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ゴルファーのための『ゴルフボール比較ツール』

MyGolfSpyには、「すべてのプレーヤーに力を与える」というミッションがある。

昔から“知識は力なり”という。私達は、“消費者に学ぶ場”を提供することで、時に誤解を招くようなゴルフ用品市場から皆さんをナビゲートすることを使命としている。

ゴルファーにはそれぞれの個性があるが、全てのゴルファーに共通する点は必ず「ゴルフボールを使用する」ということ。そして、クラブ市場と同様にゴルフボールにも多くの選択肢があり、それらを測定する項目(基準)も大きく異なる。

そこで数多く存在するボールブランドを一度に比較できるようにしたのが、MyGolfSpyの新ツール『ゴルフボール比較ツール』だ。


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MYGOLFSPY BALL LAB:『比較ツール』のはじまり

この『ゴルフボール品質比較ツール』は、どんなスキルや知識レベルのゴルファーでも利用できるようになっている。よりシンプルにお届けするため、MyGolfSpyのスタッフでありボールオタクのトニー・コビーが1年以上かけてゴルフボールの「品質」を系統的に測定、分類してきた。

彼の『BALL LAB』シリーズを読んだことがある人も多いはずだ。

では、なぜこのようなリサーチが必要だったのか?

それは、「品質の一貫性」に優れたブランドとそうでないボールが存在することが、「ボール品質テスト」の過程で十分に明らかになったからだ。最高品質のボールはショットにも「一貫性」が見られ、「品質の劣るボール」は「飛距離の一貫性」が劣り、大きくオフラインに飛んでいくことがあった。そこでトニーは、ロボットテスト中に確認したショットの「ばらつき」と、『ラボ』で集めたデータとを相関させ、その理由を探りたいと考えていた。

業界の開発チームとの数か月に渡る協議や、ハーベイ・グランツ氏(世界中のボール工場で使用されているコンプレッション測定器の特許を保持している男性)との電話での交渉の末、1万ドル以上の測定機器(さらに5千ドルの機械)の使用が可能になり、『BALL LAB』テストが現実したのだ。



<動画内>

Marking for Seams & Identification:シーム(継ぎ目)にマーク、識別

Climate Controlled Incubation:温度制御インキュベーター

Precision Weighting:精密な重量測定

Multiple Diameter Measurements:直径サイズ測定器

USGA Size Conforming Check:USGA適合サイズチェック

Calibrated Compression Measurements:コンプレッション測定

Internal Inspection:内部検査


『Ball Lab』では、1回につきボール1個を測定するという方法を取っているが、それが一般消費者のボールの買い方ではないことは理解している。それよりも、全体的に「品質」が揃っているのかを知りたいはずだ。『Ball Lab比較ツール』は、それを可能にした。

『比較ツール』は、「消費者に力」と「知識を与える」重要なツールになってくれるに違いない。


なぜ品質が重要なのか

「なぜ品質が重要なのか」、その理由を聞かれることがよくある。実際、ボールの優劣に気付くのは難しいというゴルファーは多い。「見分けることができなくても、それを理解することはできる」と、トニーは言う。つまり、それに気づくか否かにかかわらず、ゴルフボールの不均一性は、ホールから数ヤードのショットをミスするといったように微妙に現れることがあり、最も極端な場合には、フェアウェイの真ん中とハザードくらいの違いが出る。

ゴルフは基本的に“状況により変わるスポーツ”だが、ゴルフボールに限ってはそうであってはならない。とはいえ、ボールを軽視するゴルファーがまだ多くいるのが現状だ。

別の言い方をすれば、「一貫性のないボール」を使ったり、バッグから出したボールでプレーしたりするのは、ロフト角やライ角を毎回ランダムに調整するのと変わらない。ゴルファーなら自分のクラブがショットの初速、打ち出し(弾道の高さ)、スピンに関係することをよく理解している。同じことがゴルフボールにも当てはまるのだ。

ボールの「品質」と「一貫性」は、絶対に重要だ。


『比較ツール』を理解する

『Ball Lab』をよく知る人であれば、『比較ツール』に表示される項目に見覚えがあるだろう。『Ball Lab』と『比較ツール』は切っても切り離せない関係だ。データ収集を知ってもらうための舞台裏の映像もいくつか紹介する。「ボール品質」の決定に欠かせない測定項目は、次の5項目だ。





1.スコア

『Ball Lab』、つまり『比較ツール』では、「性能」ではなく「品質管理」に基づいてランク付けされていることを忘れないでほしい。「性能」が重要ではないという意味ではなく、「ボールの品質管理」が不十分で一貫性がないと、「性能の一貫性」も欠けることになる。

新しいスコア方法は、100点を満点とした総合スコアで表示する。つまり、全ての測定項目を反映した総合成績ということになる。

『Ball Lab』をよく知る人は、「True Price(真の価格)」という項目を設けているのをご存知だろう。面白い指標だと思ったが、残念ながら全員に受け入れられるわけではなかった。今回掲載する『比較ツール』より、「True Price」は廃止することにした。

「True Price」と同様に、総合スコアは測定項目の「一貫性」と、「優良ボール」と「不良品ボール」の比率に基づいて決定する。

今後、「True Price」に代わり100点を基準とした「スコア」の項目を採用する。


2. 優良ボールの割合(%)

