これぞ2023年の最も総合的な「初・中級者向け(スコア改善型)」アイアンレビューだ。
「初・中級者向け」アイアンは、最も広い層の中~高ハンディキャップが対象となっている。
全ての「初・中級者向け(スコア改善型)」アイアンが同じように設計されてはおらず、「正確性」に優れたものもあれば「寛容性」に注力しているもの、また「飛距離」重視のものもある。
今回お披露目するのは、注目の「初・中級者向け(スコア改善型)」アイアンたちを網羅し、2023年のベストを集めたものだ。
もうすでに何を買うか決めている人はちょっと待った!買って後悔する前に、どれが皆さんにとってベストなのか見てみよう。
2023年『初・中級者向け(スコア改善型)ベストアイアン』にとってこの総合ランキングは、「正確性」、「寛容性」、そして「飛距離」の集大成。「正確性」にやや重点を置きつつも、これらの要素をトータルし総合スコアを出している。
2023年「初・中級者向け(スコア改善型)」ベストアイアン総合ランキング
2023年「初・中級者向け(スコア改善型)」アイアンランキング 各スコア&順位
モデル名 | 総合スコア | 飛距離 (ヤード) | 正確性 (%) | 寛容性 | ボール初速 (m/s) | フェアウェイ キープ率(%) |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|
TaylorMade Stealth | 97.4/1位 | 188.2/7位 | 89.5/4位 | 98.0/1位 | 52.61/5位 | 89.6/3位 | |
COBRA AeroJet One Length | 96.8/2位 | 185.8/5位 | 91.4/3位 | 89.0/5位 | 52.00/10位 | 89.7/2位 | |
COBRA AeroJet | 94.7/3位 | 189.4/4位 | 89.3/5位 | 88.7/6位 | 52,83/3位 | 89.2/5位 | |
Srixon ZX4 Mk II | 91.9/4位 | 187.0/8位 | 92.3/2位 | 89.3/4位 | 52.43/7位 | 87.7/7位 | |
Mizuno JPX 923 Hot Metal | 88.9/5位 | 186.0/10位 | 98.2/1位 | 84.2/8位 | 52.57/6位 | 90.3/1位 | |
PXG 0211 XCOR2 | 88.5/6位 | 190.9/2位 | 87.5/6位 | 76.9/10位 | 53.01/1位 | 87.4/8位 | |
PING G430 | 85.9/7位 | 185.4/6位 | 82.1/9位 | 89.5/3位 | 52.03/9位 | 89.0/6位 | |
Callaway Paradym X | 81.4/8位 | 190.1/3位 | 74.6/10位 | 81.6/9位 | 52.75/4位 | 85.7/10位 | |
Sub 70 699 V2 | 81.2/9位 | 185.6/9位 | 83.8/7位 | 86.0/7位 | 52.25/8位 | 87.1/9位 | |
Ram Golf FX77 | 73.6/10位 | 184.3/11位 | 83.0/8位 | 96.6/2位 | 51.58/11位 | 89.3/4位 | |
Wilson Dynapower | 54.1/11位 | 194.1/1位 | 64.8/11位 | 55.3/11位 | 52.88/2位 | 79.5/11位 |
2023年「初・中級者向け(スコア改善型)」ベストアイアンの集計方法
総合ランキングは、「正確性」、「飛距離」、そして「寛容性」を総合的に判断したものになっており、各カテゴリーを合計し、総合スコアを導き出している。
正確性
「正確性」は総合スコアのかなりの割合を占めている。「正確性」の測定基準は以下の通りだ。
・ストロークス・ゲインド
「正確性」とは?
