・テーラーメイド「ツアーレスポンス」は、低~中ヘッドスピード向けに設計された3ピースゴルフボール
・新「ストライプ」バージョンは、画期的なアライメントテクノロジーを取り入れている
・価格は39.99ドル
・新「Soft Response(ソフトレスポンス)」も同時発売、価格は29.99ドル
タイトルだけを見ると「ツアーレスポンス」新バージョンの紹介だと思われるだろうが、中身はもっと興味深いことが上記のチェックポイントからお分かりいただけるだろう。
2022年「ツアーレスポンス」は、かつての「プロジェクトa」の第2世代を表す。「プロジェクトa」で証明したことは、「ツアーレスポンス」でも応用可能だ。一般ゴルファーのために設計された、ウレタンカバー3ピースボール。言い換えると、中ヘッドスピードのゴルファー、または「力に限界のある」ゴルファーを対象としている。
基本的に、「ツアーレスポンス」は低~中ヘッドスピードのゴルファーに最適だ。
「Tour Response(ツアーレスポンス)」のカテゴリー
競争力の観点から、同社は「ツアーレスポンス」を異なる点で見ている。
価格的にはタイトリスト「Tour Speed」、「Tour Soft」、キャロウェイ「ERC Soft」が競合にあたる。一番の競合は「Tour Speed」だが、このボールは『射出成形カバー』の硬いボールだ(「ツアーレスポンス」は『キャストウレタンカバー』)。
パフォーマンスの観点で主な競合としては、キャロウェイ「Chrome Soft」およびタイトリスト「AVX」が挙げられるが、ブリヂストン「Tour B RX」もおそらくここに含まれる。
性能と打感の面では「Chrome Soft」が最も直接的なライバルでしょうが、データ上では、「Tour Speed」をよりソフトにしたような印象を受ける。
「ツアーレスポンス」−性能と打感
ウレタンボールが主流になるにつれ、「ツアーレスポンス」はソフトなボールと見なされてきた(テーラーメイドによるコンプレッションは70)。さらにソフトなボールの初速が遅いことは知られているが、中ヘッドスピードではソフトコアの高コンプレッションはそれほど大きな問題ではないはずだ。
柔らかいことで失われるドライバー飛距離は、最悪の場合最小限に抑えられるが、高弾道、低スピン、新たな硬いマントル層が組み合わされることにより、アイアンでの距離が期待できる。
実を言うと、2022年版「ツアーレスポンス」はすべての要素が新しく改良されたわけではないが、カバーとマントル層が大幅に強化されているため、万能なボールとして生まれ変わっている。
ツアーフライトディンプルパターン
おそらく最も顕著な改良は、テーラーメイド独自の『ツアーフライトディンプルパターン』によって改善されたエアロダイナミクス(空力特性)だろう。これは「TP5」シリーズと同じディンプルパターンを採用しており、それだけでも効果がありそうだが、前モデルよりも飛距離が伸びると同社はいう。
技術的には、『デュアルラジアスデザイン』の浅いディンプルなのだが、最終的にゴルファーにとって重要なのは、新しいカバーにより減る空気抵抗だ。2022年版「ツアーレスポンス」で得られるのは、前モデルと同様の弾道だが、持ち堪える時間が少し長くなる。つまり、キャリーが増えるというわけだ。
簡単な説明ではあるが、「ツアーレスポンス」を高弾道、低スピン特性と言える。2021年『ボールテスト』では、市場で最もスピン量の少ないウレタンボールの1つであることが分かった。そうだと言える理由は十分にある。
HFM(HIGHFLEX MODULUS)マントル
2022年「ツアーレスポンス」で改善されたもう一つは、『HFM(高屈曲弾性率)マントル層』。カバーと同様、マントル層も「TP5」譲りのものである。今回の「HFMマントル層」は、前モデルに搭載していたテクノロジーよりも剛性が高く、弾力性がある。さらに強くなった剛性と、エアロダイナミクス(空力特性)が相まって、コンプレッションを上げることなく初速を上げることに成功したという。
「ツアーレスポンス」は、ウレタンカテゴリー内のソフトボールのままだ。
技術的には硬いマントル層からグリーン周りのスピンが得られるが、アベレージゴルファーが気づくレベルではないという。アイオノマー/サーリンボールから「ツアーレスポンス」に切り替えるゴルファーがいたら、グリーン周辺で大幅な改善が見られるはずだ。
テーラーメイド「Tour Response Stripe(ツアーレスポンス ストライプ)」
