・PINGが“名無し”パターに6モデルを追加
・各モデルはそれぞれの性能に最適化されている
・本日より先行販売開始、パターは5月2日店頭に並ぶ
※日本では現在発売中で、価格は¥39,600(税込)。
2023年、PINGは思いも寄らないことを実行した。なんと「名前のないパターシリーズ」をリリースしたのだ。
個々のパターモデルにはシリーズ名があるが、シリーズ全体としての呼び名はなく、PINGはウェブサイトでこれらを「新PINGパター」と呼んでいる。
そして今回、その「新PINGパター」シリーズに新たに6つのモデルが加わった。
マーケティングと知名度が重要なこの業界で、名前すらないパターをリリースするとは…。検索すべき名前もわからないのにどうやってググればいいというのか?
現在のPINGパターシリーズに名前がないのは、このシリーズが構築された通常とは異なる背景に由来している。通常、新しいパターシリーズには、全パターを統合する新しい技術や設計コンポーネントが搭載されているものだ。
しかしこのパターたちは違う。
代わりに、PINGは個々のモデルに焦点を当て、パターをモデルとして最高のものにするために必要な特別な要素を組み込んだ。単独での性能を最大限に高めることが目標だった。
ある意味、このPINGのシリーズは“オールスターチーム”のようなものだ。チームとしてオールスターの結束力はあまり高くないかもしれないが、個々の才能を疑う者はいないだろう。
「非常に多様なラインナップだが、全製品に共通しているのは、どんな距離のパットにおいても正確な性能を実現するということだ」
-ジョン・K・ソルハイム、PING CEO兼社長
「PINGパター」シリーズの主要テクノロジー
前作同様、この「新PINGパター」シリーズに統一の搭載テクノロジーはない。だからといってテクノロジーが乏しいわけではない。これらのパターに見られるテクノロジーは、それぞれのヘッドに合わせて最適化されているというだけだ。
全体に通じるこれというテクノロジーはないということ。
おそらく最初に通常との違いに気づくのはフェース構造だろう。ミルドフェースのものや、よりソフトなフィーリングの「PEBAXポリマーインサート」を装着しているものもある。
当然のことながら、パターごとの構造の違いはPINGの開発陣によって決められた。いろいろな意味で、すべてのパターに共通するのは「デザインの統一性の欠如」ってことだ。
それでは、新しく加わった製品を見ていこう。PINGの説明はそれぞれゴールドの文字で記載した。
2024年PINGパター:アンサー2
時代を超越した「アンサー」同様、ヒール・トウ・ウエイトが、わずかに細長い形状ながらも「安定性」と「寛容性」をもたらす。シャローミルドフェースにより、しっかり手元に感触が伝わりやすい打感と安定した転がりを実現。ギラつきを抑える新しい「ローブラスト仕上げ」を特徴とするこのモデルでは、ボール幅のキャビティ、よりシャープなバラスト(加重物)、クリーンな形状の全てがアライメントを支える。
最初のリリース時に「アンサー2」が入っていないことには妙な感じがしたが…。
今回の「アンサー2」は全てがクラシカル。プランバーネック、ヘッド色のシルバー、キャビティのPINGロゴ、どれもが象徴的だ。ミルドフェースと新しいソールデザインだけが、これが新しい「アンサー2」であり、何十年もの間、自分のバッグの中にはないことを示している。
2024年PINGパターモデル:アンサーD
アンサーブレードとマレットデザインのハイブリッドとして、より深い("D")形状を持つこのモデルを開発するにあたり、ツアープロの意見を取り入れた。余剰重量がストロークを安定させ、最大限の「寛容性」をもたらす。シャローミルドフェースがしっかり手元に感触が伝わりやすい打感と安定した転がりを実現。ギラつきを和らげる新しい「ローブラスト仕上げ」が、目を楽しませるビジュアルとしても貢献している。
「アンサーD」は魅力的な追加モデルだ。初代のラインナップに「アンサー2D」があったことを覚えているかもしれないが、何がどう違うのだろうか?
