・タイトリストが「TSR2」「TSR3」「TSR4」ドライバーを発表
・各モデルは前作「TSi」シリーズを超える独自の進化を実現
・小売価格は599ドル。発売日は9月23日(USの場合)※日本発売は9月30日。
タイトリスト「TSR」ドライバーシリーズが上々の滑り出しを見せている。ツアーシーディングと検証プロセスはスムーズで、プロレベルでの移行も急速に進んでいるようだ。
ツアー投入から4週間、PGAツアーの「ストロークス・ゲインド・オフ・ザ・ティー」のトップは、全員が「TSR」を使用。投入後8大会中4大会で「TSR」ドライバーが勝利を飾っているほどだ。
もちろん良い話なのは確かだが、これでは今回の新作モデルで一番はっきりさせたいことには答えていない。
つまり「R」って何?ってことだ。
もちろん、とんでもなくスピンがかかるってことじゃない。この話はここらで終わらせておくべきだろう。
「TSR」の「R」は、メーカーっぽく言うと“進化した=refined”という意味だ。これは基本的に、「TSR」をより良いものにするヘッド内部の進化を指す。もっと切り込んで言うなら、“改良させた=revamped”とか“リロードさせた=reloaded”とでも言えるだろう。
また、使い古させた言葉だが「ぶっ飛ぶ」って意味なのかも知れない。
「TSR」ドライバーシリーズについて
「TSR」ドライバーシリーズを簡単にまとめるとこういうことだ。「TSR」ドライバーシリーズは3モデルがローンチ。「TSR2」と「TSR3」は馴染みのあるもので、フィッティングの汎用性を広げた細かい進化を除けば、「TSR4」も前作同様と言える。
軽量の「TSR1」に関して言うと、発売はされるだろうが時期は23年春となりそうだ。
構造
多くのメーカーが「カーボンクラウン」を採用し、テーラーメイドが「カーボンフェース」時代に突入する中、タイトリストのフルチタン構造に対する拘りは変わらないようだ。中でも最も注目されるのが、タイトリスト独自のフェース素材「ATI425」の第二世代を採用したことだろう。
「ATI425」は「TSi」ドライバーの時も注目された。タイトリストは、さらに2年間に渡って素材を追求したことで、この素材の活用方法を、(経年劣化による変形と「CTクリープ」という)単純な問題の解決から、パフォーマンスの向上と最適化をおし進めることとなった。
※「CTクリープ」:フェース摩耗により初速が徐々に増えてしまうこと。
つまり、タイトリストは素材こそ同じだが、そこからさらなる可能性を生み出すことを追求し続けているということだ。
また「TSR」ドライバーはシリーズを通じて形状が若干変更されている。例えば、ハイコントラストのエッチングを周辺部に広げ、センターフェース部を拡大した。これは、些細なことだが、ハイコントラストにすることでロフトとフェースの曲線が見やすくなっただけでなく、アドレスでフェースが大きく見えるようになった。
タイトリストの(見た目とパフォーマンスの両方に関連する)こうした進化の全てが掛け合わさることで、みなさんは、「TS」から「TSi」への進化よりも、「TSi」から「TSR」の進化の方が飛躍的なことを体感できるってわけ。
これはかなりのセールスポイントだ。
ドライバーに期待することは、(皮肉にも、どれも「R」で始まらないが)次の3つの言葉に集約される。「もっと飛んで速い」「もっと飛ぶ」「さらに真っ直ぐ」だ。
基本的に、メーカーならどこでもこのことに言及する。
だから「R」には“焼き回し=Repeat”の意味もある。
では、ここまで基本を抑えてきたので、「TSR」ドライバーシリーズを構成する3モデルについて深掘りしていこう。
タイトリスト「TSR2」ドライバー – 再生
ここで語ることは進化についてであり、その多くが些細ないことであることを理解した上で、「TSi」と「TSR」ドライバーの一番分かりやすい違いは「形状」にある。
そして、目に見える変更点同様、再デザインの多くはパフォーマンスの向上を目的としている。
というのも、タイトリストでは「TSi」シリーズをローンチした時、ツアーの「TSi2」と「TSi3」の配分は均等になると想定していたが、実際はそうはならず、さらに突き詰めていくと、一部のプレーヤーにとっては、数字上、「TSi2」の方が「TSi3」よりも初速が遅いことがわかったからだ。
そう考えると、「TSR2」の主なデザイン上の目標は、「TSR2」と「TSR3」のギャップを無くせなくても「狭める」ことになる。
そしてそれを達成するために、タイトリストで複数箇所に着目した。
