「飛距離」は“極めて重要な要素”だ。新しいクラブを購入する際、多くのゴルファーがまず優先的に求めるのが「飛距離」。
ティーグラウンドから遠くに飛ばせることは大きなアドバンテージだが、単に遠くに飛べばよいというものではない。
「飛距離」にはメリットがあるが、“安定した飛び”の方がさらに重要だ。では、『2024年ドライバーランキング』から最も飛んだドライバー3本を紹介しよう!
「飛距離」1位 キャロウェイ「パラダイム Ai SMOKE MAX D」
キャロウェイ「パラダイム Ai SMOKE Max D」は、『2024年ドライバーランキング』で「飛距離」1位だけでなく、「総合」でも3位にランクインしている。
2024年は、“真っ直ぐな飛び”や“バラつきの少なさ”という言葉を良く耳にしたと思うが、これに対してキャロウェイは独特なアプローチでこの性能を実現させようとしている。
キャロウェイが「スイングコード」と呼ぶ25万サンプル以上のスイング結果(同社のフィッティング施設で収集されたエンジョイゴルファーからPGAツアープロまで)は、ロボットがインパクト条件を「推定した」ものではなく、実際のゴルファーがどのようにクラブをスイングしているかを収集したデータだ。
キャロウェイ曰く、「スイングコード」からのアプローチの利点は、ゴルファーに対する最適な解決策をより早く、より確信を持って特定できるようになったという。
この「パラダイム Ai SMOKE MAX D」は、“D”が示すようにキャロウェイの「ドローバイアスモデル」で、「スイングコード」は次のようなゴルファーに該当する。
・打点がヒール下部からトゥ上部にバラつく
・ヘッドスピードが34〜40m/s
・打ち込むタイプ
・軌道に対してフェースがオープンで、スイングがアウトサイドイン軌道。
簡単に言うと、スライサー向けのドライバーとなっている。
キャロウェイによると、この「パラダイム Ai SMOKE MAX D」は昨シーズンの「パラダイムX」以上のドローバイアスモデルとのこと。ネーミングはクラブの特徴を一目瞭然にするために“D”に戻したというわけだ。
我々の性能テストでは、あらゆるスキルのゴルファーを集めテストした「総合」部門だけでなく、各ヘッドスピード別(低・中・高)部門においてもランキング付けしているが、この「パラダイム Ai SMOKE MAX D」はキャロウェイのスイングコードのヘッドスピードに反して、「総合」だけでなく「高ヘッドスピード」部門においても「飛距離」1位を獲得している。
「パラダイム Ai SMOKE」シリーズは、対象ゴルファーの「スイングコード」に合わせて調整された独特のフェースデザインが3つある。そしてこれら全ては、『Aiスマートフェース』にまとめられている
キャロウェイが『マイクロディフレクション(無数のたわみ)』と名付けたものは、キャロウェイにおける『Aiスマートフェース』の局所的な「たわみのコントロール性能」を指す。
多くのフェースがほぼ一定の形でたわむ一方、キャロウェイ『Aiスマートフェース』のたわみは他とは異なるもので、ヒールのたわみがトゥあるいはヒールとトゥの間のいかなる部分のたわみ方とも大きく異なるというもの。
例えば、ヒール部に当たるとカット目のスピン量が非常に増えるのは周知のことで、これはスライサーがスライスしてしまう原因の一つとなっているが、この『Aiスマートフェース』の『マイクロディフレクション』によりカット目のスピン量を軽減することができるとしている。
また同様に、トゥ部分の『マイクロディフレクション』は、フェースの他の部分の結果に悪影響を及ぼすことなくフック目のスピンを減らすことに役立つ。『マイクロディフレクション』は全体的というより局所的なものであり、フェースのより狭いエリアからより良い結果を生み出すように作用するようになっているのだ。
これら全てにおける最終的な目的は、よりバラつきの範囲が小さく真っ直ぐなショットが打てることを特徴としたより良い結果を生み出すことにあり、そして必要な「飛距離」も得られるということ。
「パラダイム Ai SMOKE MAX D」の性能および詳細は、「キャロウェイホームページ」にて確認できるが、この2024年ドライバーテスト「飛距離」1位、そして総合的な結果についても、キャロウェイのテクノロジーが多くのゴルファーにマッチしたということになる。
我々のテスターは「パラダイム Ai SMOKE MAX D」について次のような感想を述べている。
テスターの主観的フィードバック
・「キャロウェイドライバーの見た目に久しぶりに高評価をつけた。見た目が最高のドライバーの一つだ。」
・「非常に安定しており、これまでテストした中で最も飛ぶクラブの一つだ。」
・「反発も大きく、ドライバー部門の“隠れた逸材”だ。“ややドローバイアス”でベストドライバーの1本と言える。」
・「フェース全体のフィードバックは素晴らしい。どこに当たったのかを教えてくれる。」
・「久しぶりにお気に入りになったキャロウェイのドライバーだ。うれしい驚きといえる。」
・「バランスが素晴らしく、“操作性”にも優れており、“飛距離”も出る。またドローバイアスドライバーなのに、座りも良い。」
👍おすすめ層
► 「飛距離」が必要な人:「パラダイム Ai SMOKE Max D」は、「飛距離」のベストドライバーだ。テスターの40%にとって「キャリー」が最高となっており、これは「パラダイム Ai Smoke ◆◆◆」を上回る結果となった。
► 「スライサー」でサポートが欲しい人:「パラダイム Ai SMOKE Max D」は“ドローバイアス”だ。このドライバーは設計上スライスやフェードを抑えてくれ、調整可能な『アジャスタブルホーゼル』にさらに“ドロー”設定にすることもできる。
👎不向きな人
✖︎ すでに「ドロー」打ちの人:「パラダイム Ai SMOKE Max D」は“ドローバイアス”なので、このモデルは避けた方が良い。
専門家の見立て
この「ドローバイアス」ドライバーは只者ではない。非常にパンチ力があるクラブだ。(右打ちか左打ちかによるが)右サイドか左サイドへのミスに苦戦しているプレーヤーなら、このドローバイアスのヘッドを見逃さないように!
