どこよりも充実した「上級者(競技志向者)向け」アイアンレビュー。これを見れば、2023年を彩る「上級者(競技志向者)向け」ベストアイアンがわかる。
「上級者(競技志向者)向け」アイアンは、気弱なゴルファーには向いていない。なぜなら、エレガンスとクラフトマンシップをアピールするために精密に作られているからだ。
とはいえ、性能という点で見ると、精密さと厳しい現実の間には微妙な境界線があり、このカテゴリーのアイアンは、ボールストライカー(正確無比なショットを放つゴルファー)を見極める究極のアイアンと言えるだろう。
「正確性」と「扱いやすさ」は「上級者(競技志向者)向け」アイアンの主要特性で、つまり「易しさ」や「飛距離」を追求するためのクラブではないってこと。
「上級者(競技志向者)向け」アイアンは、誰もが使いこなせるクラブではないが、あなたが使いこなせるクラブなのか?そうだとしたらどのモデルを買うべきなのか?
あなたの使いこなせる、またあなたに合った「上級者(競技志向者)向け」アイアンを是非とも見つけてほしい!
では、2023年『上級者(競技志向者)向けベストアイアン』を見ていこう。
総合ランキング
2023年『上級者(競技志向者)向け」ベストアイアン』にとってこの総合ランキングは、「正確性」、「寛容性」、そして「飛距離」の集大成となっている。
各分野は、総合得点を出すために重みづけされており、「正確性」と「寛容性」がより大きなウエイトを占める。従って、このカテゴリーのアイアンでは前述の2分野が「飛距離」よりも重要な役割を果たすということだ。
2023年「上級者(競技志向者)向け」ベストアイアン総合ランキング
2023年「上級者向け」アイアンランキング 各スコア&順位
モデル名 | 総合スコア | 飛距離スコア (ヤード) | 正確性スコア | 寛容性スコア | ボール初速 (m/s) | フェアウェイ キープ率(%) |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|
Mizuno JPX 923 Tour | 97/1位 | 186.5/12位 | 98.9/1位 | 96.9/1位 | 54.27/13位 | 93.6/1位 | |
Srixon ZX7 Mk II | 94/2位 | 195.2/4位 | 95.1/2位 | 85.7/6位 | 55.38/3位 | 91.4/5位 | |
Takomo 301 CB Iron | 89/3位 | 188.8/13位 | 89.3/3位 | 95.1/2位 | 54.53/9位 | 89.1/11位 | |
PING i230 | 87/4位 | 192.1/8位 | 85.7/8位 | 92.2/4位 | 55.43/2位 | 92/4位 | |
Proto Concept C03TC | 87/5位 | 191.6/9位 | 88.3/4位 | 84.1/8位 | 54.94/5位 | 93.2/2位 | |
Fourteen TB-7 | 86/6位 | 196.8/1位 | 85.8/7位 | 75.3/14位 | 55.61/1位 | 90.1/8位 | |
MacGregor MT86 Pro | 85/7位 | 192.1/7位 | 86.5/5位 | 79.4/11位 | 54.36/10位 | 88.8/12位 | |
TaylorMade P7MC | 84/8位 | 191.3/14位 | 86.4/6位 | 85.3/7位 | 54.27/12位 | 92.6/3位 | |
New Level 623 CB Forged | 82/9位 | 188.3/10位 | 83.1/10位 | 93.2/3位 | 54.22/14位 | 90.2/7位 | |
COBRA KING CB | 82/10位 | 188.7/11位 | 83.1/9位 | 85.8/5位 | 54.31/11位 | 87.9/14位 | |
Sub 70 S70 659 TC | 81/11位 | 195/6位 | 80.3/11位 | 80.5/9位 | 54.85/6位 | 89.5/10位 | |
Sub 70 S70 659 CB | 80/12位 | 192.3/2位 | 79.1/12位 | 78/13位 | 54.71/7位 | 89.9/9位 | |
COBRA KING TOUR | 78/13位 | 190.8/3位 | 76.9/13位 | 79.6/10位 | 54.62/8位 | 88.3/13位 | |
Edel SMS Pro | 76/14位 | 192.4/5位 | 74.1/14位 | 78.9/12位 | 54.98/4位 | 90.9/6位 |
正確性
「正確性」は総合スコアのかなりの割合を占めている。「正確性」の測定基準は以下の通りだ。
・ストロークス・ゲインド
「正確性」とは?
