「競技志向者向け」アイアンと「初・中級者向け(スコア改善型モデル)」アイアンのちょうど中間に位置する「競技志向者向け(飛び系)」アイアンは、「扱いやすさ」と「飛距離性能」、「寛容性」が売りだ。また、「初・中級者向け」アイアンに比べてより魅力的な見た目は、ローハンディキャップとミッドハンディキャップゴルファーの心をくすぐる。
そのターゲット層を念頭に置いて、「競技志向者向け(飛び系)」アイアン15モデルをテストした。ではその結果を見ていこう。
テスト方法
2023年の『競技志向者向け(飛び系)アイアンランキング』では、20人のテスターを起用し、計14,400ショットを収集した。またテストに使用するゴルフボールは、タイトリスト「ProV1」に統一。弾道測定器はフォーサイトの「GCクワッド」を使用することでデータのブレを抑えている。
また、総合ランキングでは、「正確性」と「飛距離」、「寛容性」が考慮される。それぞれの分野は総合スコアを出すため各項目を加算し、総合得点を出している。アイアンのカテゴリーごとにその比重は異なり、「競技志向者向け(飛び系)」アイアンの場合、「飛距離」よりも「正確性」が重視される。
正確性
「正確性」は総合スコアのかなりの割合を占めている。「正確性」の測定基準は以下の通りだ。
・ストロークス・ゲインド
「正確性」とは?
「正確性」は、各クラブのプレーヤーのショットが、そのプレーヤーのスキルレベルから予想されるものよりも上回っているか下回っているかを表す。プレーヤーのスキルで変わる変数を除外することで、「正確性」を見れば、クラブがプレーヤーの全体的なスコアをどのくらい向上させるのかが分かる。
寛容性
「寛容性」は安定性の尺度となる。そのため、我々の「寛容性」の測定基準は、最も安定した結果を残すクラブを見つけることを目的としている。注:「安定性」とは必ずしも安定して良いというわけではない。「寛容性」の測定基準は以下の通りだ。
・ボール初速の安定性
・スピンの安定性
・キャリーの安定性
・バラつきの範囲
どのように「寛容性」を測定するのか?
「寛容性」は、クラブフェースのセンターやセンターを外したショットがどのくらいクラブで修正されるのかを表す。「寛容性」の評価が高いと、クラブはスイングがブレた場合でも、一貫したパフォーマンスをキープするのに適していると言える。
飛距離
当然ながら、「飛距離」はいつでも殆どのゴルファーにとって大切だ。我々の「飛距離」の測定基準は以下の通りシンプルだ。
・キャリーの飛距離
・トータル飛距離
どのように「飛距離」を測定するのか?
トータル飛距離とキャリーの飛距離を考慮し、我々の「飛距離」スコアは、最終的にクラブで達成した合計ヤードを指標にしている。
2023年「競技志向者向け(飛び系)」アイアンの総合スコアと各ランキング
2023年 「競技志向者向け(飛び系)」アイアン ランキング
モデル名 | 総合スコア | 飛距離(ヤード) | 正確性(%) | 寛容性 | ボール初速 (m/s) | フェアウェイ キープ率(%) |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|
SRIXON ZX5 MK II | 98/1位 | 201.9/5位 | 97.6/1位 | 90.0/7位 | 56.19/4位 | 85.7/12位 | |
INESIS 900 FORGED | 96/2位 | 194.1/14位 | 96.2/2位 | 97.6/1位 | 55.16/14位 | 93.1/1位 | |
NEW LEVEL 902 OS FORGED | 95/3位 | 197.1/10位 | 91.5/4位 | 95.5/2位 | 55.38/11位 | 89.8/2位 | |
MIZUNO PRO 225 | 92/4位 | 199.3/7位 | 94.0/3位 | 85.1/9位 | 55.79/7位 | 88.8/5位 | |
FOURTEEN TB-5 | 91/5位 | 199.9/4位 | 87.7/8位 | 91.2/5位 | 55.92/6位 | 88.8/6位 | |
Edel SMS | 91/6位 | 197.8/12位 | 89.9/5位 | 95.1/3位 | 55.12/15位 | 88.7/7位 | |
Mizuno JPX 923 Hot Metal Pro | 88/7位 | 205.3/3位 | 89.2/6位 | 78.5/13位 | 56.60/2位 | 82.8/14位 | |
TaylorMade P-770 | 87/8位 | 198.0/15位 | 88.4/7位 | 92.6/4位 | 55.56/9位 | 86.8/10位 | |
Sub 70 699 Pro V2 | 86/9位 | 202.3/9位 | 87.5/9位 | 83.1/11位 | 54.79/8位 | 87.8/8位 | |
Mizuno JPX 923 Forged | 85/10位 | 199.0/6位 | 80.8/11位 | 90.2/6位 | 56.05/5位 | 85.4/13位 | |
MacGregor MT86 OS | 80/11位 | 200.9/11位 | 80.3/12位 | 87.0/8位 | 55.38/10位 | 87.5/9位 | |
