主な注目点

・テーラーメイドがフェアウェイウッド3モデルとハイブリッド2モデルをリリース

・「SIM2レスキュー」はアイアンタイプのニューハイブリッド

・「SIM2フェアウェイウッド」(メーカー希望小売価格299ドル〜399ドル)

・「SIM2レスキュー」(メーカー希望小売価格249ドル〜279ドル)


目下「リリースシーズン」で、てんやわんやだ。この意味が分からなければ、今は基本的に大手メーカーの多くが新作をデビューさせる時期と言えばでお分かりかな?

今回のケースだと、テーラーメイドの「SIM2」フェアウェイウッドとハイブリッドがそれに当たる。

2020年に新型コロナウイルスがクラブ販売に打撃を与える前は、テーラーメイドが「メタルウッド販売No.1ブランド」の地位に就くように思われた。

これは当然、「SIM」ドライバーの年始の成功による予測。フェアウェイウッドとハイブリッドの実売はドライバーの売り上げに連動する傾向にある。

結果として、メーカー数社が予定していた2020年のクラブ発表を延期。それ以外のメーカーは大型店が休業している中で「早期割引」を実施し売上確保に動いた。その後、業界はグチャグチャになり、程度の差こそあるが、元の状態に戻ってきている。


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テーラーメイド「SIM2」フェアウェイウッド

テーラーメイドのフェアウェイウッドは、「SIM2」「SIM2 Max」、そして「SIM2 Max D」という3モデルがラインナップされている。

名前だけ聞くと、前作「SIM」シリーズとほぼ同じ設定のように見えるが、テーラーメイドでは、モデル間がより差別化されるように務めてきたと即座に反応している。

(私に言わせれば)「モデルの差別化を図ること」を目的にすることが2021年の「テーマ」となっており、それが続くという予測が妥当な見方だろう。

基本的に、これが何を意味するのかと言えば、各モデルがベン図の1つの円とすると、それぞれの円が重なる部分が減るということだ。


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「SIM2」

テーラーメイドの「SIM2」はシリーズの中では「高打ち出し/低スピン」のモデルだ。「カーボンクラウン」、「チタンフェース」、そして80gある「スチールソールプレート」を採用しているが、「SIM」よりも優れたものがない限りは、「SIM2」とは言えないだろう。

想像通り、変更点は少ないものの、それらは見逃せないものとなっている。「SIM2」の合計ヘッド体積こそ減っている(180ccから170cc)が、ベースのMOI(寛容性)は5%アップ。

投影面積が少々小さくなりバルジ(水平方向(横方向)のフェースの曲がり)も減ったことで、アドレス時によりスクエアに構えることができる。

また、「Vスチールソール」をさらに進化させ、抜けの良さも向上。重心が0.3mm下がったことで打ち出し角も若干増えている。

さらに3モデルの中で「アジャスタブルホーゼル」を搭載しロフト13.5度の「ロケット」ロフトモデルがあるのは「SIM2」のみ。純正シャフトは三菱の「Tensei (テンセイ) AV Raw Blue 65/75」が装着されている。



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「SIM2 MAX」&「SIM2 MAX D」

テーラーメイドの「SIM2 MAX」と「SIM2 MAX D」はゴルファーの多くにフィットする「ど真ん中」のモデルだ。大きめの投影面積以外で主に目立つのは2段「Vスチールソール」だろう。

テーラーメイドによれば、この改良されたソールにより、抜けの良さが25%も改善するとのこと。

理論上は、しっかりコンタクトできればよりボールスピードは安定し、少々打ち損じても飛距離が若干落ちるだけだという。

またネーミングで分かる通り、「SIM2 MAX」はよりニュートラルな設定だが、「SIM2 MAX D」はドローバイアスの重量設定になっている。

そして熱心なテーラーメイドメタルウッドのファンなら、「SIM2 MAX」に「3HL(ロフト16.5度)」が復活したことはお分かりのはず。

以前、何が起こったのかと言うと、「3HLロフト」は、さらにドローバイアスのクラブが必要なゴルファーにベストマッチしたが、テーラーメイドではドローバイアスではない4番ウッドのニーズがかなり多かったということで、今回のようなモデルになったようだ。

「SIM2 Max」の純正シャフトはフジクラのVentus Blue(ヴェンタス)(Velocore(ベロコア)なし) 5/6。「SIM2 Max D」にはフジクラの「AirSpeeder 45(エアスピーダー)」が純正シャフトとして装着されている。