「優良ボール」の割合は、サンプル内で重大な欠陥がなかった「合格ボール」の割合を示す。つまり、100個のゴルフボールが私達の「品質基準を満たす基本数」ということになる。

まず、「不良品ボール」として分類する方法がいくつかある。USGA基準を満たしていないボールは、「不良品」と見なされる。また、コンプレッション値が標準から大幅に外れている場合も、欠陥と見なされる。最後に、目視検査で重大な欠陥を確認した場合も「不良ボール」として扱うが、ほとんど測定器の異常と関係していることが多い。

これは、ゴルフボールの「性能」を測るものではない。「ボール性能」に関しては、絶対に“良い”または絶対に“悪い”がほとんどなく、単にそのモデルがどのセグメントに入るかの問題だ。パフォーマンスデータは提供されるが、『Ball Lab』では各ボールモデルの「品質」と「一貫性」を調べ、それを数値で表すことを目的としている。


3.コンプレッション(硬度)


「コンプレッション」は「速度」と最も密接に関連している。硬いボールは通常、初速が速いボールと言われる。柔らかいボールは初速が遅く、スピード不足によって失われた距離を相殺するために低スピンに頼ることが多くある。ヘッドスピードの速いプレーヤーに、柔らかいボールを勧めることは滅多にない。さらに、ドライバーのヘッドスピードが38m/sを下回り、特に35.8m/s を下回ると、ボール初速の差はほとんどないに近しい。

「コンプレッション」を測定するとき、いくつかの調べ方がある。まず、トータルコンプレッションを測ることで、ゴルフボールの相対的な「硬さを数値化」できる。また、個々のボールのコンプレッションの「一貫性」や、それぞれのボールの3箇所で測定するコンプレッション値に関しても確認する。コンプレッションに大きな「ばらつき」がある場合、ボールのパフォーマンスにばらつきが出るだけでなく、3箇所のコンプレッションにギャップがあれば、ボールを打った箇所によってその性能が異なる可能性がある。


4.直径


各ボールの直径を4点(シーム(継ぎ目)2点、ポールとその中間)で測定する。直径測定の目的はいくつかある。まずは、ゴルフボールの相対的なサイズの確認。ボールサイズが小さければ(特に速いプレーヤーの場合)飛距離が長くなる傾向があり、サイズの大きなボールは球を上げやすい傾向がある。

また、ボールの直径を測定することで、全体に対する「一貫性」を判断することができる。また、ボールが丸いか、もしくは十分に丸いかどうかを決定する要素にもなる。

直径測定の2つ目の要素として、1.6800インチのカスタムメイド測定器を利用して、USGAの最小サイズに準拠しているか確認する。


5.重量


ゴルフボールの「重量」を把握する重要性はいくつかある。まず、すべてのボールがUSGAの最大重量(1.62オンス)に準拠しているかどうか調べたい。稀ではあるが、「重量制限を超えるボール」が見つかることがあり、それは集団となって起こることが多い。

一般的に、重いボールは飛距離が出るため、ほとんどのメーカーは常にできる限り限界に近い重量値を目標としている。

他の項目と同様に、データ収集によって特定モデルの重量が全体的にどれほど一貫しているかを確認する。


『比較ツール』の使い方

今回は、『比較ツール』が初の試みということで、出来るだけ簡単に「スコア」や「優良ボールの割合」に加えて、「一貫性」の項目を掲載した。色付きのアイコンでは、特定のモデルがデータベース全体と比較してどの程度「一貫」しているかを表している。

・ダークグリーン=非常に良い

・緑=良い

・黄色=平均

・オレンジ=普通

・赤=悪い

あまり複雑にするつもりはないが、ランク付けはサンプル全体の標準偏差に基づいて行った。

たとえば、ある測定項目の評価が「良い(Good)」だった場合、データベースの平均より「1標準偏差優れている」ことを示す。反対に「悪い(Poor)」と評価された際は、データベースの平均より「2標準偏差以上悪かった」ことを意味する。


打感に関しては、トータルコンプレッションに基づいている。詳細は以下のとおり。

・X-Soft(超ソフト):コンプレッション値45以下

・Soft(ソフト):46-62

・Medium (ミディアム):63-79

・Firm(硬い):80-96

・X-Firm(超硬い):97-113

また、「スコア」、「優良ボールの割合(%)」、「コンプレッション」、「直径」、「重量」の「一貫性」の項目を並べ替える機能も提供している。

データベースが増えれば、フィルタリング機能を追加する予定だ。


レビューへのリンク

当てはまる場合のみ、『Ball Lab』レビューへのリンクを掲載した。さらに、購入を検討している人のためのリンクも追加した。

今後、測定したすべてのボールを『Ball Lab』レビューで取り上げるわけではないが、この『比較ツール』にはすべて追加される。


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今後の予定

MyGolfSpy独自の『ボール比較ツール』が進化すれば、ゴルフボールのレビューとランキングプロセスの中心になっていくだろう。最終的には、パフォーマンスデータと比較ポイントを追加する予定だ。

他に知りたい項目があればぜひ教えてほしい。

テスト工程に関しては、「テスト方法」をご覧いただきたい。