Tour Edge Exotics C723 | 77/12位 | 200.4/13位 | 81.6/10位 | 80.2/12位 | 55.38/12位 | 89.2/4位 | |
Callaway Paradym | 76/13位 | 204.0/2位 | 79.3/13位 | 69.2/14位 | 56.59/3位 | 89.3/3位 | |
COBRA KING Forged Tec One Length | 76/14位 | 200,2/8位 | 73.5/14位 | 83.3/10位 | 55.34/13位 | 86.6/11位 | |
PXG 0311 XP Gen6 | 59/15位 | 211.3/1位 | 57.5/15位 | 56.3/15位 | 57.53/1位 | 82.4/15位 |
スリクソン「ZX5 MK II」〜2023年「競技志向者向け(飛び系)」ベストアイアン〜
特徴
2023年の「競技志向者向け(飛び系)」ベストアイアンはスリクソンの「ZX5 MK II」が獲得した。アイアンの「正確性」を重視するなら「ZX5 MK II」が2023年のベストチョイスだ。正確であるだけでなく、インパクト時の一貫した性能と十分な飛距離も得られる。
「操作性」と「飛距離」が重視されるアイアンカテゴリーにおいて、スリクソン「ZX5 MK II」はその両方の期待に応えるものだ。テスターからは「打音」および「購入の可能性」もベスト評価を得た。また、「ZX5 MK II」は「打感」や「見た目」も高く評価されている。
高評価
「ZX5 MK II」は、2023年の『競技志向者向け(飛び系)アイアンランキング』で総合1位を獲得した。また、「正確性」でも1位を獲得、「寛容性」7位、「飛距離」5位という、これらすべてが「ZX5 MK II」の一貫性を証明している。
低評価
「ZX5 MK II」に関してマイナス評価が1つあるとすれば、それは「寛容性」が15モデル中の7位ということだろう。
受賞各賞
「競技志向者向け(飛び系)」ベストアイアン、「打音」1位、「購入の可能性」1位、「正確性」1位
スリクソン「ZX5 MK II」アイアンは、ゴルファーに「飛距離」と「寛容性」をもたらすよう設計された、高性能の鍛造キャビティバックアイアンだ。このアイアンは、「COR値(=初速)」を高め、より速いボール初速を促すフェース周辺部に配した溝『スピードグルーブ』を特徴としている。
各クラブのフェースにある『プログレッシブグルーブ』という「番手別溝設計」により、アプローチショットでのスピン量とコントロール性が向上する。『Tour V.T.ソール』の採用で芝からの抜けがよく、様々なライからのショットを打ちやすくしている。
このアイアンのマルチピース(複合素材)構造には、MOI(慣性モーメント)を高めるために3番〜7番アイアンのトゥ部分にタングステンが含まれており、オフセンターヒット時の安定性と寛容性を向上させている。「ZX5 MK II」アイアンは、さらなる「飛距離」と「寛容性」を求めるローハンディキャップのゴルファーに最適だ。
おすすめ層
スリクソン「ZX5 MK II」アイアンは、多くのゴルファーを魅了する驚異的な性能特性を備えている。 「競技志向者向け(飛び系)」アイアンは、通常ローハンディからミッドハンディキャップのゴルファーを対象としているが、競技志向者向け(飛び系)「ZX5 MK II」はその層が求めるアイアンリストのトップに挙げられるはずだ。
第2位:イネシス「900 FORGED」アイアン
特徴
イネシス「900 FORGED」アイアンが、2023年「競技志向者向け(飛び系)」アイアンの総合2位にランクインした。当初から、データはイネシス「900 FORGED」がダークホースになりうる可能性を示唆していた。
「寛容性」で1位に輝いたことは、イネシス「900 FORGED」アイアンが、安定したボール初速、キャリー、バックスピン量、ボールのバラツキの少なさにより、一貫して安定したショットを生み出すことに優れていることを意味する。
高評価
イネシス「900 FORGED」の最大の強みは、1位を獲得した「寛容性」。さらにイネシス「900 FORGED」は、「正確性」も兼ね備えている。「正確性」で2位に輝いたことが、「競技志向者向け(飛び系)」アイアン総合2位に押し上げた要因となった。
低評価
イネシス「900 FORGED」の最大のマイナス点は「飛距離」。「飛距離」では16モデル中の14位という結果となった。
受賞各賞
「寛容性」第1位
イネシス「900 FORGED」アイアンは、コース上でプレーヤーが最大限のパフォーマンスを発揮できるように設計された高品質のゴルフクラブだ。鍛造スチール製のクラブは耐久性が極めて高く、長持ちする。クラブフェース全体に重量を均等に配分するのに役立つキャビティバックデザインが特徴で、オフセンターショット時にも安定した「打感」と最大限の「寛容性」をもたらす。
おすすめ層
