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それでは、準備はいいかな?2021年版の最も総合的な『フェアウェイウッドランキングのテスト結果』を発表する!
今年のテストには「フェアウェイウッド30モデル」がエントリー。どのクラブが『Most Wanted』の座を手に入れたのか、早速見てみよう。
MyGolfSpyでは、独自で公平、そして客観性に基づいたテストを実施しており、その情報やデータを提供している。これにより、皆さんはより自信を持って商品の購入を判断することが可能だ。
2021年『Most Wantedフェアウェイウッドテスト』は、既製品の購入者やフィッティングをする前に情報を手にしておきたい人にとって、欠かすことのできないものとなるだろう。
では今年の「ベストフェアウェイウッド」を紹介しよう。
2021年『Most Wantedフェアウェイウッド』:スリクソン「ZX」
2021年『Most Wantedフェアウェイウッド』の勝者となったのは、「ストロークス・ゲインド」で、競合に大差をつけ圧倒的な結果を出したスリクソン「ZX」だ。以下をご覧いただきたい。
・「ストロークス・ゲインド」1位
・「トータル飛距離」1位
低スピンと速いボール初速を両立したスリクソン「ZX」は、「トータル飛距離」でも「ベストフェアウェイウッド」となった。「ストロークス・ゲインド」でトップとなっただけでなく、「寛容性」でも真ん中よりも上に位置したことから、2021年の『Most Wantedフェアウェイウッド』になったと言える。
MYGOLFSPY版の「ストロークス・ゲインド」について
ストロークス ゲインド:元々は2011年からPGAツアーで導入されたプレーヤー指標。コースの難易度により大きく変動する「平均パット数」や「パーオン率」等では比較できない、選手の「本当の実力」を比較するために生まれた指標。同じコースでの全選手の平均ストローク数、あるいは同程度の難易度のコースや状況における平均ストローク数と自分のストローク数との「差」で示される。
「スコアを何で稼いでいるか」という観点で、「ドライバーショット」「アイアンショット」「アプローチショット」「パッティング」それぞれのショットが、平均値より何打“少ないか(ゲイン)“を数値化している。
MYGOLFSPYの「MOST WANTED」における製品テストでは、この「ストロークス・ゲインド」の考え方をベースとして、プレーヤーではなく“商品そのものの実力”を見るため、「ドライバー」「アイアン」「パター」等、各カテゴリーの「商品の実力」を比較する指標として用いている。
検討すべきモデルは他にも…
・「飛距離」の最大化を求めているならスリクソン「ZX」、テーラーメイド「SIM2」、そしてキャロウェイ「Epic Speed」も検討すべきだ
・「寛容性」が最優先なら、テストでトップパフォーマンスを見せたテーラーメイド「SIM2 Max D」、クリーブランド「Launcher XL Halo」、そしてツアーエッジ「Exotics C721」に注目してほしい
・テストしたモデルの中で、まっすぐな弾道が打てるトップクラスのモデルは、テーラーメイド「SIM2 Max D」、ウィルソンスタッフ「Launch Pad」と「D9」だった
・スピンの軽減を求めているゴルファーは、スリクソン「ZX」、テーラーメイド「SIM2」、テーラーメイド「SIM2 Max」を検討すべきだ
フェアウェイウッド購入で検討すべきこと
新しいフェアウェイウッドを買う時に一番に優先されることはパフォーマンスだが、それ以外にも検討しておくべきことがある。
使えなければ意味がない
多くのゴルファーにとって、フェアウェイウッドは「最もショットを安定させることが難しい」クラブだ。そのため、自分のゴルフにベストなフェアウェイウッドを見つけることは骨の折れる作業といえるだろう。一般的に他のクラブよりもフェアウェイウッドの買い替え頻度が低いことがそれを物語っている。
もし、自分が持っているフェアウェイウッドを使いこなせているなら、そのままキープしておいた方が良い。だが、もしバッグに入っている3番ウッドが苦手なら他を検討すべきだ。セッティングを構成するクラブは、使えなければ意味がない。
フェアウェイウッドが苦手なゴルファーにとって、数ヤードを犠牲にしてでも、ボールを上げやすくフェアウェイをキープできるクラブを選ぶ価値は十分にある。また、フェアウェイウッドを使わなければいけないという規則がないということも、伝えておきたい。