「正確性」は、各クラブのプレーヤーのショットが、そのプレーヤーのスキルレベルから予想されるものよりも上回っているか下回っているかを表す。プレーヤーのスキルで変わる変数を除外することで、「正確性」を見れば、クラブがプレーヤーの全体的なスコアをどのくらい向上させるのかが分かる。
寛容性
「寛容性」は安定性の尺度となる。そのため、我々の「寛容性」の測定基準は、最も安定した結果を残すクラブを見つけることを目的としている。注:「安定性」とは必ずしも安定して良いというわけではない。「寛容性」の測定基準は以下の通りだ。
・ボール初速の安定性
・スピンの安定性
・キャリーの安定性
・バラつきの範囲
どのように「寛容性」を測定するのか?
「寛容性」は、クラブフェースのセンターやセンターを外したショットがどのくらいクラブで修正されるのかを表す。「寛容性」の評価が高いと、クラブはスイングがブレた場合でも、一貫したパフォーマンスをキープするのに適していると言える。
飛距離
我々はテストするアイアンカテゴリーの中で、「飛距離」が一番重要でないのが「上級者向け(競技志向者)アイアン部門」だと考えている。
総合スコアでも、「飛距離」の項目で一番割合が少ない。とはいえ、全然飛ばないアイアンを欲しい人などいないし、他のパフォーマンスが似たり寄ったりなら「飛距離」が購入の決め手になるだろう。我々の「飛距離」の測定基準は以下の通りシンプルだ。
・キャリーの飛距離
・トータル飛距離
どのように「飛距離」を測定するのか?
トータル飛距離とキャリーの飛距離を考慮し、我々の「飛距離」スコアは、最終的にクラブで達成した合計ヤードを指標にしている。
「正確性」ランキング
「正確性」は「精度」の証し。ミズノ「JPX 923」とスリクソン「ZX7 Mk II」が今年はこの分野で目立っていた。
ミズノ「JPX 923 TOUR」~2023年「上級者向け」ベストアイアン~
特徴
ミズノの「JPX 923 Tour」は、2023年のベスト「上級者(競技志向者)向け」アイアンだ。その要因となったのは「正確性」と「寛容性」のスコア。両指標でトップの座を獲得した。「上級者(競技志向者)向け」アイアンは、ミズノの“専売特許”であり、「JPX 923 Tour」のパフォーマンスもそれを証明している。
一方、「飛距離」を求めているなら、「JPX 923 Tour」では満足できないだろう。理由は飛びの最大化をゴールとしていないから。「正確性」と「精密性」が目的であり、それらを実現しているのだ。もし「見た目」、「打感」、そして「打音」を重要視するなら、「JPX 923 Tour」はそれら全ての条件を満たしていると言える。
高評価
ミズノ「JPX 923 Tour」があることで、この分野におけるミズノの優位性は変わらずにいる。
「上級者(競技志向者)向け」アイアンの分野の中では「飛距離」に重点を置いているのではなく、「正確性」と「寛容性」、我々の視点としては「安定性」に特化したアイアンで、2023年のベスト「上級者(競技志向者)向け」アイアンだが、それは「正確性」と「寛容性」でトップであることが要因。
また「JPX 923 Tour」は、我々のテスターによると「打感」、「打音」、そして「見た目」で最も魅力的なアイアンの一つとなっている。
低評価
純粋に「飛距離」を求めているならミズノ「JPX 923 Tour」で解決することはない。テストを通じて、このアイアンは「飛距離」でトップになろうなんて思っていないことは明らか。実際のところ「飛距離」でのランクは12位。一番飛ばないという訳ではないが、ビリに近いことは間違いない。
ミズノ「JPX 923 TOUR」おすすめ層