2022年「ツアーレスポンス」ラインには360度のアライメントエイドを備えた「ストライプ」モデルが登場する。
テーラーメイドの「ストライプ」は、同社のPIX製品に採用される「ClearPath」アプローチとは根本的に異なる。
同社は「ClearPath」をフィードバックツールとして説明しており、ボールの転がり方を確認するツールになっている。一方「ストライプ」は、ボールのアライメントをしやすくするために作られたものだ。
「ストライプ」には、ボールの直径全体に22mmのバンドが描かれている。「Triple Track」に対抗しているとも言えるが、研究開発とパターン印刷に必要な機器の設計に至るまで、デザインの作成に多大な努力が払われたことも事実だ。
ストライプゴルフボールができるまで
研究開発面では、無数のアイデアをいくつかの最終的なデザイン候補(プロトタイプ)に絞り込んだ。そこから、同社は倉庫に円形のパッティンググリーンを設置して、ゴルファーにランダムな位置から「ストライプ」ボールを並べるようにお願いした。
そこから、テスターに「ストライプ」をホールに合わせてもらった。次に、同社がそれぞれをレーザー測定して、「アライメントの精度」を測った。
最終的な「ツアーレスポンス ストライプ」のデザインは、ゴルファーが最も正確にならべたものを採用。さらに、ゴルファー達は単一のラインに対してボールをより一貫して、より迅速にならべることができたと言う。
ストライプデザインの中央部分が注目を集めることは間違いないが、「ストライプ」では複数のアライメント方法が可能だ。
「ストライプ」をアライメントの主要な手段として考えるのはもちろん、同社はストライプを囲む点線パターンを頼るゴルファーもいれば、ロゴ、サイドスタンプ、プレーヤー番号を結ぶ線からアライメントの手がかりを得るゴルファーもいることを発見した。
実際には、3つのすべてが一貫した正確なアライメントを決める役割を果たしているようだ。
テーラーメイド「ツアーレスポンス」カラー
純正のデザインは、蛍光イエローストライプが特徴。ゴルフボールにストライプを描くのは簡単そうに見えるかもしれない。「PIX」ボールと同じプリントマシーンを使えばうまくいくと思うかもしれないが、そうではない。
このストライプデザインを実現するため同社は新しいデジタルプリンターに投資する必要があった。安価な既製品ではない。これはかなりの投資であり、「ツアーレスポンス ストライプ」が決して1回限りのものではないことが容易に考えられる。
テーラーメイド「ツアーレスポンス ストライプ」
現在のところ、「ツアーレスポンス ストライプ」は黄色のストライプのみ発売される。「ストライプ」ゴルフボールの人気を高めるための取り組みの一環として、よくプロショップで見かける個々の「ジャーボール」を販売するようだ。
以前、「Volvik」がマットボールを発売した時のやり方に似ている。ゴルファーの注意を引くため(そして興味を持ってもらうため)、ジャーボールはネイビー、ピンク、ブラッドオレンジが揃う予定だ。
「ツアーレスポンス ストライプ」が流行した場合、追加の色が出るのは時間の問題だろう。
「ツアーレスポンス ストライプ」を「TP5」ラインナップに適応させる計画はあるのか?具体案はないが、すでにリクエストがあるようなので問題外というわけではなさそうだ。テーラーメイドがプリント機械に投資していることを考えると現実味は十分にありそうだ。
テーラーメイド「ツアーレスポンス」および「ツアーレスポンス ストライプ」の小売価格は、39.99ドル。
テーラーメイド「Soft Response(ソフトレスポンス)」
また、テーラーメイドの「ソフトレスポンス」新バージョンも発表されている。「ソフトレスポンス」は、アイオノマーカバーの3層構造。名前からわかるように、低コンプレッション(全体で50、前モデルから10ポイント減少)は、打感重視のゴルファーを対象としている。
「ツアーレスポンス」同様に、「ソフトレスポンス」は低~中ヘッドスピードのゴルファーを対象としている。
3ピース構造はスピンロスを軽減しながら、ボール初速を維持するのに役立つが、低コンプレッションとアイオノマーカバーということは、グリーン周りでのスピン性能に欠けることを意味する。
「ソフトレスポンス」のカラーは白と黄色。小売価格は29.99ドル。現在発売中。
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