ほとんどの「競技志向者向け(飛び系)」アイアンは、ローハンディからミッドハンディキャップのゴルファー向けだが、時には初・中級者向け(スコア改善型モデル)アイアンや、競技志向者向けアイアン寄りのモデルも存在する。イネシス「900 Forged」はその後者に該当する。「寛容性」、「操作性」、「一貫性」を優先するなら、イネシス「900 Forged」アイアンは最適な選択肢と言えるだろう。
第3位:ニューレベルゴルフ「902 OS FORGED」アイアン
特徴
2023年「競技志向者向け(飛び系)」アイアンの総合3位は、ニューレベルゴルフの「902 OS FORGED」アイアンが獲得。最大の強みは部門別総合2位の「寛容性」だ。インパクト時の一貫性を提供するだけでなく、「正確性」においても4位と高ランクにつけた。テスターたちは、「902 OS FORGED」アイアンの「打感」も高く評価している。さらに、「打感」では「MIZUNO PRO」とともに同率1位を獲得している。
高評価
高得点を獲得した「寛容性」と「正確性」のおかげで、「902 OS FORGED」アイアンは総合3位となった。さらに、テスターたちから主観的項目のすべてにおいて好意的な評価受けた。これには「競技志向者向け(飛び系)」アイアンの「打感」部門同率1位も含まれる。
低評価
「902 OS FORGED」アイアンの明らかな弱点は「飛距離」だ。「飛距離」部門では総合10位と平均をわずかに下回った。「飛距離」が重視されるこの「競技志向者向け(飛び系)」のカテゴリーでは、「902 OS FORGED」アイアンはゴルファーの興味を引くことはできないかもしれない。
受賞各賞
「打感」第1位
「902 OS FORGED」アイアンは、「902-PD FORGED」アイアンをオーバーサイズにしたもの。大きめの形状で扱いやすく、より易しいこのアイアンは、幅広いゴルファーに魅力的に映る可能性がある。
おすすめ層
「正確性」と「寛容性」を重視するゴルファーなら、ニューレベルゴルフ「902 OS FORGED」アイアンは要チェックだ。「飛距離」が10位という点で、ぶっ飛ぶことはないが、その「正確性」と「寛容性」により、安定した弾道とコントロール性能を得られる。
第4位:ミズノ「MIZUNO PRO 225」アイアン
特徴
「MIZUNO PRO 225」アイアンが、2023年の「競技志向者向け(飛び系)」アイアン総合4位にランクインした。ちなみに2022年は「競技志向者向け(飛び系)」ベストアイアンに選ばれている。新たな競合他社の製品が出てきても「MIZUNO PRO 225」の地位は揺るぐことなく、「正確性」で3位、競技志向者向け(飛び系)「見た目」と「打感」では1位を獲得した。
高評価
「正確性」は、「MIZUNO PRO 225」の強みだ。この部門で3位となったことは、この「競技志向者向け(飛び系)」アイアンがどれほど優れているか、そしてゴルファーにとってどれほど優れたものとなり得るかを示している。
低評価
「MIZUNO PRO 225」の最大の弱みは「寛容性」。この部門では平均を少し下回る総合9位にランクインしている。
受賞各賞
「見た目」第1位、「打感」第1位
「MIZUNO PRO 225」アイアンは、「精度」と「コントロール性」を求めるゴルファーにとってこれ以上ない選択肢だ。「MIZUNO PRO 225」のデザインは、コンパクトな形状と狭めのソールを特徴としており、厳しいライや難しい芝の状況でも扱いやすい。また、キャビティバックデザインが「寛容性」と「飛距離」性能を高め、どんなレベルのゴルファーでも使えるクラブとなっている。
おすすめ層
ローハンディからミッドハンディキャップのゴルファーは「MIZUNO PRO 225」アイアンの恩恵を受けることができる。驚異的な「正確性」のみならず、「寛容性」と「飛距離」に関しても十分な性能を発揮する。
第5位:フォーティーン「TB-5」アイアン
特徴
フォーティーン「TB-5 FORGED」アイアンが、2023年「競技志向者向け(飛び系)」アイアンの総合5位となった。「TB-5 FORGED」は非常にバランスの良いクラブで、「寛容性」5位、「飛距離」4位、「正確性」8位にランクインしている。
高評価
「TB-5 FORGED」アイアンは、「寛容性」と「飛距離」がトップ5に入ったことが、総合5位に押し上げた要因となった。テスターからは「見た目」、「打感」、「打音」についても好意的な評価が得られた。
低評価
「TB-5 FORGED」アイアンの「正確性」は、平均よりは上に位置しているものの、最もスコアの低い部門となった。このクラブを検討する際は、このことをまず念頭に置くべきだろう。
しかし、ある程度の「寛容性」を必要とする経験豊富なゴルファーにはしっくりくる、「TB-5 FORGED」アイアンは、優れたデザインと巧みに作られたゴルフクラブのセットだ。このアイアンは、薄いトップラインに美しい溝などビジュアルデザインが特徴で、視覚的な魅力に満ちている。『シアター(劇場)ブレード』構造がフェース厚の変化をもたらし、ミスヒット時のボール初速を向上させる。ソフトな打感、広いスイートエリア、中スピンによる高弾道についてもいくつかの意見が寄せられている。
おすすめ層
フォーティーン「TB-5 FORGED」アイアンは、「競技志向者向け(飛び系)」アイアンカテゴリーにおいて優れた性能バランスを提供するものだ。特に「寛容性」と「飛距離」の点でその性能を発揮するため、ローハンディからミッドハンディキャップのゴルファーならば検討の余地は大いにある。
