映画『ワイルド・スピード』の主人公ドミニク・トレットと言えば“ファミリー”。そして、キャロウェイの「APEX」“ファミリー”、あるいは今回だと「APEX PRO」系の“ファミリー”が増えるようだ。

業界全体のトレンド通り、キャロウェイの新しい「APEX」アイアンセットは、どのモデルも同シリーズの中の他モデルと組み合わせてコンボできるように設計されている。

スリクソンとタイトリストが、最近のクラブでこの辺りを見事に実現しているだけに、キャロウェイがこれに続くのも当然と言えば当然だ。

今回、このキャロウェイの新ラインナップで特に感動したことが2つある。まずユーティリティを含めた全モデルに、同じ『MIMバックウエイト』を採用したことだ。クラブ製造の視点で言うと、こうすることでコンボセットにすることがより容易になる。

さらに大切なのは、これによりセットの見た目に一貫性が出るので、コンボセットがさらに魅力的なものになるのだ。他ブランドだとコンボセットにすることを前提としたアイアンの仕上げがバラバラで、正直理解に苦しむ。


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新シリーズは、全モデルにやや幅広の『ダイナミックソール』デザインを採用。リーディングエッジとトレーリングエッジに最適な研磨を施すことで、芝に刺さり過ぎず、かつスムーズな抜けの良さを実現している。

キャリアが長くなればなるほど、芝の抜けがどれほど大切なのかを思い知らされる。「MOI(慣性モーメント)」のように芝の抜けを数値化することはできないが、自身のスイングにあったソールを持つアイアンを使うことで、インパクトは安定する。

さらに、今回のアイアンは、重心位置が番手別に設計されていることも特徴だ。簡単に言うと、ロングアイアンは高弾道で、ショートアイアンはコントロール性を持たせるため弾道が低くなっている。

ここまでが各モデルの共通した部分。では次に、それぞれどのように違うのだろうか?


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キャロウェイ「APEX PRO」アイアン

キャロウェイ「パラダイム」アイアンはマジで飛ぶが、そのパワフルさを実現しているのが、鍛造製法の『455スチールフェース』。今回キャロウェイは、このテクノロジーを新しい「APEX PRO」アイアンにも搭載した。

キャロウェイ「APEX PRO」アイアンの4番と5番は、「パラダイム」アイアン同様に『455スチールフェース』が特徴だが、それ以外の番手は鍛造の『1025スチールカップフェース』を初めて採用。プロトタイプではウェッジまで『455スチールフェース』にしていたが、これだと対象ゴルファーにとっては飛び過ぎになってしまったようだ。


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「打ち出し角」、「初速」、そして「スピン量」における番手別の完璧な設定は、6番アイアンを起点に変化させるというのが同社の考え。その上でこのアイアンには、「打音」と「打感」をコントロールするため、キャロウェイ独自の『ウレタン・マイクロスフィア』が採用されている。


「APEX PRO」アイアン(2024年メンズモデル)の製品スペック

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キャロウェイ「APEX CB」アイアン

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キャロウェイ「APEX TCB」アイアンはPGAツアーで絶大な人気を誇っているが、「APEX CB」はそれに取って代わりキャロウェイ契約プロの人気No.1になるだけの資質を持っていると言える。

「APEX CB」は、このアイアンが代替となる「APEX TCB」よりもトップラインが薄く、シンプルな見た目が特徴。5段階の鍛造工程が採用されており、「寛容性」やパワーよりも「打感」と「一貫性」に重きを置いたアイアンとなっている。


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中身で大きく変わったことは、ヒール側のウエイトを取り除き、トゥ側に『MIMウエイト』を配置したこと。これにより、スイートエリアが完璧に中央に配置することが可能となった。


「APEX CBクローム」アイアン(2024年メンズモデル)の製品スペック

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キャロウェイ「APEX MB」アイアン

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「APEX CB」アイアンの兄弟モデルでプロトタイプの「APEX MB」は、マーベリック・マクネリとDPワールドツアーでプレーする双子のホイゴー兄弟が使用しており、ラスムス・ホイゴーが「メイド・イン・デンマーク」に勝ったことでこのアイアンにとっての初勝利となった。

このキャロウェイ「APEX MB」は「APEX CB」同様に「操作性」重視。また鍛造『2015スチールフェース』が採用されており、キャロウェイではより受け入れられやすい形状をしている他、特にコンボセットとして多くのプレーヤーに試してもらえると考えている。


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そして、「APEX CB」アイアンと同じように、ウエイトが明らかにマッスルバックのトゥ側にシフトしておりスイートエリアがセンターに配置されている。


「APEX MBクローム」アイアン(2024年メンズモデル)の製品スペック

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キャロウェイ「APEX UT」アイアン

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間違いなく最大の変更点となったのが、キャロウェイ「APEX UT」と「APEX」アイアンのマッチングが非常に良くなったということ。「APEX PRO」のロングアイアンと構造がよく似ており、『455スチールフェース』が高い反発力を生む一方、『ウレタン・マイクロスフィア』によりインパクトでソフトな「打感」が得られる。

また最大の改良点となっているのがバックフェース部分だ。プロの意向を取り入れ、バックエッジの出っ張りがこれまでのキャロウェイのユーティリティアイアンに比べ、遥かに小さくなっており、よりスッキリとした見た目になるようにトップラインと並行になっている。


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新しい「APEX PRO」シリーズは、8月19日に先行販売がスタート。発売日は9月9日となっている。日本発売は9月(予定)。

「APEX PRO」、「APEX CB」、「APEX MB」の価格は1本215ドルで、「APEX PRO」の純正シャフトは「トゥルーテンパー・ダイナミックゴールドMid」。その他のモデルはカスタム対応のみとなっている。

「APEX UT」の価格は275ドルで、標準シャフトは三菱の「MMT」シャフト。

※日本での価格は、「APEX PRO」、「APEX CB」がそれぞれ1本¥31,900(税込)。「APEX MB」が¥1本29,700(税込)、「APEX UT」が1本¥41,800(税込)

シャフトは、「APEX MB」、「APEX CB」、「APEX PRO」が「トゥルーテンパー・ダイナミックゴールドMid 115 S200」。

「APEX PRO」、「APEX UT」が「日本シャフト モーダスツアー3 105 STF」。

これらの番手より上のクラブをお探しなら、キャロウェイでは新しい「APEX UW(ユーティリティウッド)」を発表しているので、こちらをチェックして欲しい。