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テーラーメイド「SIM2」レスキュー

「ハイブリッド」「レスキュー」「ユーティリティアイアン」。お好きなように呼べば良い。昔から、こうしたクラブはそこまで上手ではないゴルファー向けのクラブだった。

数モデルを除き、このカテゴリーのクラブに対して繰り返し言われてきたことは、ドローバイアスではない「レスキューの多用性」を求めるスイングスピードの速いゴルファーに向けた選択肢が皆無ということ。

要するに、メーカーがマス向けのハイブリッド型クラブを開発してきた一方で、プロツアーにおいてこのカテゴリーの存在感は本当になかったと言える。

しかし、流れは変わっているのかも知れない。昨年、ダスティン・ジョンソンとロリー・マキロイがテーラーメイドの「SIM MAX レスキュー」を使う時があった。彼らだけじゃない。

2020年は、テーラーメイド内部の人間が想像する以上に、複数のツアープロが「SIM MAX レスキュー」をバッグに入れる光景が見られたのだ。

そして今回、テーラーメイドは2つのレスキューモデルをリリース。片方は、特に「上級者」から大きな注目を集めるクラブと言えそうだ。


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「SIM2 MAX レスキュー」は、「SIM2 MAX フェアウェイウッド」の流れを汲んでいる。フェアウェイウッドで見られる「Vスチールソール」「スピードポケット」、そして独自の「ツイストフェース」を継承。

「SIM2 MAX レスキュー」は、固定ロフトモデルで一般的なハイブリッドと言える。そして従来のロングアイアンよりも易しく、2モデルの中ではこちらの方がエンジョイゴルファーにとって人気となるだろう。

また今回はロフト28度の6番、31度の7番をラインナップ。19度の3番、22度の4番、そして25度の5番の追加モデルとしてラインナップしている。


黒い光線

全「SIM2」シリーズの中でダークホースになる可能性があるのが「SIM2 レスキュー」だ。小ぶりでアイアンっぽいクラブとなっており、少なくとも名目上は「GAPR(ギャッパー)」に求められたことが実現している。

テーラーメイドが「GAPR」の開発過程で学んだことは、「高打ち出し・低スピン」を煮詰め過ぎたということだろう。

だから「SIM2 レスキュー」は、ややスピンもかかるようになっており、ボールスピードは0.447~0.894 m/sアップ程度になっている。忘れてならないのが、十分なスピン量がないと打ち出しや弾道をコントロールできないということ。

だから、メーカーにとって「高打ち出し・低スピン」のような十把一絡げの言葉を投げかけるのは簡単だが、適正なスピン量を求める方が、いつだって正しいアプローチと言える。

「SIM2 レスキュー」は、「アジャスタブルホーゼル」によってロフト角を±1.5度まで調整可能。基本的に「ロフト角を増やす」と、「スピン量も増やす」ことができる。


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またアドレス時において、両モデルの形状は構えやすくてそれぞれ似ている。従って一番異なるのはカラーリングということになる。「SIM2 MAX レスキュー」は、「SIM2 MAX フェアウェイウッド」のような感じ。

逆に「SIM2」レスキューは、光沢のあるブラックのトップラインとテクスチャード・クラウンデカルというブラックの調和が良い感じだ。「SIM2 レスキュー」のパフォーマンスは未知数だが、見た目に関しては「A評価」より悪い点数はつけられない。

しかし、正面から見ると、この2モデルが全く違うものであることが分かる。「SIM2 MAX」はU字型のソールのラインと幅広のトップラインフェースがフェアウェイウッドのそれと似ていることから、他のハイブリッドと同じように見える。

反対に「SIM2 レスキュー」は、トップラインよりもソールの方がワイドで、四角いトゥがアダムス(Boxer、Proto、Peanut)を思い出させてくれる。角ばっていることでフェースの見た目はズッシリとした感じ。

これは、できる限りロングアイアンのような見た目でも、ボールスピードと打ち出し、そして易しさで恩恵を受けられるハイブリッドを求めるゴルファーは良いことだろう。スペックは17度の2番、19.5度の3番、22度の4番がラインナップしている。


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価格と発売時期

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「SIM2 フェアウェイウッド」の定価は399ドル。「SIM2 MAX」「SIM2 MAX D」は100ドル安い299ドルだ。

一方「SIM2 MAX レスキュー」は249ドルで「SIM2 レスキュー」は279ドル。

発売は2月19日からとなっている。