2025年モデルのテーラーメイド「Qi35」ドライバーがUSGA適合リストに登場した。恐らくこれで、主要メーカーが2025年1月にリリースするドライバーたちが全て出揃ったことになる。

USGAのリストを見てみると、テーラーメイドはドライバー3モデルをリリース予定で、目立った変更点もいくつかあるけど、それぞれが「Qi10」と似た感じになりそうだ。


「Qi35」(スタンダードモデル)

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皮肉なことに、新作3モデルの中で一番地味なスタンダードモデルが、最も多くのゴルファーにフィットするはずだ。

スタンダードの「Qi35」ドライバーで一番変わったところは、前方にあるウエイトポートに3gのウエイトが配置されている点だろう。

残念ながら、クラブ後方部分の画像は確認できないけど、この3gというのは特に影響が出る重さじゃないということを考えると、このモデルが前後にウエイトを配置している可能性は高い。

これが単にバランス調整用だとしても、クラブ後方に弾道コントロールができる交換可能な重めのウエイトが搭載されていれば、かなりイケてるアップグレードになりそうだ。


「Qi35 MAX」(「寛容性」の高いモデル)

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この「Qi35 MAX」ドライバーが、今回もテーラーメイドの最高MOIモデルになるのは間違いなさそうだし、MOIはまたもや“10,000の壁”を超えてきそうだ。

だってソールに“10kg-cm²”って書いてあるわけだし。

この流れだと次回のリリースには、クラブ表面にアレもコレも書かれるようになったりして。、少なくともクラブは鍛造じゃないとかタングステン搭載じゃないとか。

閑話休題。

なんだか「10K」は、このまま定番化していくように感じる。全てのゴルファーが最大MOIを追求する必要などないことは伝え続けていきたい一方で、多くのゴルファーが「最大飛距離」を求める時代は終わったことを受け入れながら「寛容性」に注目し始めていることは、すごく意味のあることだと思う。

ある種、場当たり的な数字をどうにかこうにかデカく見せるのではなく、「寛容性」の最適数値にフォーカスしてくれれば良かったのに。


「Qi35 LS」(ロースピンモデル)

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最後に、テーラーメイドは再び主力ドライバーに「LS」(低スピン)モデルを採用するようだ。今回の「LS」の進化したポイントは、前部にあった『スライディングウエイトトラック』ではなく、2か所の固定式ウエイトになったこと。

キャロウェイの「ELYTE」の変更点に近いけど、2つのウエイトシステムにより『スライディングウエイトトラック』をサポートするために必要だった溝がなくなったわけだ。

多分、ほとんどのゴルファーは『可変式ウエイト』を端っこから端っこに動かすだけなので、フィッティングの自由度を犠牲にしても、その分のウエイトを他の部分に使えるのは大アリなのかなと思う。


「Qi35」に対する個人的疑問

グレー全推しはアリなのか? – 「Qi35」シリーズの他の画像を見てみると、テーラーメイドがグレーペイントに全振りしてきた感じがする。個人的には嫌じゃないけど、これまで市場がドライバークラウンをブラック推しだったからさ。

テーラーメイドが過去にホワイトとグレー(Sim)で成功してきたのは事実だけど、今回の『インフィニティクラウンデザイン』について、ゴルファーがこのスッキリした見た目を気にいるか、スッキリし過ぎと感じるかは気になるところだ。


「MAX」のスピン量はコントロールできている? – 個人的にだけど、テーラーメイトがMOIを極端にするための性能上の妥協点にうまく対応できなかったという点で、「Qi10 MAX」はちょっと残念な部分もあったように思う。具体的に言うと、「Qi10 MAX」は昨年モデルの中で一番スピン量が多いわけではなかったけど、高スピンドライバーの一つだったからね。

当然、スピンが必要なゴルファーもいるのは分かるけど、みんなが「Qi10 MAX」を3,000rpm以下にすることに苦労していた。

もしテーラーメイドが「10K」分野でのパフォーマンス競争に勝ちたいなら、「Qi35」は前作をかなり凌ぐ必要があると思う。


今回もカーボンフェースで行くってこと? – これは疑問というよりコメントに近いのは間違いないけど、個人的には、3世代に渡ってカーボンにこだわってきたテーラーメイドが、そうはならない証拠があるものの、カーボン脱却を検討するのかということが気になった。

結局、25年はキープコンセプトのようだ。

USGAによれば全3モデルのフェースには“CARBON”とあるようで、テーラーメイドは今回もカーボン素材を採用しているらしい。

これってどうなんだろう?(これが質問だ)

実際ツアープレーヤー全員が気に入っているわけではないらしい。アマチュアレベルでは、間違いなくそうなっている。改善されているとは思うものの、破損や剥離の課題を考えると、テーラーメイドとしてはそろそろ方向転換すべきだろう。

でも、少なくとも現状ではそのまま。カーボンフェースに対する試みは来シーズンも続くってことだ。


“35”の意味は? – 昨年の「Qi10」の“10”は、10,000 MOIを意味していた(そこまでの数値じゃなかったモデルにもついていた)。さすがに「Qi35」のMOIが35,000ってことはないだろうけど、だったら“35”にはどんな意味があるのだろうか?当初、新ドライバーが「NOVA」になるって噂もあったので、コードネームかちょっとした目眩しだったのかも。いずれにしても、何らかの理由はあるはずだ。


「Qi35」の価格は? – 前回のUSGAの記事でも触れたけど、今は興味深い状況にある。タイトリストが同社ドライバー価格を650ドルに値上げして、その妥当性には議論の余地があるけど価格が品質に見合うことも多くなっているので、競合大手が50ドル差をそのまましておくのかはなんとも言えないはずだ。

それに、高い関税が各メーカーに重くのしかかるのはほぼ確定しているんだから、商品サイクルの途中でコスト増に対応するよりも、今のうちに値上げした方が良いと考えるはず。

正直、最終的にどうなるかはまだわからないけど、絶対的な底値は600ドルで上限は650ドルってとこじゃないかな。


続報までお待ちを!

テーラーメイド「Qi35」ドライバーシリーズの公式発表は25年1月初旬予定。詳細をお届けするまでもう少し待って欲しい。