イーブンロール「Vシリーズ」の主な注目点

・イーブンロール「Vシリーズ」はフィッティングオプションが拡充。

・「Vシリーズ」には6つのヘッドと4つの独自のホーゼルデザインがラインナップ。

・定価は389ドルから419ドルまで。発売は2021年3月。

新しいイーブンロールの「Vシリーズ」は、「多用性」が全てだ。つまり、「Vシリーズ」というネーミングの「V=versatility」の部分のこと。シンプルさが、かえって斬新だ。

時に目眩でも起こしそうになるゴルフ用品の言い回しを考えてみて欲しい。平均的なユーザーは、「イナーシャ・ジェネレーター」が何なのか分かるのだろうか?

あるいは、週末だけゴルフを楽しむような人は、柔軟性をもたらす「チタン合金」のようなものをマジで気にしているのだろうか?そんなわけないだろう。

多くの訳のわからない広告用の文言は、カッコ良く思わせたり、品質や魅力を伝えるためにある。そして、ゴルメーカーは、ユーザーがその言葉の意味を分かっているのかなんて、気にしていないことだってあるのだ。


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幸いなことに、イーブンロールの「Vシリーズ」は、みなさんがほぼこのシリーズについて思った通りのパターだ。

「Vシリーズ」の多用性は、交換可能なホーゼルのシステムに基づいたもので、「6つのヘッド形状」「4つのホーゼルタイプ」そして「3つのヘッド重量」により、フィッターは「72通り」の組み合わせが可能になっている。

これに対しては、シンプルな客観的メリットが2つある。

一つは選択肢が広がることで、フィッターはゴルファーに最適な「ヘッドとホーゼルのマッチング」を見つけることができる。もう一つは、よりフィッティングの「プロセスが効率的」になるということだ。


イーブンロール「Vシリーズ」の基本

イーブンロールパターの世界が初めてというゴルファーに対して、イーブンロールを理解する上で最も大切なコンセプトがある。創設者のゲーリン・ライフ氏の根底にあるのは、“問題解決する”ということ。

イーブンロールパターの要となるテクノロジーは、どれもこれも「パターあるある」に対するライフ氏の最適解を代弁したものとなっているのだ。

イーブンロールの「Vシリーズ」では、「エイミング」(当てたい時に当てたい箇所へ当てる能力)という課題に対応している。ゴルファーの大部分は正しくエイミングできていない。

そこでライフとその取り巻きたちは、「QUINTIC」のような高級機材を使って行われた数千ものフィッティングから得られたデータを収集し、当たり前のことを明らかにした。

つまり、正しくエイミングできなければ安定したパッティングは非常に難しいということだ。


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ゴルファーは、アドレスでオフセットやライン、そして形状など「視覚」に訴えるものに対してそれぞれの反応を示す。こうした「要素」がないとエイミングに悪影響を与える可能性もあるのだ。

そして、言うまでもなく、「視覚の優位性」から「プレーヤーの体格」に至るまで、ありとあらゆることが(一般的に)エイミングに偏りを生むこと原因になり得る。では、どうすれば良いのだろうか?



イーブンロール「Vシリーズ」の4ホーゼル

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上記でお伝えした様に「Vシリーズ」には4つの交換可能な「ホーゼル」と6つの「ヘッドタイプ」がある。

ホーゼルは、「ショートスラント」「ショートクランク」「ロングクランク」「ロングスラント」の4タイプ。それぞれは、オフセットの度合いが違うことで、様々なパッティングストロークにフィットするようになっている。

「ショートスラント」は、トゥ・ハングが「強く」ストロークの「アークが大きい」プレーヤー向き。

「ショートクランク」は、ショートスラントよりもトゥ・ハングが「弱く」、ストロークの「アークが小さい」プレーヤーの方がしっくりくるだろう。


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「ロングクランク」ホーゼルは、アドレスで“シャフト1本分”のオフセットがある。(オフセットとは、フェースとシャフトのリーディングエッジ(フェースとソールの境目)間の長さのこと)。

このホーゼルだと、「ショートクランク」よりもフェースローテーションが少なくなるため、「真っ直ぐ引いて真っ直ぐ出す」ストロークタイプにフィットする。

実際のところ本当に「真っ直ぐな」ストロークはないが、ローテーションの量が小さいゴルファーには基本的にこのカテゴリーが合うはずだ。

そして最も目を引くホーゼルが、“シャフト2本分”のオフセットがある「ロングスラント」ネックだ。

ここでネタバレ!この「ネック」はイーブンロールの「ミッドロックシリーズ」に合うようにデザインされており、ロフトが「2度増える」ようになっている。詳細は明日お伝えするので、チェックして欲しい。

ここで、ちょっと頭を休めている間に「ストローク」と「アーク」について一言お伝えする。基本的にパッティングストロークの「アーク」は、ストローク中、ターゲットラインに対してどれだけフェースが“開閉”するかによって決まる。

