・PINGがアメリカで「G430」フェアウェイウッドとハイブリッドを発表
・フェアウェイウッド2モデル(「G430 MAX」「G430 SFT」)と「G430」ハイブリッドをシリーズに追加
・メーカー希望小売価格は、フェアウェイウッドが385ドル(約50,000円)、ハイブリッドが335ドル(約44,000円)で先行販売中
※日本では昨年22年11月に既に発売されている。
PINGのドライバーは、ドライバー部門を牽引しているわけではないが「G400」シリーズ以降、優れたパフォーマンスを発揮している。とはいえ、フェアウェイウッドとハイブリッドになると、ドライバーと同じような結果を残していない。
同社ドライバーが優れている中、フェアウェイウッドとハイブリッドは安定性こそあるが、同クラスのパフォーマンスを見せていないのだ。
“G430の飛距離に関する進化は過去のPINGモデルでは見たことがない”とジョン・K・ソルハイム(同社CEOで社長)の主張からもわかる通り、この「G430」でPINGは飛距離に関するいくつもの欠点の解決に取り組んだ。
PINGを長く愛用しているゴルファーなら、今回のシリーズが前作とは異なっていることを歓迎するはずだ。
PING「G430」のまとめ
「G430」フェアウェイウッド&ハイブリッドシリーズは、大きな改良点もいくつかあるが、いくつかの微調整を加えていることが特徴だ。
今のところPINGが発表したのは「G430 MAX」と「G430 SFT」のフェアウェイウッド2モデルとアップデートした「G430」ハイブリッド。フェアウェイウッド2モデルは、基本的に同じテクノロジーを搭載している。
とはいえ、「G430 MAX」が幅広いゴルファーが対象である一方で、「G430 SFT」はインパクトでフェースをスクエアに戻すことが必要なゴルファーをサポートするためにある。
一方、総合的パフォーマンスに関して言うと、PINGは「寛容性(MOI)」が高ければ良いというわけではないことを知っている。しかし、「飛距離」を損ねることなく「正確性」を向上させることはとても魅力的だと考えているのだ。
PING「G430」フェアウェイウッド – テクノロジー
今回は徹底的にカーボンが使われている。「G430 MAX」と「G430 SFT」フェアウェイウッドは共に、8.5gの『カーボンフライ・ラップ』テクノロジーが採用されており、10gの余剰重量を作り出すことに成功した。
もっと正確に言うと、この軽量クラウンが、ボディの残り部分をつなぐスカートのヒールとトゥまでを包み込んでいる。
カーボン採用のメリットは2つある。1つ目は、インパクトでより心地よい音になるということ。もちろん、フィーリングと打音は個人の好き嫌いに左右されるが、これに対しPINGの今シリーズは大部分のゴルファーが好むように作られている。
2つ目はカーボンを採用したことで10g軽量化でき、低重心になることでボール初速がアップするということ。PINGが宣伝文句として積極的にボール初速をアピールしているのは、とても興味深く、想定外でもあった。
また、PINGでは今回も「C300マレージング鋼」を使い、フェースの面積をソールとクラウン部分まで拡大した『フェースラップテクノロジー』と、「17-4ステンレススチール」ボディを採用。『フェースラップテクノロジー』は、その名前の通り、フェースの素材がソールに繋がるリーディングエッジを包み込んでいる。
この構造になったことで、フェースの真ん中から下部にかけてたわみ(そしてボール初速)が向上することに加え、フェース上下の湾曲が変わっても「スピンシステンシー(スピンの安定)」が実現するのだ。
PING用語でいうと、「スピンシステンシー」は、フェースの大部分でパフォーマンスが安定させることができる。フェアウェイウッドやハイブリッドにおいて最も一般的なトップ気味のミスショットであってもだ。
実際のところ、PINGではフェース上下のロールの湾曲を変えたことでトップした時のスピン量を軽減しつつ、打ち出し角を高めボール初速を向上させた。一方、フェースの上部で打ったショットは、その逆(低い打ち出しとスピン量増)になる。