「正確性」は、各クラブのプレーヤーのショットが、そのプレーヤーのスキルレベルから予想されるものよりも上回っているか下回っているかを表す。プレーヤーのスキルで変わる変数を除外することで、「正確性」を見れば、クラブがプレーヤーの全体的なスコアをどのくらい向上させるのかが分かる。
寛容性
「寛容性」は安定性の尺度となる。そのため、我々の「寛容性」の測定基準は、最も安定した結果を残すクラブを見つけることを目的としている。注:「安定性」とは必ずしも安定して良いというわけではない。「寛容性」の測定基準は以下の通りだ。
・ボール初速の安定性
・スピンの安定性
・キャリーの安定性
・バラつきの範囲
どのように「寛容性」を測定するのか?
「寛容性」は、クラブフェースのセンターやセンターを外したショットがどのくらいクラブで修正されるのかを表す。「寛容性」の評価が高いと、クラブはスイングがブレた場合でも、一貫したパフォーマンスをキープするのに適していると言える。
飛距離
「飛距離」は「初・中級者向け(スコア改善型)」アイアンにとっての主要目的の一つだ。しかし、「初・中級者向け」アイアンは飛ぶから良いというわけではない。我々の「飛距離」の測定基準は以下の通りシンプルだ。
総合スコアでも、「飛距離」の項目で一番割合が少ない。とはいえ、全然飛ばないアイアンを欲しい人などいないし、他のパフォーマンスが似たり寄ったりなら「飛距離」が購入の決め手になるだろう。我々の「飛距離」の測定基準は以下の通りシンプルだ。
・キャリーの飛距離
・トータル飛距離
どのように「飛距離」を測定するのか?
トータル飛距離とキャリーの飛距離を考慮し、我々の「飛距離」スコアは、最終的にクラブで達成した合計ヤードを指標にしている。
テーラーメイド「ステルス」~2023年「初・中級者向け(スコア改善型)」ベストアイアン~
特徴
テーラーメイド「ステルス」アイアンが2023年の『ベスト初・中級者向け(スコア改善型)アイアン』となった。このクラブがこの栄誉に輝いたことは過去にもあり、2022年も同賞を受賞している。
あなたが、「寛容性」、「正確性」、そして十分な「飛距離」を実現する「初・中級者向け」アイアンのターゲット層なら、このテーラーメイド「ステルス」はあなたのプレーに役立つアイアンと言える。「初・中級者向け」部門の総合と「寛容性」において、ベストのアイアンだ。
高評価
「ステルス」は、「寛容性」でのベストアイアンだ。「寛容性」を、一貫性を図る指標として考えてみよう。ゴルフクラブは、一貫して同じようなショットを打つことができるか、ややバラつきのあるショットになるかに分かれるが、このアイアンは一貫性のお手本とも言える。
一貫したボール初速、キャリー、バックスピン量、そしてバラつきの少なさを実現。我々のテスターたちは、「見た目」、「打感」、「購入の可能性」においても高い評価を下した。
低評価
「ステルス」アイアンは、他のモデルに比べると「飛距離」が平均よりもやや低く、この分野では7位という結果になった。「打音」、「打感」、「見た目」のような主観的なことを重視しているのなら、「ステルス」アイアンは、「打音」で平均以下の評価になっていることも留意しておこう。
テーラーメイド「ステルス」アイアンは、「飛距離」、「寛容性」、「使いやすさ」を求める中~高ハンディキャップのゴルファーのゲームチェンジャーとなる可能性を秘めている。
『3Dキャップバックデザイン』、『トウラップテクノロジー』、『エコーダンピングシステム』、『プログレッシブICT』を備えた『ファーストフォーギビングフェース』、『貫通型スピードポケット』など革新的なテクノロジーを搭載しており、これら全てが卓越したゴルフ体験をゴルファーにもたらす。
全体的に、テーラーメイド「ステルス」アイアンは、「究極の使いやすさ」と「一貫性」を求めるゴルファーにとっては素晴らしい選択肢と言える。
テーラーメイド「ステルス」アイアン おすすめ層
