・スコッティキャメロンが新たに限定の「SPECIAL SELECT JET SET(スペシャル セレクト ジェットセット)」シリーズのパター4モデルを発表
・「ニューポート」と「ニューポート2」の「プラス」バージョン2モデルも登場
・発売は8月19日(ワールドワイド)でメーカー希望小売価格は650ドル
ブラックに乾杯
「ピカピカのメタルパターには辟易」「グリーンではもっと暗めの色パターが良い」。そう感じている方に、スコッティキャメロンが、あなたのコース上で熱狂させる(あるいは落胆させる?)こと間違いなしのキャメロンの世界観を継承する新作を発表した。
これは新たな門出。黒いラインをボールに引き、目の周りを黒く塗れ。最高の報酬を手にし、これまでの流儀を捨て、「JET SET」を使う時がやってきた。
ここまでで、私が“ダークウェーブ(1970年代後半の音楽ジャンル)”にのめりこみ、新しいキャメロンパターがブラック仕上げになっていることはもうお分かりのはず。そして、「JET SET」の名前を聞いて、2011年にリリースされた限定の「H-2011 JET SET」パターを思い出し、今回の新作が“黒づくめ”であることを理解する人もいるだろう。
あるいは、2012年に自分のキャメロンをカスタムショップに送って、フルレストアして“JET SET”(っぽいキャメロンパター)を手にした人すらいるかも。
ようするに、これまでもスコッティキャメロンのブラック仕上げパターは存在していたが、「DIY」なしのブラック仕上げニューポートを手にすることができたのは10年以上も前だったってこと。今回のモデルは2020年の「スペシャルセレクト」シリーズでは“初のブラック仕上げ”となるわけだ。
とはいえ、今回の限定モデルはブラック仕上げ以上の魅力があるのだろうか?各モデルをチェックして、またここで分かったことを語り合おう。
スコッティキャメロン「SPECIAL SELECT JET SET ニューポート」
キャメロン伝統のヒールトゥブレードをパワーアップさせた「SPECIAL SELECT JET SET ニューポート」は、プランバーネックを採用し、このモデル独特の丸みとトップラインにミルドされた独特なサイトラインが特徴だ。
「303ステンレススチール」を精密ミルドしたこの限定パターはフェースがソリッドで、「ツアーブラックミスト仕上げ」を採用。アジャスタブルの「パフォーマンス・バランス・ロータングステン・ソールウエイト」に加え、最新のテクスチャー「ピストリーニプラス」グリップを装着している。また「JET SET」ヘッドカバーが付属している。
スコッティキャメロン「SPECIAL SELECT JET SET ニューポート2」
「ニューポート2」の定評のある形状、プランバーネック、そしてトライソールを採用した「SPECIAL SELECT JET SET ニューポート2」は、「303ステンレススチール」をミルドしており、タングステンソールウエイトはカスタマイズが可能。
「ツアーブラックフィニッシュ」に加え、「JET SET グラフィックパッケージ」(印象的なシャフトバンド、ヘッドカバー、テクスチャー「ピストリーニプラス」グリップ)が特徴だ。
細かいデザインの特徴を取り入れ、さらにキャメロンがツアープロのために対応したパターからヒントを得て、標準的なフランジのサイトラインではなく、トップラインにサイトラインを入れている。またこのモデルは数量限定で左打ち用もある。
スコッティキャメロン「SPECIAL SELECT JET SET ニューポートプラス」
フェースからフランジまでをやや幅広にした「SPECIAL SELECT JET SET ニューポートプラス」は、高性能ブレードパターに新しいサイズ感をもたらしている。定評のある「複合素材デザイン」を取り入れ、周辺重量配分と“航空機並”にデカいの「6061アルミニウム」のソールプレートにより大きめの形状を実現。
アルマナイトブラックの他、このシリーズの「JET SET グラフィック」も施されている。ミルドされたフランジのサイトラインはアライメントしやすく、カスタマイズできるステンレスソールウエイトによりバランスの良さもある。またテクスチャー「ピストリーニプラス」グリップ、「JET SET」シャフトバンド、専用ヘッドカバーも採用している。
スコッティキャメロン「SPECIAL SELECT JET SET ニューポート2プラス」
「SPECIAL SELECT」の「ニューポート2」と「スクエアバック2」のフランジ幅を足して2で割った「SPECIAL SELECT JET SET ニューポート2プラス」は、高性能ブレードデザインの次なる形を取り入れたツアーにインスパイアされた形状が特徴。
フェースがソリッドな他、「303ステンレススチール」をミルドしており、(ニューポート同様の)「6061アルミニウム」のソールプレートも搭載。アルマナイトブラックの他、このシリーズの「JET SET グラフィック」も施されている。
