・テーラーメイドから2021年新作「Spider(スパイダー)」4モデルがリリース。
・新モデルには、“無塗装”の「Spider X Hydro Blast(スパイダーXハイドロブラスト)」、高MOIの「Spider S(スパイダーS)」と「Spider SR(スパイダーSR)」、最新作の「Spider EX(スパイダーEX)」が含まれる。
・「Spider EX」のラインナップには、新しい「True Path(トゥルーパス)」アライメントデザインや、新しい「FlutedFeel™(フルーテッドフィール)」シャフト、新しい「PureRoll²(ピュアロール)」インサートなど、新たなテクノロジーが満載。
スパイダー恐怖症の人はご注意を!テーラーメイドの「Spider」軍団は、2021年更に勢力を伸ばしてくる。この「軍団」とはすなわち「Spider」の一群のことだ。かなりのインパクトをもたらすだろう。それに2021年「Spider」モデルは、シャフト、ヘッド、アライメントデザイン、インサート、スピン性能に至るまで一新されている。新テクノロジーが盛りだくさんだ。
それでは、まるでクモ(スパイダー)の巣のように複雑に絡み合った「Spider」の最新モデル達を紹介しよう。まず、馴染みのある「Spider」と「Spider X」からだ。
2021年「SPIDER X HYDRO BLAST(スパイダーXハイドロブラスト)」
「Spider X」は、テーラーメイドにとって“サクセスモデル”だ。2年足らずでPGAツアー11勝を挙げている。ジョン・ラームに2020年“パットオブザイヤー”の栄誉をもたらしたのは、「Spider X」といっても過言ではない。
66 FEET for the WIN! 🏆
— PGA TOUR (@PGATOUR) August 30, 2020
UNBELIEVABLE putt from @JonRahmPGA to claim @BMWChamps in a playoff! #QuickHits pic.twitter.com/DktJRjZLoj
勝利をかけた66フィートパット!
ジョン・ラームがBMW選手権プレーオフにおいて、“信じられないほどの奇跡的なパット”を沈め勝利を勝ち取った!
このモデルは比較的新しく、性能も証明されているため、新作「Spider X Hydro Blast(スパイダーXハイドロブラスト)」においてはあまり改良を加えられていない。変わった所と言えば、全ペイントが完全に取り払われているくらいだろう。
その名の通り、「Spider X Hydro Blast」のアルミボディーはペイントではなく高圧水で仕上げらている。この(製造)工程により、表面が滑らかになり、ヘッドはシルバーアルミニウム仕上げとなる。
おそらく同社は、ペイントをなくせば「欠け」や「引っかき傷」を防ぐことができるため、耐久性を向上させる策として「Hydro Blast」を全面にアピールしている。というのも、多くの人が以前の「Spider」記事でペイントが欠ける問題を指摘していた。
私の「Spider」にはそのようなことは起こらなかったが、同社はこの問題を認識していたはずで「Hydro Blast」はその解決策として採用したのだろう。
「Spider X Hydro Blast」のボディーは本来ノーメッキだが、強い太陽の下でもぎらぎらしたまぶしさを放つことはない。アルミボディーはマット仕上げで思ったほど反射せず、またアルミなのでスチールのように錆びる心配もない。
露出したメタルボディーが好みに合わない場合は、テーラーメイド独自の『mySpiderXデザイナー』で好みの「Spider X」をデザインしても良いだろう。
2021年テーラーメイド「SPIDER X HYDRO BLAST」スペック
・素材:アルミニウム複合ボディー
・ウェイト:アルミニウム、スチール、タングステン
・ヘッド重量:355g
・仕上げ:Hydro Blast(ハイドロブラスト)
・ネック:シングルベンド、フローネック
・トゥハング:フェースバランス/ 21度
・アライメント:WhiteTruePath™(ホワイトトゥルーパス)
・インサート:White TPU Pure Roll™(ホワイトTPUピュアロール)
・長さ:33インチ、34インチ、35インチ
・シャフト:KBS 「Chrome C-Taper(クロームCテーパー)」 ステップレスシャフト