我々から見ても、テーラーメイド「ステルス」アイアンはかなりオススメだ。連続で『Most Wanted』を受賞するほどの仕上がりで、この1〜2年にかけてベストな「初・中級者向け」アイアンになっている。
シングルハンディでも二桁ハンディでも、このクラブは検討に値するということ。幅広い層にアピールできるズバ抜けた一貫性、かなりの「正確性」、そして十分な「飛距離」性能を備えている。
第2位 ‐ コブラ「AEROJET(エアロジェット)」ワンレングスアイアン
特徴
コブラ「AEROJET」ワンレングスアイアンは、2023年「初・中級者向け(スコア改善型)」ベストアイアンの総合2位となった。確かに、皆さんにとってこのアイアンは一番の注目クラブではないかも知れないが、それも今日まで。
「AEROJET」ワンレングスの性能は、このアイアン自身が証明している。何しろこのアイアンは、「正確性」、「寛容性」、そして「飛距離」という全3部門を通じて最も安定したパフォーマンスを見せたモデルの一つだった。
高評価
「AEROJET」ワンレングスは、「正確性」、「寛容性」、そして「飛距離」においてトップ5に位置した。この中でベストだったのは「正確性」で総合3位。こうしたパフォーマンスは、このモデルの「一貫性」を証明するものであり、2023年「初・中級者向け」ベストアイアンの1つとなる要因となっている。
低評価
パフォーマンス面において、コブラ「AEROJET」ワンレングスに弱点はほぼないと言って良い。しかしワンレングス設計により各番手の長さが7番アイアンの長さであるという事実が敬遠される要因となっている。
我々のテスターたちも、通常の長さよりも短かったり長かったりする5番アイアンやPWで打つことには、違和感があるようだ。また主観的な面において、「AEROJET」ワンレングスは「見た目」、「打感」、「打音」、そして「購入の可能性」について平均以下という評価となっている。
おすすめ層
コブラ「AEROJET」ワンレングスアイアンは、「一貫性」があり「再現性」の高いアイアンセットでゴルフの改善させたい中~高ハンディキャップのゴルファーのためにデザインされている。
「飛距離」、「寛容性」、「正確性」として「打感」を優先しているプレーヤーもこのアイアンのメリットを感じることができるだろう。しかし、どの番手も7番アイアンの長さであることに安心感を持てなかったり、「見た目」や「打音」などの主観的要素に主眼を置いているゴルファーなら他のモデルを検討した方が良い。
第3位 ‐ コブラ「AEROJET」アイアン
特徴
コブラ「AEROJET」アイアンが、2023年の「初・中級者向け(スコア改善型)」ベストアイアンの総合3位となった。ワンレングスよりもややストロングロフトになっていることと、番手ごとに異なるスタンダードの長さ設計になっていることが、このモデルの最大の特徴である「飛距離」につながり全体4位という結果になった。コブラ「AEROJET」の「正確性」と「寛容性」のランクはトップ6位以内で、全体的にバランスが取れている。また「打音」は3位で「打感」と「見た目」は平均以上となった。
高評価
「AEROJET」は、「初・中級者向け(スコア改善型)」ベストアイアンの「飛距離」において4位だが、以前よりコブラは、この「初・中級者向けアイアン部門」の「飛距離」ではトップに近い位置にいる。そのため、この4位という結果に驚きはない。また「AEROJET」は、「正確性」と「寛容性」で平均以上のパフォーマンスを発揮。「飛距離」、「正確性」、「寛容性」が融合していることで、2023年の『初・中級者向け(スコア改善型)ベストアイアン』の一つになっている。
低評価
コブラ「AEROJET」は、「初・中級者向け(スコア改善型)アイアン」カテゴリー部門において非常にバランスのとれたアイアンの一つだが、マイナスポイントもあり、その一つが。このアイアンの「打感」だ。テスターの打った感想だと打感についてはどっちつかずの評価なのだ。
おすすめ層
