」
1年に一度のニューリリースで私が好きなのは、サプライズ的なパターを見つけることだ。そのようなパターは大抵見た時は却下するものの、転がすとお気に入りになるパターだ。
前回は「QB10」がそれで、ラウンドパターは苦手だと思っていた。この2021年ベティナルディのサプライズパターは「SS17」だ。
「SS17」の特徴は、「3 Step JAM」モデルの雰囲気、短い「スラントネック」、めったに見られない「トライソール(3段ソール)」、イリノイ州や他の場所で製造されるパターに見られる最も小さいキャビティーだ。最も興味深いのは、アドレスで非常に小さく見えること。
ネックはキャビティーに向かって配置され、ヒールが少し落ちているように見える。私の目には、ボディーがキャビティーから前にあるように見える。
“小さい”ヘッドは狙いを定めるのがとても簡単で、ボールの転がりも非常に良かったため、すぐに「Studio Stock」はすぐに私のお気に入りになり、「SS7」を超えるほどだ。このことからも、すべてのパターを試す価値がある。
「STUDIO STOCK 18」
「SS18」は、伝統的なブレードのようなパターで、ベティナルディ初心者にとって最も馴染みやすいパターだと思う。初めは「SS18」を「SS2」と間違えやすい。
どちらも、従来の「Anser型」パターの形状を引き継いだ、「ヒール/トゥウェイティングブレードパター」。しかし、「SS18」は「SS2」より四角いデザインになっている。
さらに、「SS18」のプランバーネックは、よりヒール側に取り付けられているが、これにより「SS2」の(トゥハング)1/4に対してトゥハングが1/2と深くなる。
「SS18」は「SS2」よりも強い「アーク」が描けるパターになっている。
「STUDIO STOCK 28」
「SS28」は「QB6」と同様、毎年“予選を通過する“モデルだ。
「SS28」がマット・クーチャーの愛用モデルだからというわけではないが、他にアームロックオプションを備えたパターは存在しない。
クーチャーも新「RCフェース」を備えたモデルに興味津々のようだ。
「SS28」は「Studio Stock」の「Swiss Army」パターで、多様な選択肢がある。ここでは、『スパッドネック』、『センターシャフト』、先に述べた『アームロック』がある。
私の場合、『センターシャフト』を早々に選択肢から外したが、このシャフトはセンターより少しヒール側にあり、「CS Rev7」よりもトゥハングが深い。
2021年ベテイナルディパター
11月にこれらのラインアップが見られたとしても、実際には2021年1月15日まで辛抱が必要だ。確かに今年は辛抱の年だったが、2ヶ月なんてあっという間だと思いたい。
待ちきれない場合は、少し早く手に入れる方法がある。
ベティナルディから毎年ブラックフライデーに発売されるパターモデルがあると述べた。今年は、11月27日午前10時に販売される。
これらの限定生産パターはすべて、「True Black PVD」仕上げ、ブラックヘッドカバー、ブラックグリップとブラック尽くしだ。価格は通常より高い可能性があるが、1月まで待つ必要がない。
これらは瞬く間に売り切れるだろう。私は、2019年に「QB10」ブラックバージョンを逃したことが未だに心残りなのだから。
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