何てことだ…
バカげてる…
一体何を考えてるんだ?
これらは、私たちが書いたいくつかのブリヂストンのクラブに関する記事に対する読者からのコメントだ。あまり褒められたことではない。
J15シリーズ以降のクラブはあまり話題にならなかった。J15が話題になったのは、単に北米でのリリースが5年ぶりだったからだ。
ブリヂストンは2016年に中級者向けのJGRウッドとアイアンをリリースし、2017年に上級者向けのTour B Xウッドとアイアンをリリースした。
以降、今日までに限定版や追加モデルを発売している。これらが計画的にリリースされたものかどうかは明らかではないが、ゴルフ用品メーカーとしてのブリヂストンの将来に疑問を抱いた人は多いはずだ。
しかしJGRとTour B Xシリーズは(少なくともアイアンは)、それぞれが属するカテゴリーにおいて優れたクラブだった。ブリヂストンのフォージドアイアンの質の高さは誰もが認めており、ワールドクラスだと言えるだろう。両シリーズのドライバーとフェアウェイウッドは、特定のゴルファーには手堅いパフォーマンスを得られる、頼りになるクラブであり、Tour B XはMyGolfSpyの「Most Wantedユーティリティー」のテストでも1位に輝いている。
どうやらゴルファーの認識や人気、市場シェアと、実際のクラブの品質との間には明らかなギャップがあるようだ。
これが今回のTour B JGRアイアンとウッドのリリースに至った背景だ。(今年に6月にエンジェル・イラガン氏に代わって)ダン・マーフィー氏がブリヂストンゴルフのCEOに就任して以来初のリリースであり、ブリヂストンにとって重要な局面と言えるだろう。
2つのアイアンセット
ブリヂストンは現在、全てのクラブを「Tour B」として展開するブランド戦略をとっている。上級者向けのプレミアムクラブはTour B X、マスマーケットの中級者向けクラブはTour B JGRがその役割を担う。
フォージドアイアンに夢中なゴルファーにとって、ブリヂストンのアイアンはアイドル的存在だ。Tour B JGR HF-1とHF-2 アイアン(長いので、以後JGRとさせてほしい)はJGRユーティリティーアイアンとJGR CBの代替品である。HF-2は中上級者向けのキャビティーバックだが、HF-1はハイハンディの初級者向けだ。
「HF-1の外観は以前のユーティリティーアイアンよりもシンプルに仕上がっている。フランジは控えめで滑らかなラインで、ボールをより高く上げたいゴルファーに向いている。」(ブリヂストンゴルフ マーケティングマネジャー ザック・クッパーブッシュ氏)
HF-1は、超幅広ソールやフランジからアグレッシブなロフト角設定まで、全てが初級者向けに特化されている。スタンダードな6本セットは24度の6番アイアンから始まり、2本のピッチングウェッジ(P1は38度、P2は44度)となっている。いろいろな意見があるだろうが、このモデルが初級者向けに設計されていることを忘れないでほしい。
「HF-1は、飛距離とボールの高さを求めるゴルファーに向いている。ぜひ打つことを楽しんでもらいたい。初級者向けクラブだが、あえてエンジョイクラブと呼びたい。グラインドをしたり窓枠を通すように打ったりできるゴルファー向けでなく、仲間に遅れることなく楽しんでプレーしたいゴルファー向けに設計されている。」とクッパーブッシュ氏は続けた。
このカテゴリーのクラブは一般的に鋳造されるが、HF-1は1030カーボンスチールで鍛造されている。重心の低いフォージドアイアンを見つけるのは簡単ではない。フェースは非常に肉薄で、トランポリン効果を作り出すためにフェースの下に「パワースリット」が施されている。もちろん全てのメーカーが、オフセンターヒットでのボールスピードのロスを軽減するために、いろいろな工夫を凝らしているのだが。
シャフトはUSTマミヤのRecoil 670と680。スチールシャフトのオファーはないが、軽量スチールのオプションも追加料金なしで別途オーダーが可能だ。前述のとおり、標準セットは6番アイアンからPWで、5番アイアンとAWは別料金で追加できる。今のところHF-1は右利き用のみだ。
標準グリップはブリヂストンイエローのツアーベルベットであるが、ゴルフプライドとラムキンの無料オプションも用意されている。セットの販売価格は849ドルだ。
刺激的な「やさしさ」
HF-2には中上級者向けのさまざまな機能が搭載されているが、1025鍛造キャビティーバックとしては、シングルプレーヤーが使っても遜色のない仕上がりだ。ブレードの高さや長さ、オフセット、トップライン、ソールの厚みなどはスリクソンの585と共通点が多い。心地良い打感と打音をもたらすラバーポリマーを使用している点も同じだが、585と違って外側からラバーポリマーは見えない。
「HF-2のターゲットは、やさしさを必要としているがクラブのルックスにもこだわるゴルファーだ。つまり、大きくてかさばって見えるクラブを嫌い、トラディショナルな外観を好むの人のことだ。HF-2は伝統的なアイアンの形状を継承しており、構えた時に魅力的に映るはずだ。」(クッパーブッシュ氏)
HF-2のロフト角は、キャロウェイApex CF 16やミズノJPX 919 Forgedとほぼ同じだ。標準シャフトはTrue Temper XP 95だが、KBS TourのTour 90と$-Taper Black、日本シャフト950と1050 GH、Modus3 Tour 105、120、125 そしてDG Proなどのオプションが用意されている。標準グリップはブリヂストンイエローのツアーベルベット(ゴルフプライド)だが、無料のオプションもある。
左利きの人には朗報だ。HF-2には左用も用意されている。セットは5番アイアンからPWの6本で、4番アイアンは別売りになっている。販売価格は899ドルだ。
