コブラの新しい「KING Black Edition(キング ブラックエディション)」アイアンは、既存の「KING TOUR(キングツアー)」と「CB/MB」アイアンの終わりの始まりを正式に告げるものだ。

といってもそれほど悪い話ではない。

過去10年間、メーカーは発売から2年以上が経過すると、アイアンの“ブラックバージョン”を出すことで最終年度にテコ入れしてきた。これはアイアンセットの通過儀礼といってもいいだろう。役目は終えたけれど、代わりの製品の準備が整うまで、ちょっぴり見た目をステキにすることで活を入れようという算段だ。

経験則上、準備が整うのはこの1月から次の秋までの間になるはずだが、我々は秋じゃないかと思っている。


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もちろんこれは露骨な金儲けの手段なのだが、同時にこの手の製品はほぼ一様に、マジでクールであるのも事実だ。

ということで、新しいコブラの「KING Black Edition」の「TOUR」と「CB/MB」アイアンそれぞれについて知っておくべきことを紹介しよう。


確かに黒い

何か他の違いやアップグレードを求めているなら期待には添えない。これらは、コブラの「KING」アイアンと 「CB/MB」アイアンの“クローム”バージョンと同じ、ただ仕上げが“ブラック”なだけだ。

そして、どうかくれぐれもお願いだから、「練習場で2回使ったら剥がれる」みたいなホラ話は勘弁してほしい。コブラは、ブラックアイアンに「耐久性」の非常に高い「ダイヤモンドブラックメタル(DBM)」仕上げ を採用してきた。

「DBM」は、柔らかい「1025カーボンスチール」を化学的にヘッドとフェースに浸透させ、文字通り金属自体を一定の深さまで黒くするという単なるコーティングではなく素材の一部となっている。

また、「DBM」にはクラブフェースを僅かながら硬くする効果もあり、全体的な耐久性と溝の寿命を向上させ見た目も良くなっている。


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時代遅れで誤った考え方だが、ゴルファーは「ブラック」仕上げを軽視する傾向がある。約15年前の「ブラックオキサイド」仕上げや「ブラックニッケル」仕上げを振り返ってみれば致し方ない部分もある。

クラブヘッドからシュリンクの包装を外した瞬間から摩耗し始めるんだから。

しかし、「DBM」と同等の耐久性を持つ「QPQ(焼き入れ〜研磨〜焼き入れ)」は非常に「耐久性」が高く、次いで「PVD(物理蒸着)」が続く。「PVD」は他の2つのレベルに達してはいないものの、評価されているよりもはるかに優れている。


コブラ「KING」の「Black Edition」: 2モデル、あるいは4モデル

コブラは「KING」の「Black Edition」アイアンに2つの標準モデルを用意している。まずは「KING TOUR」アイアンのフルセット、それに「KING CB/MB」アイアンのコンボセット(4~6番は「CB」、7番〜GWは「MB」)から選べる。これらが標準モデルであり、右利き用のみがある。


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コブラの「KING TOUR」アイアンはヘッドが大きく、「KING CB」アイアンや「KING MB」アイアンよりも「寛容性」が高い。コブラはキャビティにアンダーカットを施すことで、重心を下げつつ周辺に重量を配分している。アンダーカットには「TPU(熱可塑性ポリウレタン)」インサートが詰められており、「打音」と「打感」の向上に寄与。

「KING TOUR」アイアンはストロングロフト設計で(2度)、「飛距離」も期待できる。

「CB/MB」は全体的にコンパクトで、トップラインとソールが薄く、ブレード長は短く、オフセットは最小限となっている。それぞれのカテゴリーで最もプレーしやすいクラブのひとつで、特に「MB」は驚くほど打ちやすいブレードアイアンだ。


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希望すれば「Black Edition CB」のフルセットまたは「Black Edition MB」のフルセット(右利き用のみ)も手に入るが、これはカスタムオーダー。左利きの場合、「Black Edition KING TOUR」アイアンのフルセット、あるいは「CB」または「MB」のフルセットをカスタムオーダーで注文可能だ。

ブラックの「Lamkin Crossline(ラムキン クロスライン)」グリップと、ブラックPVD仕上げの「KBS $-Taper」シャフトが標準装備。その他のシャフトは、コブラのカスタム部門で対応可能となっている。


5段階の鍛造製法

鍛造アイアンのほとんどは4段階の工程で製造されているが、コブラ(および他メーカー数社)は5段階の工程を採用している。計算の手間を省くために言っておくと、これは鍛造ハンマーを1回多く振るうという5回打ち鍛造製法になる。


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最初の3工程は粗鍛造だ。カーボンスチールのビレットは、華氏約2,200度近くまで加熱され、ゴルフクラブの大まかな形に叩き込まれる。

4工程目では、ヘッドを華氏約1,500度まで冷却、1,200トンの圧力で形状が調整され、ロゴや細かい線が追加される。最終工程では、ヘッドは華氏約1,300度まで冷却され、2,000トンの圧力で叩かれ、カーボンスチールに均一な粒子構造が形成される。

その後、ヘッドは「ミーリング(削り出し)加工」と「DMB」仕上げのために冷却される。

コブラによれば、この5段階の工程により、タングステンや追加のウエイトを必要とせず重心位置をより中央に配置できるという。


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「KING Black Edition(キング ブラックエディション)」の価格と発売時期

<日本発売モデルのスペック>

◆KING FORGED MB/CB BLACK DBM

シャフト:トゥルーテンパー「ダイナミックゴールド EX ツアーイシュー S200」

6本セット(5I-PW) ¥148,500)(税込)

単品(4I / GW) ¥29,700(税込)

11月発売


◆KING FORGED TOUR BLACK DBM

シャフト:N.S.PRO「MODUS³ TOUR 115 S」

6本セット(5I-PW) ¥148,500(税込)

単品(4I / GW) ¥29,700(税込)

11月発売


※下記はアメリカのスペック

コブラの「KING Black Edition(キング ブラックエディション)」アイアンセットが欲しいなら、100ドルの追加料金を支払う覚悟が必要だ。標準のクロームセットは1,299ドルだが、「KING TOUR」セットは7本セットで1,399ドルとなる。また、標準の7本セットは4番〜PWだが、カスタムで3番アイアンとギャップウェッジもラインナップしている。

コブラの「KING Black Edition」「CB/MB」コンボセット(コブラでの呼び名はFlow Set)は、7本セットで1,299ドル(クロームセットも1,299ドル)。標準セットでは、4〜6番は「CB」、7番〜PWには「MB」が採用されている。3番アイアンとギャップウェッジもカスタムオーダーで手に入る。


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Flow Setは右利き用のみの取り扱い。右利きならば、フルの「CB」セットまたはフルの「MB」セットも注文可能。左利きの場合、Flow Setまたは「MB」セットのいずれかをカスタム注文するしかない。

標準グリップはオールブラックのラムキン「Crossline」、標準シャフトはブラックPVD仕上げの「KBS $-Taper」だ。

コブラの「KING Black Edition TOUR」および「CB/BS」アイアンは、10月18日よりオンラインおよび小売店で販売開始。

詳細については、コブラの公式サイトから。