進化した「エアロダイナミクス(空力特性)」と「形状」
先述した通り、アップデートされた形状はみなさんも認識できるだろう。特に「TSi2」と「TSR2」を横に並べたら一目瞭然。クラウン形状は空気抵抗を軽減するために改良されており、最も注目すべき改善点は、タイトリストが「ボートテール」と呼ぶ、丸みがついたトレーリングエッジにある。
これは、現在市場にある他社ドライバーにも似たような機能が採用されているので、全く真新しいものではないが、搭載するにはそれなりの理由もある。というのも、「ボートテール」デザインにすることで、クラブが空中を動いている間、気流がクラウンに長く触れていられるようになるのだ。
これは気流の乱れを軽減する基本ではあるが、お陰でスイング中のヘッドスピードをより速くすることが可能になる。
しかし留意点もある。前にもお伝えしたが、ゴルフは“確率のゲーム”であり、エアロダイナミクス(空力特性)の向上はヘッドスピードが速いプレーヤーにばかりメリットがあるということ。とは言え、ヘッドスピード44.7m/s程度のゴルファーの初速アップは0.2m/s程度で、ボール初速なら0.3m/sくらいだ。
更にエアロダイナミクス(空力特性)の向上に目を向けてみると、新作はソールデザインがシンプルになっている。中にはビジュアルに魅力を感じなくなったという人も出てくるだろうし、ゴルフショップでは派手さが好まれるが、一番大切なのはパフォーマンスなのだ。
デザインを比較的シンプルにすることは、機能を優先する典型的な手法だ。今回、タイトリストは、(お飾りのポケットやカットアウト、そして窪みなど)不要な機能を削り、レンチが入る開口部のサイズを減らしてフラットウエイトをソールから「ボートテール」にシフトさせるソールの改良により、わずかだが空力性能を向上させている。
小さなことをコツコツと、と言うわけ。
また、エアロダイナミクス(空力特性)とは無関係の形状の話になるが、今回、「TSi3/TSR3」の“開き気味”のフェースアングルも継承されている。
つまり、「TSR2」のストレートなトップラインには、ややオープンに見えるようになる視覚的な工夫が施されているということ。タイトリストは、「TSR2」が、“「TSR2」のパフォーマンスの恩恵を受けたいけどそれ以外はアドレスで「TSR3」の見た目を好む”というプレーヤーに対して魅力的になると考えているのだ。
「TSR2」 - 「マルチプラトーVFTデザイン」
ご想像の通り、タイトリストが「TSR2」で行った進化の多くは見えない部分にある。
一番の注目は「ATIフェース」の内側の形が変更されたこと。「TSR2」では、タイトリストが『マルチプラトーVFTテクノロジー』と呼ぶテクノロジーが特徴となっている。
話を先に進めると、フェースのどこでも初速が(できるだけ)一貫するように設計されたのが『マルチプラトーVFTデザイン』だ。
そのため、『マルチプラトーVFTデザイン』では、まずフェース周囲を極限まで薄くしている。そこからフェースの各部分を戦略的に肉厚化(マルチプラトー化)。この設計により、フェースセンターで初速アップするだけでなく、フェース全体を通じて大きなたわみを得られるようになっている。
技術的な用語を使うと、フェースのどこでも一貫した「CT」を実現するということ。もっと簡単に言うなら、数少ないホットスポットがあるのではなく、『マルチプラトーVFTデザイン』を採用したことで、飛ばせる部分がフェースの広範囲にかなり広がったということだ。
結果として、「TSR2」ではフェース全体のボール初速の一貫性が向上している。
さらなる浅重心
「TSR2」ドライバーでは、初速アップを実現させる一環として、重心が(「TSi2」に比べ)浅い位置にシフトしている。数字で言うと、2mm(0.8インチ)ほど浅重心化。大したことなさそうだが、“重心の世界”だとかなりの数値だ。
そして、このメリットは2つある。
まず、浅重心にすることで、重心がクラブの中心軸に近づく。機能的には、スイートスポットがフェースの真のセンターに近づくことで、インパクト時にクラブヘッドのブレが軽減するのだ(初速もアップする)。
変化するのは、ボール初速向上だけではない。タイトリストのリサーチによれば、重心を深くすると、高MOIデザインのクラブのようにヘッドスピードが落ちるプレーヤーがいたというのだ。
私も数年前にドライバーテストでこれを体験しており、同じシャフトを使いヘッドを変えて試したが、深重心デザインだとヘッドスピードが1.3m/s以上も減ったことがあった。
