キャロウェイが「パラダイム Ai Smoke Ti 340」ミニドライバーを発表した。復活しつつあるミニドライバー分野にキャロウェイが登場するのは「ビッグバーサミニ 1.5」以来となる。
このモデルは、テーラーメイドの「AeroBurner(エアロバーナー)」ミニと競合させるためにリリースされたが、少なくともこのモデルのせいで、この分野全体は数年に渡って空洞化していたと言える。無かったことにして良いとは言わないが、取り戻したい時間ではある。
キャロウェイ製品は、いくつか疑問が浮かぶので興味深い。
・ヘッド形状がどのくらい大きければミニじゃないのか?
・3番ウッドも必要なのか?
・キャロウェイの商品名はどれもこれもそこまで長くする必要があるのか?
3つ目はともかく、他の2つにフォーカスしてみよう。
写真右から「パラダイム Ai Smoke ◆◆◆ Max」「パラダイム Ai Smoke◆◆◆」「パラダイム Ai Smoke Ti 340 Mini」。
そこまでミニじゃないドライバー
「Ti 340」はその名の通りヘッド体積が340ccだ。テーラーメイド「BRNR Mini(バーナーミニ)」は304ccでキャロウェイの「Bertha MINI1.5(バーサミニ)」は235ccとなっており、(今の形では)市場に出ることはないだろうがタイトリストのツアー限定になっている「TSR mini」は280ccだ。
つまり名前に「ミニ」とついていようがそうでなかろうが、「パラダイム Ai Smoke Ti 340」ミニドライバーは、特に小さいというわけじゃない。それどころか、あえて大きくしているほどだ。
どうして“大きなミニ”なのか?
ツアーの流れと言えるかは分からないが、最近のツアープロたちは3番ウッドでグリーンを狙うことはほぼない。ドライバーでしっかり振り抜けない状況において、ほぼティーショット用として使われている。
つまり、どんな状況で使うのか?といえば、フェアウェイで転がしたい場合や、ホールレイアウトにおいて優先するべきことが“ショットの精度“になっている場合だ。
いずれにしても、ミニドライバーを使う方がドライバーや3番ウッドよりも確率が良い状況。
その代償として、ミニだとティーショットで距離を稼げなくなる。
また、ヘッド体積340ccのクラブを地面から打つのは多くの人にとって難しいことだ。みなさんが「Ai Smoke Ti 340」を地面から打てないと言っているわけではなく、ティーグラウンドにおけるドライバーの代用品というのがこのクラブの役割となっているのだ。
余談だが、何年も2本のドライバーをセッティングに入れている人を知っているが、このキャロウェイ「パラダイム Ai Smoke Ti 340」ミニドライバーなら、ナイキ「サスクワッチ」の代わりになるかも知れない。
キャロウェイ「パラダイム Ai Smoke Ti 340 Mini」と「パラダイム Ai Smoke◆◆◆」。
そもそも違う
どういうことかと言うと、キャロウェイの「Ti 340」の狙いが、他のミニドライバーのこの分野に対する取り組み方と違うということだ。自分が思い出せるこれまでの「ミニ」の全ては、(時には中途半端に)ドライバーとフェアウェイウッドの良いとこ取りをしようとしていた。
確かに、どのミニドライバーもそれなりに3番ウッドより大きかったが、とはいえ多くの人が地面から打てるくらいの大きさだった。直ドラ派にとっては、ヘッドサイズが大きくなればなるほど地面からは打ちにくくなるからね。
「SLDRミニ(260cc)」は地面から打ちやすかった。「BRNR」でもなんとかなる。高いドローボールになるとは言わないが、ロフト角13.5度ならフェアウェイからでも機能していた。
しかし、340ccになると、多くのゴルファーにとってキャロウェイ「パラダイム Ai Smoke Ti 340」ミニドライバーをフェアウェイから打つことは難しいはずだ。つまりこのモデルは本来のフェアウェイウッドの代わりではなく、ドライバー代替品や補完品となるはずだ。
人によるが、これが問題になることもあるだろう。
「パラダイム Ai Smoke Ti 340」ミニドライバーのテクノロジー
キャロウェイ「Mini」に搭載されているテクノロジーは、同社のフルサイズドライバーと同じものがかなり採用されている。
『カーボンクラウン』、◆◆◆(トリプルダイヤモンド)の交換可能な『ウエイトデザイン(12gと4g)』、『マイクロディフレクション(無数のたわみ)』を起こす『Aiスマートフェース』の局所的な「たわみのコントロール性能」。
また、『オプティフィットホーゼル』を搭載したことで、前後のウエイトを変えて弾道とスピン量を調整することが可能になっている。キャロウェイ「パラダイム Ai Smoke Ti 340」ミニドライバーのロフト角は、11.5度と13.5度。11.5度も多くの方が使うものよりもロフトがついているが、地面から使うことを考えているなら13.5度の方がおすすめだ。
写真左から「パラダイム Ai Smoke ◆◆◆ Max」「パラダイム Ai Smoke◆◆◆」「パラダイム Ai Smoke Ti 340 Mini」。
このミニのおすすめ層は?
