タイトリスト史上最高のドライバー?

タイトリストの「975D」ドライバーを覚えているだろうか?このクラブは、間違いなくこれまでのタイトリストドライバーの中で最高のクラブの一つだったが、現在、多くの人が「TSi3」の方がさらに良いかも知れないと言っているのだ。

今回、それが真実なのかタイトリスト「TSi3」ドライバーをチェックすることにした。


タイトリスト「TSi3」ドライバーレビュー

「上級者向け」と位置付けられているタイトリストの「TSi3」ドライバーは、「コンパクトな形状」と「可変ウエイト」を搭載していることから、やや「寛容性」に劣る。ヘッド体積は460ccだが「サイズ vs 形状」の対比が典型的であり、かなり小ぶりで、実際のサイズよりも小さく見える。

「TSi3」は、弾道が中弾道でウエイトによる重心の調整もが可能。(スイング中の)エアロダイナミクス(空力特性)が15%向上しており、これを別の数字に置き換えてみると、0.1m/sの初速アップにつながる。ゼロということはないが、それほどでもないというわけだ。

「TSi3」のウエイトトラックはさておき、最も評価できる改善点は新しいフェースデザインだろう。

タイトリストは、この新しいフェースデザインのスピン特性についてメリットがあるとはしていないが、このデザインにより、さらにフェースの真ん中でインパクトできる可能性があることを示す予備データがあるとしている。この調査は現在進行形だが、同社は念のために特許を取得したようだ。

「TSi」シリーズでは、前後のMOI(慣性モーメント)の向上(「TS」よりも5%)があるが、最も大きく改善したのは上下のMOIで、「TSi2」で13%、「TSi3」では10%もアップしているという。

これにより、一般的な安定した弾道の実現とは別に、より安定したスピン性能を実現することができ、より低スピンの特性が妥当な時は、そうしたセッティングが可能になるという。


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テスト方法

我々は、2022年の『MOST WANTEDドライバーテスト』において、3つのヘッドスピード(低・中・高)で「飛距離」、「キャリー」、「ボール初速」、そして「正確性」を最も総合的に評価するために1万8,000ものショットを実施した。

今回、35名のゴルファーが420時間以上に渡って、我々の研究施設でタイトリスト「TSi3」のテストを実施した。データはフォーサイトの「GCクワッド」弾道測定器を使用し、バラつきを最小化するために、全テスターはタイトリスト「Pro V1」を使用。スコアを算出する前に異常値を省いた上でデータを集約した。


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総合データ

今回、これまで目にしたことがない形でタイトリスト「TSi3」ドライバーを分析したいと思う。異なるヘッドスピードの35人のゴルファーに分類することで、このドライバーがあなたにマッチするのかが分かるだろう。断っておくが、この異なるヘッドスピードにおいて、全てのクラブが同じように性能を発揮するわけではない。

だからこそ、分類することにした。これにより、タイトリスト「TSi3」ドライバーを試打するべきか、お金をかけるべきでないかを見極めることができる。


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低ヘッドスピード(42m/s以下)

ゴルフクラブは、ヘッドスピードにより違ったパフォーマンスを発揮する。これまで同様、ここでは個々のゴルファーにとってより有意義な情報をお届けできるようにデータをセグメント化。ドライバーのテスト結果を3つのヘッドスピードごとに分類した。

もしあなたのヘッドスピードが「42m/s以下」なら、このデータはあなたのためにある。


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中ヘッドスピード(42m/s~47m/s)

ヘッドスピードは、それぞれのゴルファーにとって最高のパフォーマンスを発揮するクラブを決める上で重要な要素になることが多い。中ヘッドスピードのグループでは、最も飛んだケースと飛ばなかったケースの差が20ヤード近く出る結果となった。

もしあなたのヘッドスピードが「42m/s~47m/s」なら、このデータはあなた向けといえる。


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高ヘッドスピード(47m/s以上)

高ヘッドスピードのグループにおいて、最も飛んだケースと飛ばなかったケースの差は20ヤード以上も出る結果となった。

我々は、あなたが既製品を購入するタイプであっても、常にギアを微調整するタイプであっても、あるいは知識が豊富な専門スタッフのフィッティングを、時間をかけて受けるタイプにも対応したいと考えている。だからこそ、ドライバーのテスト結果を3つの異なるヘッドスピードごとに分類した。

もしあなたのヘッドスピードが「47m/s以上」なら、下記のデータはあなた向けといえる。


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専門家のアドバイス – 可変式ウエイト

前重心(ウエイトを前方に動かす)にすると打ち出し角(弾道)が低くなり、スピン量が250-500rpmほど減少する。

一方、後重心(ウエイト後方に動かす)にすると、MOI(「寛容性」)は向上するが打ち出し角(弾道)は高く、スピン量が増えることになる。ウエイトをヒール寄りに配置すると、後ろに重心を配置した時より「寛容性」は低くなるが、スライス抑制には役立つ。

またウエイトを前方向にすることでややフェードバイスとなるが、後方向に配置するとより(ヒールウェイトほどではないが)ドローバイアスとなる。


MyGolfSpyの見解

MyGolfSpyのスタッフは、テストも含め全てのドライバーを打ち、クラブ対クラブで個々のドライバーを比較したフィードバックを提供している。

MyGolfSpyの製品テストディレクターのハリー・ノッドウェルによれば「TSi3」の「『打感』と『打音』は最高クラス。『見た目』はタイトリストの伝統的なスタイルという感じで、アドレスではよりコンパクトな、こちらもタイトリストならではの伝統的な形状に見える。『可変ウエイト』は使いやすいというだけでなく非常に効果的。ミスヒットに強く、ボール初速もそれほど落ちることもなく、想定したスピン量も損なうことはない。今では私もタイトリスト『TSi3』ドライバーのユーザーだ」とのこと。

またマネージングエディターのトニー・コビーは次のように語る。「現在、タイトリスト『TSi3』ドライバーを使っているが、飛ぶし非常に精度も高い。『見た目』も秀逸でウエイトシステム(『可変ウエイト』)も使いやすく直感的だ。低スピンになり過ぎない低スピンタイプとなっている。ドローやフックに悩んでいるなら『TSi3』が役立つだろう」。




テスターからのフィードバック

・タイトリスト「TSi3」はキャリー、トータル飛距離、そしてボール初速でトップ5となった

・「見た目」と「打感」ともに我々のテスターからは肯定的な言葉があった

・数名のテスターから、クラウンの光沢ある仕上げがやや気になるという声があった

・「伝統的」な見た目のドライバーを好むテスターは、テストでもタイトリスト「TSi3」を気に入っていた


スペックと詳細

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FAQ

Q:どれくらいの頻度でドライバーを買い代えるべきか?

A:通常メーカーがクラブの性能を向上させるには3~5年かかる。みんな、その時々で真新しいものを手にしたいが、今使っているドライバーよりも、明らかに性能が優れたクラブが見つかったときに新しいドライバーを買い代えることだ。


Q:シャフトは重要か?

A:もちろんだ。スピン量や打ち出し角の変化はそれほど大きくないが、シャフト交換によって得られるのは、正確性や、ボールのばらつき、総合的な安定性などの向上だ。


Q:ドライバーの試打では、何に注目すればよいか?

A:飛距離だけにこだわらないでほしい。あと数ヤード伸ばしたいのはわかるが、「方向性」や「安定性」を示す細かい数値を見逃してはいけない。弾道測定モニターでは平均値の下に小さく標準偏差が表示される。これらの標準偏差が「安定性」に深く関連するので、見逃さないようにするべきだ。