つまり何が言いたいのかというと、「寛容性」の最大化はカタログ上だとよく見えるが、誰にでも良いわけではないってことだ。
MOIは二の次
念のために言っておくと、重心を前方に配置すると(「寛容性」の基本的な尺度となる)「MOI」は小さくなる。タイトリストによれば、「TSR2」のMOIは4,000台後半(「TSi2」は5,000台前半)になるようだが、新しいフェースデザインにより、同社では実際の飛距離ロスはそれほどでもないと考えているようだ。
こうしたことは、全てタイトリストのドライバー設計の哲学によるもの。同社は高MOIにはそのメリットが少なくなるポイントがあると考えているメーカーの一つで、MOIを5,900の限界に近づけることが、同社のデザインの目的になることなどないのだ。
タイトリストが実現したいMOIは5,000程度。そして殆どのプレーヤーにとって、初速と最適な打ち出し角度、そして「寛容性」のバランスがベストになるのがそのくらい(5,000前後)のMOIと考えているのだ。
要するに、あなたが何よりもMOIの最大化を望んでいるなら、タイトリストは対象外だ。
タイトリスト「TSR2」ドライバーはロフト角8度、9度、10度、そして11度がラインナップ。レフティには8度はラインナップしていない。
タイトリスト「TSR3」ドライバー
ここでもテーマは進化であることに変わりはないが、「TSR3」に関して言えば、「R」は「TSi3」の信頼性(reliability)を継承していると言えるだろう。
「TSi3」は、PGAツアーのこの2シーズンの大半で一番使用されたドライバーで、形状という点では、これまでのドライバーの中で一番見た目が良いと評価されている。タイトリストのスタッフプロ以外も評価しているほどだ。
さらに踏み込んで言えば、「打音」と「打感」は市場にあるドライバーの中でピカイチと言えるだろう。
要するに、「TSi3」を体験していれば気に入らなかったことはないわけで、タイトリストの開発陣は、「TSi3」から何も変えることなく「TSR」をより良いクラブにするという厄介な状況に陥ってしまったということになる。
それだけに、もし皆さんが「TSi3」を気に入っていた(あるいは大好きだった)なら、「TSR3」も同じように感じるはず。(他にも数名いるようだが)私の体験からすれば、「TSR」は似ているけど、さらに速くなったという感じなので、「R」はやめて「TSF32」にしておけば良かったんじゃないかと思う。
例えばだけどね。
もし「TSR3」に課題があるとすれば、ざっと見たところ、見た目が「TSi3」と大きく変わらないところだろう。「TSR2」同様、タイトリストではこのモデルもソールの不要な機能とホーゼルの挿入部を微調整しているが、それ以外だと「TSR3」は「TSi3」にすごく良く似ているのだ。
これは、新作が前作よりも全然違ったデザインになることを期待しているゴルファーたちがいる小売の現場では問題になるかも知れない。確かにそれも分かるが、美しさは時代を超越するものだし、「TSi3」はビジュアル面ではほぼ非の打ち所がなかったことは伝えて起きたい。
ツアープロも納得。既存の「TSi3」使用者も満足だった。ならば、そのままで良いだろ?ってこと。
またタイトリストは、フィッティングを通じたクラブ販売率が他メーカーのどこよりも高いということにも注目したい。あまり役に立たないピカピカの既存品を買うゴルファーを追い求めることは、彼らの課題ではないのだ。
そして、「TSi3」はエアロダイナミクス的にも評価が高かったので、これも繰り返しになるが、あまりイジる理由はなかったと言える。
「スピードリングVFTテクノロジー」
「TSR3」ドライバーでは、フェース内側に対して『スピードリングVFTテクノロジー』と呼ばれる異なる手法が採用されている。
『スピードリングVFTテクノロジー』はある意味、『マルチプラトーVFTテクノロジー』とは対極にあるテクノロジーで、ます周辺部を厚くすることからスタート。これに薄いフェースを掛け合わせることで、フェースのたわみをより局所的に発生させることができる。
つまり『スピードリングVFTテクノロジー』には、『マルチプラトーVFTテクノロジー』のようにフェース全体の初速を均一にする目的はないということ。センターフェースでインパクトするために最適化されているのだ(また、センターヒット時に恩恵を受けるようになっている)。
つまり「TSR3」において、タイトリストはフェースセンターでより初速アップさせるために、フェース「周辺部での初速低減」を許容しているということになる。
では「TSR3」の寛容性は小さいのか?
