アシックス「GEL-ACE PRO M STANDARD(ゲルエース プロ エム スタンダード)」ゴルフシューズ:重要ポイント
・松山英樹選手のゴルフシューズがアメリカにやってくる
・防水性のある合成繊維のアッパーを持つ軽量スパイクシューズ
・カラーバリエーション:ホワイト×ブラックトリム、ブラック×ピュアシルバートリムの2種類
・価格は199.99ドル
新アシックス「GEL-ACEPRO M Standard」ゴルフシューズは、北米アシックス/スリクソンにとって重要な商品だ。このシューズにはいくつか初めての試みがある。
まず、これは北米市場に登場したアシックス初の「PGAツアーシューズ」だ。つまり、松山英樹プロのゴルフシューズ。
2つ目は、新たに「ダンロップ・スポーツ・アメリカ」の傘下として発売される初の商品であること。ダンロップスポーツは、住友ゴム工業の新しい北米子会社だ。
そして3つ目に「GEL-ACE PRO M Standard」が、アシックスにとって北米で初のいわゆる「伝統的な」スタイルのゴルフシューズであること。定番中の定番というわけではないが、アスレチックスタイルのゴルフシューズでは絶対ない。
そして当然のことながら、最高のゴルフシューズになるかもしれない。『バイヤーズガイド』で見せたアシックスの中途半端なパフォーマンスを考えると、うわべだけの褒め言葉に聞こえるかもしれない。しかし、2ラウンド後に分かったのだが、これはスタメンレベルの靴であると言っても過言ではない。
アシックス「GEL-ACE PRO M STANDARD」:定番のゴルフシューズ?
アシックスのゴルフシューズを「伝統的」と呼ぶのは大袈裟かもしれない。これまで、アシックスの北米でのラインナップは、ランニングシューズと同じルックスや履き心地が特徴だった。もし運動靴のルックスが好きなら、悪い話ではない。
それに「伝統的」と一口に言っても、見る人によって異なるものだ。
しかし、「GEL-ACE PRO M Standard」(やや名前が長いが)は、アシックスのDNAを豊富に引き継ぎ、昔ながらのゴルフシューズのルックスを備えている。少なくとも、松山選手に見る「クラシックさ」がある。
これ以外のアシックスラインナップでは、「防水ポリウレタンコーティング」を施したメッシュタイプのアッパーが特徴だったが、「GEL-ACE PRO M Standard」は、柔らかく防水性のある合成皮革のアッパーになっている。それ故はるかにクリーンで、見た目もスッキリしている。アシックスのロゴでさえやや控えめだ。
ゴルフ専用「TRUSSTIC™」
同社によると、このシューズモデルは「履き心地」と「安定性」を重視して設計されているという。そのために、同社独自のテクノロジーである『Trusstic™』のゴルフ版を採用。
「Trusstic(トラスティック)」とは?
アシックススポーツ科学研究所によって開発された『Trusstic™』は、靴の土踏まず部分にあるスポーツ特有のカーボンサポートのことで、足裏にあるアーチのためのテクノロジーだ。同社によると、『Trusstic™』の形は、スポーツの運動特性に基づき、シューズの中央部を補強し、サポート力を高め、ねじれを軽減するように設計されている。
たとえば、テニス用『Trusstic™』は、バスケットボールのそれとは大きく異なる。「GEL-ACE PRO M Standard」に採用されるゴルフ専用『Trusstic™』は、後足から前足まで伸びるクロス型サポートだ。アシックスのスパイクレスシューズにはアーチサポートが欠けているが(インソールが必須)、『Trusstic™』の効果は絶大。十分な安定性を提供し、アーチサポートのためのインソールの必要性がなくなる。
しかし、そうすると安定性とサポートの代償に重量が重くなる。これを相殺するために、「GEL-ACE PRO M Standard」には特許取得済みの『FlyteFoam®』ミッドソールが使用されている。業界標準の「エチレン・ビニー・アセテート(EVA)」ミッドソールよりも55%軽量だという。また、かかと部には衝撃吸収性に優れた『GEL™』を採用し、クッション性を高めている。
※EVA:エチレン酢酸ビニル共重合樹脂(エチレンビニルアセテート)
この中で18ホールを歩いても何ら問題ない。
価格と販売予定
伝統的なルックスが特徴のアシックス「GEL-ACE PRO M Standard」は、小売店およびオンラインで購入可能。カラーは、黒のトリムの上品なホワイトと、シルバーのトリムを備えた同様に上品なブラックの二色展開。
発売時は、メンズモデルのみの販売となる。サイズ7〜12までフルサイズとハーフサイズが揃い、13と14はフルサイズのみ。ただし、標準幅しか用意がないため、足幅が広い場合は合わないかもしれない。
アシックス「GEL-ACE PRO M Standard」の価格は199.99ドル。
アシックス「GEL-COURSE DUO BOA」:紐(レース)からBOAへ
「GEL-ACE PRO M Standard」だけでなく、もうひとつのスパイクシューズ「GEL-COURSE DUO BOA」もアップデートしている。
もちろん「アップデート」といっても、新しいカラーに変わっただけだが。
「GEL-COURSE DUO BOA」は、2019年後半に発売された最初の北米アシックス/スリクソン商品のひとつだった。これは、「GEL-ACE PRO M Standard」よりももっとアスレチックぽい靴で、「靴ひも」ではなく「BOA」仕様になっている。
新カラーは、ホワイトに最小限のブラックトリム、ブラックに最小限のホワイトトリムの二色。スタイルオプション以外に見た目で分かるアップグレードは特にない。
新「GEL-COURSE DUO BOA」シューズは、小売店およびオンラインで発売される。また、こちらもメンズのみでサイズ7から12までフルサイズとハーフサイズ、13と14でフルサイズがすべて標準幅で用意される。
価格は179.99ドルだが、旧モデルは129.99ドルに値引きされている。
その他の情報
前述のように、今回の新アシックスシューズは新しい「ダンロップ・スポーツ・アメリカ」の傘下で発売された最初の商品だ。
今年の春の初めに、スリクソン/クリーブランド/XXIOは、北米での事業を「ダンロップ・スポーツ・アメリカ」に変更することを発表。歴史をよくご存知の方ならお分かりだろうが、元々のイギリスのダンロップゴルフとテニスの企業、「Maxfli」や「Dunlop65」ボールと同じダンロップだ。
住友ゴム工業(スリクソンの「SRI」)は、1999年にダンロップタイヤと初めて提携した。2016年、住友ゴムは86カ国でダンロップの商標権を取得(米国でのダンロップタイヤの権利を保有しているのはグッドイヤー)。2017年初頭、住友商事はゴルフとテニス事業のためにダンロップスポーツ株式会社を設立した。
新しい「ダンロップ・スポーツ・アメリカ」は現在、スリクソン/クリーブランド/XXIO事業、および北米全体のダンロップテニスを監督する傘下企業だ。ツアーでスリクソン契約プロの帽子やゴルフバッグにダンロップロゴが入っているのはそのためだ。
スリクソン/クリーブランド/XXIOのブランドは確実にそのまま残る。さらにダンロップのゴルフボールが北米に戻ってくる可能性についても尋ねてみた。「それはお楽しみに」という含みを持たせた回答だったが、今後に期待したいものだ。
Leave a Comment