「QUINTIC」や「SAM PuttLab」のようなフィッティングシステムなら、ストローク中の「ローテーション」の量が正確に測定できるので覚えておこう。


イーブンロール「Vシリーズ」の6モデル

「Vシリーズ」にはイーブンロールのパターヘッド6モデルがラインナップしている。「ER1」「ER2」「ER5」、そして「ER7」は人気モデルとして健在なので、このヘッドが主力となることは当然。

「ER8」もミッドマレットタイプとしてラインナップしている。しかし今回は、前作の後部が丸みを帯びたものではなく、「スクエアバック形状」が特徴だ。


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そして最後に紹介するには「ER11」で、イーブンロールの「最新追加モデル」だ。形状はピンの「Ketsch(ケッチ)」を想起させるが、「ER11」は、実際のところ最近10年で一番人気となったマレットパターであるテーラーメイドの「スパイダー」から間違いなくヒントを得ている。

「ER11」では、ウイングや突起した形状ではなく2つの交換可能な「ペリメター・ウェイト」を搭載。重量特性に関しては、その目的は同じで、重心を「低・後部」にし、MOI(寛容性)をアップさせている。

この場合の「寛容性」とは、パッティングストローク中の「安定性」をゴルファーが体感することを意味する。


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ゲーリン・ライフ氏が、「ER11」の後部にある「アジャスタブルウェイト」と4つの「ホーゼル」オプションによりオリジナルの「スパイダー」のデザインを有効に改良できると考えていることは間違いない。

ちょっと話が逸れるが、進化の最適解とはそういうことであり、成果を出したデザインを見つけて、そこから少しでも改善する方法を見出す。「ER11」でもそれが当てはまるのなら、毎年行う「Most Wanted」テストでも注目の一本となる可能性はあるだろう。


イーブンロール「Vシリーズ」を試す時

イーブンロールに“秘伝の技”があるなら、それは特許となっている「スイートフェーステクノロジー」だ。ゴルファーの「イーブンロールと他は何が違うのか?」という問いに対しては、まず多数の人が「放物線状の溝」と答えるはず。

そして、識者の中には、溝によって「ボールがターゲットラインに徐々に向かっていく」という宣伝文句に対して疑問を投げかける人もいるが、我々のテストでは、このテクノロジーには“メリット”があるという結果にもなっている。

プレスリリースだと、全てのイーブンロールパターで当たり前のこの基本がサラッと流されているので、あえて言及しているわけだ。


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話を進めるために、2つの基本的なユーザーグループがあるとしよう。一つは質の高いパターフィッティングを受けたグループで、もう一つはそうではないグループだ。

もしあなたが前者のグループなら、「Vシリーズ」の方がより選択肢が明確になるかもしれない。私の場合だと、ややオフセットがある(あるいは全くない)パターの方がより安定した結果が得られる傾向にあった。

「Vシリーズ」を試す前は、「ER5 CS」と「ER2」を行ったり来たり。ところが、イーブンロールの「Vシリーズ」だと、「ER2」か「ER5」いずれかのヘッド形状とショートスラントホーゼル(オフセットが少なく私のアークの小さいストロークにマッチする)の組み合わせがマッチした。

私的には、「ER2」のよりシャープで四角い形状が合うようだが、これについてはコースでもっとテストする予定だ。

しかし、パターフィッティングをしていない多数派についてはどうだろうか?我々は、ゴルフ用品のフィッティングに関する課題について対して何度も議論し続けてきた。

一般的に、それらは時間、コスト、そして分かっているメリットに関することである。

しかし、フィッティングの利便性が上がり(新型コロナの影響も一部ある)、工程が効率化したのだから、本当に上手くなりたいゴルファーもフィッティングについて考えるべきだろう。


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最後に

今後、ゴルフ用品の進化は、「素材」「製造工程」、あるいは「特注対応能力」の3つのうちの何れかによってもたらされるだろう。

そこには、カスタマイズの質を高める力と、まさにイーブンロール「Vシリーズ」が“新しく進化した“と強くアピールしていることが暗に示されている。

確かにイーブンロールパターは「100%ミルド」で他のカテゴリーの売れ筋と同様の「素材」が採用されているが、とりわけ「Vシリーズ」に関しては、「選択肢は多ければ多い方が良い」というシンプルな「独自の価値」をゴルファーに示していると言えるのだ。

みなさんはどう思うだろうか?ご意見を聞かせて欲しい。


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イーブンロール「Vシリーズ」価格と発売時期

「Vシリーズ」の全モデルは2021年3月に発売スタート。

「Vシリーズ」ブレードパター(「ER1V」「ER2V」)は389ドル(TourTacグリップ)か399ドル(Gravityグリップ)から。

「Vシリーズ」マレットパター(「ER5V」「ER7V」「ER8V」「ER11V」)は409ドル(TourTacグリップ)か419ドル(Gravityグリップ)からとなっている。