2モデルはカラーもウエイトもフェースも異なる。ブラックの「アンサー2D」は、「PEBAXインサートフェース」に「タングステンウエイト」を搭載。この新しいシルバーの「アンサーD」は、「ミルドフェース」で「タングステン」は入っていない。おそらく、PING本社での長時間のテストにより、「アンサーD」のヘッドは“インサートなし”の方が良く、ウエイトは必要ないと判断されたのだろう。
2024年PINGパターモデル:B60
長年PINGファンに愛されてきた「B60」が、よりしっかりとしたソリッドな打感と安定した転がりをもたらすシャローミルドフェースで復活。ゴルファーは、このバランスの取れた、「寛容性」の高いモデルの丸みを帯びたバラスト、起伏のついた形状とセンター・アライメント・ラインを持つ薄いトップレールに慣れ親しんでいる。一方、新しいのはギラつきを和らげる「ローブラスト仕上げ」だ。
「B60」はPINGのクラシックなデザインだ。
一部のゴルファーは「B60」の復活に大興奮するだろうが、PINGによってその性能が最適化されていることを知ったら、さらに興奮するに違いない。
2024年PINGパターモデル:フェッチ
デュアル・デンシティの「PEBAXフェースインサート」が、短いパットではソフトなフィーリングを、ロングパットでは安定したフィーリングをもたらす。ソールに切り抜かれた穴は、「ボールを拾い上げる」のに便利なだけでなく、余剰重量を生み出すことで「MOI(慣性モーメント)」と「寛容性」を向上させている。よりコンパクトになった形状に対して、「フェッチ」ファンはエイミング(正しい方向に狙いを定める)しやすいと称賛。ボール幅のアライメントラインと、ギラつきを和らげる新しい「ローブラスト仕上げ」が、そのプロセスの助けになっている。
私がここで言いたいのは、ボールを拾い上げるために「フェッチ」をカップに入れてはいけないということだけだ。できるからといって、そうすべきとは限らない。
2024年PINGパターモデル:ケッチG
アルミニウムボディとステンレススチールのソールプレートが最適化された重心位置と組み合わされ、究極の「寛容性」と「安定性」を生み出す。デュアル・デンシティの「PEBAXフェースインサート」は、短いパットではソフトなフィーリングを、ロングパットでは安定した打感をもたらす。ソールのボールピックアップ(ボールを拾い上げる)機能は便利なだけでなく、質量を再配分して「MOI」を高めることが可能に。3つの対照的なサイトラインがボールを囲み、アライメントを簡単にする。
私は初代「ケッチ」が大好きだ。この新しい「ケッチG」は、上から見ると初代「ケッチ」っぽさをかなり感じさせてくれる。上から以外は少々奇抜に見えるけど…。
ソールには典型的な「ケッチ」のスチールプレートがあるが、ボールピックアップ用の穴も施されている。性能さえ維持できるなら、ボールピックアップ機能の追加は大賛成だ。
フェースには「PEBAXインサート」が搭載されている。これはPING開発陣の評価を信頼しなければならないところだ。私は初代のアルミフェースのフィーリングが大好きだった。そのフェースの溝は、一世代に一つあるかないかともいえる性能をもたらした。
PEBAXのフェースで、この「ケッチG」を初代よりも良くすることが果たしてできるのだろうか?
2024年PINGパターモデル:タインH
ツインフォークデザインはアンサーホーゼルと組み合わされ、複数のアライメントの手がかりとなり、インパクト時にパターをスクエアにするのに貢献する。シャローミルドフェースにより、しっかりと手元に感触が伝わりやすい打感と安定した転がりを実現する。周辺配分ウエイトと最適化された重心位置により、「バランス」、「安定性」、「寛容性」と「精度」が向上。ボール幅のキャビティと対照的な白いアライメントラインがターゲットを狙う上で自信をもたらす。
ところで、キャメロン・チャンプはどこに行ってしまったのだろう?私はあのサクラメント出身の彼が再びPGAツアーでブレイクするのを待ち続けている。彼は依然として「飛距離」ではトップクラスだが、リーダーボードのトップには到達していない。キャメロンはとても良い奴。だから頑張ってもらいたい。
もしかしたら、彼のパターのこの新バージョンが、チャンプが再び“チャンプ”になるきっかけになるかもしれない。
2024 PING PLD ミルドパターについてのまとめ
これら6本のパターにより、「新PINGパター」シリーズは合計16本となり、おそらくゴルフ史上最も多様性に富んだパターのラインナップとなった。
デザインの多様性が非常に高いため、誰もが自分のストローク、さらには美的感覚にもマッチするモデルを見つけることができるはずだ。正直なところ、このラインナップで自分のストロークに合うモデルが見つからないなら、パッティングのレッスンを受ける時期が来ているかもしれない。
このシリーズに正式な名前があればいいのにと思いながらも、デザインの多様性にはワクワクさせられる。
Q&A
それぞれの値段は?
「ケッチG」の希望小売価格は300ドル。他のモデルは250ドル。
PINGは新たな製品を追加してこのシリーズを継続するつもりなのか、それとも来年には名前の付いた別のシリーズが登場するのか?
鋭い質問だ。PINGと顧客双方にとって良い結果となれば継続する可能性はあるが、次のサイクルでは名前付きのリリースが行われると思う。
どうしてフェッチをカップに入れちゃいけないんだ?
ボールを拾うために前かがみになったときの背中へのダメージは、「フェッチ」をカップに突っ込んだときにホールに“偶然”与えるダメージよりも少ないはず。ちゃんとボールマークを直し、カップから直接拾わないように。
PINGのパターに純正以外のヘッドカバーはある?
あるよ!PING.comのオンラインストアをチェックしよう。地形をモチーフにしたカバーが格好いいよ。
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