ミズノ「JPX 923 Tour」アイアンは、ハイパフォーマンス、「打感」、「操作性」を求める上級者向けにデザインされており、安定した飛びと最適な打ち出し、そして優れた弾道を描けるクラブが必要なハンディキャップの低〜中程度のプレーヤーに最も合う。
「精度」、「コントロール性」、そして優れた「打感」を重視するゴルファーは、このミズノ「JPX 923 Tour」アイアンが理想的な選択肢となるだろう。
ミズノ「JPX 923 Tour」アイアンは、ハイレベルな「寛容性」を実現しているが、基本的には「精度」と「コントロール性」を求める「上級者(競技志向者)向け」にデザインされている。ハイハンディキャッパーや高い「寛容性」を求めているゴルファーは、自分たちのゴルフに合う他のモデルを見つけた方が良いだろう。
「飛距離」ランキング
「飛距離」は、キャリーと合計ヤード数で算出する。全体の「飛距離」ランキングでは、5番、7番アイアン、PWの飛びを集計。グラフィックにある数値は各モデルのロングアイアン(5番)の合計飛距離を表しており、総合ランキングを表すものではない。合計した結果だけではなく、ミドル、ショートアイアンの結果も近日公開予定だ。
スリクソン「ZX7 MkII」~2023年「上級者向け」アイアン第2位~
特徴
スリクソン「ZX7 Mk II」が、2023年「上級者(競技志向者)向け」ベストアイアンの2位にランクイン。このアイアンは「正確性」、「飛距離」、そして「寛容性」が興味深く融合しており、「正確性」、「飛距離」で満足できるクラブになっている。
「上級者(競技志向者)向け」アイアンとして「正確性」と「飛距離」を兼ね備えているのは稀だが、このアイアンはその概念を打ち砕いている。「寛容性」が唯一の欠点となっているが、それですらこの分野の別モデルよりも良いスコアとなっている。もしトータル的にバランスの整ったパフォーマンスを求めているなら、スリクソン「ZX7 Mk II」は候補となるはずだ。
高評価
スリクソンは、アイアンで存在感を示している。「ZX7 Mk II」はその最新モデル。「正確性」と「飛距離」で素晴らしいパフォーマンスを発揮しており、「正確性」で2位、「飛距離」では4位となった。
「正確性」と「飛距離」を両立したクラブはゴルファーにとって魅力的。点数が良かったことに加え、この「ZX7 Mk II」は「打音」、「打感」、「購入の可能性」でもベストになった。主観的な部分ではほぼ一人勝ちしたと言える。
低評価
スリクソン「ZX7 Mk II」にマイナス面は見つけにくいが、一番指摘できるとするなら「寛容性」だろう。「寛容性」部門では、14モデル中6位とトップ5圏外。とはいえ、これは「寛容性」の観点で言えば、平均以上でもある。
スリクソン「ZX7 Mk II」おすすめ層
スリクソン「ZX7 Mk II」は、「上級者(競技志向者)向け」で「打感」と「打音」を優先するゴルファーや、パフォーマンスと「寛容性」のバランスが取れた多様性のあるアイアンを求める人向けにデザインされている。また、外観やコントロール性を損なわずにゴルフが向上できる高性能アイアンを求めるゴルファーには理想的だ。
「正確性」と「飛距離」、そして「寛容性」が備わったスリクソン「ZX7 Mk II」は、パフォーマンスとコントロール性の向上を求める、多くの低〜中程度のハンディキャッパーにとってメリットがある。また、優れた「打感」と「打音」は、スイング中の感覚を大切にするゴルファーにとっても魅力的だろう。
一方、最大の「寛容性」を重視するゴルファーは、他のアイアンを探した方が良い。とはいえ、パフォーマンスと「寛容性」のバランスを大切にしているなら、このアイアンも有力方補となる。
「寛容性」ランキング
「寛容性」は、ボール初速、キャリー、バックスピン、(着弾地点の)バラツキに対するクラブの一貫性を数値化したもの。
