今日、USGAの適合クラブリストとPGAツアーに、タイトリストからちょっとした「サプライズ」があった。
TS4ドライバーだ。
想定される質問に回答するところから始めよう。
まず、TS4は昨年秋に発売されたTS2/TS3の後継モデルではなく、モデルの追加にあたる。その目的は、ボールスピードや飛距離を犠牲にすることなく超低スピンを求めるゴルファーに応えられるよう、TSシリーズの受け皿を広げることだ。
ご想像のとおり、TS4の技術の大部分は現行のTSシリーズを継承しており、超薄型チタンクラウンとより薄くなったRadial VFT(エリア別に設計したフェース肉厚)を含むプラットフォーム、Titleist Speed Chassis(タイトリストスピードシャーシ)が搭載されている。
TS4をタイトリストの過去モデルと比較するなら、受注生産モデルだった915 D4が最適だろう。 TS4はD4とは異なり、市販モデルとして発売される。つまり、近くのショップで試打をして買うことができるのだ。
915 D4同様に、TS4はタイトリストのドライバーの中で最もコンパクトな部類に入る。 ヘッド体積は430ccで、タイトリストだけでなく、今シーズンの主要ドライバーの中でも最もヘッドが小さいドライバーになるはずだ(ちなみにテーラーメイドは440ccのM5を発売している)。
低く前にある重心
タイトリストによると、接地面積が小さいTS4は、重心位置がTS2よりも5mm前方にあるという。 予測では、TS4の重心位置は中立軸から約1.5mm上にある計算だ。極端に低くも前でもないが、TS3と比較して300 rpmスピンを減らす重心位置だ。
TS4はどんなゴルファーに向いているか?
「スピンキラー」として設計されたTS4は、文字通り「スピンを減らしたい人」のためのクラブだ。これまで、小型ヘッドのクラブは操作性を求める上級者向けと考えられていた。確かにそれはTS4の想定ターゲットの一つではあるが、TS4がフィットするゴルファーは、それだけではない。
ドライバーのスピン量が2,800rpm以上ある人は、必見だ。
タイトリストは、PGAツアープロの約10%がTS4に移行すると控えめに予測している。TS4のターゲットはボリュームゾーンではないが、ウェブ・ドットコム・ツアー(米国男子 PGA の下位に位置する、いわゆる二部リーグのツアー)に出場するプロや大学ゴルフ部の学生にも使われるだろう。
つまり、キャメロン・チャンプのような、ニューカマーの飛ばし屋がターゲットということだ。彼らはアタックアングルを1~2度下げて、かなり速いヘッドスピードでボールを叩くタイプのゴルファーである。
彼らは飛距離を求めていないので、コーチは彼らのスイングを変えようとはしないし、測定機の数値を最適化するつもりもない。TS4は、インパクトの条件を変えることなくスピン量を減らすことができるので、このタイプのゴルファーの役に立つだろう。
程度は別にして、ボールを上から強く打つタイプのゴルファーもTS4の潜在的なターゲットだ。このタイプは意外に多いが、必ずしもヘッドスピードが速いとは限らない。このように打つとスピンがかかりすぎてしまうのだ。
極端な例だが、ドライバーで4,000rpm以上のスピン量を見たことがある。レッスンを受けたほうが良さそうだが、そんな自分のスイングを気に入っているゴルファーがいるのも事実だ。このタイプのゴルファーが飛距離を伸ばすために、TS4が役に立つかもしれない。
前重心だと「やさしさ」が犠牲にならないか?
理論的には「Yes」だ。前重心になると、MOI(慣性モーメント)は小さくなるが、TS4のMOIは915 D4よりも大きい。
タイトリストによると、スピンの多いゴルファーは、それ自体が原因で飛距離をロスしているという。このタイプのゴルファーは、TS4の低スピンによって飛距離が伸びるだけでなく、飛距離の再現性も向上するだろう。
読者の中には、この考えに異論を唱える人もいるだろう。しかしこれは、Epic Flash SZ(SUB ZERO)が発売されたときにキャロウェイから聞いた話に似ているし、我々も「Most Wanted」のテストでその事実を確認している。
SUB ZEROを含む数モデルのドライバーでは、ボールスピードの安定性(やさしさの指標の一つ)と飛距離の安定性の相関関係は、我々が期待するものではなかった。簡単に言うと、ボールスピードの予想以上に上がったにもかかわらず、安定的な飛距離が出たのだ。
ここでのポイントは、TS4のようなスピンキラーは誰にでも(TS2/TS3がフィットするような圧倒的大多数のゴルファー)合うわけではないが、操作性を求めるゴルファー以外でもより良いパフォーマンスを発揮する可能性があるということだ。
スペック・価格・販売状況
スピン量を200~300rpm減らしたいハイスピンゴルファー待望のTS4の発売は、6月下旬の予定だ。
TS4には、タイトリストのSureFitホーゼル調整機能を搭載しており、ロフトは8.5°、9.5°、10.5°で価格は500ドルだ。 なお、カナダではレフティー用は9.5°しかない。
標準シャフトのラインナップは変更なしで、Project X Even Flow T1100ホワイト65(低打ち出し・低スピン)、HZRDUSスモークブラック60(低~中打ち出し・低~中スピン)、TENSEI AVシリーズブルー55(中打ち出し・中スピン)、KURO KAGE Dual Core 50(高打出し・適度なスピン)だが、発売前にシャフトのラインナップが増える可能性がある。
Leave a Comment