第6位:イーデル「SMS」アイアン
特徴
2023年の「競技志向者向け(飛び系)」アイアン総合6位はイーデルの「SMS」アイアンだ。「SMS」アイアンは「寛容性」の高いクラブフェースを備えており、「寛容性」で3位、「正確性」でも5位にランクイン。
イーデル「SMS」アイアンは、ゴルフ用品業界に革命をもたらした。このアイアンには『スイングマッチウエイト』機能(自分に合った重心位置を導き出すウェイトシステム)が搭載されており、5 種類の異なる重量(2・4・6・8・10g)を最適に配置することができるという高次元の調整機能を提供している。この革新的なテクノロジーにより、最適な重心位置をカスタマイズすることが可能となり、総合的なクラブフェースのコントロールと究極のアイアンパフォーマンスを実現することができる。
高評価
イーデル「SMS」アイアンは、「寛容性」と「正確性」に優れた「競技志向者向け(飛び系)」アイアンだ。これら2つの評価により、イーデル「SMS」アイアンの性能はゴルファーが現実的に検討すべき選択肢となった。
低評価
「SMS」アイアンは「飛距離」では12位という結果に。「飛距離」が最重要視されるカテゴリーにおいてはイーデル「SMS」は苦戦するだろう。
おすすめ層
「正確性」と「寛容性」を優先するゴルファーなら、イーデル「SMS」アイアンは要チェックだ。テクノロジー大好きゴルファーなら尚更、『スイングマッチシステム』が搭載された「SMS」アイアンは推しだ。
第7位:ミズノ「JPX 923 HOT METAL PRO」アイアン
特徴
ミズノ「JPX 923 HOT METAL PRO」アイアンが、2023年「競技志向者向け(飛び系)」アイアン総合7位にランクイン。「JPX 923 HOT METAL PRO」は、飛距離推しの誇大広告に応えて「飛距離」部門で3位となった。この飛距離の結果については、テスト当初からこのアイアンの明確な特性で予想できたこと。また、テスターから「打音」において高い評価を得ている。
ミズノ「JPX 923 HOT METAL PRO」アイアンは、最小限のオフセットでボールをより遠くに飛ばしたいゴルファーのために設計されたクラブだ。この高機能アイアンは、通常の“ホットメタル”アイアンに比べてヘッドが小さく、短くスリムなブレードを備えている。また、従来の『クロモリ』よりも強度が35%高い新素材『4335ニッケルクロモリブデン鋼』を採用。その結果、従来よりも8%薄く、高いボール初速を生み出すクラブフェース(『新コアテックフェース』)が実現した。
また、『Vシャーシ』がよりしっかりとしながらも心地よい打感を提供。『シームレスカップフェース』構造により、より広い高初速エリアと、フェース全体で安定したボール初速を生み出す深低重心化を実現している。
高評価
ミズノ「JPX 923 HOT METAL PRO」アイアンは、「飛距離」3位と「正確性」6位という結果が、この総合7位に貢献した要因だ。テスターからの主観的意見でもおおむね高評価を得ていた。
低評価
「寛容性」での13位は、インパクト時に一貫した結果が得られないことを意味し、ボールのばらつきが多く不安定ということだ。
おすすめ層
「飛距離」を重視するゴルファーは、ミズノ「JPX 923 HOT METAL PRO」アイアンを気に入るはずだ。ぱっと見、「寛容性」は高そうだが、一貫性については期待できない。
第8位:テーラーメイド「P770」アイアン
特徴
2023年「競技志向者向け(飛び系)」アイアン総合8位は、テーラーメイド「P770」アイアン。「P770」アイアンの「飛距離」においては特筆すべきところはない。どちらかというと「寛容性」と「正確性」に優れており、「寛容性」4位、「正確性」7位にランクインしている。さらに、「見た目」については、ミズノ「MIZUNO PRO 225」アイアンと同率1位を獲得。「打感」も高く評価されている。
高評価
「P770」アイアンは、その総合スコアを「寛容性」と「正確性」に依存している。どちらも優れているが、どちらかといえば「寛容性」に軍配が上がる。アイアンの「見た目」と「打感」に拘るゴルファーには満足してもらえるはずだ。
低評価
「P770」アイアンは、このカテゴリーの「飛距離」面では正直勝負にならない。今回の「飛距離」部門は15位に甘んじた。
受賞各賞
「見た目」第1位
テーラーメイド「P770」アイアンは、潜在的に並外れた「飛距離」、「正確性」、「操作性」を可能にするよう設計された高性能アイアンだ。鍛造中空ボディ構造に、「軟鉄8620カーボンスチール」をボディ素材に採用。また、精密にミルドされた最も薄い『L型フォージドフェース』を備え、それをサポートする『スピードフォームテクノロジー』も搭載している。
これがインパクト時にしっかりとした打感をもたらし、「打音」と「打感」を向上させるのに役立つ。さらに、ミスヒットに強く、「正確性」と「飛距離」を最適化する『ICT(インバーテッド・コーン・テクノロジー)』を備えている。
おすすめ層
