PING（ピン）の新作「G Le3」のストーリーは至ってシンプルだが、その中には多くの魅力が詰まっている。
ビジネスとしては最高だ。
「G Le3」のラインナップには、ご覧の通り「女性」向けにデザインされたカスタムフィットおよびカスタム・ビルドクラブのフルラインナップ。現在かつてないほど多くの女性がゴルフを楽しんでいる。
※カスタム・ビルトとは？
PINGのクラブは、すべて国内にある本社の専用工場で組み立てられ、ゴルファーの元に届けられている。多くのメーカーが生産拠点を国外に移す中、アセンブルを国内で行っているのは、PINGが「最高品質」にこだわっているからだという。
全米ゴルフ財団の最新統計によると、米国だけでも女性ゴルファーの数は 2019年以来15%増加している。全体として、コース上でプレーするゴルファーの25%を女性が占めているのだ。
PINGのような女子ゴルフをサポートしてきた長い歴史を持つ企業 （おそらく「ソルハイムカップ」という大会を聞いたことがあるだろう）にとって、これは増加する女性ゴルファーを獲得する絶好のチャンスになるはずだ。
※ソルハイムカップ は、女子ゴルフのヨーロッパツアーとアメリカツアーの代表選手による対抗戦として、2年に1度行われている団体戦の大会のこと。
PING「G LE3」シリーズは、クラブの長さは短く、また一般的に女性が好むとされるピンク色のクラブを作るといった従来のセット売りとは一線を画す。同社が培ってきたテクノロジーをすべて盛り込んだフルラインナップのプレミアムなギアなのだ。
レディース用 PING「G Le3」
PINGの執行役副社長のステイシー・パウウェイス氏は、カーステン・ソルハイム氏とルイーズ・ソルハイム氏の孫娘である。
「新たに登場する『G Le3』は、さらなる『飛距離』と比類のない『やさしさ』、そして自信を与えてくれる『ルックス』と心地よい『打音』を実現した性能重視のカスタムフルセットだ。」と彼女は述べている。
そのセットにはドライバー、フェアウェイウッド、ユーティリティー、アイアン、パターが含まれる。これらは軽量シャフトを装備したいわゆる標準的なピン製品ではない。ヘッドスピードが35.76m/s以下のゴルファー向けに、グリップからヘッドまで緻密に設計されている。
さらに、全ラインナップがカスタムフィッティングおよびPING公認フィッティングセンターに揃う。
PING「G Le3」ドライバーとフェアウェイウッド
新「G Le3」シリーズには同社の最高のテクノロジーが駆使されている。ドライバーは高MOIで軽量シャフトとグリップが特徴で、ボールが上がりやすく、真っ直ぐ飛ぶ。
さらに採用されたチタンヘッドには、鍛造フェースと後方に固定された高密度ウエイトが備わり、低重心かつ後方ややヒール寄りに位置することで、より速いボール初速と高弾道を実現している。
不思議なことに、「G Le3」ドライバーも『クラウンタービュレーター』と『ボーテックキャビティ』を備えている。おそらく、これは空力学的利点のためだと思われるが、ピンでさえ、ヘッドスピードが低下するにつれて空力学的メリットが得られにくくなると述べている。しかし、PINGはそれでも採用に踏み切った。
ドライバーは軽量弾道チューニングホーゼルで調整可能となっており、ロフト角11.5 度のドライバーは、ロフト角を±1.5度、ライ角は最大3度フラットに調整できる。
フェアウェイウッドの番手は、3番、5番、7番、9番ウッドとこちらも調整可能となっている。ヘッド素材はステンレススチール(ボディ)で、マレージングスチールで『フェース・ラップ・テクノロジー』が施されており、スピンを低減しながらフェースのたわみを最適化する。
アイアン、ウェッジ、ユーティリティー
これらのラインナップにはフルセットではないが、セットになるように設計されている。具体的には、アイアンとウェッジを組み合わせることを目的としている。
アイアンは、「低重心」と「高密度のヒール/トゥウエイト」を備え、周辺に重心を置くことで、オーソドックスな「初・中級者向け」（スコア改善型モデル）アイアンとなっている。
アイアンはロフト角25度の6Iから41度の9 Iまで初・中級者向けにの王道設定。また、複数素材の衝撃吸収バッジ『PurFlex（ピュアフレックス）」の搭載により、フェースのたわみを最大限に高めながら、同時に音や振動を低減する。
ピッチングウェッジ（PW）は、10番アイアンとならないよう、よりウェッジに近づけようとしている。ピッチングウェッジ、ユーティリティー、サンドウェッジは、削り出されたグルーブ（溝）が特徴で、サンドウェッジはワイドソールと細いホーゼルが名器「Eye 2」を彷彿させる。