PING「i230」~2023年「上級者向け」アイアン第4位~
特徴
PING「i230」は4位になったことで、「上級者(競技志向者)向け」アイアンを求めるゴルファーの素晴らしい選択肢としての地位を確固たるものにした。最大の特徴は「寛容性」で、これがトップ4になった要因だ。PINGは以前からクラブの「一貫性」を自任しており、ゴルファーも「i230」が「上級者(競技志向者)向け」アイアンとして劣る部分がないと感じるはず。「正確性」と「飛距離」のスコアは平均となっており、オールラウンドでパフォーマンスを発揮できる確固たる選択肢と言えるだろう。
高評価
PING「i230」の優れたパフォーマンス特性は、「寛容性」ランキングを見ればわかる。このアイアンは「寛容性」ランクで総合4位。我々にとっての「寛容性」とは、クラブがどれだけ一貫して同様の結果を導き出すのかを数値で示したものであり、具体的には一貫したボール初速、キャリー、バックスピン量、(着弾地点の)バラツキの少なさからなる。PING「i230」はまさにこの部分で優れており、新しい「上級者(競技志向者)向け」アイアンを探しているなら優先すべきクラブと言える。
低評価
PING「i230」は「打音」、「打感」という主観的な面ではランキングの上位ではない。実のところ、PINGアイアンではいつものことだ。さらに「飛距離」と「正確性」も平均レベル。これは低評価と言うより、ある意味弱点とは言えるだろう。
PING「i230」おすすめ層
PING「i230」アイアンは、一貫したパフォーマンスと「寛容性」、そして「コントロール性」を実現するツアーで実証済みの「上級者(競技志向者)向け」アイアンを求める上級向けにデザインされており、「一貫性」と「信頼性」を優先するゴルファーには素晴らしい選択肢となっている。
アイアンにワンランク上の「一貫性」、「寛容性」、そして総合的なパフォーマンスを求めるゴルファーは、このPING「i230」アイアンにメリットを感じるはずだ。
一方、PING「i230」アイアンは、何よりも「打音」と「打感」を優先するゴルファーには最高の選択肢とは言えない可能性が高い。素晴らしい特徴とパフォーマンスを実現しているが、このアイアンの「打音」と「打感」は誰もが受け入れられる、というわけではないだろう。
プロトコンセプト「C03TC」~2023年「上級者向け」アイアン第5位~
特徴
プロトコンセプト「C03TC」が総合5位になった。プロトコンセプトの他のアイアンモデルと同様、この「C03TC」も優れた「正確性」を実現する同社アイアンの流れを継承。「正確性」ランクでは4位となっており、これは一貫性あるアイアンの証左でもある。「正確性」は、間違いなく「上級者(競技志向者)向け」アイアンにおける最も重要なパフォーマンス特性の一つ。高い精度でグリーンを捉えることができれば流れが一気に変わるし、プロトコンセプト「C03TC」はそれを実現してくれるのだ。「飛距離」と「寛容性」に関しては平均よりやや上で、全体的な魅力を高める要因になっている。
高評価
プロトコンセプトの最新機種「C03TC」が、またしても皆さんに衝撃を与えている。最も優れたパフォーマンスの特徴は「正確性」で、このランクで総合4位に入った。またこれだけに止まらず「打音」と「打感」でも高評価を得ている。
低評価
プロトコンセプト「C03TC」は、「飛距離」と「寛容性」という点において他のモデルに比べるとやや平均より劣る結果になった。またテスターたちは「見た目」において低評価を下している。
プロトコンセプト「C03TC」アイアンおすすめ層
