お見事
これ以上の方法でイーブンロールパターについて語り始める事はできるだろうか?
まず、イーブンロールパターは2016年の“Most Wanted”でトップに輝いたパターを退けると、2017年には“Most Wanted Blade”と“Most Wanted Mallet”の両タイトルを獲得。
すでにゲーリン・ライフ氏が、これまでにも成功を遂げたブランドを立ち上げてきたこともあり、もう「お見事!」という以外ないだろう。
メーカー各社が、新商品をお披露目する時期となった。リリースされる数多くの商品には圧倒されるものもあるが、微妙なものもある。
しかし、実績ある用品メーカーの新商品であれば、皆さんも注目すべきだし、新しいイーブンロールパターもその注目すべきものの1つだ。
溝の王様
では、イーブンロールパターが他のパターよりもブレない理由は何なのだろうか?それはグルーブテクノロジーであり、全てのラインナップで共通している。
イーブンロールパターは芯に当たってもオフセンターヒットでも、ボールが転がる長さが同じであるため、これまでにない正確性を実現している。
(左)従来のパター
(右)イーブンロールパター
全モデルとも、イーブンロールのフェース全体のエネルギー伝達が同じでバラツキをほぼなくす“スイートフェーステクノロジー”を搭載している。
フェース全体での転がりの差を修正する溝技術を謳っている他メーカーといえば、PINGのTR溝が一例だが、“スイートフェーステクノロジー”は先を行っている。
イーブンロールの溝は、距離のバラツキを抑えるだけでなく正確さも修正する。
上記の図を見てみよう。(イーブンロールパターは)オフセンターヒット時でもボールがターゲットライン内に収まっている。これにより、ボールがカップに近づくというわけだ。
疑いたくなる気持ちはわかるが、念の為お伝えしておくと、イーブンロールパターのパフォーマンスは、MyGolfSpyや我々同様にイーブンロールをテストした他のサイトで何度も実証されている。
データでは、イーブンロールのパターは競合他社のパターよりも多くカップインしているのだ。
新モデル
2018年、イーブンロールパターは4モデルが加わりトータル12モデルにまで拡大。
あらゆるゴルファーのストロークタイプと好みにマッチできるようになり、マレットとブレードタイプも用意されている。
ここからは2018年新モデルとなる4パターの画像とゲーリン・ライフ氏自身による商品説明をご紹介する。
ER1.1
ER 1.1 ツアーブレード
時代は巡る。50年前にカーステン・ソルハイムから生み出されたクラシカルなプランバーネックフランジのブレードパターは、全パターメーカーのスタンダードとなっているが、このER 1.1 ツアーブレードは、当社バージョンだ。
実際のところ、市場にある全てのプランバーネックパターは、パターヘッドのヒール側にあるホーゼルの重量は45グラムほどあり、これによって重心(スイートスポット)がセンターのサイトラインよりもヒール側に移動している。
そこで、ER 1.1 ツアーブレードのヒール部はやや小さく薄くなっており、ホーゼルの前側に溝がある。
これは中央のサイトラインの両サイドに重量をバランスよく配置し、スイートスポットを中央にキープすることが目的だ。
また、ホーゼル下部の一般的なクランク形状をやめて、シャフトが左に傾いて見えることを解消。
ホーゼルの根元をホーゼル全体とスクエアになるようにストレートカットした。こうすることで、フェースのリーディングエッジをスクエアに構えることができ、アライメントが良くなる。
新作について語ることは、これで十分かも知れないが、ER1.1パターは、ANSER信者がパターに求める美観を完璧に実現していると言える。
さらに、このパターは、パフォーマンスが向上する溝も採用した。
きっとバカ売れすることだろう。
ER2CS
ER2CS
オリジナルのER2は、間違いなく最も人気があったブレードパターでMyGolfSpyが実施した2017年の“Most Wanted Blade”で頂点に輝いたパターだ。
ER2はシャフトをヘッドセンターよりもかなりヒール寄りに装着し、5%トゥダウンさせていた。一方、センターシャフトを好むゴルファーは5%程度だと思うが、(レフティのように)その存在がなくなることはない。
ER2をセンターシャフトモデルにするには、シャフトを装着するためにバックフェース部のキャビティを厚くしなければならなかった。
これによりヘッド重量が40gほどアップしたが、重心とスイングウェイトをER2同様にするには増えた重量を割愛する必要がある。
そこで、ER2CSでは、ソール部のトゥヒールに10gの穴を4つ開け、この40gをカット。ER2ミッドブレードと同じフィーリング、安定性を実現することに成功した。
