4番アイアンをハイブリッドに変えるべき?もしくは7番ウッド?
「アーコス」からリリースされた最新のアップデート『Strokes Gained by Club(クラブ別ストロークス・ゲインド)』分析は、市場に出回るどの商品より高度なデータ分析を提供することを目的に開発された。“ツアープレーヤー”も含まれる。
「アーコス キャディー(Arccos Caddie)」アプリに搭載されるこの機能は、あなたのバッグに入っている各クラブがどの程度プレーの役に立っているか、または妨げているか計算してくれる素晴らしい機能だ。
ストロークス・ゲインドとは
「ストロークス・ゲインド」の概念は簡単だ。あなたが打ったすべてのショットは、データベース平均と比べて多いのか少ないのかを計算することができる。たとえば、平均的なハンディキャップ5のゴルファーが150ヤードからホールアウトするのに3.2ストロークかかるとしよう。
3ストロークでホールアウトすれば、0.2ストロークが得られる(ゲイン)。逆にホールアウトするのに4ストロークかかるとすると、0.8ストロークのロスになる。繰り返すが、これは平均的なハンディキャップ5のパフォーマンスと比較したものだ。
当然のことながら、スクラッチゴルファーなら3.2ストローク未満だろうし、ハンディキャップ10のゴルファーは3.2以上打つ可能性が高い。
PGAツアーでは、すべてのショットが「ストロークス・ゲインド分析」の対象となる。そのため、データはその週のフィールドのパフォーマンスに基づいている。アーコスバージョンは、アマチュアゴルファーにも同じ方法でより高度なデータ管理に適応しようという試みだ。
アーコス「クラブ別ストロークス・ゲインド」の使い方
「クラブ別ストロークス・ゲインド分析」サービスを利用することで、クラブ全体のパフォーマンスにおける深い洞察が得られる。そもそも14本のクラブすべてを最適化することは大変な作業だ。そのため個々のクラブではなく、クラブ全体(セット)で見ることがよくある。
例えば、アイアンセットをカスタムフィッティングする際、注文するクラブは6本か7本だが、おそらくフィッティングで試すのは7番アイアンだけだろう。そして、ロフト角、ライ角、セットの組み合わせは、7番アイアンを基本に決定される。
つまり7番アイアンからの推測でカスタムフィッティングが行われるのだ。主に練習場や打席で打った7番アイアンのショットに従って、PW ~4番アイアンのパフォーマンスを推測することになる。
だからといって、全ゴルファーが苦闘しているわけではない。「7番アイアンは好きだけど、5番アイアンはいつもスライスする」というのはアマチュアゴルファーの常套句だ。プレーヤーのショットミスという側面は勿論ある。
しかし、潜在的な原因を絞り込むのに役立つのは、やはり「正確なデータ」なのだ。5番アイアンが唯一マイナスのストロークス・ゲインド値を示すクラブだとデータが示せば、何よりもまずそのクラブのスペックをチェックすることは非常に理にかなっている。
アーコスシステムを使用すると、個々のクラブのパフォーマンスを分析し、さまざまなハンディキャップ範囲と比較することが可能になる。
たとえば、あなたが現在ハンディキャップ18で、今年の終わりまでに1桁にすることを目標としているとしよう。評価によって得られたクラブごとのストロークス・ゲインドは、ゲームのどの領域が強みで、どの部分にもっと注力する必要があるかを判断するのに役立つ。
さらに、データベースには毎年何百万ものショットが追加される。そしてデータベースが大きいほど、より正確な情報が可能になるのだ。
アーコスのデータは、特定のケースにも役立つ。7番ウッドを使い続けるほうがいいのか、それとも3番アイアンを使うべきなのか?といったケースだ。十分なショット数が集まると、アーコスは各クラブのストロークス・ゲインド値を計算する。
7番ウッドで0.5ストローク/ラウンドをロスし、3番アイアンが0.5ストローク/ラウンドプラスだった場合、クラブ選択は明確だ。
両方のクラブのパフォーマンスが比較的同じだった場合、コース状況や天気に基づいてどちらかを選択することをお勧めする。どのような場合でも、直感による決定ではなく、データ主導の選択が役に立つ。
アップデートの価値
ハードウェアよりもソフトウェアのアップデートの方が簡単で効率的だ。それはまた、消費者にとって安いものになる。iPhoneやコネクテッドTV、テスラなどが良い例だ。
メリットとして、無料でアップデートの恩恵を受けられることが多く、一般的にユーザー体験が向上することが挙げられる。すでにあるプラットフォームに追加サービスを提供する企業は、次の機器を発売する際にリピーターがつくことが多い。
そのため、これはアーコスにとって重要な一歩だ。継続的な改良に注力していることを既存の(および潜在的な)顧客に証明しているとも取れる。さらに、今後も定期的にソフトウェアがアップデートされることを期待せずにはいられない。
最終的なゴールは、ゴルファーがコースに来て、プレーし、その後家に帰るまでの間にすべての計算をアーコスが行ってくれるという体験をしてもらうことだ。
実際には、クラブ別の「ストロークス・ゲインド」はアーコスリンクの開発ほど飛躍的ではないかもしれないが、「アーコスキャディー」エコシステムを実現させるための小さな一歩になるのは間違いないだろう。
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