プロトコンセプト「C03TC」アイアンは、幅広いゴルファー層が使いこなせるが、特に「正確性」を重視しているゴルファーには合うだろう。このカテゴリーにおける素晴らしいパフォーマンスにより、ゴルフの上達を目指す中級者や上級者には最適な選択肢となり得る。「寛容性」や「飛距離」を重視したいゴルファーは、他モデルを探すのも一手だが、この「C03TC」アイアンは、そういったカテゴリーでもかなりのパフォーマンスを実現しているのだ。
完璧なバランスが取れたアイアンを見つけることは難しいものだ。そんな競争の激しいゴルフアイアン市場で「プロトコンセプト」はたたかっている。
2023年「上級者向け」アイアン各モデルのデータ
2023年「上級者向け」アイアンランキングデータ
モデル名 | ボール初速(m/s) | ショット範囲 (平方ヤード) | トータル飛距離 (ヤード) | キャリー (ヤード) | スピン量 ( RPM ) | 打ち出し角 (度) | 高さ (m) | 落下角度 (度) | 中央からの 距離(ヤード) | フェアウェイ キープ率(%) |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Mizuno JPX 923 Tour | 54.27 | 905.20 | 186.5 | 179.7 | 4322.8 | 15.8 | 8.9.0 | 43.0 | 8.4 | 93.6 | |
Srixon ZX7 Mk II | 55.38 | 1119.9 | 195.2 | 186.9 | 3880.7 | 15.1 | 8.66 | 41.4 | 9.7 | 91.4 | |
Takomo 301 CB Iron | 54.53 | 906.80 | 188.8 | 181.4 | 4102.2 | 15.0 | 8.32 | 41.1 | 9.4 | 89.1 | |
PING i230 | 55.42 | 1180.5 | 192.1 | 185.0 | 4128.9 | 15.6 | 9.02 | 42.8 | 9.5 | 92.0 | |
Proto Concept C03TC | 54.94 | 1074.9 | 191.6 | 184.8 | 4014.9 | 14.8 | 8.23 | 40.5 | 8.9 | 93.2 | |
Fourteen TB-7 | 55.61 | 1244.1 | 196.8 | 187.3 | 3548.0 | 13.2 | 7.56 | 37.9 | 10.5 | 90.1 | |
MacGregor MT86 Pro | 54.36 | 1303.2 | 192.1 | 183.3 | 3847.6 | 15.1 | 8.02 | 40.3 | 10.2 | 88.8 | |
TaylorMade P7MC | 54.27 | 1041.9 | 191.3 | 182.5 | 3950.6 | 15.4 | 8.47 | 41.6 | 9.1 | 92.6 | |
New Level 623 CB Forged | 54.22 | 1119.9 | 188.3 | 180.6 | 4264.6 | 16.2 | 9.10 | 43.3 | 9.8 | 90.2 | |
COBRA KING CB | 54.31 | 1119.9 | 188.7 | 179.6 | 4330.5 | 16.1 | 8.90 | 43.0 | 9.9 | 87.9 | |
Sub 70 S70 659 TC | 54.85 | 1139.2 | 195.0 | 184.7 | 3673.8 | 14.0 | 7.56 | 38.6 | 10.0 | 89.5 | |
Sub 70 S70 659 CB | 54.71 | 1375.9 | 192.3 | 183.8 | 3894.4 | 14.9 | 8.05 | 40.3 | 9.4 | 89.9 | |