ロフト角
3番ウッドの定義は移り変わっている。我々がテストしたモデルのロフト角は14.5度から16度の範囲。最近のモデルは“やや打ち出しを高くする”設計になっているものの、ロフトが立っているモデルは全体的に見ると基本的にロースピンで飛距離も出るようになっている。こうした設計のクラブは、3番ウッドを「小型ドライバー」と考え、「飛距離」を重視しているゴルファーにとっては理想的だ。
反対にロフトがついたフェアウェイウッドは、3番ウッドでボールを上げることに苦労しているゴルファーのために設計されている。こうしたモデルは、打ち出し角が高いことに加えスピン量も多い。3番ウッドでグリーンを狙ったり、単にボールを真っ直ぐ飛ばしたいゴルファーにとって、このようなウッドはメリットがあるだろう。「高スピン」と「真っ直ぐ飛ばす」ということには、強い相関関係があるのだ。
もし、「高打ち出し」と「操作性」を優先するなら、ロフトのついた3番ウッドに加えて、4番ウッド、むしろそれを飛び越えて5番ウッドを検討しても良いだろう。
長さ
多くのメーカーは、フェアウェイウッドの長さをドライバーの長さで決めている。一般的に、3番ウッドの長さはドライバーよりも2インチ短い。長めのクラブは「初速」と「飛距離」という点で非常に優れているものだが、「操作性」という点ではベストではない。
一般的な3番ウッドはほとんどのゴルファーにとって長すぎるというのが我々の考えであり、これは「飛距離」を求めたことによる“負の常識”。だからこそ、我々は日頃からフェアウェイウッドの苦痛に対する答えになるかもしれない「短めのシャフト」を探すために、フィッティングを受けることを勧めているのだ。
ツアーモデル vs 標準モデル
今回のテストでは、「ツアー」と命名されたフェアウェイウッドの数は最小限になっているものの、数モデルは、「ツアー」や「プロ」モデルと同じような特徴を持つウッドだった。こうしたクラブは基本的にヘッドが“小ぶり”で、重心は“やや低く”そして“前側”に設定されている。
(「ツアー」=「コンパクト」というイメージとは異なる)コブラ「RADSPEED Big Tour」、ピン「G425 LST」、テーラーメイド「SIM2」、タイトリスト「TSi3」、PXG「0341 X Gen4」、そしてキャロウェイ「Epic Speed」のようなデザインは、上級者に対して響く特徴を持っており、ほぼ例外なく「ツアー」ではないモデルよりも「寛容性」に欠ける。
調整機能
絶対必須というわけではないが、「アジャスタブル機能(調節機能)」はフィッティングという点でメリットがある。特に多くのゴルファーが打つことに苦戦しているクラブなら尚更そうだろう。ホーゼルでロフト角を立てれば、スピンが増えフェースも閉じるので「スライスを軽減」することができる。
中弾道が打ちたいならロフトを寝かせば良いし、場合によってはウェイトをクラブの「前側」に配置すれば問題ない。何も調整できないヘッドでも素晴らしいパフォーマンスは発揮できるだろうが、「調節機能」があれば適正な結果に導けるように、フィッターがあなたのクラブを微調整することが可能になるのだ。
最適数値よりも大切なこと
ゴルフでは、少ないスコアでラウンドしたゴルファーに軍配が挙がるが、テクノロジーが発達した現代においてはこの基本的なことよりも「最適化」が優先される傾向にあるため、時としてこの純然たる事実が見過ごされがちだ。
あなたのゴルフにとってのベストなフェアウェイウッドは、「最適な数値」を実現しないことだってある。でも心配は無用だ。最優先すべきは「ナイスショット」することだ。それで「飛距離」が犠牲になっても、それはそれで問題ないだろう。
飛距離でトップ – スリクソン「ZX」
今年テストしたクラブの中で一番「飛距離」が出たのはスリクソン「ZX」だった。このクラブは素晴らしい「スピード」と、低いながら適正な「スピン」が融合。飛距離アップしたければ、「ZX」を見過ごさないで欲しい。
記録
テストでは、市場がどこに向かっているのかを探り、メーカーが年々パフォーマンスを向上させるためにどのような改善を行っているのかを分析。さらにテスト中は、テスターからクラブのフィードバック(感想)も受けている。テスターが何を気に入り、何が気に入らず、そしてその理由も理解するようにしている。しかし、こうした主観的なフィードバックを集めてはいるものの、その主観が順位に影響したり、決定要素になることはない。