コブラ「AEROJET」アイアンは、「飛距離」、「正確性」、「寛容性」の面でバランスの取れたパフォーマンスを求める中〜高ハンディキャップのゴルファーのためにデザインされている。「飛距離」と「正確性」という点で苦労しているゴルファーにはメリットになるだろうし、「一貫性」を改善するためにより易しいアイアンを求めているプレーヤーにもオススメだ。
一方、この「AEROJET」アイアンの「打感」はどっちつかずの意見もあるので、他のパフォーマンス要素以上に「打感」が大切というゴルファーは、他のモデルを探した方が良いだろう。
その他のトップパフォーマンス「初・中級者向け(スコア改善型)」アイアン
「飛距離」ベスト ~ウィルソン「DYNAPOWER(ダイナパワー)」アイアン~
特徴
ウィルソン「ダイナパワー」アイアンは総合11位。「初・中級者向け」アイアンを使う主目的が飛ばしなら、このアイアンがニーズに合うだろう。しかし、我々のテストによるとそれには代償も伴う。
高評価
「ダイナパワー」アイアンは、「飛距離」においてベストな「中級者向け」アイアンだ。特に7番と5番アイアンではブッ飛びを体験できる。
低評価
「飛距離」にメリットがあるとは言え、「ダイナパワー」アイアンは「正確性」と「寛容性」に劣る。「正確性」と「寛容性」では共に総合11位で、それぞれのカテゴリーで最下位だった。
ウィルソンゴルフから新しいアイアン「ダイナパワー」が登場した。この新モデルはフェースの厚さが異なる独自の『DYNAPOWER AI』を搭載しており、ボール初速の最大化を実現。高打ち出しにするため低重心化も取り入れ、スコア改善を目指すゴルファーに最適なクラブとなっている。
この新しいテクノロジーは、1950年代から1975年にかけて人気があったクラシックな「ダイナパワー」アイアンから採用しているが、今回のモデルは今風に設計されている。ウィルソンでは、過去に「ダイナパワー」アイアンを使っていた年配のゴルファーとレトロなブランドを好む若年層の両方を魅了することを望んでいるようだ。
おすすめ層
ウィルソン「ダイナパワー」の飛距離性能に疑いの余地はないし、ゴルファーも魅力的に感じるだろう。「飛距離」を求める中~高ハンディキャップのゴルファーは、この「初・中級者向け」アイアンにベタ惚れするはずだ。
「正確性」ベスト ~ミズノ「JPX 923 ホットメタル」~
特徴
ミズノ「JPX 923 HOT METAL」アイアンは、2023年の『ベスト初・中級者向け(スコア改善型)アイアン』の総合5位。このアイアンは以前から、「初・中級者向け」アイアンとして卓越したパフォーマンスを発揮しているが、今年も変わらず、「正確性」で1位という結果に。また「打音」、「打感」、「見た目」、そして「購入の可能性」でもベストアイアンの一つとなっている。
高評価
「JPX 923 ホットメタル」は、「初・中級者向け」アイアンの「正確性」でベスト。我々にとって「正確性」は「ストロークス・ゲインド」で決まるが、このアイアンはその領域で優れた結果を残した。また、「打音」、「打感」、「見た目」のような主観的要素に着目すると、この「JPX 923 ホットメタル」はそのどれをとってもベストアイアンの一つとなっている。
低評価
「JPX 923 ホットメタル」は、「正確性」では高評価を得ているが「寛容性」では平均よりわずかに劣る結果となった。さらに「飛距離」では下位という結果に。最終的にこうした結果が、2023年の『ベスト初・中級者向け(スコア改善型)アイアン』の高順位を逃す要因となった。
ミズノの最新アイアン「JPX 923 ホットメタル」は、「飛距離」、「高打ち出し」、そして「寛容性」の融合を求める中~高ハンディキャップのゴルファーに特化している。ミズノの『Vシャーシ』と深めの重心設計を取り入れることで、優れた振動のコントロールとソリッドな打感を実現する一方で、『4335ニッケルクロモリ』を採用したことでフェースが8%薄肉化しており、「ボール初速」と「飛距離」の向上も実現している。また、長めのブレードと広めのスイートエリアにより簡単になっているだけでなく、カスタマイズが必要なゴルファーにはカスタムも容易にできる。ミズノ「JPX 923 ホットメタル」アイアンは、「飛距離」、「寛容性」、「扱いやすさ」を兼ね備えており、2023年の人気クラブとなることが予測されている。