ミルドされたフランジのサイトラインはアライメントしやすく、カスタマイズできるステンレスソールウエイトによりバランスの良さもある。またテクスチャー「ピストリーニプラス」グリップ、「JET SET」シャフトバンド、専用ヘッドカバーも採用している。
プラスモデル
今回のスコッティキャメロン「SPECIAL SELECT JET SET」シリーズは4モデルある。2つは「ニューポート」と「ニューポート2」でやや伝統的なデザイン。従来のヘッドから大きく変わっていないが、トップエッジのアライメントラインを特徴としている。
忘れてしまっているのかも知れないが、これまでスコッティキャメロンのこれらのブレードでトップラインにアライメントを入れたものはなかったと思う。
しかしここで取り上げたいのは「ニューポート」と「ニューポート2」の「プラス」バージョンだ。驚きなのは、このバージョンは大きいということではなく、「中間」モデルということだ。キャメロンの話を聞いてみよう。
「プラス」は「ニューポート2」と「スクエアバック2」の幅の中間と位置付けている。私は、伝統的なブレードの幅と我々の「スクエアバック」のフランジ幅の真ん中程度を望んでいたツアープロ数名とこの「中間」サイズに取り組んできた。
パター制作者:スコッティ・キャメロン
アンサータイプのパターなのに、ブレードとマレットで行ったり来たりしていたという方なら、この「ニューポート プラス」と「ニューポート2 プラス」がピッタリかも。「プラス」モデルは、なブレードよりも大きいが、そのサイズはマレット程度だ。少し肉厚になったと思えば良いだろう。
「ポーターハウス」(T字の骨付き肉で2~3人でシェアする。30オンス程度が標準サイズ)というよりも「ニューヨークストリップステーキ」ってとこかな。
※いずれもステーキの種類の名前。「ポーターハウス」は、T字の骨付き肉で2~3人でシェアする。30オンス程度が標準サイズ。「ニューヨークストリップステーキ」はサーロインより脂が少なめで少々硬い肉質。16オンス程度が標準サイズ。
「SPECIAL SELECT JET SET」重量配分
今回のスコッティキャメロン「SPECIAL SELECT JET SET」パターの全4モデルは、“想像通り”カスタマイズ可能なソールウエイトが特徴だ。これに何ら不思議なことはない。
注目なのは、「プラス」バージョンがアルミのソールウエイトも特徴としていること。ソールプレートは、通常ブレードよりもマレットの分野でのみ際立つものなのにだ。
このデザインは興味深く、ソールプレートがこのミドルサイズのデザインにどのようなフィーリングをもたらすのか気になるところ。実際のところ、違う「打感」になるのだろうか?
プレートがあることで、相対的にウエイトをセンターから端に移行することが可能だ。これはアルミとステンレススチールによる重量交換と言える。しかし、ミッドサイズの「プラス」ヘッドに、“違い”を生み出すのに十分な余剰重量などあるのだろうか?
「プラス」モデルは、標準の「ニューポート」と「ニューポート2」に搭載されている高密度タングステンと比べ、ヒールトゥにステンレススチールを採用しており、そもそもウエイトの再配分も大きいはずだ。もし、さらにウエイトを動かすなら、「プラス」にもタングステンを採用した方が良いように思う。
「SPECIAL SELECT JET SET」はお買い得か?
「SPECIAL SELECT JET SET」の限定リリースについてどう思っただろうか?店頭販売品より高額なことを正当化するのに十分な特徴があっただろうか?
ブラックカラーとトップラインが、従来モデルよりも高額な理由になるのかは、なんとも言えないところ。もしも、エモさがある「JET SET ニューポート」の終わりのない黒さがあなたの退屈した気持ちをアゲてくれるなら、この価格も違って見えるのかも知れないけど。
ともあれ、今回のパターの見た目は非常にクリーンだ。キャビティの上に刻印がないのも歓迎。全体的なデザインが形状を魅力的にしている。良い感じだ。
一方、「JET SET」の「ニューポート プラス」と「ニューポート2 プラス」の方が、本来の限定パターのように思える。今回のヘッドが、みなさんが求め続けてきた中間サイズにフィットする可能性があるだけでなく、全く新しいヘッドでもあるからだ。
初回限定版はマンガ収集の定番だし、コレクション的価値を一気に高める。「ニューポート プラス」と「ニューポート2 プラス」は、“初回限定版”のパターというわけだ。
いつでも“初登場“は、検討に値する。もちろん、マンガでも悪役の初登場は大抵”微妙“(『アメイジング・スパイダーマン』283話で登場した「マングース」のように)になるが、時には大きな話題(129話で登場した「パニッシャー」のように)になることもある。
何が言いたいかって?つまり、確かに650ドルは高額だが、これがコレクターアイテムになればかなり金額も跳ね上がるはず。マンガのように20セントから4万5,000ドルになるようなことはないが、間違いなく値上がりはするだろう。
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