最近の Most Wanted Hybrid Test(最も人気のあるユーティリティーテスト)で、私達は「ユーティリティーはスコアメイククラブ」だという姿勢で臨んだ。ほとんどの人は気付いていないかもしれないが、前回のユーティリティーの発売から臆面もなく拝借したフレーズだ。ロングアイアンに取って代わる目的をユーティリティーに求めたタイトリストのこの考えに、私は直ちに共感をした。まさしく道理にかなっていて、これまでユーティリティーに関して抱いていた考えに、議論の余地もなく影響を及ぼした。

それがあるから、私たちがタイトリストユーティリティーの長年のファンということを伝えてもさほど驚くことではないと思う。事実、それは私自身とMYGolfSpyの創設者アダム ビーチとの間の絶対的な同意でもある、特定のクラブに関連したトピックの一つだ。私の記憶の限りでは、私達二人ともタイトリストのユーティリティーの愛用者だ。

私は、自分の585Hを売ったことを未だに後悔している。

 

タイトリストといえばボール?

タイトリストは最も先端をいく初代ボールメーカーというイメージがあると思う。それ故、タイトリストのクラブ開発販売における成功はつい見逃されがちだ。例えば、PGAツアーでタイトリストは「ユーティリティー使用率No.1」と言えることはご存じだろうか?私達はツアー関連にはあまり敏感ではないのは事実だが、実際にタイトリスト専属プロ以外の多くのゴルファーがタイトリストのユーティリティーを使用していることから、一部でその活躍が認められていることを物語っているだろう。

ほとんど誰も知らないことだと思うが、タイトリストのユーティリティーに対するマーケティングアプローチは、地味で控えめ、という人もいる。それに関しては正直驚いてしまう。なぜなら、タイトリストのユーティリティーは今もこれまでも本当に良いクラブであり、818は間違いなく確信を高めてくれるクラブだからだ。

余談だが、タイトリストは控えめ、私はというと・・・そうでもない。

 

すべてはタイミング

818の詳細に入る前に、発売のタイミングに関して述べておいた方が良いことがいくつかある。

まず始めに、タイトリストがアイアンとユーティリティーを同時発売することは些細なことではない。業界のほとんどがユーティリティーをドライバーやフェアウェイウッドと一緒に発売するクラブとして扱う一方で、タイトリストはあくまでロングアイアンの代わりだという確信を持ち続け(ユーティリティーはスコアメイククラブと言っていたのを覚えているだろうか?)、ゴルファーが新しいアイアンを購入する同じタイミングでユーティリティーも購入するだとうと考えるのは理にかなっている。

次に、タイトリストは718シリーズアイアンと818シリーズの発表に1週間、時間をあけた。ユーティリティーは、後からじわじわ浸透してくるとタイトリストは考えている。発表までの7日間は、ユーティリティーがいかに求められ、注目を浴びるか確認するための期間であった。

 

818Hラインナップ

818シリーズは、2つのモデルを展開している。

前回発表されたように、H1は、2種の818Hモデルのうちヘッド体積が大きい方だ。H1はあらゆる点で多才かつ競技性がありフェアウェイウッドのようにユーティリティーを使うゴルファーにより適している。

H1はアドレス時に洋梨型の見た目になるよう微妙に形を変えている。

818 H2は、H1よりもコンパクトにアイアンのようなルックスのクラブである。この形状は、PGAツアーに出場するような上級者ゴルファーにアピールできる形だと、タイトリストは信じている。プロツアーで使われるタイトリストのユーティリティーのおおよそ70%が、H2の種類であることから、信憑性があるだろう。H1と比較して、H2はコントロール重視するプレーヤーにより適している。

H2は形状が変わり、H1より攻撃性がある。小さ目で、上級者ゴルファー向けユーティリティーのトレードマークになるようなスクエアトゥデザインを特徴としている。何度も繰り返すが、よりアイアンらしい特徴を意図して造っている。

性能

私たちは飛距離に取りつかれているわけではないとはいえ、飛距離なくしてクラブの性能は語れない。だから、すでに最速のユーティリティーに名を連ねるいる上に、タイトリストは0.2m/sほどボールスピードを上げたと言っておく必要がある。

これは、再設計されたアクティブリコイルチャンネル(917フェアウェイから借りた技術)の効果であり、インパクト時によりたわむことから得られる性能である。1~2ヤード飛距離が伸びるだけでも十分な進化だが、ボールを止める技術も、性能を語る上で欠かせない。だから、もう少し飛距離が伸びた時、ユーティリティーで失ってしまったスピン量を取り戻すことが重要だとタイトリストは気付いた。