おすすめ層
ミズノ「JPX 923 ホットメタル」は、「正確性」に重きを置くゴルファーに向いている。飛びに特化した「中級者向け」アイアンではないが、最も一貫性に優れたアイアンの一つと言って良いだろう。中~高ハンディキャップのゴルファーなら、「JPX 923 HOT METAL」は要チェックだ。
「最もお買い得な商品」 ~PXG「0211 XCOR2」アイアン~
特徴
PXG「0211 XCOR2」アイアンは、2023年の『ベスト初・中級者向け(スコア改善型)アイアン』の総合6位となったクラブだ。我々のテスターたちも、「打感」、「打音」、「見た目」という主観的な点ではベストアイアンの一つと評価している。トップ5入りこそ逃したが、お手頃価格ながらパフォーマンスの可能性も秘めている。その証拠となるのが「飛距離」で総合2位になったこと。この性能により、2023年「初・中級者向け」アイアンのベストバリュー(最もお買い得な商品)に選ばれた。
高評価
「0211 XCOR2」は、「初・中級者向け」アイアンの「飛距離」でベスト。さらに「正確性」では、他クラブに比べ平均よりややスコアが良い結果となった。また「見た目」、「打感」、「打音」においてもベストアイアンの一つとなっている。
低評価
「0211 XCOR2」アイアンの強みと言えないのが一貫した結果が出ないこと。「寛容性」のスコアは平均以下で10位だった。
「0211 XCOR2」は、そこそこの金額で高いパフォーマンスを発揮するアイアンを求めるゴルファーにとっては素晴らしい選択肢となる。「0311 GEN5」と同じく改良された「XCOR2」素材が採用されており、2021年モデルよりもアップグレードしている。
『パワーチャンネル』と『極薄フェース』により、「ボール初速」と「寛容性」が高まる可能性を秘めている一方、『プログレッシブデザイン』が採用されており、ショートアイアンではオフセットが少なくなりロングアイアンでは「寛容性」も大きい。また、このアイアンは高価格帯モデル同様の『中空ボディデザイン』、『高強度フェース』、フレキシブルなポリマーを搭載していることから、お手頃価格ながらパフォーマンスも犠牲にしていない。
「0211 XCOR2」アイアンは、低価格ながら優れたパフォーマンスを実現する。クリーンで人気のデザインになっていることからも、高品質のクラブを求める幅広い層のゴルファーにとって最高の選択肢と言える。
おすすめ層
PXG「0211 XCOR2」アイアンは、この価格の割に目を見張る価値がある。ゴルファーは常に飛びを求めるものだが、この「0211 XCOR2」アイアンも「飛距離性能」は抜群。また、「飛距離」だけでなく「正確性」も適度にある。低~中ハンディ、あるいは高ハンディキャップのゴルファーでも、PXG「0211 XCOR2」は幅広い層に受け入れられるアイアンだ。
「打音」「打感」「見た目」ベスト ~スリクソン「ZX4 Mk II」アイアン~
特徴
スリクソン「ZX4 Mk II」アイアンは、2023年の『初・中級者向け(スコア改善型)ベストアイアン』の総合4位となった。また「テスターズチョイス賞」ではトップを獲得。「初・中級者向け」アイアンの「打音」、「打感」、「見た目」、そして「購入の可能性」でもベストという評価を得た。「ZX4 Mk II」における最高のパフォーマンス特性は「正確性」。この部門では総合2位となった。また、「寛容性」部門では4位となっている。
高評価