トレンドと改善点
・フェアウェイウッドは「軽量化」が進んでいる。軽量クラブはヘッドスピードが速いゴルファーにとっては操作が難しいが、「XXIO 11」や「XXIO X」シリーズ、ウィルソン「Staff Launch Pad」、タイトリスト「TSi1」、そして本間ゴルフの「T//World GS」のようなモデルは、ヘッドスピードが中程度のゴルファーにとってはスピードアップが実現できる
・テストしたクラブで「アジャスタブル(調整)機能」を搭載しているのは13モデルで、これはテストした全クラブの半分にも満たない。メーカーにとって、新作ごとのラインナップに「調整機能」を搭載したりしなかったり、また数モデルだけ「調整機能」を搭載することは、珍しいことではない
・テストしたクラブのうち17モデルは「アジャスタブル(調整)機能」がない固定されたヘッドだった。こうしたモデルは「調整」こそできないが、機能がないことによる「軽量化」でパフォーマンス的にメリットもある。また調整機能がない分、製造工程上高額な価格設定にはなりにくく、「調整機能」を搭載しないことはコスト面を判断しての結果ということもある
大きなミスへの対応
ほとんどのゴルファーは、プレー中に大きなミスをするものだ。もし「スライス」があなたにとっての大きなミスなら、ピン「G425 SFT」やコブラ「Radspeed Draw」のような「ドローバイアス」のフェアウェイウッドを使えば、右サイドを気にせずプレーできるだろう。
テスターからのフィードバック
下記は、20人で構成するテスターによる主観的なフィードバックだ。フィードバックを集めることはどのテストにおいても重要であり、ユーザーの製品に対する好き嫌いの指標として彼らの意見を参考にしている。とはいえ、フィードバックは主観的なものであって、順位付けの要素にはしていない。
・スリクソン「ZX」は、『Most Wanted』を獲得しただけでなく、テスターたちによると、アドレスでの「見た目」も素晴らしく、インパクトの「打感」も良かったようだ
・クリーブランドの「Launcher XL Halo」は意外な評価を得た。テスターたちからは、「マットブラックの仕上げ」と「ヘッド形状」に対して沢山の肯定的な評価を得た
・「見た目」では、タイトリスト「TSi2」、コブラ「RADSPEED」、テーラーメイド「SIM2」、「SIM2 Max」、そしてPXG「0211」も際立っていた
・ベン・ホーガンの「GS53」は、そのトラディショナルでシンプルな「見た目」から、一部のテスターにとっては“懐かしさ”を感じるクラブとなった
寛容性でトップ – テーラーメイド「SIM2 MAX D」
テーラーメイド「SIM2 MAX D」は素晴らしい「安定性」と「正確性」を実現。他のクラブよりもフェアウェイをキープすることができた。「スライス」しないゴルファーは「ドローバイアス」という言葉に怯える必要などなく、テーラーメイド「SIM2 MAX D」は当然ながら「まっすぐな弾道」が打てるウッドであり、“スライサー限定”ということは決してない。
2021年『Most Wantedフェアウェイウッド』データ
この平均値はヘッドスピード、ゴルフスキルなど幅広い層からなる20人のテスターによるものである。
テスト方法
MyGolfSpyのミッションは、あなたに一番合う「フェアウェイウッド」を見つけることだ。
テスターについて
複数のセッションで構成されるテストは、各ゴルファーが各クラブで10-12本の「ナイスショット」が出るまで打ってもらう。試打するクラブの順番は、テスターごとにランダムで決められている。
バラつきの制限と信頼性あるデータの収集
バラつきを最小限にするため、全テスターはタイトリスト「ProV1」ボールを使用。
クラブとヘッドのデータはともにフォーサイトの「GCQuad」弾道測定器により収集した。
集計について
順位を決めるにあたっては、フォーサイトの「GCクワッド」弾道計測機を使って主要データを収集し、異常値を除いた後、独自の手法を用いて各テスターとモデルごとのストロークス・ゲインド値を計算。最高のストロークス・ゲインドとなったアイアンがベストアイアンとなる。
2021年『Most Wantedフェアウェイウッド』製品スペック
*メーカー発表のスペックではなく測定値を表示。
2021年『Most Wantedフェアウェイウッド』ー FAQ
フェアウェイウッドの購入にあたり
Q:フェアウェイウッドを買い替える頻度はどのくらいか?