『スピードリングVFTテクノロジー』を採用するとドライバーの寛容性が少ないように思われるが、そのままこれを鵜呑みにしない方が良いだろう。
タイトリストのテストによると、同一条件でセンターヒットした際に、「TSR3」は「TSi3」よりもボール初速が0.17〜0.22m/sほどアップしたということ。一方、オフセンターヒット時のスピードダウンの割合は、「TSi3」よりもやや大きくなったようだが、そもそも初速が出るので、ミスヒットによる実際の初速と距離の結果は「TSi3」より悪くなることはないのだ。
さらなる浅重心
「TSR2」同様、「TSR3」の重心は1〜1.5mmほど前方にシフトしており、これで100〜150rpmのスピン量を軽減を実現している。
結果として「TSi3」よりも(純正モデルと純正モデルの比較で)2〜3ヤードの飛距離アップを果たしたことになるが、タイトリストではフィッティングによりさらなる飛距離アップも可能と考えているようだ。
「TSR3」のもう一つの進化
最後になるが、タイトリストは「TSR3」の5つのポジションに配置した「ウエイトトラック」を進化させるために、「TSi3」フェアウェイウッドの『SureFit CGトラック』を採用した。トラックのネジを緩めると、ウエイトが持ち上がるのだ。これは大したことではないが、ウエイト位置を素早く交換することが可能となる。
そしてウエイトが持ち上がることにより、別のウエイトに交換することが可能。タイトリストはほとんどのゴルファーにとってはあまり関係ないと想定している一方で、フィッターに対してはフィッティング時に異なるヘッド重量も試してもらいたいと考えている。こうすることでフィッティングの利便性を向上させることが可能となるのだ。
タイトリスト「TSR3」ドライバーはロフト角8度、9度、10度がラインナップ。11度はカスタム対応となっている。レフティのラインナップは8度、9度のみ。10度はカスタムで注目することが可能だ。
タイトリスト「TSR4」ドライバー
まず、はっきりさせておこう。「TSR4」は、おそらく皆さん向けではない。タイトリストによれば、このモデルは超低スピンを必要とするゴルファー向けの特別なドライバーだということ。対象者は多くはないが、確かに存在する。
私もかつてはそうだったし、今でもそんな日もある。
「TSR4」のターゲットユーザーにとって、最も進化した部分は、間違いなく前後のウエイトを交換できるようになったことだろう。スピン量の調整は、タイトリストのフィッターが兼ねてから希望していたことで、開発チームも、「TSR4」こそ、それを実現できるプラットフォームになると感じていたようだ。
余談になるが、タイトリストがこれまで弾道調整に『可変式ウエイト』を利用し、インパクトに合わせた重心位置になるようにしてきたことを考えると、ドライバーに対して前後のウエイト調整を採用したことはかなり異例なことだ。
激アツだよね。
とにかく、ウエイト交換機能は全然珍しいことではないが、これでタイトリストのフィッターも新しい“武器”を手に入れたということ。
新しいネタが嫌な人なんていないでしょ?DIY用の新しい丸ノコを心待ちしているのは私だけではないだろうしね。
また話が脱線したな。
「TSR4」純正ウエイト
純正ウエイトの組み合わせは、前方が11gで後方が3gだ。このコンビネーションにより、打ち出しとスピンの特徴は「TSi4」に近いものとなっている。
後方のウエイトが重くなれば、重心位置がより「TSR3」に近づくので、タイトリストではこの組み合わせを“TSR3.5”なんて呼んだりしているようだ。
「TSR4」が「TSR」シリーズの中で一番難しいドライバーであることは言うまでもない。MOIは4,100あたりで、低いかと言われれば多分そうだろう。しかし、これでは低いと激オコなら、他メーカーの人気低スピンドライバーと(MOIが)ほぼ同じである事実は知っておいた方がよいだろう。
実際、このモデルでMOIなどどうでも良いことだ。「TSR4」のターゲットゴルファーにとっては、「TSR4」の低スピンのメリットの方が「寛容性」の相対的な乏しさを上回るんだからね。
また「TSR2」同様、このモデルにも『マルチプラトーVFTテクノロジー』が採用されている。「TSR4」のパフォーマンススペックにマッチさせるために、根本的にフェース形状こそ異なるが、デザインの主目的(「寛容性」を考慮する)は同様だ。
「TSR4」ドライバー – サイズと形状
タイトリストは、「TSR4」のヘッド体積を430ccのままにしているが、それ以外の形状などは「TSi3」と同様だ。そう考えるとこのモデルは「TSR3」のミニサイズ版。需要と想定ターゲットを考えるとそれもうなずける。
フィッティング中に「TSR3」と「TSR4」を交換しながら試してみたが、アドレスではほぼ違いが分からなかった。中には、「TSR3」を「TSR4」と間違える時があったほど。私の目には「TSR4」は、「TSi4」よりも若干大きく見えるが、ヘッド体積としては同等だ。