JGRドライバー
2016年1月に初めてJGRドライバーがリリースされた時の2つの重要なポイントがあった。1つ目は、ブラント・スネデカーが6年間使い続けたテーラーメイドのSuperfastからJGRに乗りかえて、ファーマーズ・オープンで優勝したことだ。2つ目は299ドルという価格設定で、通常400ドルというドライバー価格の常識と限界を打ち破ったことだ。
前モデルと同様に、今回の新JGRドライバーも、スネデカー(ウィンダム選手権でも勝利を収めた)だけでなく、マット・クーチャーも使用している。しかし2018年の新モデルの価格は299ドルから399ドルに値上げされている。
JGRは前モデルと同様、イエローが特徴的だ。ドローバイアスと高い打ち出しという点は同じだが、前モデルと比べてクラウンがすっきりし、フェースがそれほど閉じていない。
テクノロジーに関して特筆すべきは、ブリヂストンの特徴である「パワーミルドフェース」だ。
「以前のJGRと比較してミルの深さは2倍になった。USGAの規格に適合しながらも、深さを2倍にすることで、ボールがフェースに食いつき、スピン量やボールの滑りを抑える。」(クッパーブッシュ氏)
以前にもブリヂストンのフェースミーリングについてはお伝えしているが、一言で言えば、ボールがフェースに食いつきやすくなり、滑りを抑えるだけでなく、スピンが200~300prmほど減少するという。パワーミルドフェースはJGRのフェアウェイウッドとハイプリッドにも採用されている。
すべてのゴルフブランドはフェースをよりたわませる方法を模索している。ブリヂストンはこれを「パワーリブソール」と「ブーストウェーブクラウン」を組み合わせることで実現した。
「パワーリブソールはソールをしっかり安定させる。ブーストウェーブクラウンと組み合わせることで、クラウンをウェイブ状に変形させ、たわみを最大化する。つまりトランポリン効果が生まれるのだ。」(クッパーブッシュ氏)
ブリヂストンは一般ゴルファーやロボットでのテストデータを公開していないが、スネデカーは新しいJGRで以前よりボールスピードが2.01m/s向上したという。
JGRドライバーは、次に紹介するフェアウェイウッドとユーティリティーと同様に、USTマミヤ Recoil 460が標準シャフトとなっている。ブリヂストンによれば、Recoilの中~高打ち出しが幅広いゴルファーにマッチするという。アルディラNV、NVS、NV、2kXVも追加料金なしで利用できる。
グリップはブリヂストンイエローのツアーベルベット。追加料金なしでゴルフプライドとラムキンに交換できる。
標準モデルでは、長さ45.5インチ、スイングウェイトはD2、ロフト角は9.5度、10.5度、11.5度となっている。(左用は9.5度と10.5度のみ)
フェアウェイ・ユーティリティー
前述のとおり、JGRのフェアウェイウッドとユーティリティーにもパワーミルドフェースとブーストウェーブクラウンも採用されている。他に進化した点はフェースの厚みに変化を持たせたことだ。これに関しては以前もTour Bのフェアウェイウッドに採用されていたが、これをJGRに改良し、オフセンターショット時のボールスピードの維持を目指した。
フェアウェイウッドのロフト角は右用が15度と18度、左用は15度のみ販売される。標準シャフトはRecoil 460 ESで、追加料金なしでドライバーと同じオプションが利用可能となっている。販売価格は229ドルだ。
オフセットのユーティリティーに不安があるゴルファーには、JGRは向いていない。オフセットはボールが高く上がり、右へそれないゴルファーにはいいが、引っかけやすいため注意が必要だ。
ハイブリッドは右用のみの販売で、ロフト角は19度、22度、25度の展開。標準シャフトはRecoil 780のユーティリティー用シャフトで、アルディアNV、2kXV、KBS Graphite Hybrid、Fubuki Zが追加料金なしで利用できる。販売価格は219ドル。
販売ルート
ブリヂストンのクラブの話でよく耳にするのは、「どこで買えるかわからない」という意見だ。マーケットシェアの小さいブリヂストンは、他のメジャーブランドのようにどの販売店にも在庫があるとは限らない。ブリヂストンもその問題は認識している。
そこで、来月よりテストドライブプログラムを再開する予定だ。3本セットのデモ用のクラブをオーダーして、コースや練習場で2週間試用することができる。シャフトの選択も可能だ。このプログラムは2年前に中止されたが、ベン・ホーガンは同様のプログラムで、この数年成功を収めている。
ブリヂストンにとってもう1つの大きなステップは、クラブチャンピオンとの新契約だ。全国の39カ所でクラブのデモとフィッティングが可能となった。さらに来春までには、小売店にJGRの全ラインナップが揃うフィッティングカートを準備する予定だという。
一歩ずつではあるが、いい方向へ前進しているようだ。
「我々にとっての成功は、まずは話題になること。それがたとえ悪評であったとしてもだ。ブリヂストンはゴルファーにとってメジャーブランドではなく、少しずつ忘れられている。しかし新しいプログラムとパートナーシップによって、販売ルートやデモの機会を増やしたいと思っている。ブリヂストンが抱えている問題は認識しているが、新しいプログラムでいい方向へ向かうと考えている。」
「新しいリーダーシップのもとでの新クラブのリリースは、ブリヂストンが単にゴルフボールだけのブランドではなく、すべてのサービスを提供するブランドであることを広める絶好の機会だろう。」(クッパーブッシュ氏)
新しいJGRのラインナップは、10月8日よりオンラインと小売店で販売が開始される。
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