マスターズで印象に残った新ブレードアイアンと言えば、エルドリック・トント・ウッズ(タイガー・ウッズ)の貢献により、テーラーメイドのP7-TWアイアンに軍配が上がるだろう。
ツイッターのインフルエンサーは、タイガーがマスターズで最後のパットを沈めてから、この鍛造アイアンの話題で持ちきりだ。
タイガーのこの新アイアン、P-7TWアイアンは間違いなくゴルフ界最高のプレーヤーのために設計された限定版だ。
そして間違いなく、新アイアンであるT//WORLD 747 ROSE PROTO MBアイアンを正式発表した本間にとっては最悪のタイミングだった。
本間では通常ツアーワールドをクラブの名前に使用している。二つのスラッシュにどんな意味があるのか分からないが、簡潔になるのは大賛成だ。
本間が、ジャスティン・ローズのマスターズ優勝で新アイアンのローンチに華を添えたかったことは間違いないだろう。
しかし、それは叶わなかった。それどころか、オーガスタに叩きのめされローズは予選落ちし、マスターズ景気も得られなかった。
前にも言ったように、本間が真剣にアイアンの主力メーカーだとゴルファーに思われたいのならば、大ヒットしなくても本格派のブレードアイアンを製造しなければならない。
タイミングが悪かったことはさて置き、本間は、あなたが本当に実力のあるゴルファーなら、この本格的ブレードを使うべきであると思っている。
ローズのプロトアイアン
T//WORLD(短く表現したらTW(タイガー・ウッズ)というのは、さらに運が悪い)747 ROSE PROTO MBアイアンは、扱い難いその名前にも関わらず、コンパクトな形状のマッスルバックのブレードだ。
そして名前の通り、1月1日にテーラーメイドを離れ本間ゴルフと契約したジャスティン・ローズとともに開発した、彼のためのアイアンと言える。
ローズは、今年に入ってから自身の名前がついたこのアイアンを出場した全試合で使ってきた。
その中には優勝した(1月下旬にトーリー・パインズで開催された)ファーマーズ・インシュランス・オープンも含まれている。そして、ローズと本間ゴルフは、このアイアンの設計過程に、ローズの意見が取り入れられていることを堂々と伝えている。
しかし、本間の開発チームが、このアイアンをコンセプトから開発、そして使用可能なプロトタイプにするまでわずか3週間で仕上げるという「世界最速記録」を樹立しない限りは、ローズの契約が正式になるずいぶん前からこのコラボは進められていたということになる。
本間ゴルフによると、ROSE PROTO MBアイアンは、本間ゴルフの酒田工場で、「細部まで行き届いた数十年来の研磨技術と工程」により手作業で造られたという。
各番手はS20Cマイルドカーボンスティール(1020の日本版)の鍛造で、それぞれの重心位置は、ブレードを実際に使いこなせるゴルファーが好む弾道とコントロール性を実現するために、精密に配されているようだ。
お好み次第?
P7-TWとROSE PROTO MBは、これ以上ない宿命ともいえるこのタイミングとひねくれたユーモアセンスのおかげで、今後も比較の対象となりそうだ。
見た目は、ROSE PROTO MBがタイガーのブレードよりもほんの少しだけ複雑なようだが、タイガーのクロームフィニッシュに比べてより落ち着いたサテン仕上げになっている。
両アイアンとも魅力的で、後は皆さんの好み次第だ。
スペックは、ROSE PROTO MBの7番ロフト角が34度であることから、上級者向けと言える。
オフセットは、各番手とも0.95mm、10番(PWの日本版)は2.95mmとなっている。一方、P7-TWのロフトはロングアイアンこそROSE PROTO MBと一緒だが、ミドルアイアンとショートアイアンはやや寝ており、オフセットも少ない。
※表内用語:MODEL(モデル名)、IRONS(番手)、HEAD(ヘッド素材)、LOFT(ロフト角)、LIE(ライ角)、FP(フェースプログレッション:シャフトの中心線とリーディングエッジとの間の距離)OFFSET(オフセット)、LENGTH(クラブ長)、SWING WEIGHT(スイングウェイト)
価格と発売時期
ROSE PROTO MBは米国価格で1本あたり175ドル。4番から10番(PW)のセットで、価格は1,225ドル。3番は別売りとなっている。
シャフトは日本シャフトのModus3 Tour 120、グリップは本間のTWが標準で装着されている。
ROSE PROTO MBはすでに発売中だ。
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