テーラーメイド「P770」アイアンが飛距離面でゴルファーを驚愕させることはないが、「一貫性」と「正確性」を優先するローハンディからミッドハンディキャップのゴルファーならば、両方の領域での優位性により、「P770」アイアンを好むはずだ。
第9位:SUB 70「699 PRO V2」アイアン
特徴
SUB 70「699 PRO V2」は、2023年「競技志向者向け(飛び系)」アイアン総合9位だった。他のモデルと比較して「699 PRO V2」アイアンは平均的だといえる。「正確性」と「飛距離」では9位だが、「寛容性」は11位と平均を下回っている。
「699 PRO V2」アイアンは、コース上でプレーヤーに優れたパフォーマンスを提供する最高級のゴルフクラブという位置づけだ。このアイアンは最新のテクノロジーを使用して設計されており、印象に残る洗練されたモダンなデザインが特徴。薄いトップラインと最小限のオフセットは、アドレス時にすっきりとした「見た目」をもたらし、プレーヤーに自信を与える。
また、S450 ステンレススチール製の「可変厚フェース」を備え、中空ボディ構造でより大きなスイートエリアが実現、たとえオフセンターヒット時でも「ボール初速」と「飛距離」が向上する。「699 PRO V2」アイアンは、低重心設計に対応するためやや幅広のソールデザインを採用している。
高評価
「699 PRO V2」アイアンの全体的な性能は、良くも、悪くもなくの中程度といった感じだ。特に際立つものはない。「正確性」と「飛距離」の評価は妥当で、興味を引くには十分だろう。テスターからは、ほとんどのゴルファーが重視する「打音」と「打感」に関して高い評価を得られた。ただし、それらの意見は極めて主観的なものだ。
低評価
アイアンにおいては、一貫したショットの結果こそが魅力となる。「寛容性」で11位に位置するということは、「699 PRO V2」アイアンの安定したボール初速、キャリー、バックスピン量、およびボールのバラツキの少なさには期待できないということだ。
おすすめ層
SUB 70「699 PRO V2」アイアンは、「競技志向者向け(飛び系)」アイアンカテゴリーにおいてゴルファーの注目を集める可能性がある。全体的に平均的な性能を備えた「699 PRO V2」アイアンは、バランスの取れた性能を求めるゴルファーに最適であり、より幅広いゴルファーにアピールするはずだ。だが、どのクラブを選択するにしても、その可能性を最大限に引き出すために、フィッティングを受けることをおすすめする。
第10位:ミズノ「JPX 923 FORGED」アイアン
特徴
ミズノ「JPX 923 FORGED」アイアンは、2023年「競技志向者向け(飛び系)」アイアン総合10位にランクイン。「寛容性」こそが「JPX 923 FORGED」の強みで、この部門では6位にランクされたが、残念ながら、「JPX 923 FORGED」は全体的に平均を下回る順位に終わった。「正確性」スコアの低さがランキング全体の順位に影響したというわけだ。
「JPX 923 FORGED」アイアンは、ボール初速、安定性、打感の完璧なバランスを誇るミッドサイズのフルボディアイアンで、ミズノ独自の「グレインフローフォージド製法」で創られたアイアンだ。このアイアンは第3世代のクロモリ鍛造で、4〜7番まで(日本では5~7番まで)に採用されている。「JPX 923 FORGED」アイアンは、ゴルファーに高レベルのパフォーマンスと製品精度を提供する。
高評価
安定したショット結果が「JPX 923 FORGED」の強みの1つだ。これにより、ボール初速、キャリー、バックスピン量、ボールのバラツキという4つの焦点の間で差分は比較的狭い範囲におさまるだろう。また、「飛距離」部門とフィードバックされた主観的意見においても上位にランクインしている。
低評価
「正確性」が11位に沈んだことで、「JPX 923 FORGED」アイアンは順位を落とした。「正確性」スコアが低いということは、一貫したバラツキのパターンを形成することを示唆しているが、そのパターンは必ずしも良いものではないということ。
おすすめ層
ミズノ「JPX 923 FORGED」アイアンは、ローハンディからミッドハンディキャップの多くのゴルファーに魅力的であり、「競技志向者向け(飛び系)」アイアンというものを忠実に表現したモデルと言える。今ひとつ迫力に欠ける性能にもかかわらず、いくばくかの可能性を感じさせる。このアイアンを検討している場合は、必ずプロのフィッティングを受けることをおすすめする。
第11位:マグレガー「MT86 OS」アイアン
特徴
マグレガー「MT86 OS」アイアンは、2023年「競技志向者向け(飛び系)」アイアン総合11位に終わった。存在感を取り戻しつつあるこうした名高いブランドにしては明らかに残念な結果だった。「MT86 OS」アイアンで最も高スコアだった部門は8位にランクされた「寛容性」、またテスターからは「見た目」において高く評価されている。
「MT86 OS」アイアンは、ゴルファーにより高い「寛容性」、より大きなスイートエリア、より高いMOIを実現するように設計されたゴルフクラブだ。「MT86 OS」アイアンの大きなヘッドは他のゴルフクラブと一線を画す最大の特徴で、これにより、より大きなスイートエリアを得るためのスペースが確保され、ゴルファーがボールを完璧に打たなくても、真っ直ぐなショットを打つことが可能になる。