「パラダイム Ai SMOKE Max D」は、ヘッドスピードが速いゴルファーから遅いゴルファーまで、様々なゴルファーに適している。しかし、「正確性」には欠けるため、ただ飛ばすだけならこのモデルは突出しているが、購入を検討しているゴルファーは、その点しっかりとフィッティングを受けてから検討すると良いだろう。
ある程度のやさしさ、そして一番飛ぶドライバーが欲しいゴルファーには、これ以上ない選択肢だと言える。
「飛距離」2位 キャロウェイ「パラダイム Ai SMOKE◆◆◆」
「飛距離」1位だけでなく、2位もキャロウェイドライバーが続く。これで「パラダイム Ai SMOKE」の「飛距離」に関するテクノロジーは証明されたようなもの。
「◆◆◆(トリプルダイヤモンド)」はこれまでも同社シリーズの中では一番飛ぶモデルだったが、「パラダイム Ai SMOKE Max D」の「キャリー」が241.38ヤード(1位)に対し、「パラダイム Ai SMOKE◆◆◆」は239.57ヤード(7位)とこの差1.81ヤードで2位となった。
「パラダイム Ai SMOKE ◆◆◆」は、同社の低スピンタイプで、少なからずツアープロや上級者向けのドライバーとなっている。
洋ナシ型の形状で、ヘッド体積が450ccとやや小ぶりなことから、「操作性」が高い部類に入ると言っても的外れではないだろう。
「パラダイム Ai SMOKE ◆◆◆」のスイングコードは次のようなゴルファーとなっている。
・ほぼセンターで打っている
・ヘッドスピードが速い(47〜54m/s)
・スイングがしっかりしている
・軌道がニュートラルからインサイドアウト
・軌道に対してフェースがスクエア
「パラダイム Ai SMOKE ◆◆◆」は、同社の『オプティフィットホーゼル』を搭載したことで、前後のウエイトを変えて弾道とスピン量を調整することが可能になっている。(多くのゴルファーはウエイト変更でスピン量200〜300rpmの差が生まれる)
またややフェードバイアスになっており、フックに悩んでいたり、しっかりフェードさせたいゴルファーにはメリットがあると言える。
今回『Aiスマートフェース』を採用したことで、キャロウェイのテスターたちの中にはバラつきが30%も改善したゴルファーもいるとか…。誰でもこのレベルの向上が見られるわけではないが、これまで「◆◆◆(トリプルダイヤモンド)」が実現できなかったレベルの「一貫性」をもたらし、市場でのリーチが広がる可能性は秘めている。
テスターは「パラダイム Ai SMOKE ◆◆◆」について次のような感想を述べている。
テスターの主観的フィードバック
・「かなり印象的。一番飛んだショットのいくつかはこのドライバーによるものだった。」
・「全体的なデザイン、特にドライバーのソールが気に入った。アドレスでの見た目も構えやすく座りも良い。ドライバーが扱いやすいことが一番の長所だ。」
・「これまでで最も一貫性あるドライバーの一つ。また、“上級者(競技志向者)”モデルとされているにも関わらず、フェースのどこで打っても寛容だ。」
👍おすすめ層
► 飛距離重視の人:「パラダイム Ai SMOKE◆◆◆」は、飛距離のポテンシャルに優れている。テスターの34%にとって、「キャリー」と「トータル飛距離」で一番のドライバーだった。
► 多様性を好む人:「パラダイム Ai SMOKE◆◆◆」は、「飛距離」だけでなく、「正確性」と「寛容性」でもトップ10にランクインしている。最も注目すべきは、バラツキの割合(「寛容性」カテゴリーに分類される)で2番目に優れたドライバーとなった点だ。
► コンパクトな形状を好む人:ヘッド体積450ccの「パラダイム Ai SMOKE◆◆◆」はやや小ぶりなドライバーで、よりコンパクトで上級者好みの形状を備えている。
👎不向きな人
✖︎ ドライバーでスピン量が必要な人:キャロウェイ「パラダイム Ai SMOKE◆◆◆」は“低スピン”設計だ。「パラダイム Ai SMOKE◆◆◆」は2番目に低スピンのドライバーとなっている。
✖︎ 直進性重視の人:「パラダイム Ai SMOKE◆◆◆」は「飛距離」だけでなく「正確性」を重視するゴルファーにも良い選択肢となっている。
✖︎ 価格重視人:キャロウェイ「パラダイム Ai SMOKE◆◆◆」は、PINGと同様高額なため、これが購入をためらう要因になるかも知れない。(※現在の価格に関しては、キャロウェイホームページまたは各店舗のキャンペーン等で異なる。)
専門家の見立て