「ZX4 Mk II」は、「初・中級者向け」アイアンの「正確性」と「寛容性」においてベストアイアンの一つとなっており、それぞれのスコアは2位と4位。それ以上に、「打音」、「打感」、「見た目」、そして「購入の可能性」ではベストになっている。
低評価
「ZX4 Mk II」の最大の弱点は、まさかの「飛距離」。このランキングでは8位だった。
スリクソン「ZX4 Mk II」アイアンは、あらゆるスキルのゴルファーに優れた「飛距離」、「寛容性」、そして「正確性」を実現。『ツアーVTソール』により、インパクトと芝の抜けが安定する一方、番手別設計とホーゼル長により、セットを通じて最適な打ち出しと弾道をもたらす。スリクソン「ZX4 Mk II」アイアンは、『HT 1770Mフェース』、『431ステンレススチール』、中空ボディデザイン、さらに工学技術とヘッド形状が融合することで、「初・中級者向け」アイアンというよりシングルピース以上の、鍛造アイアンのような「打感」を実現している。
おすすめ層
スリクソン「ZX4 Mk II」は2023年のダークホースだ。多くの他「初・中級者向け」アイアンのように、中~から高ハンディキャップのゴルファーが対象だが、「見た目」、「打音」、「打感」により多くのゴルファーを相当に魅了していると言える。「正確性」と「寛容性」を求めているなら、要チェックのアイアンだ。
2023年版「初・中級者向け(スコア改善型)」アイアン各モデルのデータ
2023年「初・中級者向け(スコア改善型)」アイアンランキングデータ
モデル名 | ボール初速 (m/s) | ショット範囲 (平方ヤード) | トータル飛距離 (ヤード) | キャリー (ヤード) | スピン量 ( RPM ) | 打ち出し角 (度) | 高さ (m) | 落下角度 (度) | 中央からの 距離(ヤード) | フェアウェイ キープ率(%) |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
TaylorMade Stealth | 52.61 | 1374.8 | 188.2 | 175.3 | 3233.6 | 15.4 | 7.07 | 37.5 | 10.1 | 89.6 | |
COBRA AeroJet One Length | 51.90 | 1205.9 | 185.8 | 170.1 | 3350.0 | 14.3 | 6.22 | 35.3 | 9.4 | 89.7 | |
COBRA AeroJet | 52.84 | 1427.3 | 189.4 | 175.3 | 3237.2 | 15.0 | 6.80 | 36.7 | 10.1 | 89.2 | |
Srixon ZX4 Mk II | 52.43 | 1547.8 | 187.0 | 174.7 | 3345.9 | 15.4 | 7.04 | 37.8 | 10.4 | 87.7 | |
Mizuno JPX 923 Hot Metal | 52.57 | 1427.3 | 186.0 | 174.8 | 3551.0 | 15.6 | 7.44 | 38.9 | 9.5 | 90.3 | |
PXG 0211 XCOR2 | 53.01 | 1516.3 | 190.9 | 177.5 | 3172.6 | 14.1 | 6.55 | 35.6 | 10.1 | 87.4 | |
PING G430 | 52.03 | 1355.7 | 185.4 | 171.7 | 3419.2 | 15.4 | 6.92 | 37.6 | 10.3 | 89.0 | |
Callaway Paradym X | 52.74 | 1664.4 | 190.1 | 176.1 | 3136.8 | 14.1 | 6.49 | 35.4 | 10.8 | 85.7 | |
Sub 70 699 V2 | 52.25 | 1387.2 | 185.6 | 173.7 | 3447.6 | 15.2 | 7.01 | 38.0 | 10.6 | 87.1 | |