高評価
全体的な性能面から見て、「MT86 OS」アイアンに有利な点はそれほど多くない。テスターからは、「競技志向者向け(飛び系)」アイアンの中で最も「見た目」が良いアイアンの1つとして評価されているほか、「寛容性」8位と平均以上となった。
低評価
「寛容性」と「飛距離」は「競技志向者向け(飛び系)」アイアンカテゴリーの2つの焦点だが、「MT86 OS」アイアンの場合「寛容性」が12位、「飛距離」は11位とスコアが最も低い2カテゴリーとなった。
おすすめ層
マグレガー「MT86 OS」アイアンは、伝統を愛するゴルファーにアピールするはずだし、少なくとも多少の好奇心を刺激することは間違いないだろう。「MT86 OS」と「MT86 PRO」にはほとんど違いがないため、ローハンディからミッドハンディキャップのゴルファーが最も恩恵を受けることになるはずだ。
第12位:ツアーエッジ「EXOTICS(エキゾチック)C723」アイアン
特徴
ツアーエッジ「EXOTICS C723」アイアンは、2023年の「競技志向者向け(飛び系)」アイアンで総合12位に終わった。「EXOTICS C723」アイアンは、3つのスコア指標 (「正確性」、「飛距離」、「寛容性」) において平均を下回る順位に。「正確性」10位、「飛距離」13位、「寛容性」では12位だった。
ツアーエッジ「EXOTICS C723」アイアンは、ゴルファーに各ショットにおける最大の「飛距離」と「正確性」を実現するように設計された高性能アイアンだ。極薄の鍛造450ステンレススチールで作られた中空ボディ構造を特徴としており、より大きなスイートエリアと高い寛容性をもたらす。また、「可変フェース厚設計」の採用により、オフセンターヒット時にもボール初速が向上し、飛距離も稼げる。
高評価
伝統的に、ツアーエッジの「EXOTICS」製品は「一貫性」があるといえる。パフォーマンスに基づいて「EXOTICS C723」アイアンに肯定的な指標を強調するのは困難だ。「正確性」は最もランクが高かったとはいえ、それでも精彩を欠いた。「EXOTICS C723」アイアンを検討しているなら、プロのフィッティングを受けることをおすすめする。
低評価
ツアーエッジ「EXOTICS C723」アイアンは、「正確性」、「飛距離」、「寛容性」において平均以下の性能しか発揮できなかった。フィードバックされた主観的意見においても評価は低かった。
おすすめ層
ツアーエッジ「EXOTICS C723」アイアンは、厚めのデザインと形状を備えており、ローハンディからミッドハンディキャップのゴルファーが魅力的に感じる可能性がある。専門的なフィッティングを受けて、自分に合うかどうかを確認することをおすすめする。
第13位:キャロウェイ「パラダイム」アイアン
特徴
2023年の「競技志向者向け(飛び系)」アイアン総合13位はキャロウェイ「パラダイム」。「パラダイム」アイアンは、2023年の「競技志向者向け(飛び系)」アイアンの中で、最も飛んで最もホットなアイアンの1つであることは間違いない。実際「飛距離」で2位にランクインしている。しかし、「寛容性」14位と「正確性」13位というスコアの影響により、今回の結果となった。
高評価
多くのゴルファーにとって、「飛距離」は魅力的であり、「パラダイム」アイアンは、まさにこれに該当する。「パラダイム」アイアンは、「飛距離」に優れた「競技志向者向け(飛び系)」アイアンとして、強い印象を残した。テスターからは「打感」に関しても高い評価を得ている。
低評価
「パラダイム」アイアンは実際に飛ぶし、その性能特性は否定することはできない。だが、「正確性」と「寛容性」はこのアイアンの言わば弱点。これらのスコア指標で下位だったことが、最終的に凡庸な印象を招いたといえよう。
受賞各賞
「飛距離」第1位
キャロウェイ「パラダイム」アイアンは、ゴルフに新たなレベルの技術をもたらした。このアイアンは、洗練された形状とプレミアム鍛造を備えた「競技志向者向け(飛び系)」アイアンを求めるプレーヤーのために設計されている。このアイアンは、A.I設計の『FORGED 455』フェースとまったく新しい『スピードフレーム』を組み合わせ、これまでで最も強力な鍛造アイアンフェースを生み出した。 タングステンウエイトと『ウレタン・マイクロスフィア』により、正確な重心配置と洗練された打感が得られる。
おすすめ層
キャロウェイ「パラダイム」アイアンは多くのゴルファーにフィットするだろう。ローハンディからミッドハンディキャップのゴルファーがターゲットになるだろうが、「飛距離」性能に惹かれた一部のハイハンディキャップ層がなびく可能性もある。検討している場合は、専門家のフィッティングをおすすめする。
第14位:コブラ「KING FORGED TEC」ワンレングス アイアン
特徴
コブラの「FORGED TEC」ワンレングスは、2023年の「競技志向者向け(飛び系)」アイアンで総合14位となった。中でも最も高かったスコアは「飛距離」。市場に最も飛ぶアイアンを送り出してくるのがコブラの常だが、今回は15モデル中の8位という結果だった。