「パラダイム Ai Smoke Ti 340」ミニドライバーは、ほとんどのゴルファーにとって3番ウッドの代わりとなるだろう。特に、3番ウッドをほとんどティーショットで使う人ならそうなるはずだ。
ミニドライバーは、基本的に上級者(競技志向者)向けという位置づけだが、私の友人も何人か(上級者以下と言っておこうか)が、エースドライバーをミニにしている。
「飛距離」を諦めてボールをインプレーに置くようにしているわけだ。妥協が必要な時もあるってことだね。
「パラダイム Ai Smoke Ti 340」ミニドライバーの長さは43.75インチで、キャロウェイのドライバーよりも2インチ短い。クラブの長さだけを見れば、ある程度、「操作性」を向上させつつも「飛距離」は落ちるということ。
大型ヘッドは寛容ではないが、(くどいようだが)ドライバーの世界だと「真っ直ぐ飛ぶ」ことと「寛容性」はイコールではない。3番ウッドに比べてヘッドが大きいので、「パラダイム Ai Smoke Ti 340」ミニはティーショットで打ちやすくなるはずだ。
このような設計は意図的に行われている。
キャロウェイのテストによると、このミニは市場で唯一の競合モデル(バーナーミニドライバー)よりもバラツキが小さいようだ。
まとめると、ティーショットでドライバーに代わるコントロールしやすいクラブが必要で、3番ウッドだと上手く打てないなら、キャロウェイ「パラダイム Ai Smoke Ti 340」ミニドライバーが最適と言える。
ミニドライバー用のセッティングを再考しよう
これについて考えてみると…。
もし自分がミニを定期的に使うようになったら、3番ウッドをやめて、5番ウッドを4番ウッドにすると思う。となると、ホームコースの6番ホールで2オンさせることは難しくなるはずだ。
それで自分的に納得できるのかは何とも言えない。
それに、この限られたシナリオの細かい部分は自分だけのものだが、皆さんにも似たような判断が必要となるポイントがあるはず。
そして、これは皆さんのセッティング再編成で伴うコストについて我々が語るより大切なことだ。
ミニドライバーの選択肢
自分としては大型ミニドライバーというアイデアには完全に同意していないが、この分野を広げてくれた今回のキャロウェイのリリースは良いと思っている。ミニドライバー分野が、「上級者(競技志向者)向け飛び系」のように多様になってくれることを願っている。
ややオーバーサイズのフェアウェイウッド(例えばタイトリスト「TSR2+」より少し大きいくらい)から、シャフト長43.75インチのフルサイズドライバーヘッドまで、あらゆるオプションがあったら素晴らしいこと。
コブラの44.5インチの「Tour Length(ツアーレングス)」は全然悪くなかったけど、どの程度の数のゴルファーがその存在を知っていたのか、あるいはコブラがシャフトの短いモデルを、ドライバーに代わるものと考えて欲しいと思っていたのかは分からない。結論としては特に選択肢が非常に少ない分野だと、選択肢があること自体が素晴らしい。
スペック、価格、発売時期
キャロウェイ「パラダイム Ai Smoke Ti 340」ミニドライバーのロフト角は、11.5度と13.5度。
純正シャフトは、「Project X Denali Blue(プロジェクトX デナリブルー)50R、60S、60X)でウィメンズモデルは「Project X Cypher(プロジェクトX サイファー)40g」となっている。
純正グリップはゴルフプライドの「Tour Velvet 360(ツアーベルベット360)」とラムキン「ST Soft」(アンダーサイズ)。
キャロウェイ「パラダイム Ai Smoke Ti 340」ミニドライバーの価格は449.99ドルとなっている。
先今販売は本日スタートで発売日は6月27日。(※日本での発売はまだ発表されていない。)
詳細はCallawaygolf.comまで。
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