Ram Golf FX77 | 51.58 | 1317.8 | 184.3 | 169.3 | 3630.8 | 15.1 | 6.95 | 38.0 | 10.3 | 89.3 | |
Wilson Dynapower | 52.88 | 2021.2 | 194.1 | 178.2 | 3022.5 | 14.0 | 6.46 | 34.8 | 12.9 | 79.5 |
2023年版「初・中級者向け(スコア改善型)」アイアンの購入で検討すべきこと
パフォーマンス(性能)は、新しいアイアンを買う時に一番に優先されることだろうが、購入を決める前に考慮すべき点が他にもいくつかある。
シャフト選択
スチールとカーボン。どちらを選択するのか?それは使いやすさとそのプレーヤーに何が合っているかとの相対的な判断による。ほとんどの「初・中級者向け」アイアンにはスチールシャフトがラインナップされており、「True Temper Dynamic(トゥルーテンパー ダイナミック)」、「Project X(プロジェクトエックス)」、「KBS Tour(KBSツアー)」、そして「日本シャフト」が大半を占める。また他のタイプのアイアンよりも「初・中級者向け」アイアンは純正カーボンシャフトがより多く見受けられることも特徴だ。
もちろん、カスタムの選択肢もある。適切なシャフトを選択することは、バラツキを抑え打ち出し条件を向上させることにも繋がる。故に、あなたのゴルフを向上させる上で非常に大切な要素となる。
飛距離と寛容性
「初・中級者向け」アイアンは、一般的に「飛距離」と「寛容性」を兼ね備えている。しかし、これまでもそうだが「飛距離」と「寛容性」は二律背反の関係がある。
パフォーマンス(性能)に優れた「初・中級者向け」アイアンとは、「飛び」と「易しさ」の2つが融合し安定しているものだ。こうしたアイアンは、「正確性」、「飛距離」、そして「寛容性」という3つの指標全てにおいて、安定した数字を残している。
コスト
価格の上昇にも関わらず、「初・中級者向け」アイアンカテゴリーは、全体的に競争力の高い価格設定になっている。一番高額なセットはキャロウェイ「パラダイムX」で1,399.99ドル(日本価格:¥ 148,500税込から)だ。
2023年の『ベスト初・中級者向け(スコア改善型)アイアン』となったテーラーメイド「ステルス」は、7本で999.99ドル。「寛容性」で2位となった「初・中級者向け」アイアンは、Ram Golf「FX77」で399.99ドルだ。
※日本でのテーラーメイド「ステルス」アイアン価格:5本セット (#6~PW) ¥110,000~¥126,500(税込)
テスト方法(2023年「初・中級者向け(スコア改善型)」アイアン)
2023年の『ベスト初・中級者向け(スコア改善型)アイアン』を決める上で、我々は20名のテスターを起用し、合計1万560ショットを測定した。テストを通じてテスターたちには、採用した各モデルの5番、7番、そしてPWを試打してもらった。
またテストに使用するゴルフボールは、タイトリスト「ProV1」に統一。弾道測定器は、フォーサイトの「GCクワッド」を使用することで、データのブレを抑えている。
2023年「初・中級者向け(スコア改善型)」アイアン – FAQ
「初・中級者向け(スコア改善型)」アイアンの購入にあたって
Q:アイアンを買い替える頻度はどのくらいか?
A:革新的技術が毎年のように続く稀なケースもあるが、通常メーカーがクラブの性能を向上させるには3〜5年かかる。特にUSGAがメーカーに対してクラブ規制を厳しくしたことから、大きな改革を進めるにはさらに時間がかかる可能性がある。我々がおすすめする買い替え時期は、今使っているアイアンよりも明らかに性能が優れたアイアンが見つかったときだ。もちろん、単に新作が出たから欲しいというなら、それも問題はないだろう。
Q:どのように自分に合うアイアンのカテゴリーを見つければ良いか?