A: 革新的技術が毎年のように続く稀なケースもあるが、通常メーカーがクラブの性能を向上させるには3〜5年かかる。特にUSGAがメーカーに対してクラブ規制を厳しくしたことから、大きな改革を進めるにはさらに時間がかかる可能性がある。我々がおすすめする買い替え時期は、今使っているフェアウェイウッドよりも明らかに「性能」が優れたフェアウェイウッドが見つかったときに買い替えることだ。もちろん、単に新作が出たから欲しいというなら、それも問題はないだろう。
Q:どのように自分のプレースタイルに合うフェアウェイウッドを見つければ良いか?
A: 専門フィッターによる適正なクラブフィッティングが、あなた独自のプレースタイルに合うフェアウェイウッドを決める上で役立つ。しかし、そのためにはフェアウェイウッドで「どのようなショットを打つ必要があるのか」、自分のニーズを把握しておく必要がある。フェアウェイウッドを主に「ティーショット」で使うのか、それとも「芝」から打つのか?ティーショットで多用するなら、「ディープフェース(フェースのソール側から、クラウンまでの厚さが厚いもの)」のモデルを使った方が厚みのあるショットが可能になるだろう。逆に「シャローフェース(フェースのソール側から、クラウンまでの厚さが薄いもの)」で面長のフェアウェイウッドなら、“芝の抜け”がよくなり、フェアウェイや“ラフ”からのソリッドに当てることができるはずだ。あなたのフェアウェイウッドへのニーズをフィッターに理解してもらうためにも、フィッティングを受ける前に自分のプレースタイルをしっかり把握しておこう。
Q:シャフトは重要か?
A: もちろん重要だ。スピン量や打ち出し角の差はそれほど大きくないが、シャフトを変えることで「ショットの精度」や、「前後左右へのバラつき」、そして全体的な「安定性の向上」が実現するだろう。
Q:フェアウェイウッドを試打する時は何に注目すべきだろうか?
A: ゴルファーは飛距離以外のほとんどに目を向けない傾向があると思うが、「(ローンチモニターの)細かい数字」や、「丸で囲まれた数字」にも注目すべきだろう。「飛距離」と「ボール初速」などの数値を比べる際も、必ず「標準偏差(ローンチモニターのスクリーン上では、これらの数値は大きな数字の下に表示される)」をチェックすること。数字が小さいほど「安定性」に優れているが、これはコース上だと1~2ヤード飛距離が伸びることでもある。同様に(丸で囲まれた)バラつきも確認して欲しい。フェアウェイウッドでは、「安定性」を過小評価してはいけないのだ。
ベストを決めるテスト
Q:どのようにフェアウェイウッドを各テスターにフィットさせるのか?
A: テストでは「フィット・フロム・ストック」というフィッティングプロセスを活用している。各テスターは、カスタムではなくメーカー在庫(ストック)にあるフェアウェイウッドを使用。今回テストしたフェアウェイウッドは、ロフトが14.5度から16度までとなっている。このうち何本かは「アジャスタブル(調整)機能(ロフトと重心)」があり、最適弾道を実現するために「アジャスタブル(調整)機能」を活用。また、今回は各テスターに合わせてフレックスも調整した。弾道を改善できるように異なる標準シャフトが装着された複数のセットを送ってくれたメーカーがいたことも付け加えておく。
Q:どのように2021年の「ベストフェアウェイウッド」を決めるのか?
A: 異常値を除いた後、各テスターとモデルごとの「平均ストロークス・ゲインド値」を計算。最高のストロークス・ゲインドとなったフェアウェイウッドがベストフェアウェイウッドとなる。
Q:「最も飛ぶフェアウェイウッド」はどのように決めるのか?
A: 我々が各モデルをテストした「合計飛距離」により「最も飛ぶフェアウェイウッド」は決まる。
Q:「最もやさしいフェアウェイウッド」はどのように決めるのか?
A: 「最もやさしいフェアウェイウッド」は、「ベストショットのストロークス・ゲインド」と「一番悪かったショットのストロークス・ゲインド」を比較。これらのストロークス・ゲインドの「ギャップが一番小さかった」ものが、「最もやさしいフェアウェイウッド」とする。
Q:「見た目」、「打音」、「打感」などの主観的なフィードバックはどれくらい順位に影響するのか?
A: 全く反映されない。この順位は「ローンチモニターのデータ」と測定できる「パフォーマンスの数値」のみで決定される。
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