毎年恒例、タイトリストがメモリアル・トーナメントで次なるモデルとなる「Tシリーズ」を公式に公開した。新しい「Tシリーズ」は、同社にとってポスト「APシリーズ」の第三世代となっている。
これはタイトリストがツアーシーディングと検証プロセスと呼ぶもので、「Tシリーズ」は4モデルで展開される予定だ。
興味深いのは、タイトリスト「Tシリーズ」アイアンのうち2モデルは前作のネーミングのままになっている一方で、他2モデルはある種の変化が見られることだろう。
タイトリスト「T100」アイアン
多くの点で「T100」は、タイトリストの主力「上級者（競技志向者）向け」キャビティバックなので、名称が前世代と一貫していても何の不思議はない。外観の改良はあるが、それ以上のこともないはずだ。
「T100」は、ゴルフボール以外では、タイトリストの製品ラインナップで最も「失敗しない」モデルであると言っても過言ではないだろう。
タイトリスト「T150」アイアン
タイトリストの新しい「T150」アイアンは、「T100S」に代わるアイアンと思って間違いないだろう。
名称が変わっているのは、純正の「T100」とストロングロフトの「T100S」をさらに差別化させたいからだ。また前世代のアイアンよりもいくつかデザインが変わっているということも十分に考えられる。
タイトリスト「T200」アイアン
タイトリスト「T200」アイアンは、伝統的に同社の「上級者（競技志向者）向け飛び系」アイアンとなっている。
そして、これは単に個人的意見に過ぎないが、タイトリストは「T200」をヒット作にできずにいるようだ。
「マックスインパクト」ウエイトが特徴だった第一世代は、テクノロジー的には理にかなっていたが、ゴルファーがタイトリストの「上級者向け」モデルに期待するものではなかったのだろう。
一方、現行モデルはスッキリしてはいるが、必要以上に大きくも感じられている。長いブレード、厚めのトップライン、ワイドソールにより、「T100」や「T100S」と組み合わせようと思っているゴルファーには洗練さに欠けるものとなっていたのだ。
そう考えると、「T200」は、今回の新しい「Tシリーズ」で何か（良い意味で）違うことにチャレンジできるタイトリストの素晴らしいチャンスとなるだろう。
「P790」などが証明しているが、「上級者向け飛び系」のカテゴリーには、かなり大きい市場機会がある。「T200」に少しだけ改良を加えれば、タイトリストはかなり優位に立てる可能性があるのだ。
タイトリスト「T350」アイアン
「T350」は「T300」の後継モデルと考えて良いだろう。写真から多くを知ることは厳しいが、少しスリム化したようには見える。
これは完全に推測に過ぎないが、テーラーメイドが「上級者向け飛び系」モデルで近年やってきたアプローチに近いことをタイトリストもやろうとしている可能性がある。というのも、テーラーメイドは「P770」と「P790」で「上級者向け飛び系」のターゲットの端から端までを、真ん中で大きく重複しつつ効果的に網羅しているからだ。
果たしてタイトリストは新しい「Tシリーズ」アイアンのラインナップで同じことができるのか？
スリム化した「T200」は、「上級者向け飛び系」の“上級者向け”をもう少し大切にしたいゴルファーに合う一方で、「T350」は「上級者向け」の形状に似ている飛ぶアイアンを求めるゴルファーに向いているはずだ。
そうなっていて欲しいし、ぶっちゃけ、そうじゃないとちょっとがっかりだね。
他モデルは…？
タイトリストの公式ツアーシーディング（そして検証！）で見当たらないのが、新しいキャビティバック（CB）とマッスルバック（MB）アイアン、そして「T400」の後継モデルだ。
通常、「MB」と「CB」はタイトリストの「Tシリーズ」アイアンの販売サイクルをなぞるので、タイトリストの最も上級者寄りでやや洗練されたモデルとして同時に発売されることが想定できる。
ちなみに、我々の想定だと「Tシリーズ」の発売時期は夏（恐らく7月上旬）になるはず。これはここ数年に比べるとやや早いが、タイトリストでは、今までよりも少しでも早く製品の発表を行いたいと考えているように思う。
そして「T400」の後継モデルだが…最近の傾向を考えると、新しい「T400（あるいは「T450」）」はローンチされるだろうが、他のタイトリストのシリーズとは別の時期にリリースされるはず。となると、新しいタイトリスト「T400」アイアンは来年初頭までお目に掛かれないはずだ。
タイトリスト「Tシリーズ」アイアン
MyGolfSpyのスタッフ間では、あと数週間するとタイトリストの新しい「Tシリーズ」をチェックする時間があると考えている。準備が整い次第、詳細をお披露目していく予定だ。
というわけでお楽しみに。
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