センターシャフトのパターをお店で見つけることは大変だし、センターシャフト好きが不満を抱いていることは間違いない。
そんな中、4つの新モデルの2つがセンターシャフト系というのは喜ばしいことだろう。
また、興味深いことに、これらセンターシャフト2モデルで採用したヘッドは、ヒールシャフトバージョンで“ Most Wanted”を受賞したものだ。
つまりセンターシャフトにパフォーマンスを求めるゴルファーには、選択肢が広がったということになる。
ER3
ER3ウィングブレード
残すことも、取り入れて加えるということも時には必要だ。オリジナルのER3ウィングブレードは、形状よりも機能を重視した従来のデザインとは異なるパターだった。
外側に広がったヒールとトゥにより安定性が増し、これまでとは異なるモダンな見た目が特徴。しかし思ったよりも需要が少なかったため、機能はそのままに、形状だけ変更した。
今回のER3ウィングブレードは、人気だったER2の形状を継承しつつ、かなりの重量をトゥヒールの後方に向けた。
センターキャビティの後方にはカットアウェイ形状を用い、中央のサイトラインに交わるV字が目標を指している。
そしてこのカットアウェイ形状により、ヘッド中央の重量を取り除き、その重量をヒールとトゥ部分に再配置したことにより、安定性が増している。
重量を取り除いた部分も少ないこともあり、ER3をノッチバックパターと呼ぶことはできない。
どちらかと言うと、フランジ後方が少しずつ削られているので、ER3はニブルバックといったところだろう。
中央部から重量を減らすと、重量は周辺に配分されるようになりストロークが安定しやすくなる。
またこの形状は、アドレスでパターを目標に合わせる時に好まれることもあるだろう。
このパターはER3のバージョンアップと言うより、個人的には四角いER2の形状を進化させたもので良かったと思う。
キャビティの四角いエッジは、アドレス時のアライメントに役立つし、これは前作のER3では明らかに難しかった。
ライフ氏が必要なタイミングで再設計するという意欲を称賛したいと思う。これこそが正に科学的手法の本来の姿だからだ。
ER7CS
ER7CS
ER7CSは、MyGolfSpyの2017年“Most Wanted Mallet”のセンターシャフト版だ。
ER2CSと同じような製造の行程を辿っており、またホーゼルをセンターに装着するためキャビティウォールを厚くし、トゥヒール下部の重量を削った。
オリジナルのER7マレットと同じフィーリングと安定性を実現させた。
今年のMyGolfSpyの“Most Wanted Blade”と “Most Wanted Mallet”に選ばれたことで、ER2CSとER7CSは、センターシャフトパターが欲しいと言うゴルファーにも気に入ってもらえるだろう。
ER7CSはもう一本の新センターシャフトパターで、前にも言ったように、このヒールシャフト版は“2017年Most Wanted Mallet”を受賞したモデル。
すでに検証テストが進行中といったところだろうか。
パターの見識について一目置いていた人から、センターシャフトのパターはデザインが最悪だと聞かされたことがある。
ストローク中にブレるし、目標に向くことも難しく、ヒールシャフトのパターのように正確性が出ることなどないと言われた。
しかし、今回のイーブンロールの新作は、単にホーゼルを移動させただけではなく、プレーのしやすさを追求したデザインを採用しており、もしかすると、我々が今見ているものは次世代のセンターシャフトデザインなのかもしれない。
我々のテスターは、ER2とER7でカップインを決めまくっていた。これらのセンターシャフトも同様の結果になるのか?
あるいは、オリジナルのヒールシャフトモデルよりも良い結果となるのか?調査は必ず行うので、結果を待って欲しい。
今回のイーブンパターの新作は4モデル。センターシャフト2モデル、クラシカルなアンサータイプ、ニブルバックが加わり、他の8モデルと合わせて豊富なラインナップから選べるようになった。
そして、まだ噂の段階ではあるが、さらに1モデルが追加され、それがとんでもない新作だという。
このパターはER9と呼ばれるものだが、PGAショーまでお披露目されないため、もうしばらく気持ちを抑える必要がある。
前代未聞のスペックという噂もあるので、情報が入り次第、お知らせする。ゲーリン氏が現状語ったことは以下が全てだ。
ER9は、1月24日から開催されるPGA マーチャンダイズショー2018でMyGolfSpyとイーブンロールが同時に発表。
こうご期待!
一番興味を持ったモデルはどれだ?
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