FORGED TEC」ワンレングスアイアンは、自分のゴルフに「一貫性」を求めるゴルファーに向けて開発された革新的な製品だ。アイアンは5段階鍛造ボディを採用、中空ボディ構造には「フォームマイクロスフィア」が充填されており、ヘッドの重心を下げている。鍛造『PWRShell(パワーシェル)』フェースは、ボール初速を向上し、ボールの飛びを最適化することために、より薄く作られている。全てのアイアンは同じ長さで作られているため、セットアップとスイング力学に一貫性が得られる。
高評価
「飛距離」はコブラ「FORGED TEC 」ワンレングスの最高の性能属性だ。「飛距離」ランキングで健闘した主な要因は、7番アイアンの長さでプレーするPWにある。これにより、他のアイアンモデルに比べて飛距離が大幅に向上するからだ。
低評価
意外にも「FORGED TEC」ワンレングスのスコアが最も悪かったのは、総合14位の「正確性」部門においてだった。
おすすめ層
コブラ「FORGED TEC」ワンレングスは万人向けではない。アイアンのヘッド形状とデザインは確実にローハンディからミッドハンディキャップのゴルファーをターゲットにしている。アイアンを自分のゴルフに合わせるためには、パフォーマンスに基づいてプロのフィッティングを受けることをおすすめする。
第15位:PXG「0311XP GEN6」アイアン
特徴
2023年「競技志向者向け(飛び系)」アイアンで総合15位に沈んだのはPXGの「0311 XP GEN6」アイアン。「飛距離」が最優先なら「0311 XP GEN6」は“食物連鎖”の頂点に立つだろう。今年のテストでは「飛距離」はベスト。ただし、「飛距離」は必ずしも「正確性」や「一貫性」に相関するとは限らない。他の部門と比較して、PXG「0311 XP GEN6」は「正確性」と「寛容性」で最下位となった。
PXG「0311 XP GEN6」アイアンは、ゴルフコースで卓越したパフォーマンスを発揮するように設計された、強力で汎用性の高いクラブだ。中空ボディ構造で作られており、その薄肉フェースが並外れたボール初速と「飛距離」を実現する。クラブフェースは高強度スチール合金で作られており、洗練されたデザインを維持しながらクラブの耐久性も向上させている。このクラブは独自の内部キャビティ設計も備えており、正確な重量調整と最適な重心配置を可能にする。
高評価
テスト当初から、PXG「0311 XP GEN6」が飛距離に関してベストなのは明白だったが、同じ土俵ではなかった。我々の観点からすると、これは「初・中級者向け」アイアンであり、そのことが如実に表れている。
低評価
目を見張る「飛距離」には、ボールのバラツキや一貫性のないインパクト、不正確性がつき物だ。これは、他の「アイアンと比較したPXG「0311 XP GEN6」にも当てはまる。結果は「0311 XP GEN6」が「寛容性」と「正確性」において最下位だったことを示している。
おすすめ層
PXG「0311 XP GEN6」は「競技志向者向け(飛び系)」アイアンに分類されているため期待値も高い。しかし我々の観点では、これはローハンディからハイハンディキャップのゴルファー、特に「飛距離」を求めるゴルファーに最も相応しいクラブだ。プロのフィッティングを受けて、自分のゴルフのニーズに合ったアイアンを手に入れることをおすすめする。
2023年「競技志向者向け(飛び系)」アイアンの購入で検討すべきこと
パフォーマンス(性能)は、新しいアイアンを買う時に一番に優先されることだろうが、購入を決める前に考慮すべき点が他にもいくつかある。
シャフト選択
スチールとカーボン。どちらを選択するのか?それは使いやすさとそのプレーヤーに何が合っているか相対的な部分による。ほとんどの「競技志向者向け(飛び系)」アイアンはスチールシャフトが装着されており、「True Temper Dynamic(トゥルーテンパー ダイナミック)」、「Project X(プロジェクトエックス)」、「KBS Tour(KBSツアー)」、そして「日本シャフト」がスチールシャフトの大部分を占める中で、もちろん、カスタムの選択肢もある。
適切なシャフトを選択することは、バラツキを抑え打ち出し条件を向上させることにも繋がる。故に、あなたのゴルフを向上させる上で非常に大切な要素となる。
「正確性」と「飛距離」、「寛容性」の優先順位
最高の「競技志向者向け(飛び系)」アイアンは「正確性」と「飛距離」、「寛容性」を絶妙なバランスで備えている。ただし、これら3つの性能特性のうち1つだけが突出しているアイアンも存在する。次回アイアンフィッティングに行く前に、どの性能特性が自分にとって重要かを判断しておくとよいだろう。
コスト
コストは常にデリケートな問題だ。「競技志向者向け(飛び系)」アイアンの価格はピンキリ。たとえば、今年のランキング総合2位だったイネシス「900 FORGED」は、699ドル(約97,000円)でベストバリュー(最もお買い得な商品)を獲得した。一方、その対極にあるイーデル「SMS」は1,750ドル(約24万5,000円)だ。
2023年「競技志向者向け(飛び系)」アイアンランキング – FAQ
「競技志向者向け(飛び系)」アイアンの購入にあたって
Q:アイアンを買い替える頻度はどのくらいか?