これを完成させるため、設計者達は重心を奥深くに設定し、それによってグリーンを捉える性能を上げ、両モデルに10%もの打ちやすさを加えた。

誇張する傾向がある人は、「速さと打ちやすさの両方を併せ持つ」と表現するかもしれない。

比較してみると、H1とH2のボールスピードと打ち出し角は、ほとんど同じはずなのだが、プロモデルに求められるように、H2は少しだけスピン量を抑え、フラットな弾道を生み出す。

これはどっちがどっちというような話ではない。複数のユーティリティーを持っているのは珍しことではなく、一番長いユーティリティーにはH1、一番短いユーティリティーにはH2がしっくりくるという話だ。

どちらかにするか、それとも両方か。フィッターが手助けをしてくれるだろう。

818シリーズに関して更に言及するとすれば、タイトリストは両モデルに対しロフト角を同率に設計し直した。816シリーズでは、H2のロフト角は一律に0.5°立てた。購入に際して、一部のゴルファーは性能ではなくロフト角を基準として選択することがある。ロフト角を平準化することで、タイトリストはロフト角ではなく、クラブの性能が購入理由になるよう望んでいる。

 

フィッティングツール

アイアン、そして全てのラインナップ同様に、タイトリストは818ユーティリーティーを正しくフィッティングすることを強く勧めている。フィッティングと言えば、タイトリストはユーティリティー市場でも最高のフィッティングツールを持っていると自負している。

最初のツールは、SureFitホーゼルアダプターだ。 SureFitは910ドライバーから採用されており、ユーティリティーでも数世代前のモデルから搭載されている。 市場において最も直感的に調整可能なシステムではないとはいえ、ロフト角とライ角をそれぞれ独立して調整できることは、芝の上から打つユーティリティーにおいては特に重要である。

ロフト/フェース角以外に競合メーカーとタイトリストを区別するのは、端的に言えば芝との相互作用である。ドライバーではライ角やロフト角を気にしなくていいという意味ではない。フェアウェイやユーティリティーを手にすれば、芝との相互作用やインパクト効率を妥協する心配のないよう、ゴルファーごとに適正なロフトに合わせる機能が重要になってくる。このことは、見逃してはいけない。SureFitを使えば、どれでも調節ができ、理想の飛びと適切な芝との相互作用を実現できる。

フィッティングの面から見て、これはタイトリストがユーティリティーをアイアンのように捉えているもう一つの例と言えるだろう。

また、818は重心位置の調整が可能なSureFit CGも搭載している。917ドライバーやフェアウェイのように、SureFit CGは重心位置を移動することで、ニュートラルやドロー、フェードが出るように調整することができる。

ユーティリティーに関して最も共通する課題が、左、左へと飛んでしまうことだ。ウェイトをトゥ側に動かすことで左へのミスが減り、ヒール側を重くすれば、過度なフェード(またはスライス)を和らげることができる。この調整機能は独特なものではないが(アダム レッドが最初に言及し、タイトリストが次いでM1シリーズにこの技術を搭載した)、MyGolfSpyが行ったテストでは、ユーティリティーの扱いやすさに大いに影響することを示す証拠が多く見られた。

 

タイトリスト特有の現実的な意味合いで、タイトリストのウッド開発部門ディレクター ステファニー ラトレル氏によると、SureFit CGは優れたチューニング技術だと言う。ロボットテストでは、+/-4ヤードの改善が見られた。この数字はさほどでもないかもしれないが、ラトレル氏は、重心位置(CG)を動かすことで、ミスを減らし、安定したショットを実現することができると加えた。

最後のツールは、追加料金なしのシャフトラインナップだ。これは疑いなく業界で一番の強みであると私は思う。

下の表を見て欲しい。これら全てが本物で、しかも別売りのシャフトと全く同じだというから驚きだ。誰かのために特定に造られたものでもなく、色々なブランドが混じっているため誰もよくわかっていない。タイトリストの場合、何を購入しようとしているか正確に分かるだろうし、本来そうあるべきだ。

このリストで十分でなければ、Fujikura Atmos Red and BlackやProject X Even Flow Blackといったオプションも追加料金なしで購入可能だ。

 

818ユーティリティーの良さとは?

巧みに区別された2つのモデルを通して、6つの個別ロフト角(H1で5つ、H2で4つ)があり、独立したロフト角・ライ角調整機能や、移動可能な重心位置、無敵のシャフトラインナップなど、地味かどうかはさておき、タイトリストは今日の市場で最も完全なユーティリティーを提供している。

ユーティリティーはスコアメイククラブであり、フィッティングが欠かせないというタイトリストの信念と上記の全てが合わさり、818シリーズが進化するタイトリストのユーティリティーの中でも最先端をいくクラブであることが証明されるだろう。

 

仕様・価格・販売状況

タイトリスト818ユーティリティーの小売価格は、各$279.99。フィッティングは9月1日から、店頭販売は9月29日を予定している。