「ブレード」対「マレット」 – パフォーマンス分析
テクノロジーが常に進化している中、パターにおいては「ブレード」と「マレット」という2つのシンプルな構造は変わらずにいる。長年に渡り、我々は両カテゴリーにおける驚くべきデザインを目にしてきた。
オデッセイ「2-Ball」やピンの「ANSER(アンサー)」、そしてスコッティ・キャメロンの「New Port(ニューポート)」など定番の人気モデルもあるが、ピンの「Doc 17」、オデッセイの「2-Ballブレード」、ジャスティン・ローズが使用していた「Axis1(アクシスワン)」、そして女子プロに人気の今や入手困難とも言われるテーラーメイドの「Truss (トラス)」といった謎めいたパターもある。
しかし、「見た目」や「フィーリング」が必ずしも「性能」と一致するわけではない。「ブレード」と「マレット」の間にはわかりやすいパフォーマンスの差はあるのだろうか?そして、その差はどのくらいなのか?チェックしていこう。
『Most Wanted』パターテスト
我々の『Most Wantedテスト』では、「ブレード」と「マレット」の両方をチェックしている。テストを通じて有益なパフォーマンスデータを得ることが可能だが、今回の記事では、『Most Wantedブレード』と『Most Wantedマレット』テストの両方に参加した18名のテスターから集めたデータを採用している。
※『Most Wantedテスト』とは、(年に1度、その年に発売された各モデルの「性能テスト」を実施し、その結果を発表。また、我々独自の「ストロークス・ゲインド」の手法により算出した結果をもとに、NO.1モデルを決定するというもの。各カテゴリーのランキング結果および性能テストの結果は、HOMEの『Most Wanted』からご覧いただきたい。
パターテクノロジー
長年に渡り、パターの進化の中心はテクノロジーだった。
「ブレード」は、時代に囚われない「デザイン」や「フィーリング」、「精度」を合わせ持っている。また、時が経つにつれ、周辺重量のヒール/トゥウェイトが重要視され、「一貫性」と「寛容性」が向上。現在では、「フェーステクノロジー」が主流であり、革新的なフェースも登場している。
ちなみに2021年の革新的なフェースをいくつか挙げるならば、オデッセイの『ホワイトホット・インサート』が復活し、Sik(シック)ゴルフは『ディスセンディング・ロフトテクノロジー』を採用。トミーアーマーは、CNCミルドの『6061アルミニウム・フェースインサート』が特徴となっている。このように、「フェーステクノロジー」にはさまざまな姿があるというわけだ。
「マレット」は、「ブレード」よりも多くの機能を備えている。例えば、ヘッドサイズが大きいこと。これにより「MOI(慣性モーメント)」がアップする。一方、一般的に同じメーカーの「マレット」と「ブレード」のフェーステクノロジーは一貫している。
「ブレード」対「マレット」の結果
我々は、数値による効果検証を重要としている。そこで、「ブレード」と「マレット」では、どのくらい「性能差」があるのか?それぞれ「5フィート(1.5m)」、「10フィート(3m)」、そして「20フィート(6m)」でどちらが最高のパフォーマンスを発揮したのかテストした。では見ていこう。
「5フィート」では、「マレット」の方が「ブレード」よりも平均で2パット少なかった。「10フィート」では、ブレードの方が平均4パット少ない結果に。「20フィート」だと「ブレード」の方が平均で3パット良かったため優位な結果となった。「全体」としては「ブレード」の方が平均で4パットを上回った。
各距離からと全体の「平均合計パット数の差」は僅かだが、注目すべき統計的な「差」がある。そこでいくつかの重要ポイントを見ていこう。
重要ポイント
1、「ブレード」に軍配 10フィート(1.5m)から
合計平均パット数が223という中、「ブレード」パターは「マレット」よりも4パット少なかった。そして「10フィート」からのパットだと、「ベストブレード」パターは「ベストマレット」と5パット差。トミーアーマー「Impact No. 2 Wide(インパクトNo. 2ワイド)」、オデッセイ「ホワイトホット OG #1」はともに合計211パット。オデッセイの「ホワイトホット OG 2ボール」は合計216パット。クリーブランドの「HB Soft Premier 10.5(HBソフトプレミア10.5)」はマレット第2位で合計219パットだった。
こうして10フィートからだと、ブレードパターが全体的に優れていたというだけでなく、「ブレードパター」の2モデルが「ベストマレットパター」を圧倒する結果となった。
2、テスターメリット(ブレード対マレット)
今回のテストは、18名のテスターからデータを収集した。また、各テスターは両方のテストに参加。テスト中は、テスターが「ブレード」と「マレット」の両方使用することでメリットを実感。10名のテスターが、マレットパターテスト時に合計平均パット数で「1.02」減る結果となる一方、残りの8名は、ブレードパターテスト時に合計平均パット数を「1.24」も減らした。しかし、「ブレード」にメリットを感じたテスターの方が合計平均パット数は減少。これは興味深い結果だ。
3、総合トップのパターたち
「ブレード」、「マレット」ともに、テスターが最高の結果を出したパターが3モデルずつある。
ブレードパター部門では、オデッセイ「ホワイトホット OG #1 ストロークラボ」、トミーアーマー「Impact No. 2 Wide」、スコッティ・キャメロン「スペシャルセレクト・スクエアバック2」がそれぞれ合計平均パット数で1位、2位、3位。
マレットパター部門では、オデッセイ「トリプルトラック 2ボール」、オデッセイ「2ボール Ten S」、そしてピン「Harwood(ハーウッド)」がそれぞれ1位、2位、3位となった。
フィッティングを受けよう
今回のテスト結果によると、特に10フィート(3m)、20フィート(6m)からのパットにおいて「ブレード」の方が若干「マレット」よりもメリットがあることが分かった。このような結果となった絶対的な要因はないが、テストでは「ブレード」を使った時にパフォーマンスが向上したテスターが多かったということだ。
一方で、「マレット」を使用した時にパフォーマンスがアップしたテスターもいた。新作パターを検討するときは、「ブレード」と「マレット」を比較し、どちらが自分に合っているかを確認した方が良いだろう。
そのあとはフィッティングを受けることだ。パターを適切な長さとライ角に合わせれば、あなたにとって大きなメリットになる。
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