A:アイアンには、「上級者(競技志向者)向け(キャビティーバック)」「上級者(競技志向者)向け飛び系」「初・中級者(スコア改善型)向け」「初・中級者(超スコア改善型)向け」の4つのカテゴリーがある。カテゴリー同士が重なり合うこともあるが、カテゴリー探しは、あなたのスキルレベル(ハンディキャップ)やゴルフに求めることを率直に見つめてみることから始めてみよう。例外は当然あるが、ハンディキャップ10以上で打点にバラつきがあるなら、「上級者向け」は避けることをおすすめする。より安定してボールを打つことができる上級レベルなら、「上級者向け」か「上級者向け飛び系」を使うと一番メリットを得られるだろう。どちらか迷っており、中でも特に「飛距離」を求めるなら、「上級者向け飛び系」が理想的なアイアンとなるはずだ。
Q:シャフトは重要か?
A:もちろん重要だ。スピン量や打ち出し角の差はそれほど大きくないが、シャフトを変えることでショットの精度や、ボールのバラつき、そして全体的な安定性の向上が実現するだろう。適正なシャフトとライ角を見つけることは、フィッティングを受ける上で十分な理由となる。
Q:アイアンを試打する時は何に注目すべきだろうか?
A:ゴルファーは飛距離以外のほとんどに目を向けない傾向があると思うが、「(ローンチモニターの)細かい数字」や、「丸で囲まれた数字」にも注目すべきだろう。「飛距離」と「ボール初速」などの数値を比べる際も、必ず「標準偏差(ローンチモニターのスクリーン上では、これらの数値は大きな数字の下に表示される)」をチェックすること。数字が小さいほど「安定性」に優れているが、これはコース上だと1~2ヤード飛距離が伸びることと同義だ。同様に(丸で囲まれた)バラつきも確認して欲しい。アイアンでは、「安定性」を過小評価してはいけない。
2023『ベストアイアン』を決めるにあたり
Q:どのようにアイアンを各テスターにフィットさせるのか?
A:テストでは「フィット・フロム・ストック」というフィッティングプロセスを活用する。各テスターは、メーカー在庫(ストック)にあるプロパー商品の中から自分に合うスペックを使用。各セットの「ショートアイアン」、「ミドルアイアン」、「ロングアイアン」を一本ずつテストする。調整機能付きのアイアンは今回のテストにないが、テスターに合うアイアンを選ぶようにした。弾道を改善できるように異なる標準シャフトが装着された複数のセットを送ってくれたメーカーがいたことも付け加えておく。
Q:対象カテゴリーはどのように決めるのか?
A:開発者も認めるほどのアイアンテストをするために、ヘッド(形状、ソール幅など)に加えて長さやロフト角で分類。テスト群の中での「違い」を出来る限り最小化した。マッチするカテゴリーが重複するようなアイアンがある時は、メーカー発表のカテゴリーに沿うようにしている。
Q:どのように2023年のベスト「初・中級者向け(スコア改善型)」アイアンを決めたのか?
A:順位を決めるにあたっては、フォーサイトの「GCクワッド」弾道計測機を使って主要データを収集。異常値を除いた後、独自の手法を用いて「正確性」「寛容性」「飛距離」という3つの主要指標の総合スコアを算出する。これらの3指標を重み付けした後の総合スコアにより、ベストアイアンは決まる。
Q:「最も飛ぶアイアン」はどのように決めるのか?
A:最も飛ぶ「初・中級者向け(スコア改善型)」アイアンの決定方法は、総合順位の決め方と似ている。「飛距離」で重要なのはキャリーと合計ヤード。テストでは5番、7番、PWの飛距離スコアを決め、そこから総合スコアを算出する。
Q:「最もやさしいアイアン」はどのように決めるのか?
A:「やさしさ(寛容性)」は、「スピン量」「ボール初速」「キャリー」、そして「バラつきの範囲」という4つの主要指標を元に算出する。「寛容性」のスコアは「飛距離」のように5番、7番、PWで導きだし、そこから総合スコアを算出する。
Q:見た目、打音、打感などの主観的なフィードバックが議論になるが、それらはどれくらい順位に影響するのか?
A:全く反映されない。この順位はローンチモニターのデータと測定できるパフォーマンスの数値のみで決定される。