またとにかく見た目が素晴らしい。セクシーと言いたいが、ゴルフ用品をセクシーと呼ぶことに激しく抵抗する人がいたって、ぶっちゃけそんなの関係ねぇ。
マジになるなって。
「TSR4」のパフォーマンス
タイトリストによると、こうした進化により「TSR4」は「TSi4」よりも0.35m/sほどボール初速が向上するという。
また後部のウエイトを交換することで、スピン量が200〜300rpm程度アップするようだ。
タイトリスト「TSR4」ドライバーはロフト角8度、9度、10度がラインナップ。レフティモデルは9度のみとなっている。
最後の「R」
タイトリストのマーケティング部バイスプレジデントのジョシュ・タルゲ氏によると、「TSR2」、「TSR3」、「TSR4」のどれがフィットするにしても、“結果=Results”はついてくるようだ。
とは言え、言葉をそのまま受け止めないように。
「マーケティングトップの『これがベストドライバーです』という言葉を信じないで欲しい」とタルゲ氏。「試して欲しい。マイクラブと『TSR』を打ち比べるべきだ」。
どうやら、タイトリストは勝機があると思っているようだ。
「SureFit調整機能」
純正シャフトの話をする前に、タイトリストの『SureFit調整機能』について触れておきたい。この機能はかなり前から搭載されているため、メリットが見過ごされ始めた可能性がある。また、確かに市場にあるチップ部の調整機能の中で一番直感的でもない。
私自身、ドライバーの調整機能については熟知していると思っているが、この「機能チャート」をググらないと望んだアジャストができないほどだ。
とはいえ、『SureFit調整機能』はライ角とロフト角が調整できるので、市場にある中で最もフィッティング性の高いホーゼルアダプターの一つと言えるし、フィッター(またDIY好き)が弾道調整する上で絶対に使うべきものとなっている。
フェアウェイウッドの場合は特に便利で、全てのウッドが同じポジションになると思わないこと。私は、「TSi」フェアウェイウッドを4本持っているが、その内3本は違うホーゼルのセッティングになっている。
純正シャフト
タイトリストにとっては普通のことだが、「TSR4」を引き立てる純正シャフトのラインナップが豊富に揃っている。
HZRDUS Red CB (ハザーダス・レッド CB)– 「TSR」のマトリックスでは最も高打ち出しであることに加え最軽量。純正の重量は50gだが、40gと60gもオプションで選択できる。
カウンターバランス設計でヘッド重量を重めにすることが可能。これでメリットが得られるゴルファーもいる他、MOIを向上させるシンプルな方法と言える。
Tensei AV Blue (テンセイAVブルー)– 中弾道、中スピンの定番シャフトで重量は55gとやや軽量(65gと75gのオプションもあり)。
HZRDUS Black(ハザーダス ブラック) – 60g(70gと80gはオプション)の中低弾道のシャフト。新しい「Dual Torsion Design」によりねじれの安定性が増し、バラつきが抑えられる。
Tesnsei 1K Black(テンセイ1Kブラック) – 低弾道、低スピンを実現。スピンを減らしたいヘッドスピードの速いプレーヤーにベストマッチする。タイトリストが提案する中では、これまでで最もチップ部が硬い。安定性とフィーリングを向上させるため「1kカーボンファイバー」が採用されている。
プレミアム純正シャフト
タイトリストは、グラファイトデザインとパートナーシップを結んでいるが、今回はプレミアム純正シャフトとして「Tour AD(ツアーAD)」の3モデルがラインナップしている。
中弾道/低スピンの「Tour AD DI」と高弾道/低スピンの「Tour AD IZ」は、「TSi」シリーズから引き続き採用されたシャフト。これらのシャフト特性は相対的なものとなっている。
(昨年秋発売の)「Tour AD UB」は、「Tour AD XC」に代わるプレミアム純正の低弾道モデル。純正の重量は60gだが、50g、70g、そして80gもラインナップしている。
また、タイトリストがカスタムオーダーを通じて豊富なシャフトオプションを用意していることは言うまでもないことだ。
純正グリップはゴルフプライド「TV 360 No Fill Flat Cap 58R」。カスタムオーダーで、他のグリップを選択することもできる。
価格と発売時期
タイトリスト「TSR」ドライバーの小売価格は599ドル(プレミアム・グラファイトデザインシャフト:799ドル)。全モデルのシャフト長は45.5インチとなっている。
タイトリスト「TSR」ドライバーのフィッティングは既にスタートしており、発売は9月23日(USの場合)。※日本発売は9月30日。
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