発売以降、キャロウェイ「パラダイム Ai SMOKE◆◆◆」は、トップパフォーマンスを実現するドライバーの一つとなっており、データも改めてこれを示唆している。このモデルは「飛距離」だけでなく、非常に多彩性にも富んでいる。テスターによる「見た目」、「打感」、「打音」、「購入の可能性」という主観的な視点においても、最も高い評価を受けている。
「パラダイム Ai SMOKE◆◆◆」は低スピンドライバーにも関わらず、ドロップ系(バックスピン量が少な過ぎて打ち出してから直ぐにボールが落ちる)の弾道になることはなく、一貫したスピン量を実現する。
スピン量は「パラダイム Ai SMOKE MAX D」と55rpmの差。テスターのフィードバックを考慮すると、“上級者(競技志向者)”モデルというのに囚われず「正確性」と「寛容性」を備え、「飛距離」も出るというなら、「パラダイム Ai SMOKE MAX D」と「パラダイム Ai SMOKE ◆◆◆」を試打し、比較して選ぶのも良いかもしれない。
「スイングコード」に近いほどパフォーマンスは向上するはずだが、全てのゴルファーがキャロウェイの「スイングコード」にきれいに収まりきるわけではないのだから。
「飛距離」3位 スリクソン「ZX7 MK II」
スリクソン「ZX7 MK II」は「飛距離」3位で「総合」では9位にランクイン。「総合」部門では37モデル中、「正確性」は中位よりやや上に、「寛容性」はやや下に位置している。しかしこれが「高ヘッドスピード」部門では、「飛距離」2位、「総合」3位、さらに「正確性」にも優れている。
スリクソンでは、この「ZX7 Mk II」を真っ直ぐからややフェードの弾道になる低スピン・中弾道ドライバーと位置付けているが、「総合」部門ではPING「G430 LST」、キャロウェイ「パラダイム Ai SMOKE◆◆◆」に続く3番目に低スピンモデルとなっている。
ヘッド体積はやや小ぶりの450㏄で、上級者をターゲット。スリクソン曰く、「クラウンからソールに移行するフェース周囲の丸みの変化に連動するフェース全体の厚みに関してもいくつか変更を加えた。実際、このフェースの半径は全体の構造と『リバウンドフレーム』のたわみの剛性に大きく影響している」という。
このスリクソン独自のフェースをたわませるテクノロジー『リバウンドフレーム』は、簡単に言うと、薄くてたわむフェース(軟)がはまった剛性が高いフェース周辺ゾーン(剛)が、柔らかいリング状のゾーン(軟)に連なり、後方の剛性の高いボディ(剛)が支える構造で、つまり“ダブルトランポリン”と考えてもらえば良いだろう。
この新『リバウンドフレーム構造』により、少なからず0.894m/sの初速アップに実現するという。
そんなスリクソン「ZX7 MK II」の我々のテスターによるフィードバックは、次のようになっている。
テスターの主観的フィードバック
・「クラウンとフェースのコントラストが本当に良い。アドレス時の見た目の美しさもある。フェースも良い感じだ。」
・「本当に印象的で低スピン、素晴らしい見た目と打感を備えている。ダークホースのドライバーなのは確かだ。」
・「打感は自分的にはドン引き。でも一貫性はすごい。」
👍おすすめ層
► 安定して飛ぶドライバーが欲しい人:スリクソン「ZX7 Mk II」は、「総合」と「高ヘッドスピード部門」で「飛距離」に優れたドライバーだ。「ZX7 Mk II」の「総合」では「キャリー」3位、そして「トータル飛距離」では11位となっている。
👎不向きな人
✖︎ 「寛容性」の高いドライバーを好む人:スリクソン「ZX7 Mk II」の弱点は「寛容性」だ。「寛容性」においては37モデル中の20位となっている。我々の「寛容性」の指標は、そのクラブがどのくらい一貫して同じようなショットの結果を生み出しているかで評価しており、具体的には「ボール初速」と「最長と最短キャリーの差」、そして「バラツキ」で表している。
専門家の見立て
「総合」、そして特に「高ヘッドスピード」の結果から、スリクソン「ZX7 Mk II」を見過ごすべきではない。しかし、内部での欠点でシャフトのオプションが少ないとは思うが、これが全体的なパフォーマンスに現れることでもない。市場におけるベストドライバーの一つなので、チェックして欲しい。またスリクソン「ZX7 Mk II」は、まだ“未開”の可能性を絵に描いたようなドライバーだ。専門家のフィッティングを受けて最適なシャフトを選ぶことで、さらに良いクラブになると確信できる。
では、「飛距離」トップ3の各データを見てみよう!