・グリップ:SuperStroke(スーパーストローク)「Pistol GTR1.0(ピストルGTR1.0)」グリップ
・注文開始:3月2日
・販売開始:3月12日
・価格:279.99ドル
2021年テーラーメイド「SPIDER S(スパイダーS)」
テーラーメイド「Spider S」は2020年に初めて発売された。そのボディーは、従来の「Spider」のデザインからの脱却を図り、MOIの最大化を狙ったウィングやファング(牙)形状が特徴的であった。2021年版「Spider S」はその形状を維持したまま、新たなアライメントデザインやネックオプションが追加された。
初代「Spider S」には、トップラインに3本のアライメントが配されていた。そのアイデアに基づいて、2021年「Spider S」は、さらに大きな矢印型の「True Path(トゥルーパス)」アライメントデザイン」が搭載されている。これも同様にトップラインにあり、直径はボールと同じ幅に合わせ設計されている。
今年の「Spider S」には、トゥハングを大きくするためのL字ネックオプションも用意されている。これは、パッティングストロークがややアーク寄りのプレーヤーに適するはずだ。
2021年テーラーメイド 「SPIDER SR(スパイダーSR)」
「Spider SR」は2021年初登場のモデルだ。「Spider S」に似ているが、少しコンパクトで、「Spider S」のウィングを繋げる「タングステンクロスバー」が、個々のウェイトに置き換えられた。「True Path(トゥルーパス)」アライメントデザイン」は、トップラインからキャビティに移動している。
「Spider S」より少し小さめ(5mm)だが、「Spider SR」は依然として高MOIヘッドだ。つまり、「Spider SR」は最も安定したやさしい「Spider」のひとつと言える。「安定性」は非常に重要な要素であるため、「Spider SR」の「SR」がは「Stability Refined(安定性に磨きがかかった)」の略であることも頷ける。
「Spider S」と「Spider SR」のどちらにも新「FlutedFeel™(フルーテッドフィール)シャフト」が搭載される。このシャフトについては、後ほどもう少し詳しく説明するつもりだ。
2021年テーラーメイド「SPIDER S」「SPIDER SR」スペック
・素材:ミルド製法6061アルミニウム
・ウェイト:タングステン
・ヘッド重量:355g
・仕上げ:プラチナ/ホワイト
・ネック:シングルベンド/L字ネック
・トゥハング:フェースバランス/ 20度
・アライメント:WhiteTruePath™(ホワイトトゥルーパス)
・インサート:White TPU Pure Roll™(ホワイトTPUピュアロール)
・長さ:33インチ、34インチ、35インチ
・シャフト:KBS「Fluted Feel™(フルーテッドフィール)」シャフト
・グリップ:Super Stroke(スーパーストローク)「Pistol GTR1.0(ピストルGTR1.0)」グリップ
・注文開始:3月2日
・販売開始:4月9日
・価格:279.99ドル
2021年テーラーメイド「SPIDER EX(スパイダーEX)」
2021年テーラーメイド「Spider EX」は、完全に新しいモデルだ。全体的に前作のスパイダー形状を踏襲しているが、「Spider X」よりも少し大きく、後方が丸みを帯びている。しかし、形状の変更や3種類の色やネックから選択できるという事実は、「Spider EX」のストーリーの一部でしかない。
もっと重要なのは、テーラーメイドがこの新しいモデルにどれ程の新しいパッティングテクノロジーを詰め込んだかということだ。
新「TRUE PATH(トゥルーパス)」アライメントデザイン
写真からもわかるように、「Spider EX」の「True Pathアライメント」は「Spider X」とは異なる。T字型の白い部分と、3つのアライメントドットや2本の長い平行線に気づくだろう。全体的に、アラインメントデザインはパターの前方に寄せている。
「Spider X」と「Spider EX」を比較してみると、アドレス時に視覚的な影響があることを感じた。「Spider X」では、アドレス時の目線はパターの「中心」に来る。「Spider EX」では、新しいアライメントデザイン効果で視線が「前方」に引き寄せられた。
新「FLUTED FEEL™(フルーテッドフィール)」シャフト
