・テーラーメイ「TPハイドロブラストコレクション」は「ハイドロブラスト製法」を採用した7本の新作パター
・3種類のブレードと4種類のマレットをラインナップ
・6月11日より店頭販売を開始、希望小売価格は250ドル
テーラーメイドによる新しい「TPハイドロブラストコレクション」パターの発表には大いにニュースの価値がある。
ではなぜ新しい「TPハイドロブラストコレクション」パターについて知るべきなのか、ましてや急いで手に入れたいと思うのか。今からこの新シリーズについて深掘りしていくが、まずは塗装について、というよりも塗装がないことについて説明をしよう。
「ハイドロブラスト製法」
テーラーメイドのパターで初めて「ハイドロブラスト製法」を採用したのは「ハイドロブラスト スパイダーX」だ。
「ハイドロブラスト仕上げ」では、高圧の水を吹き付けてパターの表面仕上げをするため、実際には仕上げがないとも言える。塗装の剥がれを心配する必要はない。「ハイドロブラスト仕上げ」では、表面はステンレススチールとなる。
「303ステンレスミルド構造」
「TPハイドロブラストコレクション」パターは全て「303ステンレススチール」で製造されている。ステンレススチールの錆びにくい性質は、「ハイドロブラスト仕上げ」との相性が抜群に良い。「ハイドロブラスト加工」のカーボンスチールのパターとなると、コースに2、3回行くと錆び錆びの代物と化してしまうのだが。
「TPハイドロブラストコレクション」は、まず303ステンレスを鋳造、その後、表面をミーリングして最終的な形状に仕上げられる。
つまり、「100%ミルド構造ではない」ということだ。しかし、鋳造後のマシンミルド加工は、全てのヘッド形状において想定される製品誤差を満たすようにする優れた製法だ。また、鋳造だけでは実現できない美的要素を加えることもできる。
鋳造後にミーリングを施すというプロセスのもう一つの利点は、消費者のために価格を抑えられることだ。もしこのパターを完全にミルドにした場合、製造コストとその結果としての小売価格は跳ね上がるだろう。完全ミルド版ならおそらく数百ドルは上乗せされるはずだ。
「ホワイトPure Roll™ インサート」
「TPハイドロブラストコレクション」のパターは全て『ホワイトPureRoll™(ピュアロール)フェースインサート』を採用している。
これはトーナメント優勝実績のある「スパイダーX」パターに採用されている『アイオノマー(Surlyn®)+アルミニウム インサート』と同じものだ。サーリン素材によるこの構造により「スパイダーX」と同じ打感と、45度下向きの溝により同じ転がりが得られる。
「ウェイトカスタマイズ」
全パターで取り外し可能なソールウェイトが採用されている。ウェイトはパターの長さに応じて純正品が用意されているが、追加のウェイト(2.5、5、7.5、10、15、20グラム)を購入すれば、ヘッドの重さを自分の好みに合わせることも可能だ。
ウェイトの配置について簡単な説明をしておこう。MOIを高めるためにウェイトをできるだけ“後方”に配置するパターとは異なり、このパターではウェイトを“前方”に配置している。当然ブレードではこの位置以外はあり得ないわけだが、マレットでもウェイトを“前方”に配置しているのだ。
ウェイトが前にあるということは、重心位置も前方に移動しているということ。つまり、マレットは「スパイダーX」よりも「スパイダーFCG」に近い、少なくともブレードに近いということになる。
「TPハイドロブラストブレード」
「TPハイドロブラストコレクション」のブレードタイプは、「ソト」と「デルモンテ」の2種。「ソト」はL字型ネック(クランクネック)と「TPハイドロブラストコレクション」の中で最も大きい40度のトウハング(トゥの傾き度合)が特徴的だ。
どっしりとした「デルモンテ」では2種類のネック形状が選べる。「デルモンテ1」はL字型ネックを採用、幅広のブレードにトウハングは29度と少し控えめ。ネックに刻まれた小さな溝は如何だろうか。「デルモンテ3」のシングルベンド/スパッドネックは、トウハングが8度と大幅に減少するが、フェースバランスというわけではない。
TPハイドロブラストマレット
「TPハイドロブラストコレクション」では4つのマレットタイプが選べる。ヘッド形状は3種類、ネック形状は各ヘッドに2種類。「チャスカ」マレットは、ジャスティン・ローズが使用したことで有名になった。独自の3本ラインとリアホールのアライメントシステムを採用したフェースバランスパターだ。
「デュページ」は、もう一つのフェースバランスマレットだ。全体的に牙っぽいデザインで、牙は互いに連結しており、中央にはアライメントビームが施されている。
「バンドン」はトウハング少なめの22度のL字型ネックと、もう少しトウハングを好む人のためにトウハング32度のショートスラントネックの2種。「バンドン」の両モデルとも、特徴的な牙の形状と調整可能なウェイトを備えている。
お得な価格設定
これを見て気に入った方は、お店に行って試してみて欲しい。テーラーメイド「TPハイドロブラスト」パターの希望小売価格は250ドル。繰り返すが、完全なミルド構造ではなく「サーフェイスミルド構造」を採用することで、お得な価格設定となっている。
気に入った製品はあっただろうか。伝統的なウェイトの「スパイダー」や「スパイダー FCG」と比較したマレットの打感についての感想も聞きたいところだ。この夏、このシリーズはかなり売れると見ている。
価格は適正で、「トラス」はなくなったし、何よりテーラーメイドのパターはいつもランキングで良い結果を出している。これは、市場での成功と顧客満足のための確かなレシピのように思える。
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