「飛距離」トップ3のスコア&各データ
「飛距離」トップ3 MGSスコア
モデル名 | 総合スコア | 飛距離 | 正確性 | 寛容性 |
---|---|---|---|---|
Callaway Paradym AI Smoke Max D | 9.4 | 9.4 | 7.2 | 8.4 |
Callaway Paradym AI Smoke Triple Diamond | 9.5 | 8.9 | 7.9 | 8.5 |
Srixon ZX7 Mk II | 8.9 | 8.9 | 7.7 | 8.0 |
「飛距離」トップ3 各データ
モデル名 | ボール初速 (m/s) | 打ち出し角 (度) | スピン量 (RPM) | 高さ (m) | 落下角度 (度) | キャリー (ヤード) | トータル飛距離 (ヤード) | 左右のバラつき (平方ヤード) | ストレート ショット(%) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Callaway Paradym AI Smoke Max D | 63.72 | 13.92 | 2,270 | 8.62 | 35.97 | 241.38 | 255.44 | 3,768 | 47.7 |
Callaway Paradym AI Smoke Triple Diamond | 63.82 | 13.06 | 2,215 | 8.15 | 34.43 | 239.57 | 255.75 | 3,434 | 50.1 |
Srixon ZX7 Mk II | 63.76 | 13.19 | 2,217 | 8.26 | 35.40 | 240.60 | 253.35 | 3,766 | 48.4 |
まとめ
「飛距離」は魅力的だが、どのモデルも「正確性」や「寛容性」にはやや劣る傾向にある。故に考え方一つで、とにかく飛ぶドライバーを求めているなら、「飛距離」に最も優れた、そして多くのゴルファーに一番マッチするであろうキャロウェイ「パラダイム AI SMOKE MAX D」がやはり一番の選択肢だろう。
時にラウンドでは、普段出ないスライスが今日はよく出るなんていう日もある。キャロウェイの歴代ドローバイアスモデルは「飛距離」に優れているため、この適度なドローバイアスなら、スライスがたとえ出たとしてもそこまでの大きなミスには繋がらないかもしれない。一方、飛んで且つ安定感のある「パラダイム Ai SMOKE◆◆◆」は、少なからずツアープロや上級者向けがターゲットとしているため、やはり多くのゴルファーにマッチするとは言い難い。先程も述べたように、ややフェードバイアスになっているため、フックに悩んでいたり、しっかりフェードさせたいゴルファーにはメリットがある。
そして、スリクソン「ZX7 MK II」に関しても上級者をターゲットにしている。他2モデルとの違い、テスターの主観的フィードバックは安定した飛びではなく、「見た目」や「打感」に関してのコメントが多く見られた。やはり「寛容性」に欠ける部分が大きく響いているのか?
今回の「飛距離」だけでなく、さらに情報やデータなどの詳細をご覧になりたい方はこちら!
『2024年NO.1ドライバーが決定!37モデルの中で最も欲しいドライバーはこれだ!』
この先、以前程ではないかもしれないがセール期間になりドライバーの価格が下がるだろう。ドライバーの購入を検討しているゴルファーは、お気に入りのドライバーをなるべく低価格の時に購入できるよう予めフィッティングを受けておくのも良いかもしれない。
それが、新品なのか?中古なのか?中古市場でも人気のモデルは動きが早いため、見つけたらすぐに購入できるよう準備しておくことも大切だ。言うまでもなく、その際「飛距離」だけに目を向けるのはスコアアップには繋がりにくいことを覚えておいて欲しい。
※中古価格はこちらを参考にするとよいだろう
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