COBRA KING TOUR | 54.62 | 988.10 | 190.8 | 183.4 | 3992.3 | 15.2 | 8.44 | 41.2 | 9.1 | 88.3 | |
Edel SMS Pro | 54.98 | 1119.9 | 192.4 | 184.4 | 3962.7 | 14.6 | 8.20 | 41.0 | 9.4 | 90.9 |
「上級者(競技志向者)向け」アイアンの購入で検討すべきこと
パフォーマンス(性能)は、新しいアイアンを買う時に一番に優先されることだろうが、購入を決める前に考慮すべき点が他にもいくつかある。
シャフト選択
スチールとカーボン。どちらを選択するのか?それは使いやすさとそのプレーヤーに何が合っているか相対的な部分による。ほとんどの「上級者(競技志向者)向け」アイアンはスチールシャフトが装着されており、「True Temper Dynamic(トゥルーテンパー ダイナミック)」、「Project X(プロジェクトエックス)」、「KBS Tour(KBSツアー)」、そして「日本シャフト」がスチールシャフトの大部分を占める中で、もちろん、カスタムの選択肢もある。
適切なシャフトを選択することは、バラツキを抑え打ち出し条件を向上させることにも繋がる。故に、あなたのゴルフを向上させる上で非常に大切な要素となる。
飛距離と寛容性
「上級者(競技志向者)向け」アイアンは、「飛距離」を謳っているわけではない。しかし今回のテストでは、飛びの可能性を秘めた注目すべきアイアンがいくつかあった。とはいえ、飛ぶと安定性がなくなりバラツキが大きくなる可能性もある。こうしたことは、ベストパフォーマンスを見せる「飛距離重視の上級者向けアイアン」で見られることだ。
また「上級者(競技志向者)向け」アイアンでは、「寛容性」と「正確性」を優先させる必要があるが、我々の視点では「安定した飛距離」は「寛容性」にも含まれている。クラブが安定していればしているほど、より易しくて正確とも言える。
コスト
ゴルフ用品価格は上昇傾向にあり、多くの場合、今後も上昇する可能性がある。「上級者(競技志向者)向け」アイアン7本セットの多くは1,200ドル以上(約16万以上)が相場だ。
しかし、競争力のある価格設定をしている直販メーカーもいくつかある。Sub 70、Takomo Golf、New Level、そしてマクレガーゴルフは、それぞれアイアンセットを1,000ドル以下(約14万円以下)で発売している。
その他のトップパフォーマンス「上級者向け」アイアン
テスト方法(2023年「上級者(競技志向者)向け」アイアン)
2023年のベスト「上級者(競技志向者)向け」アイアンを決める上で、我々は20名のテスターを起用し、合計1万3,440ショットを測定した。テストを通じてテスターたちには、採用した各モデルの5番、7番、そしてPWを試打してもらった。
またテストに使用するゴルフボールは、タイトリスト「ProV1」に統一。弾道測定器は、フォーサイトの「GCクワッド」を使用しデータを集めることで、データのブレを抑えている。
2023年「上級者(競技志向者)向け」アイアン – FAQ
「上級者向け」アイアンの購入にあたって
Q:アイアンを買い替える頻度はどのくらいか?
A:革新的技術が毎年のように続く稀なケースもあるが、通常メーカーがクラブの性能を向上させるには3〜5年かかる。特にUSGAがメーカーに対してクラブ規制を厳しくしたことから、大きな改革を進めるにはさらに時間がかかる可能性がある。我々がおすすめする買い替え時期は、今使っているアイアンよりも明らかに性能が優れたアイアンが見つかったときだ。もちろん、単に新作が出たから欲しいというなら、それも問題はないだろう。
Q:どのように自分に合うアイアンのカテゴリーを見つければ良いか?