A:革新的技術が毎年のように続く稀なケースもあるが、通常メーカーがクラブの性能を向上させるには3~5年かかる。特にUSGAがメーカーに対してクラブ規制を厳しくしたことから、大きな改革を進めるにはさらに時間がかかる可能性がある。我々がおすすめする買い替え時期は、今使っているアイアンよりも明らかに性能が優れたアイアンが見つかったときだ。もちろん、単に新作が出たから欲しいというなら、それも問題はないだろう。
Q:どのように自分に合うアイアンのカテゴリーを見つければ良いか?
A:アイアンには、「上級者(競技志向者)向け(キャビティーバック)」「上級者(競技志向者)向け飛び系」「初・中級者(スコア改善型)向け」「初・中級者(超スコア改善型)向け」の4つのカテゴリーがある。カテゴリー同士が重なり合うこともあるが、カテゴリー探しは、あなたのスキルレベル(ハンディキャップ)やゴルフに求めることを率直に見つめてみることから始めてみよう。例外は当然あるが、ハンディキャップ10以上で打点にバラつきがあるなら、「上級者向け」は避けることをおすすめする。より安定してボールを打つことができる上級レベルなら、「上級者向け」か「上級者向け飛び系」を使うと一番メリットを得られるだろう。どちらか迷っており、中でも特に「飛距離」を求めるなら、「上級者向け飛び系」が理想的なアイアンとなるはずだ。
Q:シャフトは重要か?
A:もちろん重要だ。スピン量や打ち出し角の差はそれほど大きくないが、シャフトを変えることでショットの精度や、ボールのバラつき、そして全体的な安定性の向上が実現するだろう。適正なシャフトとライ角を見つけることは、フィッティングを受ける上で十分な理由となる。
Q:アイアンを試打する時は何に注目すべきだろうか?
A:ゴルファーは飛距離以外のほとんどに目を向けない傾向があると思うが、「(ローンチモニターの)細かい数字」や、「丸で囲まれた数字」にも注目すべきだろう。「飛距離」と「ボール初速」などの数値を比べる際も、必ず「標準偏差(ローンチモニターのスクリーン上では、これらの数値は大きな数字の下に表示される)」をチェックすること。数字が小さいほど「安定性」に優れているが、これはコース上だと1~2ヤード飛距離が伸びることと同義だ。同様に(丸で囲まれた)バラつきも確認して欲しい。アイアンでは、「安定性」を過小評価してはいけない。
2023『ベストアイアン』を決めるにあたり
Q:どのようにアイアンを各テスターにフィットさせるのか?
A:テストでは「フィット・フロム・ストック」というフィッティングプロセスを活用する。各テスターは、メーカー在庫(ストック)にあるプロパー商品の中から自分に合うスペックを使用。各セットの「ショートアイアン」、「ミドルアイアン」、「ロングアイアン」を一本ずつテストする。調整機能付きのアイアンは今回のテストにないが、テスターに合うアイアンを選ぶようにした。弾道を改善できるように異なる標準シャフトが装着された複数のセットを送ってくれたメーカーがいたことも付け加えておく。
Q:対象カテゴリーはどのように決めるのか?
A:開発者も認めるほどのアイアンテストをするために、ヘッド(形状、ソール幅など)に加えて長さやロフト角で分類。テスト群の中での「違い」を出来る限り最小化した。マッチするカテゴリーが重複するようなアイアンがある時は、メーカー発表のカテゴリーに沿うようにしている。
Q:どのように2023年のベスト「競技志向者向け(飛び系)」アイアンを決めたのか?
A:順位を決めるにあたっては、フォーサイトの「GCクワッド」弾道計測機を使って主要データを収集。異常値を除いた後、独自の手法を用いて「正確性」「寛容性」「飛距離」という3つの主要指標の総合スコアを算出する。これらの3指標を重み付けした後の総合スコアにより、ベストアイアンは決まる。
Q:「最も飛ぶアイアン」はどのように決めるのか?
A:最も飛ぶ「競技志向者向け(飛び系)」アイアンの決定方法は、総合順位の決め方と似ている。「飛距離」で重要なのはキャリーと合計ヤード。テストでは5番、7番、PWの飛距離スコアを決め、そこから総合スコアを算出する。
Q:「最もやさしいアイアン」はどのように決めるのか?
A:「やさしさ(寛容性)」は、「スピン量」「ボール初速」「キャリー」、そして「バラつきの範囲」という4つの主要指標を元に算出する。「寛容性」のスコアは「飛距離」のように5番、7番、PWで導きだし、そこから総合スコアを算出する。
Q:見た目、打音、打感などの主観的なフィードバックが議論になるが、それらはどれくらい順位に影響するのか?
A:全く反映されない。この順位はローンチモニターのデータと測定できるパフォーマンスの数値のみで決定される。
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