なお、各モデルとも、8つのホーゼルポジション、±1.5度のロフト調整とライ角(スタンダードから3度フラットまで)まで対応できるPINGの弾道調整2.0が搭載されている。
PING「G430」フェアウェイウッドの形状
もう少しテクニカルな話をすると、今回の「G430」フェアウェイウッドはやや面長で“トゥバイアス”になっている。
この目的は、フェースの芯にインパクトする頻度を高めることにある。優先されるのは、インパクトに近い部分に重心を近づけることであり、その次に『VFT(可変厚)フェース』によりストレスを分散させバランスをとっている。
PINGは、クラブの振り方を変えろと言っているわけではない。クラブの構造によりボール初速があなたにマッチするようにしているのだ。
PING「G430」フェアウェイウッド – プレーヤーテスト
PING「G430 MAX」は、プレーヤーテストでボール初速が+0.13m/s、打ち出し角で+0.2度、スピン量が-200rpmとなった。この結果、キャリーで4ヤード増えたが、一番重要なのはショットのバラツキが14%も少なくなったことだ。
「430 SFT」は、ボール初速が1.03m/sアップし、スピン量はあまり変わらないもののキャリーが7ヤード増え、ショットのバラツキは22%ほど小さくなった。
テストでは、PINGがそれぞれのクラブのターゲット層に沿ったプレーヤーで、且つ「G425」シリーズと比較したことを付け加えておく。
PING「G430」ハイブリッド
ご想像の通り、「G430」ハイブリッドは「G430」フェアウェイウッドから基本的なテクノロジーを受け継いでいる。具体的に言うと『カーボンフライ・ラップテクノロジー』、『C300マレージング鋼』のフェースラップテクノロジーと『スピンシステンシー』。あまり驚きはないが、意図したメリットも前述した通り。
ハイブリッドのカーボンクラウンは、「G430」フェアウェイウッドよりも2g少ない8gほど軽量化されている。これは、ハイブリッドの投影面積が小さいことを考えると当然だろう。
また「G425」ハイブリッドと比べ、「G430」は0.31m/sほど初速アップしており、打ち出しはわずかに低く、スピン量もおよそ100rpm少なくなっている。その結果、キャリーで2ヤード飛距離アップしている他、同等の「正確性」を実現している。
そして、PINGは2022年にMyGolfSpyの読者が2番目に多く購入したハイブリッドになった。これはテーラーメイドとタイトリストよりも上位で、キャロウェイだけが上にいたということ。
「ハイブリッド」は地味だけどPINGが一番成功しているカテゴリーの一つになりつつある。しかし、2023年が2022年のようになったとしてもPINGは気にしないだろう。
PING「G430」フェアウェイウッド&ハイブリッド – 純正シャフト
PING「G430」シリーズの純正シャフトには、同社の「ALTA CB(アルタCB)」シリーズ、「Tour 2.0 Chrome(ツアー2.0クローム)」、そして「Tour 2.0 Black(ツアー2.0ブラック)」がある。
他メーカーのシャフトは「HRDUS Smoke Red RDX(ハザーダス・スモークレッドRDX)」と三菱の「Kai’li White(カイリホワイト)」。
PING「G430 MAX」フェアウェイウッドのロフト角は、#3(15度)、#5(18度)、#7(21度)、#9(24度)がラインナップ。「G430 SFT」は#3(16度)、#5(19度)、#7(22度)がある。
PING「G430 MAX」ハイブリッドのロフト角は、#2(17度)、#3(19度)、#4(22度)、#5(26度)、#6(30度)、#7(34度)がラインアップしている。
メーカー希望小売価格はPING「G430 MAX」フェアウェイウッドが385ドル(約50,000円)、「G430 MAX」ハイブリッドは335ドル(約44,000円)。
発売日は1月26日となっている。
※日本では昨年22年11月に既に発売されている。
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