ユーティリティーの入ったコンボセットでは、一番長いアイアンと一番短いユーティリティーへのつながりが難しく、お互いの長さの差がいびつになることがある。このつながりをスムーズにするために、前のモデルより各番手1/4インチ（日本モデルでは1/2インチ）長くした。これにより、より一貫性のある長さの差を実現した。
PING「G Le3」パター
PINGは「G Le3」パターで4つのクラシックなデザインを、白い2層のエラストマーインサート『PEBAX（ぺバックス）』を使って華やかに取り揃えた。
それには、「PLD（Putter Laboratory Design）」にヒントを得た浅い溝の『柔らかいPEBAX』のフロントピースと、「打感」、「やさしさ」、そして「飛距離」コントロールを保証するための『硬いPEBAX』のバックピースが特徴だ。新しい4つのパターモデルには、おなじみの「フェッチ」と「ケッチ」に加え「アンサー」の「G Le3」版が含まれている。4つ目のパターは、「ルイーズ」という新しいデザインで、カーステン氏の妻であり、ビジネスパートナーであり、信頼のおける相談相手でもある彼女の名前にちなんで名付けられている。
「ルイーズ」はミッドマレットタイプで、ツアーで証明されたピン「DS72」に似ているが、ミッドスラントのホーゼルが特徴。「ケッチ G」は606アルミニウムから削り出されており、ステンレススチールのソールプレートにより「MOI(慣性モーメント)」を最大化し、重心を最適化してくれる。
また全モデルに、「G Le3」専用のピストルグリップを搭載している。
PING「G Le3」まとめ、価格、販売予定
「軽量化」はメーカーのトレンドとなっている。以前は、XXIO（ゼクシオ）のようなブランドが、性別に関係なく、すべての低ヘッドスピードのプレイヤーを対象に軽量クラブを独占的にデザインしていた。
以前は、女性向け商品の多くは同じヘッドに女性らしいデザインやカラーを施したものが主流で、軽量の調整可能ウエイトや軽量シャフトが使われていることがほとんどだった。
結局のところPINGも同じ戦略なのではと疑う声もあるかもしれないが、それは同社のやり方ではない。PINGは、「G Le3」が女性に特化したデザインであり、男性向けラインナップと同様に「カスタムフィッティング」に重点を置いていることをユーザーによく理解してもらえるよう細部まで配慮している。
そして、「男性と平等」といえば「価格」にも反映されている。例えば、「G Le3」ドライバーの小売価格は540ドル。フェアウェイウッドはそれぞれ325ドルで、ユーティリティー（22度、26度、30度、34度のモデル）は245ドルという設定。アイアン（6番アイアンから9番アイアン）とウェッジはそれぞれ1本185ドル。
「G Le3」パターの「アンサー」、「ルイーズ」、「フェッチ」はそれぞれ250ドルで、「ケッチ G」は325ドルだ。
PING「G Le3」ラインナップは本日より発売される。
＜日本価格と発売＞
ドライバー：ヘッド素材はFORGED T9S+チタン（フェース） / 811チタン（ボディ）、価格は ¥85,800（税込）。
標準シャフトはカーボンシャフトULT 250 J (L)／ULT 250 J (A)でグリップはイオミック「STICKY DEEP SEA」（バックライン無し）。
フェアウェイウッド：ヘッド素材はFORGEDマレージング鋼C300（フェース） / 17-4ステンレススチール（ボディ） 、価格は¥52,800（税込）で、標準シャフトとグリップはドライバーと同様。
ハイブリッド：ヘッド素材はFORGEDマレージング鋼C300（フェース） / 17-4ステンレススチール（ボディ） 、価格は¥39,600（税込）で、 番手は4H/5H/6H/7H。標準シャフトとグリップはドライバーと同様。
アイアン：ヘッド素材は17-4ステンレススチール（ボディ）、仕上げはハイドロパールクローム仕上げで、価格は1本¥27,500（税込）。番手は6I/7I/8I/9I/PW/UW/SWの7本セットで、標準シャフトとグリップはドライバーと同様。
パター：「アンサー」、「ルイーズ」「フェッチ」「ケッチ G」の4種類
「アンサー」「ルイーズ」「フェッチ」のヘッド素材：17-4 ステンレススチール（ボディ） / ソフトPEBAXで価格は、¥38,500（税込）。
「ケッチ G」のヘッド素材は6061アルミニウム / 304ステンレススチール / ソフトPEBAXで、価格は¥49,500（税込）。
各標準グリップはPP59（ディープシー）。
ストロークタイプは「アンサー」-セミアーク、「ルイーズ」-アーク、「フェッチ」-ストレート、「ケッチ G」-ストレートとなっている。
発売は2023年9月7日（予定）。
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