北米市場におけるマーケット拡大と拡販に向けた挑戦の一環として、ミウラゴルフはオンライン販売サイトを構築した。これにより、消費者がウェブサイトでアイアンセットやウェッジ、パターなどをカスタムし、直接購入することができるようになった。
オンラインサイトでは、ミウラの主力商品をはじめ、限定モデルが購入でき、グリップやシャフト、仕上げまで選ぶことができる。価格はミウラのクラブを扱う販売店と同じだ。
(以下は、上記オンラインサイトのイメージ内の説明文である。)
MC 501 CHROME
三浦信栄氏は、MC 501の新モデルを設計する際、打感とコントロール性能に着目していた。極限まで追求した操作性や世界でも指折りの打感を創り上げるミウラファミリーの評判は高く、それらは新モデルにも必要不可欠な要素だった。通常ブレードモデルは上級者向けとされるが、三浦氏はその枠を超えてアピールしたいと考えていた。
MC 501を見ると、通常のマッスルバックアイアンよりもソール幅が広いことにまず気付くだろう。フェースの全長(ヒールからトゥまで)はミウラのブレードの中でも最も長いため、ブレードだけでなくキャビティーバックを好むゴルファーにとっても魅力的アイアンに仕上がっている。
ミウラゴルフの社長であるホイット・マクギャリティー氏は、「限定感」がミウラの強みでもあるため、今回の試みはミウラファンの意にそぐわないかもしれないが、ブランドにとって必要な改革であり、売上向上だけでなく、より包括的なユーザビリティーを提供する効果的な方法であると述べている。
このオンライン販売サイトは、コントロールが難しい「グレーマーケット商品※を販売する第三者サイト」への対抗策でもある。最もわかりやすい例が、日本のゴルフ用品のEコマースを独占してきた「TourSpec Golf」だ。
マクギャリティー氏は、「およそ10万人もの人が毎月ミウラのウェブサイトを訪れるが、ミウラにはそれをマネタイズする術がなかった」と語る。ウェブサイトは、ミウラブランドや商品に関する基本的な情報を知るために最初に辿り着く場所であることは間違いない。
※メーカーから正規で仕入れていない商品(販売自体は合法)
「この先2、3ヵ月はサイトに変化や改良が見られるだろう。」(マクギャリティー氏)
昨今のマーケットを考えると、メジャーブランドへの対抗策としてEコマースへの参入が不可欠となている。また、それが販売業者をサポートすることにもなるのだ。
マクギャリティー氏によると、オンライン販売サイトのリリース以来、最初は懐疑的だった販売業者においてもわずかな(売上などの)伸びが見られるという。ミウラのウェブサイトによって値崩れが起こったわけではなく、オンラインでアイアンセットを選び、その後販売店で最終決断をして購入に至るという顧客がいるのだろう。
この挑戦が、長期的に流通にどのような影響を与えるかはまだわからない。
これまで販売店で商品を買っていた人が、オンラインへ移行するだろうか(販売業者の売上低下を招く)。それとも、販売チャネルが増えたことでミウラゴルフの売上が上がるだろうか(ミウラにとってはハッピーだが、販売店にとっては違うかもしれない)。
あるいは、全員が得をするような別のシナリオがあるのだろうか。
今後の動向が楽しみだ。
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