A:アイアンには、「上級者(競技志向者)向け(キャビティーバック)」「上級者(競技志向者)向け飛び系」「初・中級者(スコア改善型)向け」「初・中級者(超スコア改善型)向け」の4つのカテゴリーがある。カテゴリー同士が重なり合うこともあるが、カテゴリー探しは、あなたのスキルレベル(ハンディキャップ)やゴルフに求めることを率直に見つめてみることから始めてみよう。例外は当然あるが、ハンディキャップ10以上で打点にバラつきがあるなら、「上級者向け」は避けることをおすすめする。より安定してボールを打つことができる上級レベルなら、「上級者向け」か「上級者向け飛び系」を使うと一番メリットを得られるだろう。どちらか迷っており、中でも特に「飛距離」を求めるなら、「上級者向け飛び系」が理想的なアイアンとなるはずだ。
Q:シャフトは重要か?
A:もちろん重要だ。スピン量や打ち出し角の差はそれほど大きくないが、シャフトを変えることでショットの精度や、ボールのバラつき、そして全体的な安定性の向上が実現するだろう。適正なシャフトとライ角を見つけることは、フィッティングを受ける上で十分な理由となる。
Q:アイアンを試打する時は何に注目すべきだろうか?
A:ゴルファーは飛距離以外のほとんどに目を向けない傾向があると思うが、「(ローンチモニターの)細かい数字」や、「丸で囲まれた数字」にも注目すべきだろう。「飛距離」と「ボール初速」などの数値を比べる際も、必ず「標準偏差(ローンチモニターのスクリーン上では、これらの数値は大きな数字の下に表示される)」をチェックすること。数字が小さいほど「安定性」に優れているが、これはコース上だと1~2ヤード飛距離が伸びることと同義だ。同様に(丸で囲まれた)バラつきも確認して欲しい。アイアンでは、「安定性」を過小評価してはいけない。
2023『ベストアイアン』を決めるにあたり
Q:どのようにアイアンを各テスターにフィットさせるのか?
A:テストでは「フィット・フロム・ストック」というフィッティングプロセスを活用する。各テスターは、メーカー在庫(ストック)にあるプロパー商品の中から自分に合うスペックを使用。各セットの「ショートアイアン」、「ミドルアイアン」、「ロングアイアン」を一本ずつテストする。調整機能付きのアイアンは今回のテストにないが、テスターに合うアイアンを選ぶようにした。弾道を改善できるように異なる標準シャフトが装着された複数のセットを送ってくれたメーカーがいたことも付け加えておく。
Q:対象カテゴリーはどのように決めるのか?
A:開発者も認めるほどのアイアンテストをするために、ヘッド(形状、ソール幅など)に加えて長さやロフト角で分類。テスト群の中での「違い」を出来る限り最小化した。マッチするカテゴリーが重複するようなアイアンがある時は、メーカー発表のカテゴリーに沿うようにしている。
Q:どのように2023年のベスト「上級者(競技志向者)向け」アイアンを決めたのか?
A:順位を決めるにあたっては、フォーサイトの「GCクワッド」弾道計測機を使って主要データを収集。異常値を除いた後、独自の手法を用いて「正確性」「寛容性」「飛距離」という3つの主要指標の総合スコアを算出する。これらの3指標を重み付けした後の総合スコアにより、ベストアイアンは決まる。
Q:「最も飛ぶアイアン」はどのように決めるのか?
A:最も飛ぶ「上級者(競技志向者)向け」アイアンの決定方法は、総合順位の決め方と似ている。「飛距離」で重要なのはキャリーと合計ヤード。テストでは5番、7番、PWの飛距離スコアを決め、そこから総合スコアを算出する。
Q:「最もやさしいアイアン」はどのように決めるのか?
A:「やさしさ(寛容性)」は、「スピン量」「ボール初速」「キャリー」、そして「バラつきの範囲」という4つの主要指標を元に算出する。「寛容性」のスコアは「飛距離」のように5番、7番、PWで導きだし、そこから総合スコアを算出する。
Q:見た目、打音、打感などの主観的なフィードバックが議論になるが、それらはどれくらい順位に影響するのか?
A:全く反映されない。この順位はローンチモニターのデータと測定できるパフォーマンスの数値のみで決定される。
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