既存のシャフトバリエーションではパターヘッドの全重量を感じることも、トゥのリリースを感じることもできないという声が多く挙がっていた。同社としては、打感の向上のためとはいえ、安定性を犠牲にしてシャフトを柔らかくする(フレックスを与える)ことは避けたかった。この考えがきっかけで、KBSと共に「安定性」と「打感」の両方が叶うシャフト開発が実現したのだ。パター・ウェッジ商品開発シニアディレクター ビル・プライス氏
テーラーメイドとシャフトメーカーのKBSは、「FlutedFeel™(フルーテッドフィール)」と呼ばれる「Spider EX」用のシャフトを開発した。パターに精通している人なら、「Fluted(フルーテッド)パターシャフト」がまったく新しいアイデアではないことをご存知だろう。
確か昔の「Bullseye(ブルズアイ)」や「TP Mills(TPミルズ)」にも「Flutedシャフト」が搭載されていた。新しいアイデアではないが、最近では見かけなかったシャフトだ。小売店で最後に見かけたのは50年前まで遡るかもしれない。頭に浮かぶ最近の唯一の「Fluted」シャフトはウィルソン「Centennial 8802(センテニアル8802)」で、レトロな(デザイン)テーマに合うように採用されたようだ。
テーラーメイドが過去を振り返り、打感の問題を解決したのは非常に賢いやり方だったと思う。実際、過去のデザインを改良することはゴルフクラブ設計において重要だ。
今回、KBSと共同で「Fluted(パターシャフト)」を近代化させたのは、間違いなく彼らが試行錯誤を繰り返した結果だろう。
新「PURE ROLL2(ピュアロール2)インサート」
「Spider EX」パターには、新たな「PureRoll2(ピュアロール2)」インサート」も搭載される。
これは「オーバーモールド(共射出成形)工法」を使って製造された同社“初”のインサートだ。「PureRoll2インサート」は、初代「Pure Rollインサート」にも見られた順回転を促す転45度グルーブ(溝)」を備えている。ただし、今回はホワイトTPUウレタンに8つのアルミニウムビームを埋め込んでいるようだ。
* 2つの材料が一緒に成形される射出成形プロセス
「PureRoll2」インサートは「Pure Roll」よりも少し硬く、インパクト時により打音を感じた。ボールの転がりは両者とも非常に似ている。これら(インサートの硬さや打音の違い)は大した問題ではない。
元祖「Pure Roll」の性能も非の打ち所がないほど優れていた。ジョン・ラームのパットをもう一度見れば一目瞭然だろう。今回の新たなる製造工程によって、デザイン革命や利益をもたらし、さらに元祖「Pure Roll」と同レベルの性能が得られるのならば、それは成功と呼べるのではないか。
2021年テーラーメイド「SPIDER EX」スペック
・素材:アルミニウムとカーボンの複合材
・ウェイト:スチール、アルミニウム、タングステン
・ヘッド重量:352g/
・仕上げ:プラチナ/ホワイト、ネイビー/ホワイト、ゴーストホワイト
・ネック:シングルベンド、ショートスラント、フローネック
・トゥハング:フェースバランス/ 28度/ 20度
・アライメント:WhiteTruePath™(ホワイトトゥルーパス)
・インサート:White Pure Roll2(ホワイトピュアロール2)インサート
・長さ:33インチ、34インチ、35インチ
・シャフト:KBS「FlutedFeel™(フルーテッドフィール)」シャフト
・グリップ:Super Stroke(スーパーストローク)Pistol GTR1.0(ピストルGTR1.0)グリップ・注文開始:3月2日
・販売開始:3月12日
・価格:349.99ドル
テーラーメイド「SPIDER」軍団
最初に「SPIDER軍団」と言った意味がお分かりいただけただろうか?高MOIファングタイプが2種類に加え、無塗装モデルやハイテクモデルと豊富な選択肢が揃う。これらはすべて、ネックオプションも異なる。マレット型パターに切り替える絶好のチャンスだ。
さて、気になる「Spider」は見つかっただろうか?2021年「Spider」のニューモデルはすべて3月2日より注文可能。「Spider X Hydro Blast」と「Spider EX」は、3月12日にショップに並び、「Spider S」と「Spider SR」は4月9日に販売開始。
Leave a Comment