・スコッティ・キャメロンが「PHANTOM X (ファントムX)」ラインナップに新モデル4機種追加を発表

・「PHANTOM X 5」「5.5」と、新デザインの「11」「11.5」のヘッドが登場

・1本429ドル、3月26日より全世界で発売開始


スコッティ・キャメロンは本日、同社のパターシリーズ「PHANTOM X (ファントムX)」2種類の新作を発表した。「PHANTOM X」の初お目見えは2019年。それからこのシリーズは拡充され、「インスパイアード・バイ・ジャスティン・トーマス(IBJT)」の“限定版パター”の基礎を作り上げた。

キャメロンとタイトリストがこのシリーズを本質的に変更せずに維持する背景には、「PHANTOM X」シリーズの好調な販売実績があるのだろう。

さて、先ほど2つのラインナップの新作があると言ったが、それはつまり“改変”ということだ。「PHANTOM X 11」が新しいラインナップで、「PHANTOM X 5」に関しては素材の見直しという側面が強い。とはいえ、キャメロンやJT(ジャスティン・トーマス)ファンにとっては、この改変は歓迎すべきことだろう。


新たなマルチマテリアル構造

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「PHANTOM X (ファントムX)」シリーズのヘッドは全て「ステンレススチール」と「アルミニウムの構造」を採用している。オリジナルの「PHANTOM X」では、ヘッドとフェースの中央に軽量アルミニウムを使用し、エッジとリアにはMOIを高めるためにステンレススチールが使われていた。

今回の2つのラインナップはその構成ではなく、ヘッドのほとんどに「303ステンレススチール」が使われ、「アルミニウム」はソールとフランジに移動した。

これは構造上の興味深い転換だが、パターの分野では前例がないわけではない。ベティナルディは、「INOVAI(イノベイ)」シリーズで、アルミニウムとステンレススチールのコンポーネントを交換し、フェースをステンレススチールにした。

記憶が正しければ、これはプレーヤーの需要と、ステンレス製のフェースによってデザインの「多様性」を向上させることが目的だった。

今回の「5.5」でも、シャフトの曲がる位置を変えるのではなく、ストロークアーク(フェース開閉)が大きくなるよう「スラントネック」を採用しているということは、それが誘因になったのかもしれない。

ステンレス製の「スパッドネック」は、オリジナルの「PHANTOM X」シリーズのアルミボディを貫通していたが、その穴にスラントネックを通す選択肢はなかったのだろう。

「IBJT(インスパイアード・バイ・ジャスティン・トーマス)」では、この新たなステンレス/アルミ配列が採用されていたので、こうなることは予想できた。あのパターでは、アルミはソールとフランジだけになっていた。違いは、ネックが溶接されていた「IBJT」とは異なり、「5.5」ではミルドネックが採用されたことだ。



再構築された「PHANTOM X 5/5.5」

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「ジャスティン・トーマスモデルのようなパターが欲しいという声が非常に多かった。『PHANTOM X 5.5』がそれに対するわたしの答えになる。フェースとボディには303ステンレススチール、ソールにアルミニウムを使用し、トウを流れるように動かすために小さなスラントまたは『ジェット』ネックになっている。トウフローを小さくしたい場合は、シングルベンドシャフトの『PHANTOM X 5』がある」〜スコッティ・キャメロン


「IBJT」の価格じゃない「IBJT」パターが欲しかった人。この新しい「PHANTOM X 5.5」は貴方のためのものだ。今回の「PHANTOM X 5」は、2019年の前作よりもかなり多くのステンレススチールが採用されている。

これによりヘッド内の重量配分は変わるが、打感もまた変わる。店頭販売が始まったら(そして前作を手に取ることができる店舗で)、この新バージョンと一緒に前作の「PHANTOM X 5」も試してみてほしい。インパクト時の違いがわかるはずだ。

柔らかいアルミの打感が好みか、それとも弾きのよいステンレスが好きか。ステンレスフェースに切り替えたということは、スコッティ・キャメロンは、ユーザーがステンレスをより好むという方に賭けたのだと思う。実際のところはどうなのか、ユーザーの意見を聞きたいところだ。


新作「PHANTOM X 11/11.5」

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「『PHANTOM X 11』と『11.5』は、よりコンパクトなウイングバック・マレットを創り上げることができた。ステンレススチールのフェースに航空機用の6061アルミニウムを組み合わせることで、美しい見た目と優れた打感を持ちながら、安定性と寛容性が非常に高いパターに仕上がった」〜スコッティ・キャメロン


もし「PHANTOM X 5」と「PHANTOM X 12」の間に子供ができたとしたら、生まれてくるのは「PHANTOM X 11」だろう。この新しいヘッドが他の「PHANTOM X」のラインナップとDNAを共有していることは間違いない。

「PHANTOM X 11」は、「PHANTOM X 12」よりもコンパクトでありながら、周辺部のステンレスはかなり多くなった。結果、「PHANTOM X 11」がシリーズ中で最も高いMOI(慣性モーメント)値を持っていたとしても不思議ではない。

スラントネックを採用した「X.5」バージョンに大興奮していた矢先、「PHANTOM X 11.5」には、トウフローを増加させるためのシャフトベンドオプションが追加された。シャフトを曲げることでスラントネックと同じ目的を達成できるのだろうか?

その可能性は高いが、個人的にはアドレス時の見え方としては曲がったシャフトよりもスラントネックのほうが好ましい。

このパターを見てピンの「NOME(ノーム)」を思い浮かべた人が、私の他にもいるのではないだろうか?中央部分の形、黒とシルバーのコントラストが、頭の中のパターアーカイブから「NOME」を掘り起こしてきたのだが、実際にこれは「NOME」のコピーだと言っているわけではない。

ただ、あのパターを思い出したというだけ。だが、「NOME」と同じく、中央の黒い部分は、優れたアライメントの助けになるだろうし、サイトラインからトップブレードへの傾斜のおかげで、「PHANTOM X 11」はスクエアに合わせるのも易しいはずだ。


常に注目を集めるキャメロンの新製品

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確かに今回の発表はスコッティ・キャメロンにとって大きなリリースとはいえないが、興味深いのは間違いない。素材の変化はもちろん、ツアープレーヤーやユーザーの要求がデザインとリリースの両方にどのように影響を与えるかに好奇心をそそられる。

キャメロンファンもアンチも結局、3月に発売されればこれらの製品を手にすることになるだろう。

確かに429ドルは安いとは言えないが、スコア全体の約4割を占めるパターの役割の大きさを思えば、自分の打ち方に合ってスコアアップに繋がるパターを見つけたのに、金額のせいで諦めるというのも酷な話だ。